メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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くすぐったい気持ちになる作品
こんなに気持ちよく映画を鑑賞したのは久しぶりな気がする。
ブンチャ、ブンチャ、ブンチャッチャのチャ♪
芦田愛菜ちゃん、本屋の店員さんガチ似合ってるし!
芦田愛菜ちゃんにBL漫画を探させるなんて😆
こんな本屋さん行きたい(*´∀`*)
同級生が自分のバイト先レジにBL持って来るって気まずいし(^_^;)
とゆーか…BLと留学が並列か!?💦
色々と笑
雪おばあちゃん、漫画の発行数が1年半に一度と知り
「まだそっちには行けないわ」笑
ニヤニヤしながら漫画読んじゃうのとか
大きいとは言えない本屋さんにアレだけのスペースのBLセクションが!まぁ〜
BLって、市民権得てるのね〜〜〜…と、感心( ´○`)=3
ひたむきに一生懸命、漫画を描くことに没頭する姿は応援したくなります。
作中の漫画、絵もキレイだし読みたくなったわぁ〜
宮本信子が最高
芦田愛菜と宮本信子というキャスティングが絶妙に良かった。特に宮本信子のチャーミングさ。何かに夢中になっている人というのは、それだけで魅力的に見える時があるのだけど、年を重ねても何かに熱中できるというのは素晴らしいことだなと思う。BLにのめり込めばこむほど、宮本信子が生き生きとしてくるのだけど、実際、新しい趣味に目覚めた時の、内から湧き上がってくる不思議なエネルギーってあると思う。本作は、そういう不思議なエネルギーを描くことに成功していると思う。
ものつくりの情熱と、作ったものを世に出す時の不安感もすごく丁寧に描かれている。漫画家になりたい芦田愛菜演じる主人公の不安と、彼女が憧れるプロ作家の悩み。同人文化の良さは「好き」という感情だけで何かを発表できること。それが誰かに伝わり、上手い下手を超えたところで刺さるかもしれないこと。そういう奇蹟みたいな科学反応が起こるのが同人の世界だけど、その素晴らしさも愛情深く取り上げられているのも素晴らしかった。
芦田愛菜の駆ける姿に惚れ惚れする。
芦田愛菜という人は、演技力だけでなく身体能力も凄まじいようで、如実に現れているのがこの映画で何度も登場する走るシーンではないか。BLにハマっているオタク系という設定からか、普段のシーンでは多少姿勢が悪く演じているのだが、宮本信子演じるお婆ちゃんとBL仲間になってからは、好きなものを語り合う喜びがはち切れんばかりで、とっととっとと駆けていく。惚れ惚れするような体幹とフォームとスピードだ。その時の、まるで別の生き物にでもなったかのような躍動感が、観ていて本当に気持ちがいい。そういえばアニメ作品だが『海獣の子供』でも芦田愛菜は駆ける役ではなかったか。
宮本信子に関してはやや分が悪いというか、セリフはセリフっぽく、キャラクターは類型的に演じてしまっているように見えて、それはそれで技術があるから成立しているのだけれど、芦田愛菜に限らず最近の若い役者はセリフとセリフのすき間にニュアンスを込めることに長けていて、W主演なだけにどうしても古いタイプの演技に見えてしまう。とはいえ、芦田愛菜や古川琴音といった今後の映画界を担っていくであろう才能の輝きが見られて満足だし、またふと見直すときに宮本信子の手堅い名女優っぷりに改めて感心するような気もしている。
視野を広げてくれる優しい映画
学校という狭い世界の中で、友達を作らなきゃというように思ってしまうことがある。
このふたりは、年齢がおばあちゃんと孫くらいに離れているが、
そんなふたりの間に共通の趣味を通じてどんどん友情みたいなものが芽生えていくところをみているのがとても心が温かくなる。とくに中高校生くらいの年頃だと、周りの目が気になってしまったりすることもあるけど、年齢問わず心を通わせられるということは本当に尊いことだなと思う
年が離れているからジェネレーションギャップを感じたりかみ合わないことも多いと思うけどお互いいい刺激として作用していた
