Arc アークのレビュー・感想・評価
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この映画は浦島太郎の玉手箱だ
一つ気になったのはリナの娘のハルは何歳の時の娘だろうか?ということ。
リナの誕生日サプライズは90歳だったが25~30歳位に産んだとしても外見7歳でも実年齢60歳前後のはずだけどずっと子供のまんまなんだろうか?
いくら不老化の手術を受けたとしても病気になったり事故に遭ったら結局死ぬのではないのだろうか?
不老化をリナが選択している間の映像はモノクロになっているのは何か意味があるのだろうか?
リナがテロメアの注入をやめた時、ハルもテロメアの注入をやめたのだろう。大人になっていた。そこからの映像はカラーに戻っていた。
死があるからこそ生に意味がある、というのはそれしか選択肢が無かったときの考え方で不老化が可能になってからはまた新しい価値観が生まれる、というのは確かにその通りだと思ったが、最終的に永遠の生(これを体験している人がいない以上想像するしかないのだが)よりも老いて死ぬ事を選んでしまう、というのがやはり普通の考え方なのだろう?浦島太郎も最終的に玉手箱を明けてしまう。
なぜなのか?と考えるに変化のない事は死よりも恐ろしい事だと我々が思っているからではないだろうか?自分なら永遠の生は得てみたいと思う。戦争とか巨大隕石の衝突で地球滅亡とかは体験したくないが、どれだけ科学が進歩するのかは見てみたい。車は空を飛んでるのか?ロボットが仕事をして人間は働かなくて良くなるのか?
飽きればテロメアの注入をやめれば良いだけだ
映像センスと作家性が高次元で共存。脚本が平均以下。でも次も見たい監督なのは間違いない。
「蜜蜂と遠雷」がとても良かった記憶があったので同じ監督の今作を鑑賞。
だが、これは決して面白い作品では無かった。
特に脚本が平均以下で、テーマから来る哲学的だったり詩的なセリフを人間が発するであろう自然な言葉に変換出来ていない箇所が多すぎて早々に臨界点を超えてきた。
シーンとシーンの繋がり、人の出入りも不自然で、見ているこっちが立ち止まって、
なんで次はこのシーンなんだっけ?
なんでこの人とこの人が今ここにいるんだっけ?
と理解する努力をしなければいけない箇所も多すぎた。
理解しようとしても理解できないご都合ワープも散見された。
観客に無駄なストレスを与えないような、上手い脚本家なら当たり前にサラッと使いこなしている技術を、この脚本家(協同脚本の監督も)が持ち合わせていないのが致命的だったと思われる。
しかし、演技が達者な役者が揃っていたので、致命傷はギリギリで回避できていた。
その一方で、映像センスと作家性が高次元で共存している点は評価したい。
決して予算が多かったとは思えないが、それでも鑑賞するに値するSF映画になっていたのは、監督の技量があったからだろう。
出演する作品を慎重に吟味しているような名優がたくさん出ていたのも、この監督への信頼感の表れでしょう。
ちゃんとした脚本家が手がけたハイクオリティな脚本とハリウッド並みの莫大な予算があったら、この監督はどんな映画を作ってくれるだろうか?
そう夢想せずにはいられなかった。
いやこれはなかなかな、、
ケンリュウ製作総指揮となっている。うむ。。
石川監督は海外で修行積んだ形跡もあったはずなので期待していたんだけどこれは邦画SFの新しい何かにはならなかった。
冒頭の秘密クラブみたいなのがカッコよく決まってたらと。この監督、悪い意味で固い。躍動感とかヤバさやエロチックな要素があってもよさそうなところにそれがない。確か『蜜蜂と遠雷』もクライマックスのコンクールの演奏に躍動感が皆無。今回もせっかくカッコいい操り人形みたいなシーンが用意されてるにも関わらず。。そしてなかなか興味の中心を示してくれないのでドラマが盛り上がらない。
前半、もっと不老不死への興味を盛り上げて、後半のそうなった世界でのドラマでカタルシスを、って感じが一向に盛り上がらない。記者会見やニュースの出し方も割とにぶかったな。ただ、次から次へと豪華キャストが出てきてビックリ。期待値は高かったんだけど、、うむ。。
死なない世の中で死を望む自由
人類初の不老不死になった女性の人生を描いたお話
冒頭のリナの踊りがアバンギャルド過ぎて『なんやコイツ!?』と思っていたけどその後の言動が普通だったので
イキったはずかしい踊りシーンいらないんじゃないの?と思いながら視聴開始
そしたらエマも変な踊りをしていたのであの会社はダンサーを求めていたのだなと理解した笑
最初は不死になったはいいけど大事な人を失って生き続けるのは辛いよ。時には死だって良いものだよ〜みたいな結末になるんだろうと思っていた
でも全然説教くさくなくて単純に1人の女性とその家族の決断を見せてくれた事でこちらも生と死について少しは考えることができた
絶対泣き喚きながら叫ぶ奴出てくると思っていたのに笑
さまざまな理由で永遠の命を手に入れられなかった者や一度手にした永遠の命を手放す決断をする者
最終的な結末は同じなれど選択の自由を持つ者はやはり幸せなんだろうと思った
なんだか観ていて胸にグッとくる映画でした
でも芳根京子の美しさが1番グッときたよ
最後に一言
さすがに腕のオブジェ化は娘に悪影響な気がするよ
センスがある!
