スパイダーマン　ノー・ウェイ・ホーム : 特集

「スパイダーマン」最新作を期待しているあなたに…
スパイダーマン・ユニバース始動！この特集を読めば
「ヴェノム2」「モービウス」も“観たくなる”

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いよいよシリーズ最新作「スパイダーマン　ノー・ウェイ・ホーム」（以下、「スパイダーマンNWH」）が日本公開を迎える。第1弾予告編が現地時間8月24日に披露されるや、すさまじいまでの反響を呼び、24時間で3億5550万再生という世界記録を樹立した。

世界中の期待感が高まりに高まるなか、ユーザーの皆様も「一刻も早く『スパイダーマンNWH』を観たい！」と気持ちを抑えきれないはず。しかし、実は「スパイダーマンNWH」1本だけ観るのではなく、「ヴェノム　レット・ゼア・ビー・カーネイジ」（以下、ヴェノム2）、「モービウス」の2本も併せて鑑賞することで、これまでにない映画体験を味わえる、という仕掛けがあることをご存知だろうか？

驚くべきことに、実は、上記3作品は“リンクしている”！　本記事では“スパイダーマン・ユニバース”の全容や、見どころや期待ポイントを徹底的に解説。これを読めば、「スパイダーマンNWH」「ヴェノム2」「モービウス」を120%楽しむ準備が整う！

まずは「スパイダーマン・ユニバースって当たり前みたいに言ってるけど、一体何？」という疑問にお答えする。

スパイダーマン・ユニバースとは、スパイダーマンの原作コミックスに登場するキャラクターたちを続々と映画化し、世界観を共有する一連の物語（ユニバース）を展開するプロジェクトの“通称”だ。「アベンジャーズ」などのマーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）のスパイダーマン版とイメージしてもらえればわかりやすいと思う。

12月3日公開の「ヴェノム2」を皮切りに本格始動し、同作の物語が「スパイダーマンNWH」「モービウス」とリンクするという。例えば「ヴェノム2」のキャラが、「スパイダーマンNWH」にも登場する、みたいにクロスオーバーしていくはず……ということはトム・ハーディ版ヴェノムと、トム・ホランド版スパイダーマンの直接対決もあり得る!?　さらに、ドクター・ストレンジらMCUヒーローたちとの共演の可能性すらある！

長年、待ち望まれていた夢のコラボレーションがついに実現するかもしれないため、全世界のファンが期待の熱視線を注いでいるというわけだ。もうなんというかこう、ワクワクが止まらない。3作品それぞれ、どんなあらすじなのかをサラッと紹介するので、頭の片隅に置いておいてほしい。

カリスマ的人気を誇るダークヒーロー、ヴェノムの活躍を描いた大ヒット作の続編。今回はマーベルコミック上ではスパイダーマンとヴェノムが共闘して戦いを挑むレベルの強さを誇るヴィラン、カーネイジが登場。連続殺人鬼クレタスの狂気を取り込んで覚醒したカーネイジの残虐性は計り知れない。ヴェノムとの“最悪”と“最狂”がぶつかり合う。

「スパイダーマン　ファー・フロム・ホーム」（19）に続く、トム・ホランド主演のMCUシリーズ第3弾。世界中に正体がばれてしまったスパイダーマンことピーター・パーカーの、新たな試練と成長を描く。ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが、人々の記憶からピーターがスパイダーマンであることを消す呪文を唱え、マルチバースが出現してしまうが、それが意味するものは……？　ドクター・オクトパスら、過去シリーズのヴィランがまさかの登場を果たすことが示唆されており、ファンの期待を集めている。

「スーサイド・スクワッド」でジョーカーに扮したジャレッド・レトが主演する新作。天才的な頭脳を持つドクターのマイケル・モービウスが、自身の不治の難病をコウモリの血清を使った人体実験により克服していく。病気は劇的に回復し身体が著しく変化していくが、その治療には大きな代償が……。マーベル・コミックのなかでもとてつもない人気を誇る悪役“モービウス”となる姿を描く。果たして彼は、善なのか、悪なのか。

上述の通り、3作品は世界観がリンクするとされている。が、読者のなかには「とはいえ1作品だけ観るでもいいでしょ」と思っている人がいるかもしれない。たしかに1作品だけでも楽しめはするだろう。しかし、それはあまりにももったいない選択だ。

なぜか？　「ヴェノム2」で描かれた事柄が伏線となり、「スパイダーマンNWH」で明らかになる、という仕掛けも予想されるからだ。つまり「ヴェノム2」を観ておかないと、「スパイダーマンNWH」で「何このシーン？　どんな意味？」となりかねない。

同様に「スパイダーマンNWH」で残された謎が、「モービウス」で明らかになる、という展開も予想できる。また、トム・ホランド版の「スパイダーマン」シリーズは、各作品でそれぞれ“どんでん返し的な仕掛け”（例えばピーターが思いを寄せるリズの父親がヴァルチャーだったなど）が用意されていた。「NWH」では3作品のリンクがその仕掛けとなる可能性もあるため、思う存分、あますところなく楽しみたいなら、3作品全てを鑑賞するべきなのだ。

