ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実のレビュー・感想・評価
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生きた証を
30年以上請願されてきた、ベトナム戦争においてのある空軍兵への名誉勲章授与を巡り、空軍省官僚のホフマンが奔走する物語。
名誉勲章が認定されない理由は何故か?ピッツの両親や当時の戦友達の想い、そして陰謀渦巻く現代のペンタゴンを舞台にホフマンの闘いが始まる。
こんなに泣けたのは久々ですね。
自らの命を顧みないピッツの姿に感動するのは勿論、生き残った者たちの後悔と苦悩や、真実を明かす勇気、そしてそんな彼らの為に奮闘するホフマンの姿…。
彼からすれば30年以上前に亡くなった顔もしらない人物。それでも、真実を知るほどに、自らの立場を懸けてでも闘うホフマン。
その姿はまるで、戦場で傷ついた兵を助けるべく駆け抜けたピッツのように…。
その他、未だ苦しみ続ける者たちがホフマンとの出逢いをきっかけに変わっていく様や、さりげなく本作の核心に迫る一言で夫を励ます妻のタラ等々、サイドを固める人物も皆素晴らしい。
ラストはもうちょっとトラブルがあっても良いかなと思いつつ、心憎いまでの演出で見事に涙腺は崩壊‼ここはホントに屈指の名シーン。がっちりと心を捕まれたよ、閣下。
不満があるとすれば、上映館が少ないことですかね。是非もっと多くの人に観てほしい!
これまで自分は、亡くなっている人への勲章…って、授与してどうするの?
なんて思っていたけれど、この名誉勲章こそが命を懸け、皆を助けたピッツが生きた証として、とても重要な意味を持つんだなぁ~と思わされた。
でも、本当に彼が生きた証は、名誉勲章ではなく、最後に立ち上がった…ね?
ここで☆5を付けずにいつ付ける!
誰かの為に命を落とした者、その者を想い今も苦しむ者、そして30年以上前に亡くなった者の為に闘う者、それを支える者全てが輝かしく見えた傑作だった。
パンフレット買って帰りたかったけど、まだ泣き顔だったので諦めた(笑)
地上に降りた空軍兵
1999年に米国防総省空軍省次官補候補の『FNG』ハフマンが、1966年ベトナム戦争下のアビリーン作戦で命を落とした空軍落下傘救助隊員ビル・ピッツェンバーガーに名誉勲章を授与させるべく奔走した話。
戦死者である為空軍十字賞は受賞していたが、最高位の名誉勲章が授与されるべきだと32年間に及び請願され続けていたピッツェンバーガー。
その請願にやって来たタリー曹長への対応から始まり、ハフマンが関係者の証言を集めることになって展開して行くストーリー。
ベトナム戦争に関連する映画であり、勿論戦場のシーンもあるけれど、あくまでも、1999年にハフマンが当時の関係者からピッツェンバーガー及びアビリーン作戦のことを聞いて名誉勲章授与に向けて何があったのか、そしてなぜそれまで授与されなかったのかを調べることが主。
ピッツェンバーガーの人柄と彼の行動は勿論、彼を推す人達の後悔と感謝、ピッツェンバーガーの両親の誉、そして自身の立場を顧みず推し進めて行くハフマンをみせていく脚本や、演説の上手さは流石ハリウッド。
多分事実なんだろうけれど、余計な忖度を悪として描いていないのも、変なモヤモヤに繫がらずに良かったし、まさか泣かされるとは思わなかった。
エンドロール中のインタビューももっともっと観たかった。
心の動きを丁寧に描いた映画。名優たちがたまらなく味わい深い
ベトナム戦争の実話。アビリーン作戦は知らなかったなあ。サイゴン近郊のアビリーン作戦で多くを救った衛生兵の実話と、興味がなかったのに心を動かされ30年ぶりに名誉勲章獲得に奔走した国防総省キャリアの実話。帰還兵の苦悩が、とても丁寧に描かれて、想像するだけで苦しくなる。そしてそれを支える家族もまた、やり場にない思いを抱えている。スクリーンから生存した苦しみが迫ってくる感じの映画です。キャストがとにかく豪華で物語に深みをましていますし、彼らとの対話で変化する主人公の心の変化もとても丁寧。ピーター・フォンダに、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・ジャクソン、ジョン・サヴェージ。うーん、たまらん。
派手な展開はないが心掴まれる良作
ベトナム戦争に参加した大勢の戦死した兵士
