クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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イーストウッドはイーストウッド
若い頃はタフガイ。老人になってからは、その老齢を生かした若い頃はタフガイだったの脚本。彼の俳優としての円熟を生かし切った作品。御歳91歳のイーストウッドは、全く畏れ入るほどの名優であり、監督だ。2022年でも彼の勇姿が見れるとは!後、何本くらい彼の作品を目にすることが出来るだろうか-
脚本家ニック・シェンクの過去2作の組み合わせでしかない!!
『運び屋』や『リチャード・ジュエル』に関しても、決して悪い作品ではないが、傑作というには、ほど遠い作品を連発している。しかし「さすがイーストウッドだ」とか言っている人が多くて、いったい何処を観ているのだろうか…….
撮影方法や技術面に関しては、否定することは全くなくて、脚本に入っているかどうかの問題もあるが、物語の構築が単調でしかない。
クリント・イーストウッド監督作品は、なんでも素晴らしい作品と言わないといけないようなバイアスがかかっているのは、いかがなものかと思う今日この頃。
今作も地味な作品の割には、特別濃厚な人間ドラマがあるわけでもなく、描いていることは王道でシンプル。しかも今回は全体的なプロットが『グラン・トリノ』と『運び屋』を組み合わせたようなものであって、それは2作の脚本家ニック・シェンクを再び起用していて、脚本家の問題にも思える。
もはやイーストウッド作品に新しさを求めるのは無理な話で、いつものような作品を撮る監督だと割り切って観るのであれば、ある程度の安定感はあるだろうが、観ている側が無理に良い点を探さなければならない負担に疲れる。
当てつけというべきか1週間差で公開される元イーストウッド組ロバート・ロレンツの『マークスマン』がコテコテに、麻薬カルテルや人身売買といった治安の悪さを主張した「ザ・メキシコ」的作品だったのに対して、別方向からのメキシコのアプローチが随所にあることと、少年ラフォ役のエドゥアルド・ミネットの演技が上手いのが唯一の利点だ。
イーストウッドが終始、学校に孫を迎えにきたお爺ちゃんにしか見えず、悪役の女性やメキシコの未亡人からアプローチをかけられる不自然さを感じてしまう。そこはイーストウッドの女性好きな部分や、いつまでも自分を美化する意識が抜けていないようでならない。
未亡人と孫たちと擬似家族のような関係が築かれていくが、たまたま会った80代後半か90代の老人に恋愛感情を抱くだろうか……物好きと言ってしまえばそうだろうが、さすがに無理がある。
強くなりたい
かつては優秀な馬乗りとして名をはせた老人が、恩人からの依頼で毒母のもとから連れ出した少年と旅するロードムービー。
恩人とは言えちょっと他力本願すぎる父親に頼まれ、煽り度MAXアバズレ母さんの元へ行くマイク。
探せるものなら探してみろとのことで、成程、ここから少年を探す冒険が始まるのかと思ったら…見つけるの早ッ‼
程なくして、警察や母からの刺客をやり過ごしながら、テキサスを目指す旅が始まる。
強さに憧れるラフォの気持ちが身に染みる‼ワタクシもその年の頃は、自身の弱さ・無力さ故強い男に憧れたものです。自立した今も、やはり強さには憧れますね。
道中は中々面白かったですね。酒を飲むなと注意するマイクだが、あんたも今はダメでしょw
緩いのかなこの地域は。
アウレリオはちょっとおバカさん!?助けてくれたメキシカン達、正義感あって素敵だがちょっとやり過ぎではw?
そしてマルタは最高‼察しの良さと優しさで沢山助けてくれましたね。女の子たちとの時間もホンワカしてて、ホントこのままで良いのではと思ってしまうほど。
形は違えど互いに孤独なマイクとラフォの暖かな交流を描きながら、時折訪れるピンチにはハラハラしたし、物語としてはとてもグッド。
「運び屋じゃないぞ」には少しツッコみそうになったが(笑)ここファンサ!?
