メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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登場人物全員いい人。
原作未読にて。
最近のお姿を拝見していないのですが、
かなりおばあちゃん役の大女優さんと。
立派な俳優になられた、
元天才子役の。
とってもいい映画。
最初から最後まで、
胸の奥がじんわり温まって、
じんわり温まったままいい気分で
観終わりました。
縁側の。
ひなたぼっこの。
カレーのにおいの。
漫画をめくる紙ズレの音の。
インクと墨汁のにおいの。
2人の俳優の演技とも思えない
素晴らしい演技の映画でした。
その空気感を作っているのは
脚本(原作?)のおかげ。
ストーリーに奥行を持たせるなら、
ライバルや、嫌な奴や、ケンカや、悲しみ
のような負のエネルギーが必要なのだが、
この映画にはそれがほとんどない。
そしてそれがいい。
※コミケに雪さんも一緒に参加して、
先生がお忍びで「遠くから来た人」を買っていく
そんなほっこりバージョンも見てみたかった。
うん。
良い映画でした。
その縁側は、彼女らをメタモルフォーゼする。
漫画を一巻だけ読んだことがあり、かなり面白かった記憶があるので見た。映画館にはいく機会がなかったのでamazon primeで視聴。
かなりいい、心があったまるような、背中を押されるような感覚になる。
芦田愛菜はクラスでも目立たない引っ込み思案な性格の生徒、宮本信子は夫に先立たれ、家で小さな書道教室を営むおばあちゃん役。全く違う二人が出会い、変化をもたらしていくのだが、まさかのその出会い方がBL!!ただ、BL苦手だから見るのやめとこうかな、とか思う必要は全くない。あくまでメインは二人の関係性であり、それがすごくいい。言ってしまえばこの二人、世間からは隔絶されていると言えるだろう。芦田愛菜はクラスの人気者を遠巻きで見ているような生徒であり、宮本信子は小さな家で一人暮らし。その二人が互いにBLに惹かれる理由もなんとなくわかるのではないだろうか。BLとは、現実の世界であればマイノリティであり、彼らも世界から隔絶された人々である。それが物語の中であれば、堂々と、恋愛をしているのだ。しかもそれが書店の一部分を占めるほどの人気のコンテンツになっている。社会から隔絶された人々にとって、こんなにも勇気を与えてくれるものがあるだろうか。もしかしたら彼女らは、形こそ違えどBLというものの中に、自分の理想像を見つけたのかもしれない。また、そこで引用されているBL作品と、芦田愛菜が書く同人誌がまた良い。詳しくは書かないが、二人の関係性をうまく描写していて、泣きそうになってしまった。というかかなり泣いた。
最後に、私はどちらかといえば芦田愛菜のほうに年齢が近く、彼女の姿と高校時代から今にかけての自分を重ねることが多かった。進路志望書、受験、本当に自分のやりたいことは何か?と問う中でアイデンティティの葛藤は避けられない。そんな中、宮本信子と出会い、彼女の家の縁側で一緒に暮らすことでメタモルフォーゼを促し、本来の自分を発見する。また、途中の芦田愛菜の母の「我々小市民は~」という言葉もいい。好きなものを好きでいいんだ。そう思わせてくれる。ここの部分について、詳しくは「変態仮面」(2013)も観てみるといい。まさしく、変態(メタモルフォーゼ)であるので、青年期のアイデンティティの葛藤と重なる部分が多いと個人的には思った。話を戻すと、この場面を通じて、この映画でいう僕にとってのBL作品とは何か考えずにはいられなかった。それを肯定し、好きになれる日が来るといいなと思う。
宮本信子と芦田愛菜
ほっこり
同人女なら絶対刺さる。
女性版「ハロルドとモード」△恋愛+友情
元気をもらえる素敵な映画
17歳と75歳の友情
主人公(芦田愛菜)はBL漫画が好きな女子高生で、書店でバイトをしている。
ある日、高齢の女性(宮本信子)がBL漫画を買い、そのあとも色々聞きに来るので、仲良くなってしまう。
主人公は進路を決めかねていたし、高齢女性は娘のいるノルウェーに行くべきか悩んでいる。
17歳と75歳の女性が、互いを思いやり、何事も我が事のように思う姿は、見ていてホッとする。
本音を引き出す縁側
遠くから来た二人は近くにいた二人という点から「縁側の存在論」へと帰着するμεταμόρφωσις
あまり期待していなかったのだが、妻が「見ろ!見ろ!」とせがむ。
なら、まぁしょうがないかなという生真面目な夫の想い。
うん、この映画は生真面目な映画だった。
主人公二人の演技もそうだったのだが、エンドロールに流れた「歌」がまさにそうだったでしょ(笑)。
ただ、どうしても宮本信子は、今NHKのBSで再放送をしている「夏バッバ」という目で、
芦田愛菜は、「慶応1年生」という目で見てしまう。そりゃーしょうがないよね。許してね。
原作のコミックは読んではいないが、「縁側」の使い方がいいね。
縁側って、まさに他所にお邪魔する際の、そして余所者を受け入れる際の「緩衝帯」というか意味論的には重層的な構造体(笑)。おそらくは原作でもそうかもしれないけど、映画でもそれが上手に使われていた。
だからこそ、そこでこそ
今までとは違った自分を、自分と違った人を、何の躊躇いもなく受け入れることができるんだね。
むかーし、むかーし、実家にあった縁側を思い出す。
縁側って、ほんとは玄関以上の意味を持っていたっていうことを。
玄関って肩肘張った入り口出口だけど、
縁側って違っていたでしょ?