魔法の縁側
ボーイズラブコミックを通して出会った非リア充の女子高生と夫を亡くしてひとり静かに暮らす老婦人との交流を描いたドラマ。
前にニュースで高齢者施設と保育園が併設されている施設が紹介されていて、高齢者にとっては子供の相手をすることで活気が甦り、健康にもいいとのこと。保育園側にしても子供と遊んでもらえるので人手不足解消に役立ち一挙両得なのだという。
本作でも女子高生と高齢者の世代間交流が描かれる。高校生なんて日々、学校と家との往復だけなので世界観が限られる。交友関係を広げることで二つの世界以外を知ることは視野を広げるのにも役立つし、人間的成長も促される。逆に高齢者にとっては若い人間との交流で若返り効果が得られる。
本作はまさに老婦人の雪がうららと年齢を超えた友人関係となることで活気づき、くすぶっていたうららも雪に背中を押されて何か一つのことにチャレンジすることで一歩成長する。
二人が過ごした雪の家の縁側にはうららに羽化を促すホルモンのような魔法の力があったのかもしれない。そして雪には若返りの効果を。
お話自体は悪くなかったけど、ちょっと長すぎるかな。そのせいで内容が希釈された感じ。
時間が愛おしい
なんだか説明のつかない感情。歳の離れた名女優の絡みに自然と頬が緩み、時に涙。なんのことは無いストーリーなのに、いつまでも観ていたい。。。そっか、主人公達がBLの2人を応援していた様に、私も主人公達を応援したい気持ちでいっぱいになったんだろうなぁ。リアリティある演技とストーリーもとても良かった❗️
奇跡の根源
「ズルい」
佐山うららが思わず漏らした言葉。
幼馴染のツムグがうららの部屋で読んだ漫画のテーマだったBL。
それをエリに話したことでクラス中がBLの話題で持ちきりになった。
うららはそれが「うらやましくて仕方なかった」のは、思ったことをすぐに話すことができそれをみんなで共有して楽しんでいる様子が、自分には全くできないことだったから。
どこにでもいる女子高生。授業中に描いている漫画。
うららに起きたたったひとつの奇跡が、老婆市野江雪との出会いだ。
書店のバイトで、老婆がBL漫画を買うということにうららは仰天した。
そして心躍るのに年齢は関係ない。そこまではっきりと認識したわけではなかったが、その漫画について誰かと語りたいと思っていた自分を発見した。
それは、このサイトを見つけた私と同じ心境かもしれない。
自分らしく居られる。
その時間が楽しい。
その時間があることで生活に張りが出る。
たったそれだけのことを、うららは今まで感じることができずに生きていた。
漫画の感想を話し合うことがうららにとっての最高の時間。
それは老婆も同じだった。
老婆はうららに言う「私だったら描いてみる」
うららは自分の好きなこと、漫画を描くことを否定している。
自分なんか どうせダメ できない それが彼女が今まで積み重ねてきた「常識」だった。
同時に、昔老婆が一歩踏み出せなかった後悔を感じ取る。
それでもうららは老婆との楽しみを少し発展させるためにコミケに誘うが、あまりにも多い人混みに老婆のことを案じ、受験勉強だと体裁よく断った。
それは誰もがしてしまう気を利かせた嘘。それが誰のためにもならないことをまだ気づかないうらら。
結局受験勉強など手につかないまま、好きな漫画を読む毎日。
進路調査票の提出期限。老婆との再会。
老婆が昔貸本屋で借りた本の作者にファンレターを書いたが、文字の汚さに自分自身が幻滅して出せないままだった。それが原動力になって習字を習い始め、今では先生になった。この思いがけない人生の道のりの話が、ウララの心に刻まれる。
自分がしたかったことを再発見したうららは意を決してコミケの出品者側を目指して漫画を描いてみることにした。
それは彼女にとってとても大変なことだったが、終わってみれば「とても楽しい時間」を過ごせた。人生で初めて何かに夢中になれた。
このシーンに私の心が強く動かされた。それはきっと私にとっての真実だろうと思った。そこに何らかの結果を求めてしまうと何もできないのだろう。また、「結果」に失望するのだ。