そしてアウレリオ…もはや何だか可哀想に(笑)
終始良かったんだけれども、ラストに向けての流れは、何と言うか打ち切りドラマの如き詰め込み感が激しくなかったですかね?ちょっと色々展開が唐突過ぎて。。んで、ここで終わりなの!?お父さんの考えもあったし、なんか重要なポイントが残ったままのような…
まぁ、ここからはラフォ自身が本当のマッチョになって頑張れ‼…って思う所かな。
話が良かっただけに、後半のテンポの良さというか端折り感が少し気になったので、あと20分長くて良いからじっくり観たかったな~と思った作品だった。
運び屋じゃないぞ!
とにかく印象的な言葉がこの「運び屋じゃないぞ」と「ドリトル先生じゃないぞ」でした(「ムツゴロウじゃないぞ」ならもっと良かった)。91歳を迎えたイーストウッド御大が自身の集大成ともいうべき内容で彼の過去作品をも思い出してしまうのです。
鑑賞前には世話になった牧場主の依頼によって彼の一人息子を元妻から取り戻すためのロードムービーだとか、その放蕩息子ラファエロの成長物語だとかを想像していたのですが、なんのこたぁない。イーストウッド自身がマイク・マイロに投影し、自分の死に場所を探し求めるのがテーマなんだと感じました(あくまでも個人的な意見です)。
『運び屋』のオマージュというかセルフパロディを取り入れたり、少年との交流なんてのも『グラン・トリノ』に繋げているし、マイク・マイロの設定自体も『許されざる者』に近かったり、砂漠なんてのも『続・夕陽のガンマン』をはじめとしたマカロニ・ウェスタン風だったりする。動物好き(特に馬好き)という性格もいくつかの作品にあったような気がするけど、猿が出てきたら失笑してしまったかもしれません。
強さを象徴する言葉のマッチョはむしろ今までイーストウッドが演じてきた男であり、物語でもかつてロデオスターだったことと共通している。そんな中で闘鶏(ルースター)のマッチョを「チキン(弱虫)」と表現したりして、虚勢を張ることだけが強さではないとマイロの心も変化していったりする。「強さ」ってのは何だったんだろうなぁ~と、人生の特等席ならぬ終着駅に向かう哀愁漂う老人の姿が清々しい。さらに現代的なDV問題などをさらりと組み入れている素晴らしさ。
「バーベキューにして食っちまうぞ」などいうと笑えないジョークも少年と心が通じ合ったことの証し。ただ、マルタの差し入れた朝食にはスクランブルエッグが入ってたように思えたし、イーストウッドが調理したのも鶏の唐揚げのように見えた。マッチョに共食いさせようとするブラックジョークだったのかな・・・それにしてもマッチョの演技が最高すぎる!
「グリンゴ」「メヒコ」なんて言葉も印象に残りましたが、最も痺れたのは「手話を覚えたのは長い人生の経験の中で」・・・って台詞。使ってみたい!
乾いた大地に潤う魂
古き良き時代
ウッドくんが主演ということで一応チェックしとかないと、と思い鑑賞。
ストーリーはさておき、ウッドくん年取ったなー。ただ歩くだけのシーンでもヨボヨボさがあって、転ばないかな、と心配になるほど。
そして、時代的にも携帯がない頃で、それがウッドくんには似合う。店の外にある公衆電話を使うこと、警察が分かりやすい追跡をする点、夜遊びする母親と家庭を顧みない父親、少年が反発しながらも少しずつウッドくんに心を開く、など一昔の設定であっても許せてしまう。
ただ、その中に、相手の心に入り込む優しさ・強さを巧みに混ぜ込んだ現代の作品となっている。
少年が迎えに来た老人に心を開いたかと思うと、閉じかけたり揺れ動くのは大人の事情を知ってしまうからであり、純粋なその心は父親のもとに行った後、どのようになったのだろうか、と想像してしまう。
原作と違いすぎとか、91歳が演じる役ではないとかいろいろ言いたくな...
辿り着いた安息の地
起こってしまうトラブルが起こらなくても良い程に差し障りもなく淡々と単純極まりない物語がシンプルで潔く清々しくて心地良い。
少年との交流が『グラン・トリノ』を『運び屋』のように不安定なロードムービーがありながら、メキシコへの目的が何故か『ランボー ラスト・ブラッド』を想起させられる危うさにドキドキしながらも基本的には老人に優しいスタイルを保ちながら。
90年代のアクション映画みたいなオープニング、エンディングでの字面と本作のマッタリ感に変な違和感も、ちゃっかり自分の居場所を確保しながら行って戻って戻る旅、老いても残りの人生は希望と幸せだらけなハッピーエンドが突拍子もない位に呆気なく中心にいる筈の少年が置いてけぼり。
イーストウッドの哀愁漂う老人三部作がここに完成??
