クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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古き良き時代
ウッドくんが主演ということで一応チェックしとかないと、と思い鑑賞。
ストーリーはさておき、ウッドくん年取ったなー。ただ歩くだけのシーンでもヨボヨボさがあって、転ばないかな、と心配になるほど。
そして、時代的にも携帯がない頃で、それがウッドくんには似合う。店の外にある公衆電話を使うこと、警察が分かりやすい追跡をする点、夜遊びする母親と家庭を顧みない父親、少年が反発しながらも少しずつウッドくんに心を開く、など一昔の設定であっても許せてしまう。
ただ、その中に、相手の心に入り込む優しさ・強さを巧みに混ぜ込んだ現代の作品となっている。
少年が迎えに来た老人に心を開いたかと思うと、閉じかけたり揺れ動くのは大人の事情を知ってしまうからであり、純粋なその心は父親のもとに行った後、どのようになったのだろうか、と想像してしまう。
原作と違いすぎとか、91歳が演じる役ではないとかいろいろ言いたくな...
辿り着いた安息の地
起こってしまうトラブルが起こらなくても良い程に差し障りもなく淡々と単純極まりない物語がシンプルで潔く清々しくて心地良い。
少年との交流が『グラン・トリノ』を『運び屋』のように不安定なロードムービーがありながら、メキシコへの目的が何故か『ランボー ラスト・ブラッド』を想起させられる危うさにドキドキしながらも基本的には老人に優しいスタイルを保ちながら。
90年代のアクション映画みたいなオープニング、エンディングでの字面と本作のマッタリ感に変な違和感も、ちゃっかり自分の居場所を確保しながら行って戻って戻る旅、老いても残りの人生は希望と幸せだらけなハッピーエンドが突拍子もない位に呆気なく中心にいる筈の少年が置いてけぼり。
イーストウッドの哀愁漂う老人三部作がここに完成??
伝えておきたいことがある
クリント・イーストウッド
1930年生まれ91歳の映画俳優・監督
1954年にユニバーサルと契約し初出演
1958年「ローハイド」でブレイク
1960年からセルジオ・レオーネ監督の
マカロニ・ウエスタン
「荒野の用心棒」「夕日のガンマン」
「続・夕日のガンマン」で大ブレイク
1970年からアメリカに戻り
その西部のガンマンがそのまま
現代に転生したかのような
ドン・シーゲル監督の
「ダーティハリー」シリーズでは
理不尽な社会制度をマグナムで
吹き飛ばす快作で人気を博し
21世紀に入っても監督として
アカデミー受賞作などを手掛けて
精力的な活動はとどまる事を
知らず頭が下がるばかり
今作も最年長記録更新である
個人的にはやはりダーティハリーと
ファイヤーフォックスが好きです(笑)
彼が関わる映画は
主演と監督を務める作品は
観客に対する自身のメッセージ性が
強く込められており
「グラン・トリノ」では移民中心に
なりつつあるアメリカ社会で
アメリカの精神がどう残るべきかをを
強く訴え心を打ちました
逆に言えば監督のみの映画だと
薄味に感じてしまうんですけどね
では御年91歳の主演が織りなす
今作はどうだったか
正直老人と少年の逃避行
なんぼでも見たプロットです
つい最近もリアム・ニーソンので観たぞ
でも91歳の主演作です
もはや主役の設定は
本人のまんまだと言ってもよく
昨今のCOVID-19禍に翻弄される人々
とりわけ若者に対しての
メッセージ性を強く感じました
それを映画の出来として良くない
と言われればそれまでですが
個人的には全然問題なかったです
伝えたいことが明確な映画は
余韻があります
1970年代後半のお話
若いころはテキサスのロデオ・スター
だったマイケル・マイロは落馬事故
からすっかり落ちぶれ妻子も離散
老いぼれた今でも
仕事などの面倒を見てくれた
牧場主ハワードにメキシコの分かれた
妻の元にいるラファエルを連れ戻して
来いと言われ自分でやれよと
思いつつ渋々引き受けます
くれぐれも90歳のおじいちゃんに
頼むのかとか思ってはいけません
作中の年齢設定は謎です
でメキシコに行くと
その元妻の家は大豪邸
そりゃ帰ってこんわとマイロさん
面会を求めると怖い兄ちゃんが
出てきて堅気じゃないなと察知
元妻リタはラファエルは
街に出て家には帰ってこない
見つけられるなら探して来いと
諦め気味にマイロに言います
その通りに探しに行くと
闘鶏をやっていました
父が会いたがってると告げると
連絡もないのに信用できないと
拒絶するラファエル
家に帰らないのは
男をとっ替えひっ替えする
母親にウンザリしたからだ
家族が悪いからこうなった
俺は一人で生きていくと
一から育てた雄鶏「マッチョ」
を誇らしげに見せます
そんなラファエルに
マイロは両親からの愛情を
知らずに育ってきたのだと
悟ります
律儀なマイロさん
一応リタに連れてくことを
断り入れに行くとなんとリタさん
マイロを誘惑します
リタも愛に飢えているのです
しかし相手にしないマイロさん
するとリタはブチギレてしまい
連れてくなら誘拐されたと
警察に言うし追っ手をまわす
と屋敷を追い出されます
とりあえず言うとおりに
メキシコから帰ろうとすると
クルマにラファエルとマッチョが
乗り込んでいました
