鬼平犯科帳 血闘

劇場公開日:

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鬼平犯科帳 血闘

解説

これまで幾度も映像化されてきた池波正太郎のベストセラー小説「鬼平犯科帳」シリーズを、十代目・松本幸四郎主演で新たに映像化する時代劇シリーズの劇場版。2024年1月放送のテレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」に続く本作では、主人公の鬼平こと長谷川平蔵の過去と現在を交錯させながら、それぞれの時代で愛する者を救うため立ち上がる平蔵の熱き姿を描き出す。

長谷川平蔵のもとに、彼が若い頃に世話になった居酒屋の娘・おまさが現れ、密偵になりたいと申し出る。平蔵にその願いを断られたおまさは、平蔵が芋酒屋主人と盗賊の2つの顔を持つ鷺原の九平を探していることを知り、独断で調査に乗り出すが……。

テレビスペシャルに続いて、若き日の鬼平・長谷川銕三郎を幸四郎の実子である八代目・市川染五郎が演じた。そのほか平蔵の妻・久栄を仙道敦子、密偵・おまさを中村ゆりが演じ、劇場版ゲストとして志田未来、北村有起哉、松本穂香、中井貴一、柄本明が出演。

2024年製作/111分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2024年5月10日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
池波正太郎
脚本
大森寿美男
製作
石原隆
小林智
石井紹良
松下幸生
岡田美穂
高橋敏弘
小川泰
加藤光淑
深川辰巳
飯窪成幸
エグゼクティブプロデューサー
宮川朋之
プロデューサー
田倉拓紀
永富康太郎
足立弘平
アソシエイトプロデューサー
秋永全徳
撮影
江原祥二
照明
杉本崇
録音
松本悟
美術
倉田智子
装飾
中込秀志
衣装
真柴紀子
メイク
大村弘二
北川真樹子
床山
大村弘二
結髪
北川真樹子
VFXシニアスーパーバイザー
尾上克郎
VFXプロデューサー
結城崇史
編集
野澤瞳
音楽
吉俣良
助監督
堀場優
スクリプター
竹内美年子
ラインプロデューサー
溝口豊
殺陣
清家三彦
清家一斗
料理監修
野崎洋光
グラフィックデザイン
青木克憲
豊島恵輔
土屋佳太
フォトグラファー
太田好治
コピーライター
前田知巳
スチール写真
北脇克己
大木仁博
アシスタントプロデューサー
山田倫子
清水拓哉
製作担当
小西剛司
企画協力
石塚晃都
鶴松房治
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(C)「鬼平犯科帳」時代劇パートナーズ

映画レビュー

5.0刺青と宿命は、背負うもの

2024年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 4件)
猿田猿太郎

シリーズ化しちゃえ

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 中村吉右衛門さんのTVドラマでお馴染みの鬼平が、十代目松本幸四郎さんの犯科帳で映画化です。時代劇チャンネル主導の本シリーズの前作『藤枝梅安』の2作が楽しめただけに、本作にも期待が高まります。

 チャンバラ劇の伝統に則って丁寧に撮られてはいるのですが、結局は「正義が悪を懲らしめる」と言う2時間TVドラマになったかな。ワルにもっと魅力と切れ味が欲しいし、ワルなりの道理をもっと突き詰めて欲しかったです。『藤枝梅安』はその点に魅力があっただけに残念。でも、本作の終わり方から察するに次作も撮るんだよね。やっぱり観てしまうかな。

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La Strada

4.5久しぶりに

2024年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

萌える

骨太の時代劇見た。
叔父の中村吉右衛門バージョンも好きだったけど、いやいや松本幸四郎バージョンも負けてない!
池波正太郎100記念作、時代劇専門チャンネルスペシャルという事で力の入れようが感じ取れる良作!
テレビか映画でシリーズ化希望!