伝えておきたいことがある
クリント・イーストウッド
1930年生まれ91歳の映画俳優・監督
1954年にユニバーサルと契約し初出演
1958年「ローハイド」でブレイク
1960年からセルジオ・レオーネ監督の
マカロニ・ウエスタン
「荒野の用心棒」「夕日のガンマン」
「続・夕日のガンマン」で大ブレイク
1970年からアメリカに戻り
その西部のガンマンがそのまま
現代に転生したかのような
ドン・シーゲル監督の
「ダーティハリー」シリーズでは
理不尽な社会制度をマグナムで
吹き飛ばす快作で人気を博し
21世紀に入っても監督として
アカデミー受賞作などを手掛けて
精力的な活動はとどまる事を
知らず頭が下がるばかり
今作も最年長記録更新である
個人的にはやはりダーティハリーと
ファイヤーフォックスが好きです(笑)
彼が関わる映画は
主演と監督を務める作品は
観客に対する自身のメッセージ性が
強く込められており
「グラン・トリノ」では移民中心に
なりつつあるアメリカ社会で
アメリカの精神がどう残るべきかをを
強く訴え心を打ちました
逆に言えば監督のみの映画だと
薄味に感じてしまうんですけどね
では御年91歳の主演が織りなす
今作はどうだったか
正直老人と少年の逃避行
なんぼでも見たプロットです
つい最近もリアム・ニーソンので観たぞ
でも91歳の主演作です
もはや主役の設定は
本人のまんまだと言ってもよく
昨今のCOVID-19禍に翻弄される人々
とりわけ若者に対しての
メッセージ性を強く感じました
それを映画の出来として良くない
と言われればそれまでですが
個人的には全然問題なかったです
伝えたいことが明確な映画は
余韻があります
1970年代後半のお話
若いころはテキサスのロデオ・スター
だったマイケル・マイロは落馬事故
からすっかり落ちぶれ妻子も離散
老いぼれた今でも
仕事などの面倒を見てくれた
牧場主ハワードにメキシコの分かれた
妻の元にいるラファエルを連れ戻して
来いと言われ自分でやれよと
思いつつ渋々引き受けます
くれぐれも90歳のおじいちゃんに
頼むのかとか思ってはいけません
作中の年齢設定は謎です
でメキシコに行くと
その元妻の家は大豪邸
そりゃ帰ってこんわとマイロさん
面会を求めると怖い兄ちゃんが
出てきて堅気じゃないなと察知
元妻リタはラファエルは
街に出て家には帰ってこない
見つけられるなら探して来いと
諦め気味にマイロに言います
その通りに探しに行くと
闘鶏をやっていました
父が会いたがってると告げると
連絡もないのに信用できないと
拒絶するラファエル
家に帰らないのは
男をとっ替えひっ替えする
母親にウンザリしたからだ
家族が悪いからこうなった
俺は一人で生きていくと
一から育てた雄鶏「マッチョ」
を誇らしげに見せます
そんなラファエルに
マイロは両親からの愛情を
知らずに育ってきたのだと
悟ります
律儀なマイロさん
一応リタに連れてくことを
断り入れに行くとなんとリタさん
マイロを誘惑します
リタも愛に飢えているのです
しかし相手にしないマイロさん
するとリタはブチギレてしまい
連れてくなら誘拐されたと
警察に言うし追っ手をまわす
と屋敷を追い出されます
とりあえず言うとおりに
メキシコから帰ろうとすると
クルマにラファエルとマッチョが
乗り込んでいました
マイロは最初はお前らなんか知らん
降りろと怒りますが
ラファエルのアメリカに行きたい
という願いに負けて連れていく
事にします
さてはて国境までの二人旅
ラファエルを生意気なガキだと
思ってたマイロですが徐々に
マッチョとのコンビも気にならなく
なってきます
国境付近に警察が先回りしており
追っ手から切り抜けたりあるごとに
仲良くなってきますがある日
クルマが盗まれてしまい
辿り着いた街のレストランに
潜り込むと言葉は通じないが
やたら親切してくれる
未亡人マルタさんに会います
ラファエルが新たなクルマを
「拝借」して行こうとしますが
追っ手や警察で身動きが取れず
そのクルマも故障
ここでハワードに遅れると