の一人に過ぎないピッツバーグに最高の勲章を
あげて欲しいという導入の作品。
戦争は良くないよ、とかアメリカは偉大万歳、というテーマより、正当な評価を与えられていない人がきちんと評価される事の大切さ、それは必ずしも本人だけでなく時には周りの人々にさえ救いになるという事をこの映画は伝えているように思いました。
【アメリカという国】
ベトナム戦争だけではなく、イラク戦争や、トランプの登場による分断、トランプ支持者・白人至上主義者の連邦議事堂乱入・暴動など暗い部分はあるものの、アメリカという国で感心させられるのは、それを巻き戻そうとする意欲や力が個人や社会に存在していることだ。
民主主義の正義のようなものが、どこかで必ず息づいているような気がする。
最近では、アフガニスタン紛争の最中の米兵の殺害行為を暴くストーリーの「キル・チーム」は、米兵の勇気ある告発をモチーフにしたものだし、イラク戦争の証拠なき開戦を告発したメディアが題材になったのは「記者たち」だ。
この作品は、ベトナム戦争で、多くの負傷兵を救いながら、自身は亡くなってしまったピッツェンバーガーの名誉勲章について、30年を超える長きにわたって、これを請願し続けた元米兵がPTSDなどで苦悩する姿も描かれ、戦争の悲惨さを伝えている。
ハフマンは、元米兵の証言を聞くうちに、自身の為すべきことは何かと自問自答し苦悩するが、背中を押したのは、僕は、彼の家族や元米兵の偽らざる気持ちではなかったのかと思う。
救われた米兵や、無事に帰還した米兵も、自分のミスで味方の砲撃を招いたとか、あんな事を言わなければ、ピッツェンバーガーは助かったのだとか、ピッツェンバーガーが自ら戦地に降り立ってくれて自身は助かったとか、戦後もずっと苦しみ続けていたのだ。
この作品を観たアメリカ国民は何を想うだろうか。
勲章の意味を問い直すだろうか。
戦争の悲劇を考え直すだろうか。
米兵の苦悩に想いを馳せるだろうか。
戦場だった場所は、もともと楽園だったのだ。
もともと、この世界には戦場だった場所などないのだ。
叙勲の場で、次々と立ち上がる人々。
その気持ちは、多くのアメリカ人が共有するものだと思う。
ピーター・フォンダに合掌。
ラストの感動に激しく涙した
実話をもとに脚色したとのこと。
これは思いもよらぬ感動作だった。
1966年、ベトナム戦争で多くの兵士の命を救った米空軍兵ウィリアム・H・ピッツェンバーガー。彼自身は帰らね人となった。
1999年、米空軍省のエリートらしきハフマンは、30年以上も請願されてきたピッツェンバーガーの名誉勲章授与について調査を命じられた。
ピッツェンバーガーに救われた退役軍人たちを訪れた。彼らは心に大きな傷を負っていた。トラウマから解放されることなく苦しんでいた。ベトナム戦争自体が否定され社会から疎外された。
ウィリアム・ハート、クリストファー・プラマー、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、エド・ハリス、ジョン・サヴェージらが証言のバトンを繋いだ。老いた名優たちの本気に胸が熱くなった。
ラストは本当に驚いた。まさかこんな感動があったとは。多くの人の心が救われた。自分も激しく涙した。
本作はピーター・フォンダとクリストファー・プラマーの遺作だったのですね。映画好きなら観ないわけにはいかんだろう。
名優たちの競演 ただただ素晴らしい
実話をベースにした感動ドラマといえば、見え透いた感動の押し売りや、過剰な演出・芝居が付き物だけど、名だたる名優たちの、感情を抑え込んだ、表情で語る芝居は素晴らしかった。
クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、ピーター・フォンダ… 素晴らしい
余命短い老人が息子への思いを吐露する場面、命の恩人である戦友の墓標に手を置き跪く老帰還兵、物語のハイライトである名誉勲章授与式の場面などでは、恥ずかしくなるぐらい涙が溢れた。
出ている役者さんが良かった。
個人的にみれば、特段目新しい内容ではないのだが、出ている役者がいいですね。
年甲斐もなく泣けてきました。
蛇足ながらアメリカは戦争映画好きですね。来週から公開されるアウトポストもそうですが・・世界中の紛争に首を突っ込みまくるアメリカですから題材には困らないのかもしれません(笑)
なんか見たことあるような似たような展開?