さようならメロス
「風吹ジュン」「小林薫」「寺島しのぶ」そしてラストカットの「倍賞千恵子」。方々の醸し出す匂いで集中をギリギリ保てた。方々を感じる為にだけでも足を運ぶ理由になり得るかな。
ネタは好みだし、原作に興味がモリモリ涌いてはきたけれども、要所要所がピンと来なかった。画面は好きなんだけれども、演出なのかなぁ…。芳根さんも勿論頑張ってはいるのだけれども、時間を感じないと言えばいいのかわからないけれども、60年という時間から来る達観さが皆無過ぎて、そこだけが残念。しかもそれが終盤の非常に重要な要素だっただけに。
芳根さんは、やさぐれてる時の口紅付けるシーンが凄く良かった。個人的にはそれこそピンと来ない方だったけれども、このシーンの瞬間にピンときましたね、すんません(苦笑)。
諸々だらだらと書き連ねましたが、〆に言いたい事はただひとつ。「ハルちゃんハンパねぇ!」です。ナチュラルボーンキラーでした(意味不明)。
いい?生きることの対極にあるのは死ではないのよ。生きることの中に死がある。
不老不死。遠くは始皇帝も固執した、永遠の命。弘法大師だって望んだことだ。その技術が、科学的に可能となった世界の話。ただし、その数だか資格だかには制限がある。それでも全員が希望するわけでもなく、しない(そのまま老いて死んでいく)という選択もある。おやおや、ちょうど今のワクチン接種の現状に似ていなくもない。
人類が永遠の命を手にした時、それが科学的にも宗教的にも受け入れられた時、それは人類にとって進化なのだろうか?
・プラスチック片に封入された昆虫標本の置物。
・万年生きるという亀の死と、亀を弔う、変わらぬ姿のまま生き続ける人間。
・見た目年齢が混乱している、母と兄と妹と兄嫁の四人の家族写真。
・モノクロの画面が、過去ではなく未来。
・薄っぺらくない、フミの「生まれ変わったら、私のこと見つけてね」というセリフ。
ほかにもいくつものアンチテーゼが潜んでいる。
たぶん人生の選択をしたリナの脳裏には、エマの「自由に行きなさい。罠にかからないように。」という言葉が浮かび上がったのではないだろうか。そして、自分の人生に確信を持てたからこそ、虚空を強く握りしめたのだろう。
そしてこれは自分の好みの問題なのだが、どうも芳根の演技が苦手だ。時に、セリフ回しが早口なること、時に、間を外すように大きく息継ぎをすること、何かに迎合するような卑屈そうな笑顔を見せること。このキャスティングで、減点0.5
芳根京子の演技がずば抜けているが
これはSF?
意味不明なストーリーが延々と続く。
前半と後半でストーリーは分断され、後半はなぜかモノクロ映像になる。
建物や設備は昭和に戻ったかのように前近代的だが、テーマは不老不死の医療技術が開発されるというSF的な内容だ。
“空想的ストーリーが延々と続く。そのような未来は決してやってこないと思われるが、緩慢にストーリーは続いていく。
話はオチに向かい、意味不明なカットとセリフは、さらに積み重ねられていく。
100年を2時間で描く。実際には2時間だが、居眠りしていても時間は進まない。
結論は、生き続けることが幸福ではなく、死もまた、人間にとっての幸福ということなのだろうか。
まわりの人が死に絶えた後に、生き続けるのは辛いことなのかもしれない。
原作は読んでいない。描かれている世界観もよくわからない。
見ているうちに、自分が浦島太郎になってしまいそうな気分になった。
石川監督の「蜂蜜と遠雷」はシナリオ、キャスティングとも素晴らしかったですが、このSF作品はちょっと評価しづらいですね。
次回作に期待しましょう!
テーマも設定も興味深いものだったのですが、、、
セピア色の世界
未来に見えない
芳根京子が好演していて、観応えはありました。
生死をテーマとすることで、人はどう生きるかに焦点が当たる作りは、哲学的でさえあります。
ただ一つ不満があって、今より少し未来の世を生きる17歳の少女が、そこから1世紀超の間を過ごすにしては、背景となる街と建物、服に車や船、カメラや電話などのガジェットまで、時代が変わっていったように見えないのですね。
ずっと2015~2020年くらいの文化水準に思えちゃう。
その辺、同じ時期公開の『夏への扉』がなんとなくであっても処理できていたのと対象的で、本作は雑でした。
主人公のいる空間、そのそばだけというので処理しようとしてたみたいですが、これって映画向きの素材ではなかったんじゃないかと。
原作の小説という表現以外だったら、おそらく舞台演劇なら可能だったかもと。
それでも映画にしたいのであれば、ハリウッドなど十分にCGを使える環境でないと、手を出しちゃいけない原作だったように感じました。
失礼ですが・・・これ、失敗作ですよね?