マイロは最初はお前らなんか知らん
降りろと怒りますが
ラファエルのアメリカに行きたい
という願いに負けて連れていく
事にします
さてはて国境までの二人旅
ラファエルを生意気なガキだと
思ってたマイロですが徐々に
マッチョとのコンビも気にならなく
なってきます
国境付近に警察が先回りしており
追っ手から切り抜けたりあるごとに
仲良くなってきますがある日
クルマが盗まれてしまい
辿り着いた街のレストランに
潜り込むと言葉は通じないが
やたら親切してくれる
未亡人マルタさんに会います
ラファエルが新たなクルマを
「拝借」して行こうとしますが
追っ手や警察で身動きが取れず
そのクルマも故障
ここでハワードに遅れると
連絡を取るとラファエルを
連れ戻す理由が
メキシコに出資した儲けを
リタから分け前をせしめるため
だと聞きます
マイロはクズ親めと怒りますが
ラファエルにはひとまず伏せ
ハワードの催促は無視し
その町にしばらく留まる
事にします
野生馬の馴致などを引き受け
マイロは獣医みたいな存在に
なっていきます
ラファエルにも父の牧場に
戻ったら必要だと馬の乗り方や
訓練の仕方を教え込むと
思いの外センスが良くすぐ
間に合うようになっていきます
マルタも住む場所を用意して
くれたり町の人の信頼も
得てどんどん溶け込んで
いきます
っていうかマイロさん
リタの時もですがめっちゃモテます
未亡人マルタもメロメロです
90歳のおじいちゃんがモテモテ
どんなファンタジーでしょう
確かに歩様はヒョコヒョコ
すっかり老人のクリントさんですが
go,aheadとかついセリフで出ると
やっぱりかっこいいんだから
しょうがない
シニアファンタジー
素敵じゃないですか
マルタとは言葉はわからない
けど惹かれ合い
マルタの聾唖の孫とは手話で
コミュニケーションしたり
今作では異文化・他民族
であっても通じ合える共通点
という部分が強調されていた
気がします
しかしそんな街にも追っ手が
来ておりマルタやその家族に
危険が及んではいけないと
ラファエルとそそくさと
街を去ることにします
その出る途中でラファエルに
父がお前を呼ぶ理由を話すと
やはりラファエルは怒りだします
クルマも降りると喧嘩を始めると
警察やリタの追っ手がやってきて
めちゃくちゃになりますが
マッチョの活躍もあって撃退
なんだかんだラファエルとも
仲直りし追っ手から奪った
ベンツで国境へ急ぎます
その道すがらマイロは
俺も昔は好き勝手やってたけど
こんなに老いぼれてしまった
でもその間に色んなことをやったり
させてもらったりしてなんだかんだ
こんな歳まで生きてこれた
誰かのせいにしたい気持ちは
わかるがぐっと我慢して
自分にできることを自分でやるんだ
といった事をラファエルに
伝えます
確かに父は金儲けで息子を呼ぼうと
している部分もありますが
息子に本当に会いたい気持ちも
必ず持っているはず
リタだってそうだったのですから
これってもう
91歳のクリント・イーストウッドの
若者へのメッセージじゃないかな
と思います
COVID-19で世界はめちゃくちゃ
仕事も家族も失ったり
いい学校を出ても就職できなかったり
俺のせいじゃないのにと怒ってる
人もたくさんいるでしょう
でもどんな時でも自分の出来る事を
ひたむきにやることで道が開けるから
人のせいにする前に頑張ってみよう
という思いを感じました
加害者が異常に保護される
ミランダ法のおかしさをマグナムで
ぶっ放してきました
移民の国アメリカの精神を背負って
映画の中で死にました
そして今混乱にある世界に向けて
伝えたいことがあるからこの映画が
生まれたんじゃないでしょうか
エンディングでラファエルを送り届けた
マイロはマッチョを譲られ
また会えるかなと聞かれると
「俺の居場所はもうわかるだろ」
と告げて去っていきます
としてマルタとレストランのホールで
幸せそうにチークダンス
最高の終わり方です
ありきたりのストーリーとか
つっけんどんな展開とか
別にどうでもよくなりました
これは観る価値のある映画だと
思います
若者も高齢者も
元気出る映画だと思います
さすがにムリがあります
長く生きると覚える事もあるんだ。
元ロデオのカウボーイのイーストウッド。ヨボヨボだ。
使い物にならないとクビを切られて。メキシコに別れた女房から息子を連れて来いとの依頼が。少年は、マッチョという軍鶏で稼いでいる。2人の旅がはじまり、食堂の女性との親戚。お孫さんとの手話や馬の調教などウェスタンのスタイルが熱く優しく語りかけてくる、そんな作品です。
老いとともに無知な自分を知る。
偽りなき強さ
イーストウッドのファンです!!でも・・・
映画の原点って感じでホッとする作品
auマンデー『クライ・マッチョ』
月曜日は映画が安い!って事で、一本目は、90歳越えても現役
俳優としても監督としても超一流の二刀流クリント・イーストウッド主演兼監督作品
鑑賞者は、ほぼ僕より年上のオーバー60世代でした(^◇^;)
最近の映画の大半は、ブルーバックでの撮影でのCG作品が多い中で、50年前の古き良き映画って感じの演技演出カメラワークを楽しむ作品
元ロディオスターが、世話になった雇人からのミッションを遂行する。
90歳ですが、イメージは70歳後半って感じで観ましたが、色気と格好良さに感服しました。
最後、戻る場所がまた最高〜チャンスがあれば是非!!