そこは、誰もが、泣いて笑って、話を無造作に交わした場所だったよね。
いろんな人のいろんな言葉があったでしょ?
今は、あまりにも少なくなった「縁側」。その存在論。それを考えさせられた映画、そんな形而上学的・思弁的な意味論を考えさせられてしまうような高尚な映画だった・・・。
っていうには言い過ぎかもしれないが、いい意味で期待に反する「後味のいい」映画でした。
芦田愛菜過ぎたのが少し
愛菜ちゃんすごいの一言に尽きます。
うららの「まっすぐ」「全力投球」が本作の屋台骨
〈映画のことば〉
「漫画を書くのって、楽しい?」
「あまり楽しくはないです。自分の絵とか見てて、正直、辛いです。」
「そう。」
「でも何か…やるべき事をやってるっていう感じがするんです。」
何事にも「まっすぐ」「全力投球」のうらら(芦田愛菜)が本作の屋台骨になっていると思いますが、それを率直に表現したセリフが、これだったと思います。そして、その「まっすぐ」「全力投球」が、(その情熱を今はなくしてしまった年代の)市野井雪(宮本信子)を惹き付け、うららにはない「落ち着き」「老練」「成熟」が、反対にうららを雪に惹き付けている…そんな関係性が、うららと雪との間に築かれていなかったでしょうか。
そして、紐帯としてそんな二人を固く結びつけたのが、二人のBL漫画に対する「好加減」(さりげなく本作の最後を飾った習字)ということなのだと思います。
おそらく、他のレビュアー諸氏が指摘する本作の「温かさ」は、実はそこから湧き上がって来ているのだとも思います。
そんなこんなで、本作は本当に良い映画だったと思います。評論子は。
(追記)
それにしても、走る、走る。また走る。こんなに走る主演女優は、滅多にいない。
走る姿は彼女の「まっすぐ」「全力投球」の体現以外の何ものでもなかったと思います。評論子は。
最高の組み合わせ
芦田さんは凄い!
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。ありがとうございます。
これも今更ながらでございます。温故知新と言う事で勘弁して下さい。
さてこの映画は基本的に芦田愛菜と宮本信子の映画です。阪急電車の時は祖母と孫娘でした。体感では、割と最近かと・・・いいえ2011年公開なんで11年前ですよ。光陰矢の如しですね。その前に・・・
芦田さんが始めて主役を演じたドラマをご存知でしょうか?
「さよなら ぼくたちの ようちえん」(2011)(日テレ系 脚本は坂元裕二)
はい。もちろん見ましたよ。リアルタイムで。ちゃんとお茶とおせんべいをを用意してね。本田望結ちゃんも出ています。
面白いなあ・・・スタンドバイミーやなあ・・・そんな感じ。しかし‼️事件は起こりました‼️
途中のCM後、あきらかに見たことのある映像、ストーリー。さっき見たばかりじゃねえか。
なんじゃこれ?そうです!放送事故です。
私は時をかける少女か‼️
違います。天才、芦田様の門出にケチをつけやがってよー
でも最後は号泣しちゃったよ。ちょろいねえ。
そして幾星霜・・・
芦田さん女子大生になるってよ‼️
ここで暫し個人語りになります。
私が5歳から11歳まで住んでた家なんですが、とにかく古い家でした。漫画日本昔話しの世界。一応、縁側みたいな部分も有りました。
多分、明治かもしかして江戸?それくらい古い。なにしろ屋根が茅葺き!
重要文化財か‼️
押入れから古銭が出てきた。和同開珎。
今は無い。その家。面白かったなあ。同級生にいじられたけどね。風呂もないから銭湯にも通ったしね。
さてと映画の話しになります。
佐山うらら(芦田愛菜)は高校生、ヒエラルキーは下の方です。うららは密かな趣味が有ります。それはボーイズラブの漫画。
アルバイトで書店員をしています。そこで、知り合ったのが、市野井雪(宮本信子)
暫し脱線。ボーイズラブって性的な事を連想される方がいらっしゃいますが、違います。仄かな憧れとか好意とか・・・
なんかジャニーズヲタクに近いかな。わちゃわちゃした感じ。
うららは雪さんにレクチャーします。そんなこんなで二人の仲はより近くなります。
二人の憧れの漫画家は、コメダ優(古川琴音)繊細なタッチでBLを描いてます。
いやね、古川琴音って凄くないですか?一般的な知名度はそれほど高くない。でも「偶然と想像」で感嘆しました。とにかく自然な演技で長セリフをこなす。間違いなくネクストブレイクですよ。本作も漫画家さんにしか見えないもん。
閑話休題、うららも雪さんの後押しもあり、BLの漫画を描きます。画力は・・・ない。でも良い話し。そしてコミケに出店する事にします。しかし・・・
暫し脱線。鎌倉に行くと良く目にする古民家カフェ。良いですねー と言いつつ私が良く行くのはドトールとかなんです。すいません。
じゃあね縁側カフェとかどうでしょうか。ドーム型で室温は30度。蝉の声。スイカ。豚ちゃんの香取線香(実はアロマ) 三毛猫。やかんの麦茶。線香花火。
そんなのがあったら行きたいなあ。誰か作って。
そして小さな奇跡が舞い降ります。
最後はほっこりね。うらら頑張って!
芦田さんは凄いよね。難関校に在籍していながら現役感たっぷり。CM女王だし。朝ドラのナレーションや皇室の行事のMC。危険な匂いはゼロ。
ずるい・・・
いい意味で‼️
お付き合い頂きありがとうございました。
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