メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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人との交わりの尊さ
頑張れ、うらら
ほっこりするいい作品である。やはり宮本信子は大した女優だ。本作品での市野井雪の役割を完璧に演じ切った。
芦田愛菜が演じた佐山うららは、何から何まで雪と対照的である。それは二人がレストランで名前を名乗りあったときに、雪がいみじくも言った「晴れている人と降っている人」という言葉に象徴される。
雪は能動的でポジティブでブレない。しかしうららは受動的でネガティブで毎日がブレブレである。雪との出逢いはうららにとって幸運であった。雪が「応援したくなっちゃう」のはBLの登場人物だけではない。それ以上にうららを応援しているのだ。
悪人がひとりも登場しない穏やかな作品で、光石研がさり気なく物語の要所を繋げる重要な役を演じている。この人もだんだん名人の域に入ってきた。
芦田愛菜は、言いかけてやめたり、途中で口をつぐんだり、当世の内気な高校生うららを上手に演じている。こう見えてうららは、時に全力疾走もする頑張り屋さんだ。雪でなくても応援したくなるキャラクターである。
やっぱり否定よりも肯定が受け入れやすい。否定するうららと肯定する雪。うららの人生を全力で肯定する雪に強く共感した。頑張れ、うらら。
心温まる良作
終始ほっこりしました。
出てくる人全てが優しく温かい素敵な映画でした。
雪さんが可愛すぎる。
おちゃめで、好奇心旺盛で、人を否定しない。
なんて素敵な人。
ひょんなことから出会い、友情を深めていく2人ですが、うららが出会ったのが雪さんで本当に良かった。
自分に自信が持てなくて、好きなものを好きと言えなかったり、一歩踏み出せない気持ちは誰もが共感できるはず。
私もいつの間にかうららを心の中で全力で応援していました。
うららの気持ちを包み込んでくれる周囲の方々の優しさも素敵。
その優しさに上手くいかなかった自分自身の過去も救われていくような感覚になります。
自然と主人公に感情移入でき、改めて芦田さんの演技力に感嘆しました。
終始ほっこりですが、気付いたら涙が流れています。
映画を見終わった後も2人の幸せを願ってやみません。
心の中に清々しい余韻が残る良作でした。
損得抜きで結ぶ友情が生む小さな奇跡
一口に「BL」と言っても、
描かれる中身は広範。
例えば「BOOKOFF」の売り場では
『よしながふみ』も(今でも)「BL」にカテゴライズされている。
〔西洋骨董洋菓子店〕などは、多少の片鱗が見えるくらいも
〔執事の分際〕あたりでは、かなりハードな描写もこれありで。
まぁ、次第に仄めかす程度の表現の仕方になって行くわけだけど。
で、本作、件の「BL」を鎹に、
随分と歳の離れたJKと老婆が友情を結ぶ。
主演はリアルJKの『芦田愛菜』。
役柄は自分に自信が持てない引っ込み思案の、
世間に数多居る少女。
それが、おそらく六十ほども歳の差がある『雪(宮本信子)』との交流を経て、
大人への階段を登る脱皮をする。
そのために用意されたエピソードは何れも秀逸。
勇気を出しても、なかなかに思い通りにならない現実が
まことに真実っぽい。
そうした通過儀礼を経て、少しずつの成長をするのだが。
それにしても、彼女が演じる『うらら』の態度は
傍から見るとかなり過敏。
以前よりも「腐女子」は市民権を得ていると思うのだが、
そうでもないのかしら。
コミックを買う時にしろ、それをカフェでテーブルの上に置く時にしろ、
周囲への気の使いようは尋常ではない。
一方、同好の士が多く蔓延る「乙女ロード」近辺では、
そうした気遣いは無用のよう(笑)。
『宮本信子』の演技については論を待たず、他方
〔星の子(2020年)〕に続きリアルな年代を演じた『芦田愛菜』は
やはり頭抜けた力量と感じる。
とりわけ、難しいと思われる泣きシーンでも、
その自然さに殊の外感心する。
また喜怒哀楽の表現が秀逸で、説明や科白に頼らずとも
内に秘めた感情が皮膚や服装を通しても外に発露するのは素晴らしい。
