アンテベラムのレビュー・感想・評価
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この騙され方は意表を突かれた
奴隷時代が回想シーンで過去かと思ったら、現代パートの方が時系列的に前で驚いた。農園の雰囲気が昔くさいのも騙される。辛い経験を経て、幸せな生活を手に入れたんだろうなーと思って観てたわ。どっちが前後でも辛いことには変わりないけどね...。
奴隷時代がとにかく胸糞で観てて辛い。だからこそ、最後エデンが火をつけ白人女を馬で引きづり回して脱出するシーンは爽快だった。
あとヴェロニカの太った友人が良いキャラしてから、あの仲良し3人組のスピンオフでラブコメ見てみたいかも笑
感想メモ
前半は南北戦争時代のアメリカ、後半からは現代のアメリカで同じ顔の女の人が活躍する、祖先の因縁的な物語なのかなぁ、と思ったら!
「ゲット・アウト」や「アス」と同じプロデューサーということで、人種問題に絡めた作品なんだろうなぁ、とは思っていたが、あまりにもわかりやす過ぎるというか、主題が主題なだけに軽くは見れない作品
過去は変えられない、過ぎ去ってさえいない、という劇中の言葉の通り、現代でも南北戦争時代のような差別はまだあるよ、という事ですねー
妊娠している女の人が連れてこられた時の動揺の仕方や、主人公のことを知っていること等違和感はあったんだけど、気づかなかったなぁ
騙されました。
スマホの登場で?となって
一気に謎が解けて
なるほど!!
思い返してみると
オープニングで○○年、のタイトルでないなと思ったのも
妊婦がまったく状況把握しないで騒ぎ出すのも
そういうことだったのねと納得。
もっと誰にも見つからない僻地でやってるのかとおもったら、
映画村みたいなとこでやってるの、うーん。
映像のつなぎ方が上手いと思う
時系列が順番通りではなく、現在→過去→現在というような描かれ方をしている。
あーそういうことかと分かったときの爽快感があり、なかなか楽しめた。
少し気になったのは過去と思われる映像内で、スマホが映るシーン。
もう少し手元を大きく移した方が家庭で見る場合にはわかりやすいかと思う。
そうきたか
いつの時代かと…まさかと思うのは、やはりスマホが出てくるシーンでしょう。
それまでまんまと騙されてしまった。
そんなことが?まさか!?と。
いやいや、すごいね。
これが現代のアメリカで行われていたとしたら。
部屋の中で妙な動きをするエデン。
なんだろうと思ったら、そういうことだったのね。
そしてベッドから倒立して出てくるところ、若干ホラーだった。
これ、どのくらいの期間だったんだろう?
最後の最後まで施設名が明かされなかったけど、再選を狙うなんちゃら氏のポスターが出てきたり、伏線はありましたね。
なるほどこれは何も知らずに観た方がいい。
“予備知識なしで観るべし!”の理由!
そういうことこかぁーー!となる。
最初の奴隷シーンが長かったから前世の記憶が現代に残ってる系の話かと思いきや、まさかの展開でした。
冒頭、奴隷にされてる人たちがエデンに対して口にしていた『あなただけが頼りなの』というセリフ、これも、黒人差別に対して精力的に活動していた彼女に希望を持っていたからの発言だったのか。
しかし、人種差別というものが根強くない日本人の私にとって黒人差別というものはここまで酷いものかと衝撃を受けた。
結局、白人至上主義の議員が秘密裏に同じように差別している人たちを集めて、擬似奴隷農園を開いていたということか。
恐らく、参加者たちからは高額なお金を受け取っていたのだろう、、
その議員がエデンを気に入っていたのも、あんなに表舞台で差別に対して意見する強気な女性を虐げて手元に置きたいというかなり曲がった思考の持ち主。
だから、その娘もヤバいほど性格捻じ曲がっている。
あの、リモート取材の白人女性、すっごい差別感出してくる人だなと思ってたらまさかの黒幕の1人だったとは。
でも、最後にサラッと“女性は男性の尻拭いをさせられる”と彼女も性差別に対しての不信感は抱いていた様子。
なのに、自分よりさらに弱い立場にはあんなことを平気でできるんだなぁとドン引き。
ヴェロニカがホテルのエレベーターで出会った女の子は、シャイニングに出てくるような幽霊系かと思ってたけど違った。
色々と脚本の手がこんでて面白かったけど、最後はちょっとあっさりだったなぁ〜
あの議員がどんな理由でどういう風にこんなことを始めたのかを掘り下げて欲しかったなぁと。
シャラマンじゃね?
