孤狼の血 LEVEL2のレビュー・感想・評価
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レベルアップ
生きることの難しさを考えさせられた
変態仮面 vs シンケンジャーのBL 映画
役者陣が豪華で、一人ひとりの良さを語ることができそうですが、多くの方がおっしゃる通り、僕も「鈴木亮平」さんの凄みに、やられました。
鈴木さんは、「西郷どん」「花子とアン」「変態仮面」など演技の幅が広く、役に合わせて体形まで変えながら準備する、デニーロ・アプローチも実践します。
そんな鈴木さんが、コロナ禍で準備万端の中演じた「ウエバヤシ」役は、敵(裏切り)や邪魔者と見なした相手は誰であろうと殺めてしまう、とんでもない男。
鈴木さんの演技プランの背景として、作中にも描かれる「ウエバヤシ」の人生は、、
子どもの頃、酒乱の父親から日常的にひどい暴力を受けて育ち、母からも見ぬふりをされていた様な環境で育ちます。
そのような環境で育った後、ヤクザ社会に生き抜く場所を見つけ、暴力として昇華されていきます。
鈴木さんの「人の好さそう」な顔立ちに、尖った耳が異様に目立つ、特異な髪形などからルックが作られ、
感情の起伏が無いままに、当たり前のように暴力スイッチが入る異常な行動につながります。
誰かが止めてくれるまで、暴走が続いてしまうが、「誰か」に止めて欲しいと潜在的に思っているかのように、あの衝撃のラストシーンを迎えます。
鈴木さんは、いつハリウッドからオファーがあっても良いように、堪能な英語をさらに磨くため、ハリウッド映画界に携わる方とオンラインで英会話を続けているそうです。
ハリウッドで使われる英単語などを習得しておくためだそうです。もうオファーがあるのかもしれませんね。
本作、その他、松坂桃李さん、村上虹郎さん、中村梅雀さん、滝藤賢一さん、宮崎美子さん、かたせ梨乃さん、中村獅童さん、吉田鋼太郎さんについても熱く語れそうです。
ちなみに、本作、やくざ映画では無く、警察映画です。
繋ぎのための話
監督が仕組んだ壮大なコン・ゲームムービー
ヤクザの抗争に警察組織からはみ出した一人の外道刑事が絡んだ過激なバイオレンス映画、一見そういう体裁を取りつつ、実は本作は、白石和彌監督が巧妙に仕組んだ壮大なコン・ゲームムービーです。
凡庸な監督は多くの場合、カメラを舞台劇の観衆視点に置いて撮り上げます。恰も家の居間で寛いで観賞するTVドラマ感覚かのように、ストーリー展開に戸惑うこともなく、換言すれば予定調和的に観終えられます。
本作も、冒頭からシーンが小刻みに切り替わり、登場人物が悉く暴力沙汰に関わってそのキャラクターを印象付けながらエピソードを重ねていき、いかにも観客視点で映像が展開します。
ただ本作は、ヤクザの抗争劇と、その陰で暗躍する外道刑事の物語であった前作とは全然異なり、ヤクザ組織の論理と倫理は毛ほども現れず、残虐非道のシリアルキラーと、これに立ち向かう半グレ刑事という構図の、さしずめアメコミの和製焼き直し版といえます。
両者は終始激しく対峙し、そして猟奇的な暴力をエスカレートさせながら、クライマックスの血塗れの長回し決闘シーンに持ち込まれます。ここに至って、私は、本作のカメラ視点が、実は二つの悪を、いわばドローンからの鳥瞰視座で傍観し弄んで共倒れを企む広島県警の冷徹な視線だったことに気付き愕然としました。
それまで気になっていた辻褄の合わない強引なストーリー展開の理由が、ここで始めて明らかになり、白石監督の巧みな罠に見事に嵌ったこと気づきました。
但し、ワル同士の決着がついた後のラスト10分間のみカメラは広島県警視点を離れ、松坂桃李扮する日岡視点で映し出しますが、これは明らかに更なる続編への伏線でしょう。
猟奇的シリアルキラーといえる上林を演じた鈴木亮介の、異界からのターミネーターを模した残虐で凄惨な暴力の繰り返しに、つい目が虜になってしまいますが、彼の眼は終始正気の人間の眼つきであり、寧ろそれ故に上林の奇怪で不気味な怖さ、存在するだけで周囲に衝撃波を発し続ける強烈な威圧感が漂ってきます。