現時点で確認されている、あるいは噂されている各作品の伏線は、例えば以下のようなものがある。

監督のアンディ・サーキスが、他作品とのクロスオーバーを「実現するだろう」と明言

スパイダーマン役のトム・ホランドがカメオ出演することが報じられた

予告編で、「スパイダーマン」シリーズではおなじみのデイリー・ビューグル紙が登場

予告編でクレタスが意味深にクモを手でつぶすシーンが登場

人類が半分消滅したサノスの指パッチンへの言及はなし。ファンの憶測が飛び交っている

予告編でヴァルチャー（「スパイダーマン　ホーム・カミング」のヴィラン）が登場

↑MCUとのリンクが示唆されたことによりファン熱狂。「モービウス」がTwitterのトレンドになる

予告編で街の壁にスパイダーマンの絵が描かれており、それの上にMURDERER（人殺し）と落書きされている

↑MCU「スパイダーマン　ファー・フロム・ホーム」のラストシーンとリンク？　しかし落書きスパイダーマンのデザインが、どうもサム・ライミ版（2002～07年の旧シリーズ）のものっぽい。どのようにクロスオーバーするのか？

……謎が謎を呼び、期待に胸膨らむ一方だが、ここで3作品の予告編をご覧いただこう。

最後に、ファンの間で熱っぽくささやかれている“噂”について解説していこう。例えば「アベンジャーズ」シリーズの今後や、新たなスパイダーマンが誕生などなど、いくつかの噂の真相を探るべく、編集部が独自に調査してみた。この項目を読めば、まだ公式には発表されていない“ちょっと先の未来”（あくまでも予想だが）を知ることができるかも!?

まず「リーダー不在となったアベンジャーズは、ゆくゆくはスパイダーマンが率いていく」という噂。これについて答えてくれたのは、アメコミ映画評論家／ライターのパイオニア的存在である杉山すぴ豊氏（以下、すぴ氏）だ。

「スパイダーマンの指揮下にマイティ・ソーやファルコン（次期キャプテン・アメリカ）が入るとは考えづらい」と否定しつつも、別の“アツい展開”の予想を教えてくれた。

「『ミズ・マーベル』がドラマ化されたり『ホークアイ』で2代目ホークアイが登場したり、今後のMCUは若手のヒーローが次々と出てくると予想されます。ヤング・アベンジャーズなど若手によるチームが結成された時に、スパイダーマンが若いヒーローたちのメンターとなり、束ねていく可能性はあります。実際にアニメシリーズでそうしたエピソードがありました。また、マイルス・モラレス（原作では二代目スパイダーマンとなる）も登場したら、ピーターがマイルスをサポートする展開もあるかもしれません」

アイアンマン／トニー・スタークがスパイダーマン／ピーターを真のヒーローへと導いたように、今度はスパイダーマンが若手たちを導く番。もう想像するだけで、胸が熱くなってくる。

スパイダーマン・ユニバースは、コミックスに登場したヴィランたちを続々と映画化しているわけだが、「モービウス」のその先には何が待っているだろうか？　すでに発表されている作品がある。タイトルは「クレイヴン・ザ・ハンター（原題）」（2023年1月13日に全米公開予定）。

主人公は“クレイヴン”ことセルゲイ・クラヴィノフ。ロシア貴族の末裔かつ狩猟の達人であり、コミックスではブラック・パンサーとも戦っている人気ヴィランだ。ある時、スパイダーマンを捕らえるという依頼を受けるも失敗し、以後、執念深くスパイダーマンを追いかけることになる。

Photo by Rich Fury/Getty Images

クレイヴン役で主演するのはアーロン・テイラー＝ジョンソンだが、彼は過去に「アベンジャーズ　エイジ・オブ・ウルトロン」でクイックシルバーに扮していたため、出演決定時は大きな話題に。スパイダーマンとクレイヴンがビル街を飛び回る、迫力満点の空中戦が観られるかもしれない。

すぴ氏「原作ではクレイヴンには、誰にでも変装できる義理の弟カメレオンがいます。面白いのは、カメレオンの本名はドミトリということ。映画『スパイダーマン　ファー・フロム・ホーム』で、シールドのエージェントで、ピーターたちのバスの運転手になる大きくて無口な男が出てきたじゃないですか。彼はディミトリという名なんですね。名前が似ていますよね。だから彼が本当はカメレオンで、将来的に彼を軸にスパイダーマンとクレイヴンがつながるのでは？」

原作のヴィランたちは、あまりにもスパイダーマンに邪魔ばかりされるため、連合を組んで対抗する。それが“シニスター・シックス”と呼ばれる人気チームだ。

彼らもゆくゆくは映画化される、と噂されているが、果たして実現可能性は？　すぴ氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。

すぴ氏「コミック版での最初のメンバーは、ドクター・オクトパス、ミステリオ、ヴァルチャー、サンドマン、エレクトロ、クレイヴン。この6人はすでに映画に登場しているか、これから登場するらしい面々なんですね。なので、映画でもシニスター・シックスが結成されることも十分考えられます」

「ただ、6人はスパイダーマンを倒すためのチーム。問題なのは、スパイダーマン映画のなかでヴィランとして出てくるのか、それとも6人が主役でスパイダーマンは不在の物語なのか。前者なら予想は容易ですが、後者ならばまったく予想がつきません。『スーサイド・スクワッド』みたいになるのかも？」

製作者の腕の見せどころかもしれないが、どちらに転んでもめちゃくちゃ面白そう……！

以上、特集記事はいかがだっただろうか？　スパイダーマン・ユニバースの本格始動を待ちきれない！という読者の方は、ぜひとも予習・復習として「スパイダーマン　ファー・フロム・ホーム」と1作目「ヴェノム」を鑑賞し、さらに期待を高めながら待機していてほしい。最高の映画体験を、可能な限りベストな状態で堪能しよう！

「スパイダーマン2」（2004）作品詳細ページ

「スパイダーマン　ホームカミング」（2017）作品詳細ページ

「スパイダーマン　ファー・フロム・ホーム」（2019）作品詳細ページ