ベトナム戦争時、アメリカ空軍に在籍しながらもベトコンとの激しい地上戦を繰り広げてる所にヘリから降り危険を顧みずそして死をも恐れず、味方の為に衛生兵として身を投げていった男を表彰へと導いていく話。
うーん、なんか作り方に問題があるのか、なんかわかりにくいしストーリー的にも盛り上がらない。
ラストここでこそ盛り上がる、というところでもすっ飛ばしの展開でアメリカのプロパガンダ的シーンでエンディングを迎える。
しかし、このような展開の映画、以前にも無かったか?
事前調査不足で、ハラハラ感満載の戦争映画かと思っていたが、意外にそうでもなく、どちらかというと人間ドラマだったので、期待外れになってしまって辛めの評価になってしまうのかな。
命やキャリアを懸けられるか?
映倫区分は、Gなので誰でも鑑賞することができます。
1966年4月11日にベトナム戦争で行われた極秘作戦「アビリーン作戦」に関する物語です。
「ラスト・フル・メジャー」は、アメリカ合衆国リンカーンがペンシルベニア州ゲティスバーグにある国立戦没者墓地の奉献式において行ったゲティスバーグ演説の一節で「最後の全力を尽くして」という意味です。
戦場で命を懸けるウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵とペンタゴンでキャリアを懸けるエリート官僚スコット・ハフマンとの物語です。
栄誉勲章の受賞対象者は、「戦闘においてその義務を超えた勇敢な行為をし、若しくは自己犠牲
を示したアメリカ軍人」で、アメリカ軍の勲章において最高位の勲章で、アメリカ合衆国の軍人
に大統領から直接授与されます。
栄誉勲章を受章した人には、映画「ブラックホーク・ダウン」で仲間を救うために許可を要請し、
ヘリ墜落地点へ降下したランディ・シュガートとゲーリー・ゴードンも含まれています。
空軍十字章の受賞対象者は、「戦闘において比類ない英雄的行為をしたアメリカ空軍の軍人」で
名誉勲章に次ぐ二番目に高位の勲章です。
空軍十字章を受章した人には、映画「ブラックホーク・ダウン」でヘリ墜落地点へ降下した
ティモシー・A・ウィルキンソンも含まれています。
過酷な戦場を生き延びた退役軍人が、ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵の
空軍十字章に納得せずに、栄誉勲章を授ける物語です。
過酷な戦場を生き延びた退役軍人は、空軍ではなく、第1歩兵師団の第16歩兵連隊の第2大隊
C中隊に所属している陸軍の兵士たちです。
ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵は、空軍ではなく、陸軍としても「戦闘においてその義務を超えた勇敢な行為をし、若しくは自己犠牲を示したアメリカ軍人」だったということです。
極秘作戦「アビリーン作戦」は、敵陣に進んで行き、敵をおびき寄せて、別部隊が敵を殲滅
するという作戦です。
敵陣に入り、敵をおびき寄せましたが、敵を殲滅する別動隊が到着せず、敵陣の中なので、
敵は、木の陰にも、地下にも、木の上にもいて、敵に囲まれ、前に進むこともできず、
後ろに後退することもできず、最終的な手段として、円形防御陣地で守り、至近距離砲撃を
要請し、多数の死傷者が出て、救難ヘリコプターを要請しました。
この救難ヘリコプターに乗っていたのが、ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵
でした。
ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵は、第1歩兵師団の第16歩兵連隊の第2大隊
C中隊に所属している陸軍の兵士を救助するために、敵に囲まれている円形防御陣地の中に
ヘリコプターから地上へ降下しました。
多くの死傷者を出した極秘作戦「アビリーン作戦」は、陸軍にとっては汚点となりました。
戦争映画なので、登場人物が多く、同じ軍服で、人物が若い頃と年老いた頃を別人が演技する
ので人間関係を把握しにくいです。
それぞれの人が個人の記憶を語るので、物語がバラバラで、時間が前後し、物語を把握し
にくいです。
パンフレットを事前に購入し、読んでおくと理解できるようになると思います。
以上。いや、もう一つあったかな?