あれじゃん。
シャラマンのヴィレッジと同じオチ。
南北戦争以前の黒人奴隷と現代の黒人のエリート女性が過去と未来を行き来して
何か時間の混乱が起こるホラーかと思いきや、最初から現代劇で人種差別主義者が
黒人を攫って南北戦争以前を再現するとか、、
何か大袈裟な仕掛けがあるのかと思いきや何のことはないテーマパークの中😂
シャラマンのヴィレッジの時もめっちゃガッカリしたオチだったのに、
同じオチをしかもテーマパーク内で黒人奴隷をリアルに再現とかいくら何でも無理があるだろ。
主役のエデンとヴェロニカを一人で演じ分けていた女優が顔が別人のように変わっているのは面白かったけど、それくらいしか見るところはないかな。
経験した事の無いプロット。
本当に良く出来てる。時間と空間をずらしているかのような構成で物語が時間軸上に展開し、一方でその進行をパッチワークの様に切り刻んでは再構築しズレていたかのような時空間を一本の時間軸に収斂させていく。本作品で展開したドラマツルギーは他に類を見ない。満点でもいい。傑作である。奴隷制をテーマにしているように見せかけて現代社会における人種差別、性差別、世代間差別を見度とにクローズアップさせている。
やられました
うまく作られた映画です。傑作です。さすがというべきか。
アメリカは今でもそういう社会だってこと。
「過去は消えない。通り過ぎてさえいない」冒頭に掲げられます。
えぐってくれてますねえ。脱帽です。
振り返れば伏線だったなあ、と思うところがありますね。
・プランテーションの中で奴隷イーライが”Cracker(貧乏白人)”と陰口をいうところ。
Crackerというスラングが南北戦争時代から蔑称だったかは大いに疑問だし、イーライの方が本当は上位であることを暗示しています。(イーライは本当は大学教授ですから)
言葉遣いを細かく聞き取れれば現代でしか使わない言い回しもあるんじゃないでしょうか。残念ながら英語をそこまで聴き取れないので私には見破れませんでした。
・火葬されてしまったイーライの奥さんの遺灰の中から出てくる十字架のペンダント。金製で灰の中でもピカピカ。奴隷が持てるような代物じゃなさそうだ。これにはちょっと違和感がありました。
・新入りの奴隷がイーデンが特別な人物であることをすでに知っていて、すぐに逃げようと言ってくる。また、イーライたち他の奴隷からも彼女がなにか期待されているところ。最初はイーデンが霊能力者で、そっち方向で解決する話かと思いましたよ。
監督たちはそういったイースターエッグはたくさん仕込んであるって言ってるようだから、探せばまだいっぱいあるんでしょう。もう一回観てみようかな。
アメリカでは意外に評価低いんだよねえ。白人はこの映画を観て嫌な気分になるのかな。
「グリーンブック」みたいな「白人だけど黒人の味方だよ」って人がほとんど出てこないからね。
で、「グリーンブック」はオスカーなんだよ。ちょっと考えさせられる。
おもしろい
何も知らずに見たら面白い。
あらすじすら読まずに見ることができて良かった。
普通に奴隷時代のスリラーのつもりで見ていた。
場面切り変わって現代、過去からは逃げられない!
そういう系の映画かと思っての…
なので、完全にこの映画の意図する通りに
ストーリーを楽しんだ。
演出技法を逆手にとるミステリー小説がやってきた
トリックの新発明みたいな快感映画
映画を予想しながら見たい派には向かないかもしれないが
1回は最高に楽しめる映画。
ただ、これは繰り返し見ることに耐えうるほどの上質さがない。
でもそれで十分! 良いエンタメです。
馬が上手い
スマホが出てくるまで、2元中継ものかと思った。
皆ここで「やられた」と思うのでは?
(これは制作側のアイディア勝利)
この制作陣の得意技「終盤あたりに仕掛けを一つ解除する」(シャマランの影響か)
個人的にはジョーダンピール監督作品の「ゲット・アウト」「アス」が好みだが、今回は監督を変えての作品となる。
時系列を反転させ、現代と過去の境界線を曖昧にする脚本と演出。
アイディアは良いが、現実問題として、主人公のヴェロニカ以前に拉致られてきたであろう人々の扱いはどうなっているのか?