好きな女優さんの一人である芳根さん主演って
ことで鑑賞です。
蜜蜂と遠雷が好きだったから、
不老不死というSFテイストの設定だったから、
とにかく期待してました。
それが・・・良くなかった。
いやー、肩透かしもいいとこです。
原作未読です。
原作ってこういう着地なのだろうか?
なんとも壮大なテーマを扱っていますが
え?そんな着地?
え?ラストのセリフだけで語ったの?
それが言いたかったこと?
薄い!浅い!チープ!
なんじゃそりゃ?・・・です。
そこに至るまでのドラマがない。
前半のなんやかんやは一体何だった?
いや、そもそも前半必要かな?
あの結末ならば。
兎にも角にも、ただ時間を使い、推察するに
小説内の描写を映像化することだけに必死と
なり、内面の変化や心情の移ろいを全く描くこと
をせずに話を進行させていく。
だから、こちらとしてはなにも感情が動かない。
「何故」を描かない作品特有の「薄さ」だけが
際立つのです。
登場人物全員の同期と背景がさっぱり伝わらない。
いや作られていない作品でしたね。
上滑り甚だしいセリフだけで良い話だなぁ〜な
持っていき方をする作品、嫌いです。
だって、状況を映し出すだけで、
「で?」の連続なんだもん。
本作は人間の生死や命のあり方を語ろうとして
いるようですが、こんなことが、あったんです、
と言うエピソードを描くことで終始し、
伝えたいことは発言理由がわからない
かっこいいセリフで伝える。
・・・なんだかなぁ。
ちなみに、肉体は衰えないけど、考え方や人との
接し方が若いままってことはないはず。
主人公の後半の立居振りまいなどに違和感
しかなかった。不老不死の人は見たことないけど
経験を重ねた人間に見えないんだよな。
それっておかしくないかなぁ?
本作のエグゼクティブ・プロデューサーに原作者が
名を連ねているんですよね。
うがった見方ですが、結構脚本に口を挟んだのでは?
なんて思っちゃいます。
あれもこれも詰め込みすぎて拡散して消える。
残念な一作です。ワースト候補です。
終わりがあるから今が楽しい
ドゥニヴィルヌーブっぽい
生命は不可逆の現象である
人類の歴史上の岐路には屡々天才科学者の存在がある。19世紀から20世紀は天才科学者を輩出した時代で、特にマンハッタン計画に携わった沢山の天才科学者は有名だが、話が物騒なので違う例を出すと、やはりコンピュータとインターネットである。世界中の社会生活を劇的に変化させたと言っていいこの2つの発明にも、やはり多くの天才科学者の功績が寄与している。
本作品では人類の長年の夢であった不老不死を実現させた社会を描く。長年の夢と言っても、実際に不老不死を夢見たのはファラオをはじめとする支配層たちである。死ななければこの世の栄華をいつまでも享受できる。支配されていた人間たちは不老不死よりも、この世の地獄からの脱出を望んでいただろう。つまり不老不死は、必ずしも人類共通の夢ではないのだ。
美魔女と呼ばれる女性たちの出番がなくなるのはある意味で痛快だが、本当に不老不死が望まれるのは世の女性たちではなく、天才科学者や優れた芸術家たちであろう。研究するため、あるいは芸術を創出するためにもっともっと時間が必要な彼らが、80年やそこらで死んでしまうのは惜しい。生きるために生きる人々ではなく、何かをするために生きる人々にこそ、不老不死が相応しい。
しかし本当にそうだろうか。老いることも死ぬこともないと自覚したら、優れた研究や素晴らしい芸術が創出されるだろうか。桜が散らなくなってしまったら、誰も見向きもしなくなるだろう。花は散るから美しい。よく言われる言葉だ。人間も同じではないか。
小林薫の存在感が圧倒的で、芳根京子をはじめとする小娘たちを塵のように軽い存在にしてしまう。その妻を演じた風吹ジュンとともに、生が死を内包しているから人生なのだという事実を主人公に突きつける。不老不死が実現した世の中で流れるニュースは、加速度的な少子化と自殺件数の激増だ。
難しいテーマのように思われそうな作品だが、それほどでもない。熱力学第二法則は、これからも覆すことは出来ない。生命においては、エントロピーの増大が細胞の再生サイクルを上回るときが必ず来る。細胞の再生サイクルを延長することはできるだろうが、熱力学第二法則がいつかはそれを凌駕するのだ。生命は不可逆の現象である。
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