マックス・リヒターによる真夜中から明け方までベッドで聞くコンサートを体験するドキュメンタリーが公開
2020年12月9日 12:00

ポスト・クラシカルの旗手であり、その実験的な作品で知られる音楽家マックス・リヒターによる“眠り”をテーマにしたコンサート「SLEEP」のライブ演奏と、リヒターの素顔を追ったドキュメンタリー「Max Richter’s Sleep」が、「SLEEP マックス・リヒターからの招待状」の邦題で、2021年3月26日に公開される。
ロサンゼルス野外のグランド・パークやシドニーのオペラハウス、アントワープの聖母大聖堂など世界各地で開催され話題をさらった「SLEEP」は、真夜中から明け方まで、観客は会場に並べられたベッドに横たわり、眠っている間に聞くために作られた8時間以上に及ぶ楽曲を鑑賞する。もちろんそのまま本当に眠ってしまったり、歩き回ることも自由、“眠り”をテーマとするまったく新しいスタイルのコンサートとして注目を集めた。
「戦場でワルツを」「アド・アストラ」「メッセージ」などを手掛け、映画音楽の世界においても、もっとも重要なアーティストの1人ともいわれるリヒター。本作ではリヒターと彼の公私に渡るパートナーのマールへのインタビュー、15年間にわたって彼女が撮りためていたリヒターの創作の様子を捉えたプライベート映像を公開。同時に、作曲家として成功するまでの苦難の道のりやマールとの絆も明らかにされていく。また、劇場で観賞した観客も、実際にコンサートに参加したかのような“眠り”と“目覚め”の体験を感じられるドキュメンタリーに仕上がっている。
2018年7月、真夜中のロサンゼルス。総合芸術施設であるグランド・パークにやってきたマックス・リヒター。コンサートは明け方まで約8時間以上に渡って続くため、リヒターをはじめ演奏者たちは準備に余念がない。やがて観客たちが入場。ステージの前には簡易ベッドが並び、観客は寝袋を出したり毛布を広げたり、それぞれのやり方でコンサートに備える。型破りなコンサートをリヒターが思いついたのは、睡眠に対する素朴な興味からだった。睡眠は人間にどんな影響を与えているのか。音楽はどんな風に人間の脳に影響を与えるのか。リヒターは脳科学者の協力のもと音楽と睡眠を科学的に分析し融合。これまでに誰も経験したことのない新しい音楽体験、そして最高級の“眠り”と“目覚め”へと導くための楽曲「SLEEP」を作り上げていく。
なお、今年、リヒターは「SLEEP」と並行する形で作曲していた「ヴォイシズ」を発表。1948年に第3回国際連合総会で採択された、すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言である“世界人権宣言”を朗読テキストに用いたオーケストラと合唱のために作られた大作であり、朗読にはドイツの女優ニーナ・ホスやイランの女優ゴルシフテ・ファラハニらも参加。日本版は9月に発売された。世界人権デーでもある12月10日には、BBCラジオをはじめ世界各地35局で楽曲が放送される。
「SLEEP マックス・リヒターからの招待状」は、21年3月26日から東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。
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