約束の宇宙(そら)のレビュー・感想・評価
全54件中、1~20件目を表示
静謐な中に弛まぬ強さがある。
一人の女性飛行士が、宇宙へ飛び立つまでのカウントダウン。そう書くと、誰もがドラムロール鳴り響く「ライトスタッフ」的な作風を想像するはず。だがいざ幕が上がると、そこを吹き抜ける風も、充満する空気も、鼓動の速さも、それとはまったく違った。もっとダイナミックかつ華やかなドラマでも良かったのではないか、そう思ったりもしたが、すぐに思い直した。これはこれで秀逸。母と幼い娘それぞれの生活を交互に捉えながらじっくり醸成されていく心理模様は、とても静謐な中に芯の太さがある。精神的な力強さがある。特に、母娘がガラス越しに別れを告げる場面では、打ち上げの瞬間以上にグッとこみ上げるものがった。一つ書き添えるなら、過去にヒロインが実母を亡くしているという設定もまた多層的な深みをもたらす重要なポイントと言えるのだろう。そしてエンドクレジット、歴史に名を刻んだ”母たち”の姿に、私は感動の涙を抑えることができなかった。
宇宙モノというより女性映画。仕事と子育ての両立、価値観のアップデートを男性に促す啓発効果も
従来の宇宙モノとは一線を画す映画だ。「インターステラ―」「ゼロ・グラビティ」「ドリーム」など、女性の宇宙飛行士や宇宙開発スタッフの苦闘や活躍を描く作品はもちろん過去にもあった。だが本作「約束の宇宙」は、エヴァ・グリーン扮するサラの宇宙ミッションにおける活躍を取り上げない。重点を置くのは、打ち上げまでのハードな訓練に必死で取り組む姿。そして、幼い娘を離婚した夫に預けて離れることを余儀なくされ、ままならない育児と仕事の両立に悩み苦しむという、働く母親、とりわけシングルマザーの大勢が経験するであろう普遍的な難題だ。
欧州宇宙機関(ESA)の協力を得て、施設から小道具に至るまですべて本物を使用したという宇宙飛行訓練の描写はリアルさに満ち、飛行士らの取り組み方や考え方も含め大いに興味をそそる。だがそれ以上に、サラと娘の不安、さびしさ、互いを想う気持ちをじっくりと尺を割いて描写している点に意表をつかれる。主眼はやはり、仕事と子育ての両立という難題に苦悩する女性の生き方なのだ。
サラが宇宙空間で華々しく活躍することを予想して肩透かしを食ったように感じたが、それも半ば無意識の先入観によるものだと気づかされた。宇宙モノに限らず、専門性の高い職業につく女性や活劇の女主人公などに、男性にも勝る派手な活躍をつい求めてしまうのは、「女性を男性化する」ことによってハリウッド映画に顕著な男性優位主義(マチスモ)のフォーマットにはめ込んできた諸作による刷り込みではないか。
本作の脚本も書いたフランス人女性監督アリス・ウィンクールは、2015年の監督作「ラスト・ボディガード」(兼共同脚本)では富豪の妻子を守る男性ボディーガードの視点でストーリーを語り、ジェンダー要素はほとんど感じさせなかった。だが、トルコの村社会の因習に翻弄される5人姉妹の運命を描くトルコ人女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュベンのデビュー作「裸足の季節」に、共同脚本で参加したことが転機になったのだろうか。ジェンダーと社会的役割をめぐる先入観や偏見を改めようとする狙いを本作に強く感じた。
夢追い人の苦悩
小学生の娘を抱える女性宇宙飛行士サラの冒険と葛藤の日々を追ったドキュメンタリータッチのヒューマンドラマ。映画の殆どはスターシティと呼ばれるロシアの訓練センターでの過酷なトレーニングの様子を描いている。彼女は宇宙飛行士になることが子供のころからの夢と語っており娘を別れた夫に託し着々と夢の実現に歩を進めている、それでも娘のことが気がかりなのは母親としての母性本能なのでしょう。
女性を下に見るアメリカのパイロットも出てきて、まだまだ女性が宇宙に進出するには壁があることも描いているが、大体は想定内。
そんな苦悩する母親のヌードシーンなどなぜ3回も入れるのか不可思議だが真の女を描きたかったアリス・ウィンクール監督はデビュー作の『オーガスティン』以降も女性の持つ官能性に重きを置いているのでしょうかね、フランス人らしい。
特に事故も事件も起きず淡々と進む話、ロケットの発射はラスト8分前まで待たされます、何を描きたかったのかよくわからなかったがエンドロールで実際に宇宙に行った9人の女性と子供たちの写真が紹介されます、そうか彼女たちへのリスペクト映画でしたかと納得・・。
あー女親ってめんどくさい
なんてこのご時世の感想には合わんのやろうけど
まあ、いわゆるチームワークってのを親、子ともども
壊してくれるわ、という周囲のハレーションを乗り越えて
ヨカッタ、ヨカッタ
てのが狙い?