前作『運び人』オマージュも最高^_−☆
@ インスタアカウント → eigatama41 にもレビュー書いてますので、映画好きの方は是非!宜しくお願い致します。
馬場やカズを観るのと似た感覚
お年寄りと少年が心を通わせていくイーストウッド監督の映画といえば「グラントリノ」だろう。当時付き合っていた女性がイーストウッドの映画を嫌いだったから、もし「グラントリノ」を観て面白くなかったなら観たことさえも俺に言わないでくれと頼んだ記憶がある。彼女に全然面白くなかったと言われたらショックだし、ちょっと嫌いになってしまうかもと思ったから。それくらい好きな映画だ。
そして本作。予告編を観る感じでは「グラントリノ」っぽい。偏屈なジイさんと少年が徐々に親しくなっていく。実際に観てみると、似てる部分もあるが結構違っていた。そりゃそうだ。
91歳にもなって監督やって主演もしちゃう。そりゃすごいことだと思う。でもそれって、年をとってさらに動きが鈍くなったジャイアント馬場や、数分だけJリーグの試合に出場するカズを観るのと似た感覚になってしまう。少しイタいし、心配になってしまうのだ。暴れ馬を乗りこなそうとするシーン(これはスタントだけど)、追いかけてきたラフォの母親の手下?を殴るシーン、マルタと親密になりダンスをしながら抱き合うシーン、どれも老いを感じてしまうし、無理を感じてしまう。
「運び屋」でも感じたことだが、お年寄りになっても女性からモテるってエピソードを入れる必要があったのかな。老いてもまだまだいけるんだぜ!的な要素は違和感を覚えてしまう。
この映画ならイーストウッド監督作品が好きじゃない女性と観に行っても平気かも。お互いに好きな感想を述べても関係がギスギスしたりしない。いや、逆に嫌いな気持ちに拍車をかける可能性があるか。
それでもイーストウッド監督作品が新たに完成したなら私は劇場に足を運ぼう。もうないかな?まだあることを期待したい。
宝物
ソフトが発売されたら愛蔵版を買って大事な宝物として飾っておきたい作品であるには違いないが、なんだろう、評価難しい作品ですね。
贔屓目に観て(贔屓目にしか観られないか)、感動だけど、客観的に観ると(客観的に観てはいけないのだろうね)、登場人物あまり魅力的じゃないし、そんな都合良くいかないだろうというシーンの連続。
いや、これはただクリント・イーストウッドに感謝して有り難くいただく作品です。
昔、米国の西海岸で暮らしていた時、イーストウッドはカーメルの市長だった。レーガンみたいになるのかなとの予想を裏切り、一期で政界を引退してスクリーンに戻ってきてからのキャリアのすごいこと。俳優としても、監督としても。
マカロニウェスタン、ダーティーハリーのスターって言うよりも、名匠だものね。
硫黄島の時は日本政府から勲章贈ってもよかったんじゃないかな。
最後の作品と思って涙した「グラントリノ」からも、まだまだ頑張っている。
イーストウッドの活躍に驚異、感謝しつつ、ジェームス・ディーンやスティーブ・マックウィーンが長生きしてたらどんな作品残してたかな、と想像してしまう。
長生きするって大事だね。
名無しの男の行く末は?
あわあわという名の幸せ
結局最後までそこか。
平日の昼前の映画館、平日休みで映画でも思ったら、結構人が来てた。もっともこの映画はイーストウッドが出てるから、客層は高いと見たがここまで中高齢男性が一人とは。まあそりゃ、そうだ。
良い映画だった、と思ったら監督がイーストウッドだった事が何度かあったので、観に来た。でも今回はちょっと違った。事前に調べて観ない自分も悪かったが、彼が出ているだけの映画だったかもしれない。
高齢になってきたもうすぐ還暦の自分に何か今後の人生の啓示があれば、と来たが、最後までそれが必要か。 それを持ってなさそうな男客の一人ばかりの集団は肩を落として足速に退館するのであった。
それでない答えを求めていたのに、一般中高年の精神世界の夢を砕く結末だったのではないか。小難しい講釈より一般大衆が単純にどう観たか?といえばそうなる。
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