劇場公開日 2021年3月5日

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「生きた証を」ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 MARさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0生きた証を

2021年3月9日
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泣ける

幸せ

30年以上請願されてきた、ベトナム戦争においてのある空軍兵への名誉勲章授与を巡り、空軍省官僚のホフマンが奔走する物語。

名誉勲章が認定されない理由は何故か?ピッツの両親や当時の戦友達の想い、そして陰謀渦巻く現代のペンタゴンを舞台にホフマンの闘いが始まる。

こんなに泣けたのは久々ですね。
自らの命を顧みないピッツの姿に感動するのは勿論、生き残った者たちの後悔と苦悩や、真実を明かす勇気、そしてそんな彼らの為に奮闘するホフマンの姿…。

彼からすれば30年以上前に亡くなった顔もしらない人物。それでも、真実を知るほどに、自らの立場を懸けてでも闘うホフマン。
その姿はまるで、戦場で傷ついた兵を助けるべく駆け抜けたピッツのように…。

その他、未だ苦しみ続ける者たちがホフマンとの出逢いをきっかけに変わっていく様や、さりげなく本作の核心に迫る一言で夫を励ます妻のタラ等々、サイドを固める人物も皆素晴らしい。

ラストはもうちょっとトラブルがあっても良いかなと思いつつ、心憎いまでの演出で見事に涙腺は崩壊‼ここはホントに屈指の名シーン。がっちりと心を捕まれたよ、閣下。

不満があるとすれば、上映館が少ないことですかね。是非もっと多くの人に観てほしい!

これまで自分は、亡くなっている人への勲章…って、授与してどうするの?
なんて思っていたけれど、この名誉勲章こそが命を懸け、皆を助けたピッツが生きた証として、とても重要な意味を持つんだなぁ~と思わされた。

でも、本当に彼が生きた証は、名誉勲章ではなく、最後に立ち上がった…ね?

ここで☆5を付けずにいつ付ける!

誰かの為に命を落とした者、その者を想い今も苦しむ者、そして30年以上前に亡くなった者の為に闘う者、それを支える者全てが輝かしく見えた傑作だった。

パンフレット買って帰りたかったけど、まだ泣き顔だったので諦めた(笑)

MAR