それでも最後セリフなしでロケットを見上げる娘さんに
感動したんですがね。
70点
アレックスシネマ大津 020210513
母の愛…
宇宙飛行士の宇宙船内での話ということではなく、飛び立つ前の母娘のストーリー。女性、母親としての立場で宇宙飛行士になることの苦労、軽い障がいを持ち、ただでさえ離れ離れになることの不安がひしひしと伝わってきて、ハードなトレーニングと共に精神的にも追い詰められていくのがわかる。エンドロールで過去の女性宇宙飛行士が家族とともに紹介され、それぞれ相当の苦労があったのだろう。エヴァ・グリーン、子役共に素晴らしい演技だった。
親子の絆やジェンダー等の問題を含め、前半から中盤へかけて映画が製作...
親子の絆やジェンダー等の問題を含め、前半から中盤へかけて映画が製作をされているのだと思って観ていたら、終盤でなんとまあ掟破りな蛮行を主人公が・・・逆に、「女性ならこんな事が許されるのか?このプロジェクトに携わった数千人以上の努力を無にする、もしくは宇宙ステーションに滞在する全員を危険に晒すような出来事も女性なら許してしまうのか?女性っていったい何様?」とものすごく不愉快になる映画でした。
シングルマザーの宇宙飛行士
主人公(エヴァ・グリーン)は女性宇宙飛行士で、宇宙ステーション滞在ミッションに選ばれる。
幼い娘を別れた夫に預けるのだが、母娘ともに離れ離れに耐えられない。
この映画を見て男と女の違いについて考えさせられた。
そんな所に何しに行くの?
宇宙と言っても地球の上空な訳であり、そんな所に行く意義がいったい何処にあると言うのだろう?今は高学歴じゃないと行けないとか言った条件があるようだが、最初にそんな所に行った生き物は犬である。しかも、帰って来れなかった。そんな犬の代わりに一生懸命勉強して、行こうとしている。なんか乱痴気騒ぎしている様に私は思う。
宇宙なんてただの真空空間。死の世界だと私は思う。それを踏まえた上で、かけがえのない地球の存在感を知るべきだと私は思う。そうでなかったら、地球温暖化対策なんて荒唐無稽だと思う。
この映画見るのは良いが、是非、犬は○わない
の様な映画を見てもらいたい。
追伸 宇宙に知的生命体がいる確率はほぼ0であり、出会える確率も0であり、ましてや、こんな病める地球に知的生命体がやって来る確率は絶対に0である。だから、我々には地球しかないのである。フェルミのパラドックスで検索した本を読む事をおすすめする。かけがえのない地球を大事にしたいと思うはずだ。子供を犠牲にしてまで、そんな所に行く気にはなれないと思う。
また、無駄な時間を過ごしてしまった。日本の映画は面白くなくなったと言うが、外国の映画も面白くなくなった。映画自体が地盤沈下しているのかもしれない。と思う。
娘に後ろ髪ひかれつつ、自分自身の夢に向かう母親。既視感がある。宇宙...