一方、これに対する日岡刑事を演じる松坂桃李の眼は、暴力的で狡猾な多くの登場人物の中で唯一、クライマックスまでずっと獲物を狙う野獣の眼、狂気が宿った眼つきでした。
否、今一人、西野七瀬扮する、チンタの姉の眼にも狂気の炎が燃えていました。ラストの場面、即ち広島県警視点でのカメラ目線から解放されたシーンで、その狂気の源に合点がいったしだいです。
目を背けたくなるような無惨で苛烈な暴力シーンが数多いにも関わらず、手持ちカメラで撮られるアクションシーンの、非常にテンポの良いカットで割られた画面から噴き出してくる躍動感、臨場感、そして緊迫感に、思わず画面に観入ってしまいます。更に、ローアングルと仰角カットの多用により、観衆は抑圧感と恐怖感に苛まれ、終始息苦しい緊張感の中に投げ込まれ続けます。
而して本作は。極めて危険な魅力に溢れた快作と呼べるでしょう。
斯様に本作は、明らかに単なるヤクザ映画とは一線を画しています。撮影されたのが、『仁義なき戦い』以降の実録ヤクザ映画を悉く製作した東映京撮でなく東撮だったのも、その所以ではないかと邪推している処です。
白石監督、サイコーですね
ここのところ白石作品にはまりまくっている。
作品ごとにちがう空気を感じさせる多才な監督である。
本作は、ストーリーは前作の続編。
役所広司に比べると。。と最初は思ったが
松坂桃李と鈴木亮平の若手2人の迫真の演技が力まずにはいられない素晴らしい作品となっていた。
脇を固める豪華役者陣もすばらしかった。特に虹郎には舌を巻く。
この後、第1作をアマプラで見返し、第1作はドラマがあるからより面白いと感じたのは仕方なしか。。
(第1話やくざ組織との戦いにドラマがあり、第2話ただただ危ねーヤク中野郎との戦いってとこでは、ワンピースのアーロンとの話が第1話、ホーディージョーンズとの話が第2話ってとこか。)
目玉の筋肉が飛び出している感じは監督のデテールにこだわる変態性を感じ、
斎藤工のキャラは作り手の遊び心も感じられた。w
1作目2作目通じ深作監督へのリスペクトも感じられるところが
白石監督、サイコーですねと手放しで賛辞を送りたい。
-0.5点は、次作も期待していますという思いを込めて。
アクション最高!
前作とは、また別かな…。
作品じゃなくて商品
長編ですが気にならない
配役、演出、暴力とその理由 全てが素晴らしい
この歳では無理だろと言いたくなるぐらい背負いすぎている日岡(松坂桃李)と残忍すぎる在日ヤクザ上林(鈴木亮平)の抗争。そして可愛すぎる近田真緒(西野七瀬)。
ちょっと背伸びしちゃってる感の西野七瀬は演技が下手くそでもいるだけで成立する。
さらに言えば、みんな背伸びしてる感じなところが良い。
上林の殺しは残忍で、周囲を不幸にする外道ではあるものの、殺しの動機は一応筋が通っており、いい歳を重ねた大人であれば全否定は出来ないであろう見せ方になっている。また、極道とはいえ掟と秩序が必要であるところをガン無視して暴れまくるあたりも、在日ヤクザっぽさをうまく出している。
葬式シーンの西野七瀬を見た時、監督がパッチギのあのシーンを意識していることはなんとなく感じた。ところどころ往年のヤクザ映画の演出を取り込んでいるところも良いと思う。
看守神原の脇の甘さには違和感。日岡もなぜあんな・・・と思う。
キャラにしては脇があめぇなと思うところが散見されたが、最後までハラハラさせられ、テンポも非常によく、ベタと言えばベタながらも、ヤクザ映画らしく、社会や組織の不条理や悪意に対する怒りと、それらと付き合いながらそれぞれの生き方を貫こうとする様が表現されており、千円そこそこでここまで魅せてくれてありがとうと言いたくなる作品。
グロい…(‐д`‐ll)…のが大丈夫なら面白い!
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