連絡を取るとラファエルを
連れ戻す理由が
メキシコに出資した儲けを
リタから分け前をせしめるため
だと聞きます
マイロはクズ親めと怒りますが
ラファエルにはひとまず伏せ
ハワードの催促は無視し
その町にしばらく留まる
事にします
野生馬の馴致などを引き受け
マイロは獣医みたいな存在に
なっていきます
ラファエルにも父の牧場に
戻ったら必要だと馬の乗り方や
訓練の仕方を教え込むと
思いの外センスが良くすぐ
間に合うようになっていきます
マルタも住む場所を用意して
くれたり町の人の信頼も
得てどんどん溶け込んで
いきます
っていうかマイロさん
リタの時もですがめっちゃモテます
未亡人マルタもメロメロです
90歳のおじいちゃんがモテモテ
どんなファンタジーでしょう
確かに歩様はヒョコヒョコ
すっかり老人のクリントさんですが
go,aheadとかついセリフで出ると
やっぱりかっこいいんだから
しょうがない
シニアファンタジー
素敵じゃないですか
マルタとは言葉はわからない
けど惹かれ合い
マルタの聾唖の孫とは手話で
コミュニケーションしたり
今作では異文化・他民族
であっても通じ合える共通点
という部分が強調されていた
気がします
しかしそんな街にも追っ手が
来ておりマルタやその家族に
危険が及んではいけないと
ラファエルとそそくさと
街を去ることにします
その出る途中でラファエルに
父がお前を呼ぶ理由を話すと
やはりラファエルは怒りだします
クルマも降りると喧嘩を始めると
警察やリタの追っ手がやってきて
めちゃくちゃになりますが
マッチョの活躍もあって撃退
なんだかんだラファエルとも
仲直りし追っ手から奪った
ベンツで国境へ急ぎます
その道すがらマイロは
俺も昔は好き勝手やってたけど
こんなに老いぼれてしまった
でもその間に色んなことをやったり
させてもらったりしてなんだかんだ
こんな歳まで生きてこれた
誰かのせいにしたい気持ちは
わかるがぐっと我慢して
自分にできることを自分でやるんだ
といった事をラファエルに
伝えます
確かに父は金儲けで息子を呼ぼうと
している部分もありますが
息子に本当に会いたい気持ちも
必ず持っているはず
リタだってそうだったのですから
これってもう
91歳のクリント・イーストウッドの
若者へのメッセージじゃないかな
と思います
COVID-19で世界はめちゃくちゃ
仕事も家族も失ったり
いい学校を出ても就職できなかったり
俺のせいじゃないのにと怒ってる
人もたくさんいるでしょう
でもどんな時でも自分の出来る事を
ひたむきにやることで道が開けるから
人のせいにする前に頑張ってみよう
という思いを感じました
加害者が異常に保護される
ミランダ法のおかしさをマグナムで
ぶっ放してきました
移民の国アメリカの精神を背負って
映画の中で死にました
そして今混乱にある世界に向けて
伝えたいことがあるからこの映画が
生まれたんじゃないでしょうか
エンディングでラファエルを送り届けた
マイロはマッチョを譲られ
また会えるかなと聞かれると
「俺の居場所はもうわかるだろ」
と告げて去っていきます
としてマルタとレストランのホールで
幸せそうにチークダンス
最高の終わり方です
ありきたりのストーリーとか
つっけんどんな展開とか
別にどうでもよくなりました
これは観る価値のある映画だと
思います
若者も高齢者も
元気出る映画だと思います
さすがにムリがあります
長く生きると覚える事もあるんだ。
元ロデオのカウボーイのイーストウッド。ヨボヨボだ。
使い物にならないとクビを切られて。メキシコに別れた女房から息子を連れて来いとの依頼が。少年は、マッチョという軍鶏で稼いでいる。2人の旅がはじまり、食堂の女性との親戚。お孫さんとの手話や馬の調教などウェスタンのスタイルが熱く優しく語りかけてくる、そんな作品です。
老いとともに無知な自分を知る。
偽りなき強さ
イーストウッドのファンです!!でも・・・
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