当日、うららは腰が痛くて動けなくなった老婆の力を借りることができず、一人でブース設置をしようとするが、この場所にいる自分自身が「正気」なのかと信じられなくなってしまう。
彼女の漫画を買いにわざわざ来てくれたツムグが彼女の描いた漫画を買ってくれた。
同じころ、車の故障で立ち往生している老婆に、女性が話しかける。この奇跡は、誰もが大きな伏線登場と期待したはずだ。
しかしそれはうららに起きた奇跡ではなく、そのまま老婆に向けられた奇跡だった。
その日が終わり、老婆の自宅で大泣きするうらら。行動できなかった自分自身が悔しくて仕方ないのだ。一人では何もできなかったという思い、挫折感。
でも二人の漫画トークは続いた。やがて最終回を向かえ、サイン会に行くことになる。
その作家との出会いという奇跡は老婆に起き、うららには起きなかった。
しかしその日ウララは、もじもじしているツムグを連れて途中まで一緒に行って、大急ぎでサイン会場まで行って目的のサインをもらうことができ、おまけに老婆から憧れの作家が自分の描いた漫画を読んでくれたということにとても満足できた。
この作品のタイトルが示す変化は、うららがしたいことを一つ成したことで達成したのだ。
自分で漫画を描き、製本し、販売したということができたのだ。
一歩踏み出してみること、結果を期待しないこと、そして「価値」とは、その人固有のもので、その人自身が大いに楽しめればそれで完了するもので、そこに他人の評価や相対的価値などないということだろう。
そういう一日を送ることができれば「今日は完ぺきな一日」なのだ。
そしてうららは、老婆と過ごした時間の中で学んだことを、「カレーの匂い」を嗅ぐたびに思い出すのだろう。
彼女の人生の中の大いなる学びは、老婆との出会いという奇跡によって起きたのだ。その奇跡を、うららが邪な常識を持って否定しなかったからこそ起きたのだろう。
大いなる真理が描かれた作品。とてもよかったと思う。
こういうの好きだな
ふたりの関係が素敵すぎて憧れます。ゆきさんは変に偉ぶらないし、うららさんはゆきさんに刺激を与えます。BLマンガ、そんなに良いなら読んでみたいし、私も縁側で色々とお話ししたい。そんな人を好きになる作品でした。宮本さんの《たんぽぽ》観てみたい。
BLでつながる年齢を超えた友情
私も年の若い友人がいる
娘とも、かなり親友に近い関係だ
なぜそのように繋がるかというと結局、コアな趣味の話をする、という所だろう
てもしかし、大人の私からすれば、同じ趣味を持つ同年代賀見つかれば、さらに素敵な関係が築けるのではないか、と常に思う
しかしながら、世代を超えた会話というのは、学ぶことばかりで、大変楽しい
若い友人の方は、どう思っているのだろうか??と思うのだが、この映画を見て、きっと向こうも楽しんでくれているんだろう、と思えて安心した。
タイトルなし
宮本信子さんが演じた”雪”の上品さと知性と積極的なところが素敵。
”雪”のメタモルフォーゼは何だろうかと考えると深みがある。
”うらら”も読者から作者へ、ラストの描写は明るい未来の世界線にメタモルフォーゼしたようにも感じる。
”コメダ先生”も何か変わった。
登場人物が皆、僅かかもしれないが確かにメタモルフォーゼしている。
個人的に、漫画を読んだり描くのが好きだった自分の思春期を思い出した。
今作の見どころは、雪が住む年季の入った庭付き縁側付きの一戸建て(の内装や装飾品)、それとは対称的な団地の雰囲気(と置いてある物)。貧富、若者と老人、学校におけるオシャレグループと孤立しているオタク、本屋と同人誌即売会、プロと素人、漫画の中では男同士の愛の物語で現実世界では女性同士の友情物語、対称的なものが沢山登場していて、見応えがある。
今の日本をリアルに描いていると言い換えることもできる。
日本の少女漫画文化の描写も丁寧で、そのうち将来は貴重な映像資料になるかもしれない。
「きょうは完璧な1日でした」「私も」というセリフで、爽やかに締めくくった雨の夜が印象深い。
最後、風に乗ってくるカレーの匂いに言及するシーンが好き。
変身!