来年は、中国の北京冬季オリンピックが開催されます。
8年前のロシアのソチ冬季オリンピックを思い出してしまいました。
ロシアが五輪休戦決議に違反し、クリミア半島に軍事介入しました。
来年、中国が五輪休戦決議に違反し、尖閣諸島や台湾に軍事介入
させないように外交・軍事の両面で対応してください。
マニアックな作品だがアメリカの良さが詰まった作品
ベトナム戦争時に戦死した1人の戦士の勲章授与までの道のりを描いた作品。
作品の舞台は1999年。国防省で働く主人公のハフマンは30年前に戦死したウィリアム兵士の調査を任される。そこには当時同じ戦場で共にした仲間達が30年間もウィリアムに勲章を与えるべきだと政府に働きかけていた。
当初は今更与えても意味がないと考え、やる気がなかったハフマンだったが、ウィリアムに助けられた仲間、そして家族、恋人等から当時の話を聞いていくうちに心が変わり、授与を成し遂げる為に政府に立ち向かい最後は成し遂げるストーリーである。
ウィリアムは空軍所属の衛生兵であった。戦場は敵に囲まれ圧倒的に不利な状況であり、上官は戦場で負傷した兵士を助けに行くことを止めた。しかしウィリアムは死ぬ事を承知の上で彼は戦場に行き負傷した兵士達を助け何人もの命を救った。その救われた者たちが勲章授与を30年も働きかけてるわけだ。
この作品は主に生存者達の会話で進む。その為少し聞き逃したり理解できないところがあると少し苦しむかもしれない。
個人的にこの作品の好きなところは故人を何十年経っても偲ぶアメリカらしいところだ。
そらに合わせて心に沁みる言葉が何度も発せられる。
最後のハフマンの息子を前にして「意味がなかった事はないだろ」と放ったシーンは特に好きである。
哲学チックな会話シーンも多々ありそういうのが好みな僕は楽しむ事ができた。
ベトナム戦争から50年近く、そしてこの作品の舞台から20年経った今でもこうやって作品化し故人を偲ぶのはアメリカらしくとても美しい作品である。
エンドロールではこの作品のモデルとなった人達のインタビュー映像とウィリアムのような職の兵士には中々評価されていない状況が紹介される。ぜひ最後まで見て欲しいものだ。
勲章の意味
勲章ってよくわからない、なんかいやだなと思っていて、それは、この映画を見た後でも変わりない。
この作品は、でも映画としてよくできていて、途中からずっと泣きながら見ていた。戦闘場面を挟みながら、ペンタゴンのエリートである主人公が、ピッツの両親や仲間を訪ね、話を聞き事実を明らかにし、主人公自身も変わるというストーリー。戦争ものは苦手だが、見応えがあり面白く良かった。
一方で、米国の「在郷(退役)軍人」や日本の「靖国神社に祀られている人達の遺族」が大きな発言権を持っていることを考える。この映画が、実話と全く関係ない作品であったら、と思った。
ピーター・フォンダはすぐ分かったし、プラマー(ハリウッド版のドラゴンタトゥーの女とナイブズアウト共に素敵だった)が品の良い父親役、見ることができて良かった。
エンディング・クレジットで、亡くなったピーター・フォンダの名前が特別に挙げられていた。「イージー・ライダー」の彼の遺作がベトナム戦争の兵士がテーマのこの映画なのか…と複雑な気持ちになった。
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