「石川慶」Arc アーク Yさんの映画レビュー(感想・評価)
石川慶
「生きてるだけで、愛」でも思ったけど、映画を見て1番最後に見るのがエンディングだから、めちゃくちゃ大事。世武裕子ってすごいなーって思った。西川美和の映画がどれも音楽があんまり好きじゃなくて、それに比べて石川慶の映画は全部音楽が良い。良いってゆうか、好き。北野武の映画も音楽が違ったらまた違うだろうし、自分の中で映画における音楽ってかなり重要なんだと気づいた。
ラジオから自殺が増加してるって聞こえてきたシーンは、清水くるみがいないってなった時点で、あー自殺したのかなって思ったら誕生日のサプライズで、ある種裏切られたような感じで良かった。この感じは「蜜蜂と遠雷」でも「愚行録」でもあったしすごい好き。肝心の誕生日サプライズもなんだか不気味で哀しくて、すごいシーンだった。
もしかしたら、白黒になってからは、不気味というより哀しい感じに寄せてるのかも。不老不死の不気味さと哀しさ。音楽とかも、明るい音楽が逆に哀しく感じられたりとか。
白黒に切り替わった時点で、「ピンクとグレー」を思い出して嫌な予感がしたけど、こっちはめちゃくちゃ良かった。
ほくろに役割を与えたのは、「点」とのつながりを持たせたかったからと感じた。時間ってゆうつながりがある。始まりと終わりがあるのは点じゃなくて、線。つまり、不老不死の人生はあくまで1つの点である。生まれ、成長し、老い、死ぬ。この時間の流れの中にあって初めて、線となる。
最後のシーンで女優を変えたのは、老化というものに変化というものを内包させたかったからかなと感じた。
ずっと、変化を拒むか受け入れるかという話だったから、芳根京子じゃなくなったことでより、老化というものを実感できる。
生まれ変わったら、、、のくだりで、芳根京子が死ぬことの意味を感じたのかなーと思った。
映画は、生涯忘れられないであろうシーンが1つでもあれば、見て良かったなーと思える。この映画は間違いなく、見て良かった。それも、劇場で。