「掲げたテーマはどこいった」Arc アーク Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
掲げたテーマはどこいった
夏への扉と合わせて今週は邦画SFざんまいか
という感じで観賞
ただ予告からは??????という印象
小説が原作だそうですが未見です
当初は生きているかのような剥製に
留まっていたものの
不老不死の技術を手にした人々が
生と死をどう捉えるかという話
感想としては
序盤から実験映画のような展開で
興味を離してしまい
扱おうとしている生と死と言うテーマに
あんまり届かず
利己的な登場人物達に共感も出来ず
後出し設定の展開でキツかったです
とにかく妙にアート志向な作風なのですが
正直かなり置いてけぼりです
血液等を樹脂に置き換えて剥製にする
プラスティネーション自体は実在しますが
操り人形のようにポーズを色々変えて
樹脂を流し込む演出はポカーンです
また主人公のリナは放浪していたところを
その剥製の会社の女社長に拾われて
働きだすのですが動機はハッキリしておらず
また産んだ子供を置いて失踪したとか
クズエピソードも言い出し共感性がサッパリ
上がらない困った展開
で知らない間に女社長の弟の不老不死の研究に
協力していきますがリナはそういう事に
興味を持っていく動機が全く判らないまま
その弟と結ばれ不老不死を実現する特殊な
細胞液を体内に注入し夫婦で不老不死に
なります
なんかこの作品いかにも不老不死になることが
素晴らしいに決まっているかにのように
描写するのですが後付けでお金を出して
不老不死になる施術を行う関係で
カネが無い貧乏人は出来ないと言った
問題を取り上げますが別にカネがあるから
やるといったものかと言うと首をかしげるところ
人間って昔は50-60代で亡くなる事もざらだった
時代ならもっと生きたい永遠に生きていたい
という欲求が今より多かったかもしれませんが
現実の現代のような社会的な役割もとっくに
過ぎて80-90代までやることもなく生きて
認知症になっていく現実を見るに不老不死に
皆そうあこがれがあるだろうかという疑問が
観てる側に拭えない部分があると思います
ちょっと前に「人間失格HUMANLOST」って
同じようなテーマのアニメ映画がありましたが
あれも生と死を扱うテーマを掲げて
全然表現出来ておらずひどい作品でしたが
この映画も同様でした
誰もが何らかの意識を持っている
普遍的なテーマを独善的に扱うと駄作になります