「スパイダーマンMOVIE大戦」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム Ryuyaさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイダーマンMOVIE大戦
内容は他の方が言っているように、アニメで大ヒットしたスパイダーバースのMCU実写バージョン。色んなシリーズの悪役、ヒーローが入り乱れてお祭り騒ぎ、と日本風に言うなら仮面ライダーMOVIE大戦のスパイダーマンver.といったところか。
クロスオーバーがうまくできているかどうか、という評価をすることは
①映画単体としての物語が機能しているか
②過去作のファンが納得できる造りになってきるか
これらに加え、MCUスパイダーマンとしての独自性があるかどうか、ということが挙げられる。
レビューをみる限り、賛否両論で賛寄りだが、賛否が分かれる部分は②がほとんどのように感じられる。
つまり、クロスオーバーの醍醐味「異なる主人公、敵同士の絡み」と「過去作の改変」を良しとするかという点だろう。
クロスオーバー作品(この作品の場合はマルチユニバースと高尚に言っている)が好きな人であれば、言い方はあまりよろしくないが脳死状態で楽しめる作品となっている。
一方でスパイダーマンのクロスオーバーだからと言って特別興奮しないような人は、やたらと多いラノベのような言い回しや、多すぎる過去作の引用に対しては辟易とするはずだ。
この現象はなにもクロスオーバー作品に限ったことではなく、シリーズ化された作品全てが孕む矛盾であり、スターウォーズにしろガンダムにしろ、いわゆるお約束事と呼ばれるシーンを入れられて白けるかどうか、というのが人によって全然違う。
古典となっている話や、戯曲ですら一定のプロットというものがあり、それを陳腐と捉えるかどうかというのは観るもの、立場によって変わってくる。
つまり、それをもってして良い作品かどうか、観るべき映画かどうかと論ずるのは無理があり、それを言っているのは一個人の感想に過ぎず、へぇーそうなんだってくらいに聞いておけば良いと思う。
長くなってきたので自粛するが、この映画自体は非常に意欲作でスパイダーマンの存在の再定義を行おうとしているが、再定義したところピーターパーカーってやっぱク○だよね!ってところにどのマルチバースも落ち着くというところがまとめだと思います。
スターウォーズにしろ、スパイダーマンにしろ我々への教訓は「力のある者には責任が伴う」ではなく、「力があるバカは、何よりもたちが悪い」ってことで、アメリカ人は自制心のために定期的にこういう説法をエンタメにしがちちの民族だということがよくわかりますね。
以上。