彼女を観るための一本と言っても過言ではナシ。
劇中で提示される「BL」コミックのストーリーや科白が
現実の二人の関係性に照射される等の仕掛けも上々の出来。
物語の流れから、そうなる予感は既にしてあるも、
実際に場面として目の当たりにすると
爽快感さえ覚えてしまうのは不思議。
純粋に好きな趣味で繋がり合う交流が
なんとも温かく微笑ましい。
芦田愛菜と宮本信子をずっと観てられる
BLコミックを楽しんでいる17歳の女子高生・うららと、夫に先立たれ1人暮らしの75歳の老婦人・雪が、うららがアルバイトしてた本屋で出会った。美しい絵の表紙にひかれてBL漫画を買った雪は、初めてのBLに驚くが、コミックの中の男の子たちの恋物語に魅了された。BLコミックで意気投合したうららと雪は、雪の家の縁側で一緒に漫画を読んでは感想を語り合う友となる、という話。
芦田愛菜と宮本信子がBLコミックについて語るんだけど、苦手なBLでもサラッと流してくれたから良かった。
いつまでも観てて飽きない感じの作品。それはこの2人だからだろうな、って思った。
エリちゃん役の汐谷友希は背が高くスタイル良くて、背の低い芦田愛菜とは対象的だった。今後に注目。
わかったようなわからない題名だなあ
カツサンドは勝利のアイテム
隠れ腐女子のJKと一人暮らしの老腐人がマンガを通じて友達になる話。
旦那の三回忌の帰り道、立ち寄った本屋で装丁の絵に惹かれてBLマンガを買ったことで沼っていく老婦人と、その本屋でバイト中の腐っていることを隠しているJKが、マンガについて語り合い意気投合しというストーリー。
まるまるモリモリ言ってた愛菜ちゃんがBLですよ!私の頭の中では未だに小学生のイメージですがw
そして宮本信子さんの「え゙っ!?」が流石です!w
色々気にしいで自信がなくて、自分をさらけ出せないJKと、彼女にマンガのことを教わりながら、温かく見守り背中を押してくれる婦人というドラマで、マンガがマンガなだけに大丈夫か?とも思ったけれど、その辺はコミカルに作用して良い感じ。
1/2がそんな相手に!?というご都合主義も、まあ何とかそれらしい体になっているし、優しく温かく愉しい作品だった。
どうでも良いけど私が知っている最も画数の多い漢字は雲×3+龍×3の「たいと」です。
とてもいいストーリーを丁寧に撮っている
きゃー!やめてーー!!
あー!宮本信子が死の近さを意識しているー! やだー!死なないでー!
とか。
女子友情モノだと聞いてたじゃん!ジャニイケメンが愛菜ちゃんに告白してくるー!! やだー! 女子だけの世界を壊さないでー!!
とか。
もうおじさん、女性挟まれ1人席でドキドキですよ。
ジェットコースタードラマなの?
いえご安心、この映画にそんなスペクタルは起きません。もう保護者のような、神のような視点で二人を見守る映画でございます。
台所に立つ宮本信子常に可愛い。
BL文化の暗黙を知らない宮本信子可愛い。
ダボダボニット黒リュックの愛菜ちゃん可愛い。
テコテコ走る愛菜ちゃん可愛い。
あー!愛菜ちゃーん!!Gペンは手首でソフトタッチだよー! もっとカケアミ使った方が女子絵っぽいよー! スクリーントーンの削りが荒いよー!とか。
もう、2人見守るだけで幸せ映画ですよ。
ホクホクとしか。
ちょっとストーリーに感動したって理由は、この世界の神(コメダ優先生)によって巡り合い、救われた2人が、巡り巡って、神を救う物語だったからだと思うんですよ。
誠実だけが取り柄の庶民が、誠実さの先で神をちょっとだけ救う物語。
小さな奇跡を起こす物語。
ご都合主義な展開かも知れないけど、彼女達にはこれくらいのご褒美が有ってもいい。
そう思わせるだけのシナリオと演技が、僕達へのご褒美だと思います。
みなさんの高評価に納得
皆さんのレビューを見て、観る前から「この作品は幸せな気持ちになれる」と思いました 早朝8時の回にもかかわらず年配の夫婦が何組も来ているのを見て、「きっと幸せな気持ちになれる」と思った通りになりました