上院議員の力で結構な規模のプランテーションだが、少しずつ拉致してきたとしても、大勢の行方不明者が出ていることに疑問を持つ者はいなかったのか?(短期間であればなおさら)最も長くいる者はどれぐらいなのか?定期的に入替えでもしてるのか?(主人公の失踪も結構時間経っているように見えて6ヶ月ほどしか経過していない)
おそらく彼女が最初の脱出者(生存者)だろうから、彼女の影響力は凄かろう、上院議員(白人至上主義者)側もただでは済むまい。
本作は、過去の負の歴史である黒人奴隷制度を通して、現在もなお根強く残る差別意識を可視化した物語となっている。
差別意識を自覚的、無自覚的に持っている人たちもいる。つまり、黒人たちにとって黒人差別とは過去のものではないということ。
日本の芸人が顔を黒く塗っただけで「差別」というぐらいですから(-_-;)・・・
人種差別は根深いものではあるが、まだ引きずっているのか、とも思う。(映画のネタとして)
歴史の浅い国なのでそれしかないのかなと…
料理の仕方でいくらでもできそうだが、単一民族の日本人としては根深いところにはピンとこないのよね。
すごかった
過去の人物とリンクする話なんかと思ってたら、現代のレイシズムてんこ盛りやったってゆー仕掛けに、スマホが出て来るまで気づかんかった。
綿花を燃やしてるように見えたけど、なんか意味あるんかなとか引っかかりはあったけど、全然想像してなくて、今も変わらず地獄は続いてたってゆーのが辛いし悲しいし怒りでどうにかなりそうやった。
実際、BLMが象徴するように今でも黒人差別は残ってるし、アメリカだけじゃなくて世界中に差別はあるし。
実話ベースやったりする映画が多い中、ナチに対するイングロリアスバスターズみたく、黒人がレイシストに対して暴力で復讐する映画があったっていいし、それが出来るのがフィクションやから、作られた意義がある作品やと思う。
ちょっとユニークなサスペンス
ポスター見て「また主役だけが有名俳優の黒人のホラーか」と流そうとしていたが、ふとあるところで映画評を見て、単純なホラーじゃないのだと知って鑑賞。
「ドリーム」の役柄とオスカー授賞式でのパフォーマンスで、私の中では明るくてファッショナブルでオキャンなイメージだったジャネール・モネイが、18世紀のノーメイクの奴隷と現代の成功した女性を交互に演じる。
時代は変わっていて、もうココでは人種差別なんか通用しないよ。と思ったら大間違いで、突然奴隷時代に引き戻される。でもスマホを使っていて、タイムリープにしては変…⁉︎
なかなか面白かった。
【アメリカの分断】
こうした作品が制作されて世に出るほど、アメリカのリベラルな人々と、白人至上主義者達の分断は、埋めることが出来ないほど根深いのだろうか。
トランプ支持者や、Qアノンは発狂しそうだなとか、一度は、笑ってみたものの、よく考えると、かなり暗い気持ちになる作品だ。
この作品を観たアメリカ人は、どう感じてるのだろうか。
トランプ支持者や、白人至上主義者が観ると到底は思えないが、Qアノンは、例の如く、陰謀だと騒ぎ立てているのだろうか。
(以下ネタバレ)
物語は、一言で言うと、”ナイト・シャマラン的”だ。
彼の作品の中では、かなり好きな方の「ヴィレッジ」を思い出す。
この「アンテベラム」は、途中で、この作品の仕掛けが分かるように描写が配置されているが、その動機など全貌は分からないままになっている。
所詮、こんなことを考える人間の頭の中を全部理解するのは不可能だと言っているようにも思える。
首謀者が上院議員という設定も、結構攻めているなと思ったりしたが、かなりのロングランの映画「American Utopia」で、亡くなったかなりの数の黒人の方々の名前がシャウトされたのを思い出して、やむを得ないのかと考えたりもした。
差別主義者や、人種主義者に言い分があるとは思わない。
僕のオフィスのネット右翼のおっさんは、昔、在日韓国人の人に嫌な思いをさせられたと動機を話していたが、彼は、中国人も嫌いだし、イギリスのEU離脱や、トランプ政権の誕生を目撃して、新しい世の中が来ると嬉々とし、安倍チーン三は知能指数が高いと言っていた。
合理性など、どこにも存在しないのだ。
だから、こういう人間に政治や組織の運営を任せられないのだ。
世の中は、以前にも増して、急速に、自動化や、IT化、あらゆる分野でのAIの活用が進んでいる。
差別や人種主義に勤しむのは止めにして、もっと勉強する方が合理的な気がすると考えるのは僕だけじゃないと思う。
※ あと、余談だけれども、上院議員を見て思ったのだけれど、男は外で働き、妻は家を出て守るって父権主義も皮肉っているのだろうか。
本当に怖いのは人間
こういう価値観の白人、口には出さないだけで今でもまあまあいるんだろうなあと思わされて、めっさ怖くなる映画だった。これってアメリカの白人の少なくない数が持っている隠れた願望なんじゃないのと思わせることに成功している点で優れた作劇と言える。生半可なオカルトより、人間の方がよほど怖いのである。幽霊はいるかどうかもわからないが、こういう人間はたしかにいるわけで、どういうきっかけで最悪の人間性が発現するかもわからない。テーマは明らかに現代アメリカの人種差別だが、ホラーの性質としては貴志祐介の『黒い家』に近い。人間が秘めて隠している嗜虐性の発露を描いている。
何も調べずに見るべし
面白かった。
この映画はとにかく何の事前情報ももたず観た方がいい。
ひさびさに映画で気持ちよくだまされた!