娘に後ろ髪ひかれつつ、自分自身の夢に向かう母親。既視感がある。宇宙に向かう女性の話、いつもとてもリリカルな感情になる。なぜだろう。
自覚がないようだけど普通の出張とは話が違う
映画「約束の宇宙(そら)」(アリス・ウィンクール監督)から。
解説に書かれていた「シングルマザーの宇宙飛行士と
幼い娘の愛と絆を描いたドラマ」そのものだった。(汗)
フランス映画なのだが、フランス国内の評価が気になる。
欧州宇宙機関のミッションクルーに選ばれた時、
「特別なミッションへの参加をとても誇りに思います」
彼女は、長年の夢が実現し喜んだけれど、関係者の1人が
冒頭、彼女にこんな言葉をかけられている。
「自覚がないようだけど普通の出張とは話が違う、
わかるでしょ。地球を離れるんだもの」
まさか、最後の最後まで、宇宙飛行士に選ばれたという
自覚がまったくなかったのは驚かされた。
訓練に遅刻はする、訓練でパニックになったり、
注意されれば、感情的に言い返したり、
「一度くらい平気よ」と規則違反を平気でする。
最後は、冗談でしょ?と思えるとんでもない行為まで。
子供と離れるのが辛くて涙するくらいなら、
最初から、宇宙飛行士は無理だろう・・と、
たぶん、多くの人が思ったに違いない。
設定が面白かっただけに、残念な作品だったなぁ。
この世に「母娘の愛」に勝るものはない・・(笑)
ジュテーム‼️❓ボンボヤージュ‼️❓コマンサバ‼️❓ケスクセ‼️❓
ヒロイン母娘は共依存で情緒不安定なので、ジェンダー以前の問題として宇宙に行かないのが正解です。
でないと、周りを危険に晒すので、宇宙以前に団体行動失格だと思います。
余り共感出来ない、ヒロインでした、エバーグリーンは好きですが。
ちなみに、欧州宇宙機関が行う宇宙探査は安全です、金星どころか月の十分の一以下の宇宙ステーションまでの行き帰りですから、TBSの記者が行くくらいですから。
ちなみに、この映画で意味なくエバーグリーンの乳首が披露されます、ハラショー。
ちなみに、娘の演技が素晴らしいです、マンマミーア。
ちなみに、実話だそうです、どこまでかわかりませんが、驚愕です。
辛口ですが、エバさんだからOKとします
やっちゃいました😱
エバ•グリーンの顔が好きという、しょうも無い理由で鑑賞してしまった😅
ちなみにアンハサウェイも好き🥰
たまにやってしまうんですよね😊
女性宇宙飛行士と実娘の関係をテーマにした、面白い設定なのですが、何を描きたいのか私には共感ができませんでした。
火星探索のために、子どもと一年以上離れて暮らすことになるため、様々な葛藤が生じるのは「その通り」と思いますし、宇宙飛行士だからと言って「知性」「体力」「感情のコントロール」など全て兼ね備えているとは限らないのもわかります。
葛藤の中で揺れ動き、それでもどのように現実と向き合うのか?女性の社会進出に関するとても重要なテーマかと。
エバ演じる飛行士は、1年間を共に過ごす宇宙飛行士クルーチームメンバーとの信頼関係よりも、母娘の関係性を優先させるため、飛行士クルーの規律を破ってしまう。
そういう弱さを見せながら、女性の社会進出に対する問題提起という描き方なら「同意」なのですが、規律を破り、お咎めも無く宇宙に旅立っていく姿に見えたため、全く共感出来なかった。
(言葉が足りないので追記)
1年間宇宙船で過ごすため、2週間かけて無菌状態のまま過ごすものの、娘との約束守るために発射前日に施設から抜け出し、戻ってきて体をゴシゴシ洗って済ませる。
他の男性クルーに「あなたは奥さんに子どもを託して気軽で良いわね⁉️」というセリフもあり、女性は大変だよなと、そこまでは共感できたのですが、だからと言って「私はルールを破るわよ」は無いかと😅
そしてエンドロール。
山崎直子さんも含む、かつての女性宇宙飛行士などが写真で紹介されるのですが、これどういう意味なの⁉️
