「加齢は止まった。でも背景全てが令和3年のまま。かなり苦しい。近未来はまず形からでしょ?」Arc アーク 満塁本塁打さんの映画レビュー(感想・評価)
加齢は止まった。でも背景全てが令和3年のまま。かなり苦しい。近未来はまず形からでしょ?
いやいや、上映前に、映画館の広告ウインドウだかを独占してた近日公開「ハニーレモンソーダ」の広告。Snow Manだかの「ラウール」(すげえ芸名だなぁ!!ビックリ!)。貧相なブサメンにレモン色の髪。とても大人には受け入れられない。だらしない馬鹿面ブサメン。ただ、今はこういうのも「イケメン」の部類に入るのか?オジサンは愕然としたよ。時代は変わる。
時代は変わる。
記録映像も映画も、昭和20年代と昭和50年代と令和3年では、三様でそれぞれ、映像の劣化具合は除くとしても、服装髪型から家具、日常用具、通信手段、車等の交通手段、衛生状態、街並み、言葉遣いまで、それぞれ時代によって大幅に異なる。
不老不死って究極の科学的発展だから、今から少なくとも500年はかかる。それが数十年後に実現ってだけで型破りの飛躍なのに、背景が平成、令和3年と何も変わっていない。
未来の通信やパソコン描けないから、エマだかの執務室。通信、事務機器が何もない。手書きアナログ。会議も記者会見も手書きプラス写真。小型のマイクロレコーダーも記者会見に現れない。スマホも誰も使っていない。おまけに車は今現在の車式で、服装も髪型も令和3年のまま、おまけにオフィスはウッディで自動ドアすらない。主人公のリナの背景も何も変わらない。
しかも、田舎の漁港そのままで撮影って、一体どういう未来。木造建築物は朽ち果てるはずだけども「2001年宇宙の旅」「マイノリティ・リポート」レベルまで近未来描かなくてもいいけども。ここは劇団の公演でなくて映画館。ついていけないよぉ。医学だけ急激異常に発達って。・・・そりゃ都会レベルの未来の風景が描けない苦心は痛いほどわかるけども、それ押し付けられてもなぁ。いやいや癌すら克服できてないで、不老不死かよ。そりゃ言いたいことはわかる。長寿プラス老化しないのは良いことだけれども、限りある生命だからこその、かけがえのないものがある。それはわかる。でも、モノクロの使い分けもハンパだし、岡田将生演じる主人公の夫の突然の老化も描ききれていない。
岡田将生が確かに若作りなのが皮肉。芳根京子はまあ年相応。岡田将生なんか若くなってるなぁ。
とにかく死者を操り人形みたいにする描写は不謹慎だし、局部は描けないのはそりゃわかっているが、何で江頭2:50やぶとうか舞踏家の麿赤兒じゃないんだから、服着せろって、中途半端なセミヌードって死者に失礼。
実際には仮に不老不死の「不死」は無理だけども「不老」実現するとしても、もう住まいもオフィスも交通手段も田舎の風景も今の時代は原型をとどめていないよ。江戸時代からたったの150年ですら、全てが変わっているのだから。
原作の言いたいことはよくわかるが、せめて最初から視点が限定される前提の演劇芝居でやるべき作品。映画は多少のリアリズムは必要だから、苦しい苦しい。時代は日々刻々と変わるのよ。当たり前だけども。それにしても、岡田将生若くなってるなぁ。【あとの2001消せません、iPad使いにくいなぁもう!】
2001
そういえば、食べ物、青いゼリー状のハンバーガーみたいのだけ、近未来でした。しかしながら青色は人間の本能で食べ物として拒否するので絶対に未来にありえない描写。なんか歯磨きチューブみたいのかけるのもゾッとしますし、なんでハンバーガーだけ未来に進んでんねん??と違和感大でした。無理目な挿入は逆効果かと。 本人
満塁本塁打さん
コメントありがとうございます。
そこ、気にはなったんです。だから白黒で誤魔化してるのだろうと大目に見ました。
歳は取るけど見た目は変わらない、時代の変化をどう表現するか期待したけど、カラーと白黒かい!みたいなツッコミは入れたくなりました。
満塁本塁打さんのレビュー、大いに共感してます。