全国民の娘であり孫のような取り上げられ方をしても、芦田さんの芸能生活はまったくブレていないように感じていました 演じているとわかっていても前作「星の子」同様、内に様々な葛藤を秘めていて、それを自分で表現しきれないもどかしさ、現実の彼女もそんなものを実際に抱いているのではないかとすら感じました 一緒に生活をしている母親でもなく、長い時間を共有している同級生でもなく、たまたま出会った宮本さん演じる婦人が彼女を解き放していきます
実際にはありえない話であるとしても、そういった奇跡を信じてみたいと「幸せな気持ち」を感じてお二人の「歌」を聞きました
「阪急電車」で初めて共演されたお二人ですが、時を経てお二人にとっても「幸せ」がもたらされたことでしょう
古川琴音さん前作「偶然と想像」では意地悪な役でしたが、本作のサイン会の場面では観客である私たちの思いが通じているかのようないい表情をされていました 光石さんはこういう役ピッタリの安定感でした 劇場を出て「幸せ」な気持ち、奇跡を信じたくなる気持ちを得ることができました
(6月19日 イオンシネマりんくう泉南 にて鑑賞)
うららの背中
実にいいなあ。生命力に満ち溢れていて。些細な事(本人にとっては大きな悩み)でウジウジしてトボトボ歩いたり、落ち込んでガックリ肩を落としたり。嬉しい、楽しい時には跳びあがって走り出さずにはいられなかったり。
うららだけじゃなく、みんな悩みながら生きてます。登場人物を後ろから撮るカットが多いので、観ているこちらは背中を押してあげたくなるんです。
かわいらしい映画でした。エンディング曲も芦田愛菜さんと宮本信子さんがノリノリで歌っていてとっても楽しそう。こういう作品こそ海外で紹介するべきです。
芦田さんの走る姿がとても魅力的で、見とれてしまいました。
(アニメによくある、かわいい女の子は内またで小走りする、というのは偏見ですから)
きらりと光る良作。
今年172本目(合計448本目/今月(2022年6月度)19本目)。
さて、こちらの作品。私が見に行ったときには圧倒的多数が女性の方で「性別で圧倒的アウェイ」を食らうという状況になってしまいました(映画館自体は自宅からすぐ近く)…。まぁ仕方がないですね。
個人的には「若干」、最初から憲法的な議論、つまり「表現の自由」という観点もあるのかな、という点は考えてみましたが、そういうのはなし。女子高生とおばあちゃんがいわゆるボーイズラブで盛り上がるという映画です。テーマとしても余り見ない類型じゃないかな…というところです。
他の方も書かれていましたが、「余計な部分がない点」、これもよいところかなと思います。つまり、「雑な」映画だと、妙に伏線をはっておいて何もないとか、「絶対に気が付くはずがないでしょ」みたいな伏線をはっておいて一種の不意打ちにするような映画が時々ありますが、この映画は「伏線とわかるものは伏線」「伏線でないものは最初から書かない」ことで理解度を上げようという意図がかなり見えます。
一般指定ということもあってアダルト的表現(性質上、男性行為の行為)に関する表現は一切なし。せいぜい「こういった本の中にはちょっと過激なものもありますよ」と序盤にいっている程度です。
お話の筋もわかりやすいし、余計な雑な部分を残さないという点で高評価です。
特に減点材料とするべき部分もないので、フルスコアにしています。
縁側というジャンルの映画
まさに縁側にいるような、ほのぼのとした気持ちにさせてくれる素敵な映画でした。
館内は、年輩層と若い女性の正反対の客層が二極で多かったです。
多分、年輩層は宮本信子さん目線の観賞。芦田愛菜ちゃんは年輩層にも好感度高いですね。
若い女性は、芦田愛菜ちゃん目線で観賞。BLや同人誌が好き、高橋恭平君目当ての子たちも多かったでしょう。
僕のように中年男性ひとりの観客は少なかったですが、日本の宝の芦田愛菜ちゃんの演技を観たくて観賞。医学部に進み女優業を引退もしくは休止という噂もありますが、また早く色々な役柄の演技を観たいと思わせてくれるほどの好演。自分に自信が持てない少女が歳の離れた友だちができることにより成長していく姿がリアルでした。
要素多いな!
走ってばかりの愛菜ちゃん
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