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キチ

4.0江戸情緒にやや欠ける

2024年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人間国宝・二世中村吉右衛門丈が身罷られて早や2年半、彼が主演した鬼平犯科帳の最終回がTVにオンエアされて既に7年半が経とうとしています。
改めて彼の偉大な足跡と独特の芸風を偲ぶ思いで本作を観賞しました。

人口に膾炙した名作の映画化とはいえ、時代劇に馴染みの薄い令和の世であるゆえに、事情背景の説明が多く、前半はややモタつき感がしましたが、悪党と悪事がはっきりした後半はスリル感とスピード感が加速していき、観客をハラハラさせて非常にテンポが良くなっていきます。前半は、鬼平が無頼の徒だった青年期に時間を費やしていてもどかしくも思いますが、ここが作品全体の大きな伏線になっています。

後半は、しだいに北村有起哉演じる網切りの甚五郎の極悪非道ぶりが際立っていき、その反動として観客は、鬼平の勧善懲悪ぶりへの感情移入が強まりグイグイ惹き付けられました。そこで演じられる殺陣は、剣捌きの鋭さと速さ、足さばきと体の動きのキレ、腰の据わり方と重心移動の円滑さ、静と動のメリハリが利いていて、大いに見応えがありました。ただ集団での多人数を斬り倒す立ち回りばかりのため、鬼平を演じる松本幸四郎や若い鬼平を演じる市川染五郎の殺陣の技量は判断しかねます。何シーンかは1対1での立ち合いを入れてより迫真性と緊迫感を増して欲しい思いです。
とはいえ、次々と繰り広げられる、たった1人で多人数を相手にする殺陣シーンは、息呑むスリルと圧倒的迫力があって体ごと惹き込まれます。化け物屋敷への一人での討ち入り、罠に嵌められた料亭・大村での騙し討ち、そこから逃げた網切り甚五郎を追った先での立ち回り。多くのカラミをただただ斬り捨てていく殺陣なので、上手さよりも勢いと力強さが漲っていて鬼気迫るものがありました。

そして池波正太郎作品に欠かせない料理映像。芋酒、芋飯、軍鶏鍋は、全て食欲をそそります。食べ物を撮るカットの割り方、微妙なカメラアングル設定、そして鍋や釜、徳利と猪口、卓袱台といった味わい深い設い、これらが相俟って炭の熾った臭い、汁の煮立つ香りが、観客席まで間違いなく薫ってきていました。

カメラ(江原祥二)、照明(杉本崇)、美術(倉田智子)、スクリプター(竹内美年子)、床山(大村弘二)、監督(山下智彦)、京都の現場で鍛え上げられた、日本でも一級の練達たちが腕を振るい各々の技量と才覚によって、一流の本格時代劇に仕上がったと思います。

ただ難を言うと、続編はテレビ放映されるためにテレビ画面風に寄せアップが多過ぎて、その時々に全体像が見えなかったこと、幸四郎の鬼平が吉右衛門の鬼平に比して、ユーモア感は増していたが、それゆえに吉右衛門鬼平が有していた、あの何とも言えない男の艶気が感じられなかったこと、勇壮さ、凛々しさ、精悍さ、といった男っぽさが前面に出て仕上げられていて、それはそれで痛快であり、極悪を成敗した後のカタルシスも得られたのですが、吉右衛門鬼平にあった情感や哀愁には欠けていたことです。
男と女、親と子、友と友、温かくも哀しい人と人との絆の深い情感を、その時代の中でリアルに感じさせる江戸情緒。これをドラマの中で醸成するのが江戸に見立てた景観と造作であり、江戸の食べ物です。
本作では、食べ物は巧く撮られ、家の造作は江戸感覚が漂っていましたが、スタジオやオープンセットでの撮影が多く、京都各地を江戸に見立てたロケ撮影が少なかったように感じます。そのためにしみじみとした江戸情緒感が醸しきれなかったように思います。

観賞後、プロローグでの、鬼平を訪れた‘おまさ’が役宅から出てくる処を上空から撮ったカット、この滋味深い鯔背な美しさと江戸を感じさせる空気感が、残像として強く脳裏に刻まれていました。

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KeithKH

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