劇場公開日 2021年3月26日

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「圧倒的な熱量で作られたSFと愛らしいキャラたち、言葉遣いが気になる点も…」JUNK HEAD たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的な熱量で作られたSFと愛らしいキャラたち、言葉遣いが気になる点も…

2021年5月14日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

ファーストカットにワッと広がる、機械的で奥ゆかしい町並み。いきなり忘れかけていた…。これがストップモーションの世界ということを…!

SFらしい設定から、細々と丹念に練られた世界で、人間と新たな生物の交流を描いた本作。あくまで人間の感覚が"郷に従う"ことになるので、その異質な世界をとくと堪能することになる。人間が神様として崇められたと思ったら、ガラクタ呼ばわりされたりと、異文化を隔てて魅せることで、未知な世界を作り出している。その中でも、死生観や生物を取り巻く環境、村などの文化的な構築といった、類似点を生かした展開も面白い。序盤から笑えたし、途中まさかグッとくる場面に出くわすことになるとも思わなかった。そういう意味では、着想と展開がしっかり連結しているからこその厚みなんだと感じた。
一方言葉遣いの乱暴さは気になるところ。ところどころ投げるセリフが時代錯誤で、古さを感じる。3部作を想定しているとのことなので、次回は改善されてほしい。どうももったいない気がしている。その言い回しがキャラ本来の愛らしさを無駄にしている。男性社会を引きずっているより、もっと共栄した和やかさがあると良いのに…と思った。

まさかの逆輸入でミニシアターを賑わせている本作。笑えるところに一体感を覚えるので、劇場の距離の近さを改めて感じた。トリコになる人がいるのも分かる、とびきり濃くて熱いSFモノだった。

たいよーさん。