SLEEP マックス・リヒターからの招待状

劇場公開日:

SLEEP マックス・リヒターからの招待状

解説

「メアリーとエリザベス ふたりの女王」「アド・アストラ」「メッセージ」など、数多くの映画音楽も手がけた音楽家マックス・リヒターが企画した「眠り」をテーマにしたコンサート「SLEEP」を追ったドキュメンタリー。真夜中に開演し、終演時間は明け方まで。会場に並べられたベッドに横たわる観客たちが聞くのは、眠っている間に聞くために作られたリヒターの「SLEEP」ライブ演奏だ。8時間以上におよぶライブ中、本当に眠ってしまっても、会場を歩き回ることも自由というこのライブは、ロサンゼルス野外のグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂といった世界各地のシンボリックな場所で開催され、大きな話題となった。本作では観客に新たな音楽体験を提示したこのコンサートの全貌と裏側、そしてリヒター自身の素顔に迫っていく。

2019年製作/99分/G/イギリス
原題または英題:Max Richter's Sleep
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2021年3月26日

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映画レビュー

2.0音楽が空間を作っている、という感覚。

2024年4月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

眠りは究極にプライベートだと思っている。意識のない無防備な状態に陥るわけだから、それをさらけ出せるのは、守られた空間/関係性の中だけだと思っている。だから野外の、しかも屋根もない完全な「外」で、寝袋でもなく枕とブランケットで眠りにつく人たちを見て、まず驚いた。 でも演奏が始まると、まるで音の膜が張られたような、音楽に守られているような気分になる。家の中で見ていても、語りの部分は「硬い」のに、演奏のシーンになると柔らかな「音の繭」に包まれている気分になる。 音楽が空間を作っている、という感覚。 これを現場で体験できた人たちの、なんと幸運なことか。 夜が明けつつある中、参加者たちはまだ眠気を残しつつ、どこかもったいないような、終わらせたくないような、そんな表情を浮かべていたのが印象的だった。

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消々

4.0現代の都市生活者という“魂の難民” 眠りの音楽に癒され再生する

2021年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

幸せ

寝られる

夜の公園で静かに穏やかに音楽が始まる 舞台にはピアノとシンセと小編成の弦楽器とボーカル 交代で休憩をはさみながら8時間にわたり音を紡いでいく 客席に相当するスペースにゆったり並ぶ簡易ベッド 空気を優しく揺らす音の波を浴び聴衆は眠りに落ちる 鍵盤でミニマルな分散和音のリズムを刻むマックスリヒター 聴衆と音楽の関わり方を模索してきた現代音楽家 脳科学者に話を聞き 睡眠時の脳波に適する楽曲を追求した 映像作家の妻ユリアマールとの共同プロジェクト ハンガリーで生まれ難民を体験したユリア 難民問題に迫ろうとする気持ちを持ち続けていた なるほどベッドが並ぶ会場は難民や被災者の避難所のよう 騒音のなか時間に追われる都市生活者はいわば魂の難民 癒しと救いを求めSLEEPにやって来る リヒターの低周波を強調する音作りは胎児の聴覚を意図 聴衆はまどろみのなか母胎にいた記憶を呼び覚ますのか 明るくなった空に最後の一音が溶けて消える 目覚めた人々は生まれ変わった気分を愉しむ ナタリージョンズ監督は優れた音楽的感性と詩心ある映像で 一夜がかりのSLEEPを手軽に疑似体験させてくれる 観始めて早々に寝落ちしたとしてもそれはきっと正解 リヒターの音楽に心と体が反応したのだから

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高森 郁哉

4.0眠りの神秘や至福に心を寄せるひととき

2021年2月27日
PCから投稿

マックス・リヒターといえば、その音の調べで様々な名作映画を彩ってきたことで知られる。そんな彼が「眠り」をテーマに紡ぎ上げた8時間に及ぶ楽曲が「Sleep」。本作はリヒターが世界各地の会場で夜な夜な「sleep」の生演奏に挑む姿を追いかけ、企画の意図やそもそもの人となりに迫っていく。例えば、そこで語られる一つは、眠りに落ちていく瞬間のこと。いま自分が寝ているのか覚めているのか判然としない状態でこみ上げる何とも言えない幸福感ーーー。我々がタルコフスキーの映画で感じる至福はまさにこの典型だろうし、さながらリヒターの一連の試みはその音楽版といったところなのかも。一方、会場に並んだ夥しい数のベッドは実に壮観だし、本公演中は寝ても起きても歩き回ってもよしとする自由さは前代未聞。観客の姿も込みで何もかもが美しい。本作を見ると眠りについての考えが変わる。日々の眠りともっと大事に向き合いたいと感じるはずだ。

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牛津厚信

4.5寝落ちのための映画

2021年4月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

観賞後のスッキリ感が半端ない! 落ち着いた心拍数で、頭の中もクリア。 普段寝不足気味なので、毎朝こんな目覚めが欲しいです。 帰り道は身体かるがる、重い野菜も普段よりいっぱい買って帰れました! つまんない映画での寝落ちとは眠りの質が違いすぎて、映画でこの種の感動を得れるとは思いもせず。 実際寝落ち時間は台詞のない部分で、合計 しても半時間ほどじゃないのでしょうか.. 次機会あれば最初から寝てみたいです。 そしてスリープのイベントあればぜひ実際に体験したい! 《5日後》2回目鑑賞 前回内容は分かったので、今回は最初から寝る気満々で見始めました。 冒頭部分はセリフ多めなのですぐには寝付けませんでしたが、それでも20分もたたない内に寝入ったと思われます。 そこからは2、3度うっすら目覚めましたが、エンドロール終わり電気点灯まで心地よくお昼寝。 もう起きて動くのがイヤになりますねw 今回も頭も身体もスッキリさせてもらいました! オールナイト鑑賞会の明け方最後に持ってきて欲しい 一本かも。

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きょん

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