タイトルの意味がよくわからないまま観てしまいました(汗;)。BLには興味も知識もないのですが、BLをきっかけに交流を深めていくうらら(芦田愛菜)と井雪(宮本信子)のささやかな日常が微笑ましかったです。大小様々なレベルで差別やヒエラルキーがあって、そういったことのないみんなが生きやすい社会にしよう、多様性を認めようという正義の規律に息苦しさを感じるときもあります。いい意味でのいい加減さ、寛容さがいかに難しいことか…。そういった時代の雰囲気を映し出した作品なのかなと感じました。宮本信子さんは、相変わらずいいですね~。
忘年の交わり
どうせいつもの日本映画なんだろうと思って見た恋は雨上がりのように(2018)がよかった──のと同じで、このメタモルフォーゼの縁側も期待しないで見たがよかった。
ふたつともまんがを原作にしているので引き合いにした。
テレビ系の監督なので日本映画臭もなかった。
気取りがないし、偉そうじゃないし、人をばかにしていないし、等身大に描かれている。
原作にも演出にも嫌なところがなかった。
BLまんがを通じた忘年の交わりが描かれている。
芦田愛菜は好ましさの塊のようだった。
脈略のない気分だが、大谷翔平や芦田愛菜を見たとき、この世は人間の格差がひどすぎると思う。
優れて美しい人と、くそな人の懸隔がありすぎる。──ということを感じざるを得ない。
芦田愛菜は演技も巧かった。
年長者に敬語をつかう感じ、くりくりしてよく動く目、軽やかな声色、雪肌にぷっくりした頬、カジュアルもセーラー服も似合い、ちいさい人なんだろうかスマホがやたら大きく見え、あらゆる動作と佇まいから光のように良き人間オーラがほとばしる人だった。
宮本信子はいつものかんじ。
伊丹映画ではおなじみの人だが、それより昔、寅次郎が旅先で赤子をおんぶして思い詰めた感じの若い女にお金をかしてもらえんでしょうかとたのまれる回があってそれが当時25、6の宮本信子だった。
そこからのシークエンスは涙なくしては見られない。ぜひ男はつらいよ純情篇(1971)をごらんください。
また高橋恭平というアイドル兼俳優、このポジションだと「ぬるっ」とするがかれは「カラッ」としていたので演技が上手だと思った。
ギターを主にしたサウンドもよかった。それはエンドロールの芦田愛菜&宮本信子のデュエット曲となる伊東妙子作詞/曲の「これさえあれば」につながって、さわやかに幕引きした。
じぶんは市野井雪(宮本)が亡くなってエピローグするような気がしていた。そのほうがしんみりと余韻するような気もした。お涙ちょうだいはいやだが、ラストで佐山うらら(芦田)が笑顔で仏壇に花をたむけるような絵を想像していたが、そうならないから、よかったのかもしれない。
映画中まんがの「遠くから来た人」も原作者が書いていて、映画中芦田愛菜の朗読で読ませてくれる。つたないけれどぐっとくるまんがだった。
芦田愛菜にへんな日本映画に出ないでほしいと思う映画だった。日本の映画監督に芦田愛菜のほう見んなや──とつくづく思う映画だった。
ハートウォームすぎる
この映画を観て「もう、年だから…」と趣味などの行動制限をするのはやめようと思いました。芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんという演技力の高い俳優陣で独自の世界観を築いていました。
好加減
ほっと吐息がこぼれ
ほろりと涙がこぼれた
こんな優しい映画があったなんて…
出てる人々、みんなが温かくて
頑張ってて、戦ってて、応援したくなる
見てる途中きっとこの人は嫌なやつなんだとか、この人が話をこじらすのかな?と想像してた自分が恥ずかしい🥹
中盤から所々で泣く私を見て
母が「最近疲れてるんじゃない?」と言っていましたが
最終的にはちゃんと母も泣いておりました笑
ぜひみんなに見てほしいなぁ
タイトルの好加減(いいかげん)はラストのシーンに映っていて、読み方が分からず調べました!
いい加減=テキトーなイメージでしたが、
この漢字なら、ちょうどいいくらいの加減
といったイメージですね、なんだか力が抜けてて好きです。ということで、タイトルはこれをつけます。
シンクロ
細かいセリフ、漫画、お習字、色々考えられててクスッとなる。
この映画のジャンルは何なのかな。だからこその芦田愛菜キャスティングなのか。
自宅で観ていると、掴みが微妙だと途中で中断もあるのですが、一気に観ました。
心温まる映画。
キャスティングも演技も脚本も演出も全部良かった。
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