どういうこと? どういうこと? からの、そういうことか! が気持ち良い。
中盤がホラーテイストになってすごく怖いのだが、ホラーの演出を兼ねた伏線になってるところが本当にうまい。
最後の最後に・・オチ?
前半は南北戦争中のアメリカのプランテーション(大規模農場)で白人達に監視されながら来る日も来る日も綿花畑で労働させられたり、特に女は食事や洗濯などの家事をさせられたり性暴力を受けたり、耐えきれず脱走を試みた者は情け容赦無く殺され、白人の許可なく口を聞いただけで殴られたり・・と、正に生き地獄のような描写が続く(去年観た「ハリエット」も同様だが、白人達の黒人への過剰な暴力と異常な執着は全く理解できない)。
そんな時代を生きているはずの主人公が、ある夜の就寝中、何故か白人の"スマホの着信音"で目を覚ます。。観客は"えっ??"となるが、そのまま主人公は現代のアメリカで夫と娘とそこそこ裕福に暮らしている設定に突然変わっている。仕事や友達付き合いで多忙な生活を送るなかで、底意地悪い白人の女と、意味あり気で不気味な白人の少女も登場(農場の婦人と娘?)、やたら無愛想なホテルマンから届けられたブーケにはこれまた意味あり気に綿花が混じってたり、乗ったタクシー内で襲われて拉致され再度プランテーションで働いている設定に戻っている。そこで白人に逆襲し、スマホを奪い、911に電話したら何故か夫に繋がって無事に助かった・・・?
現在と過去のパラレルワールドとか輪廻転生?を表現しているのかと思ったら、、最後の最後で「南北戦争再現パーク」と書かれた看板が・・。え?どーゆーこと?壮大な"ドッキリ"ってこと?いや、誰が何の目的で?酷すぎるし、どう見ても犯罪では? 自分はこういう強引なオチは、ちょっと受け入れ難い、、何を描きたかったのかよく分からない作品。"ネタバレ厳禁"という文言にかなり興味をそそられますが、あまり期待しすぎない方がいいと思う。残念ながら大した驚きや感動、面白さは無く、、オススメはしません(笑)。。
ネタバレ知りたい方向け
作品説明は一人二役となってますが、どちらも現実の本人で一人一役。
時系列のトリックと見せたくないものを隠すトリックの映画で、SFでは無いです。
現在も過去も、奴隷状態も金満的な人気作家状態も、私には胸くそ悪く感じたけど、未来は地に足付いたしっかりとした人生になるのかな?
オチに到る道のりは長く
綿花畑で働く黒人女性奴隷の話が、序盤から延々と小一時間、その後のセレブな黒人女性の生活シーンもダラダラ話が続き、一体何を観せられているのか不安になります。トワイライトゾーンみたいな話しかと思ったら、引っ張りに引っ張って、オチはまさかの日光江戸村と来ては肩透かしもいい所でごさんす。ここまで引っ張る演出力はある意味すごいけど、全体的にバランスが悪い作品です。伏線もロクにないので、オチも意外感でなく唐突感しかないです。役者さんも,皆さんあまりお馴染みでなく、印象に残りませんでした。
次回作に期待
冒頭のエピグラムと、過去が舞台なのに年代を示すテロップがない事から、本作の仕掛けは開始10分ぐらいで容易に想像がつくものだが、そうなると後に残るは黒人虐待の鬱展開と中盤から始まるダルいネタばらし(ここで主人公が乗馬が上手い理由の伏線が張られている。念のため)があるだけで、映画館の暗闇で腕時計の文字盤を見るという、チャレンジを何回かしなけばならない。
ただ、マジックアワー、長回し、馬、銃、そして、死と長編デビュー作の冒頭でしっかり映画に仁義を切るあたり好感が持てるし、ラストのスローモーションは幻想的でエモーション溢れる本作白眉のシーンになっており、このシーンを見れただけでも、観に来た価値があったというものだ。
もちろん、このシーンの為に1時間40分我慢してくれてとは、口が裂けても言えないが。
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