子どもとの約束守るためならルール破る女性飛行士みたいに感じたよ😅
意気消沈して映画館を去り、投稿まで時間がかかってしまいました😅
辛口ですが、エバさんだからOKとします‼️
大丈夫
本作は、母と子の"心情"を描いた物語だ。
"宇宙"に旅立とうとする母親と心底不安ながらもそれを"見守る"幼い娘。それぞれの心情を、"坂本龍一"さんの音楽と共に描いていくのだ。
とにかくこの親子を取り巻く"環境"がとても"優しい"。
母"サラ"の仲間のクルー達は、一度は彼女を咎めながらもちゃんと案じてくれている。娘ステラに関しても、不安で押し潰されないように、ステラの為に何でもしてくれる。サラの元夫であり、ステラの父親である"トマス"の優しさもとても心地良かった。この世界観そのものを、坂本龍一さんは音楽で表現してくれた。
全体的に"白く澄んだ"映像で綴られる本作は、まるで"ドレイク・ドレマス"作品のようだった。とにかく映像も物語も音楽も美しすぎて、眠るのを許されないほどに魅入ってしまった。
本作は過去に宇宙へ飛びたった歴代の"母親兼女性宇宙飛行士"に敬意を込めて作られており、これから宇宙へ飛び立つ事を夢見ている全ての女性に向けた作品である。
キャストもスタッフも本作にとてつもない"情熱"を懸けて作られているのがよく分かる作品であった。
非常に好きな作品でした。
あのシーンだけはダメ
原題がプロキシマだったので、プロキシマへ旅立った母と、地球に残った娘の話なのかな?と勝手に思い込んでいました。
子供を育てながら宇宙飛行士を目指す姿には感動しましたが、あのシーンはいけません。
娘との約束を守るための、感動するシーンになるところですが、逆に冷めてしまいました。
外出から戻った後、全身くまなく洗いましたシーンはありましたが、そう言う問題じゃないと思います。
3人乗りロケットのガバガバSequrityツアー
イヤ、あかんでしょ。それは。いろんな意味で。まずいでしょ。バレるとかバレないとか言う以前の話として。などと。ノミの心臓のワタクシ的には、冷や汗もんでしたが。ヨードで身体を洗えば良いってもんじゃないってw
バレれば全ての苦労が水の泡なんだけど。母親として「約束を果たす事」は、サラにとって、そのリスクに見合うものだったと言う物語り。
エンドロールでは、歴代の女性宇宙飛行士が紹介されます。1.5Gで、間違いなくゲボゲボになってしまうだろうワタクシにとっては、皆さん偉人ですよ。そうですよねー。皆さん、あの、軍隊以上に過酷な「訓練と言う名の人間耐久」を乗り越えて、宇宙に飛びたったんですよね。母親としての重労働も抱えながら。
改めて、彼女達の偉業に敬意を表したいと思います。
しかしロシアの宇宙センターはカザフスタンかぁ。遠いねw
ヤバいですよお母さん
あ〜あっ、やっぱりやっちゃったか。宇宙飛行士である前に母親であることを選んじゃったね。だから皆さん書いてるようにあれでは宇宙飛行士として失格やむを得ないな。バレなきゃいい問題じゃない。火星まであの3人で行くなら前途多難です。
さて日本はいつになったら自力で宇宙へ行けるんでしょうか?いつまでも乗せてもらってるようじゃ駄目ですよ。
共感薄し
うーん...
この女の人に、あまり共感できなかったんだな。
子どもより自分自分感が強すぎて。
これは、女性が宇宙飛行士になることが、
大変っていうのがテーマなのかしら?
それでしたら、弱いなぁ...。
紆余曲折の見せ場が少なかったし、
隔離の場所から抜け出したのは、
自分優位の自分の気持ちを落ち着かせるだけの行為にしか見えなかったし、
それによる周りにもたらす被害とか一切考えてないし、
なんだか、我の強い人だなぁ。という印象。
とりあえず、マット・ディロンが観たかったもので。
全54件中、1~20件目を表示