劇場公開日 2021年8月20日

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孤狼の血 LEVEL2のレビュー・感想・評価

全542件中、1~20件目を表示

4.0キャスティングの妙が光る「時代劇」

2021年8月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 前作でミイラ取りがミイラになった日岡の、怪物上林との対決を描く続編オリジナルストーリー。
 暴力も嘘も世間的には当然アウトなレベルなんだけど、映画になるとカッコよく見えるから困ってしまう。何だろう、ヤクザ映画のこの引力は。
 面白いと公言するのが憚られるほど暴力的で、けれどその行動原理にむき身の人間の姿が見えるからか、抗い難い魅力がある。

 キャスティングもいい。前作以降、続編にヤクザ役で出たいと申し出る俳優が引きも切らず、スムーズに配役が決まったそうだ。
 よかった配役を挙げ出すときりがないが、やはり鈴木亮平を推さないわけにはいかない。何なんでしょうねこの人。
 俳優だから当たり前と言えばそれまでなんだけど、救急救命医も田舎の駐在さんも死の床の病人も変態仮面も、体型まで変えて全部ハマり役にするそのポテンシャル。演技と無関係だが鑑賞特典のポストカードの絵まで描いていて、万能感がすごい。
 彼の上林は本当に怖かった。チンタの顔を両手で包む時、親指ふわふわさせてるだけでもう恐怖だった。モデルあがりのガタイのよさが、笑った時の形のよい口元までもが、威圧感に変わっていた。ヤクザの怖さというよりサイコパスの怖さだが、眩しいほどのインパクトに取り込まれてしまった。彼の行動の背景が、ちょっと類型的なのは惜しかった。
 村上虹郎はいい役をもらえたと思う。中村梅雀、本当に上手い。吉田鋼太郎は個人的に好き。こんな作品でも滲んでしまうおじさんのかわいげ。
 松坂桃李の演技も十分見応えがあったが、敢えて言えば肩幅があまりないのにあの痩せ方(役作りで痩せたとのこと)が、ギラギラ感を出すのに正解かどうかよく分からなかった。前作では大上の存在感と、新人日岡の心境がドラスティックに変化していくところが見どころだったので、それらのない本作を並べてみるとちょっと荷が重かったように感じてしまった。
 設定上は大上の後継は日岡だが、作品の華を作るキャラという立ち位置で見れば、上林が大上の後継なのだろう。
 ラストは原作との辻褄合わせなのかも知れないが、作品単体で見ると締まらない印象で勿体なかった。

 今更野暮な話かも知れないが。
 前作の大上や本作の日岡の姿は、実在して欲しい刑事の姿として描かれているわけではない。大前提として、どうしようもなく悪と癒着し切った警察組織の存在があり(そしてこれもフィクションである。現実の警察がどの程度清廉潔白かは知らないが)、カウンターかつおためごかしの正義への絶望を象徴する存在としてやむを得ず出現したアンチヒーローだ。
 加えて、これは暴対法施行前の話だ。現在は、大上や日岡が「必要悪」としてのリアリティを持つ時代ではない。
 本作のルーツとも言える「仁義なき戦い」(原作者は「仁義〜」なしに原作執筆はあり得なかったと言っている)は、組長の獄中手記を元にしており、公開時の時代背景を踏まえてもそれなりに当時のリアルタイムな現実に通じる面があっただろう。
 そんな金字塔的作品の魅力の継承を目指した本作だが、良くも悪くもポリコレ全盛のこのご時世にあっては、いっそ時代劇と見なしたほうがいいように思う。
 古臭いという意味では決してなく、現代の価値観に照らして野暮なことを言ったりせず、この作品世界が持つ魅力の普遍的な部分を楽しんだほうがいいということ。それと、現実に大上や日岡のような刑事がいてほしいかというとそれもまた違う、ということだ。

 余談だが、上林が乗っていた車のナンバーが「59-10」(極道)だったのでちょっと笑ってしまった。

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ニコ

4.5鈴木亮平の怪演が絶品、新たな出演者が加わって描かれる抗争劇

2021年9月13日
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鑑賞方法:映画館

鈴木亮平のヒールっぷりが凄いという前評判を聞いて、前作を鑑賞してから劇場に足を運びました。世界遺産がお好きで、気のいい力持ち的なイメージのある鈴木氏が演じる上林の突き抜けた極悪非道ぶりは期待以上に素晴らしく絶品でした。
1作目での大上(役所広司)とのバディを経て、マル暴刑事として覚醒した日岡(松坂桃李)のヒリヒリした感じも雰囲気たっぷりで、上林との血で血を洗う戦いで物語をグイグイ引っ張っていきます。回想シーンにはあえて大上のシーンを入れなかったそうですが、それによって不在感が際立ちつつ日岡の無軌道感もでていて、物語としては連続しているものの本作だけで独立した作品になっている強さがあるように思いました。
日岡と新たにバディを組む老刑事役の中村梅雀、本作のキーマンのひとりを演じる村上虹郎、変則的なヒロインとも言える西野七瀬、組トップの妻役のかたせ梨乃ら新たなキャストも好演ばかり。3作目もぜひ作ってほしいです。

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五所光太郎(アニメハック編集部)

4.0喰らい続ける男たち

2021年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

白石和彌監督は振り切ることに決めていた。昭和の終わりから平成の始めへと時代が動く。手打ちによって二大組織の均衡が保たれている中、服役中の荒くれ者が出所してくる。見送る看守に「世話になった」と一瞥すると、不気味な微笑みを残して迎えの車に乗り込む。
復讐の序章。穏やかな空気が流れるピアノ教室に現れた男は、容赦なく女の両目に親指をぶち込む。問答無用の粛正、ただならぬ空気の先に女の兄である看守の写真が浮かび上がる。
広島を支配した親分の血筋を継ぐ上林は、時代は変わっただとか、今はビジネスの時代だなどとほざく上層部が気に入らない。復讐と復権を果たすために、誰も信じないことで自らを奮い立たせていく。

『虎狼の血』をLEVEL2に引き上げ、前作とは異なるテンションを付加するためには、凶暴で手のつけられない男が必要だった。鬼神、上林を託されたのは鈴木亮平だ。
優等生的な役柄が多かった俳優が余計な負荷を振り払い、髪を短く刈り込み、まるで仁王のような佇まいで他人を見下ろす。鍛えられた身体に刻まれた背中の刺青は入所によって途中で止まったまま。その空白を埋めるかのように男は性急に動く。鈴木は「最も凶暴な男」のひとりとして東映ヤクザ映画史に刻まれる上林を激烈に演じきる。

猟奇殺人事件が発端となり、捜査本部に招集された日岡(松坂桃李)と復讐鬼と化した上林が交錯していく。前作に続いて登場する毒気の強いキャラクターたちも健在だ。
そしてもうひとつ。この映画を観て俄然食欲がわいた。村上虹郎が演じる幸太はことあるごとに姉の元を訪れ「腹が減った、何か食わせてくれ」と焼きそばを喰らう。新たにコンビを組む瀬島(中村梅雀)は「相棒なんだからメシを食おう」と誘う。渋々応じた日岡の前にはビールと家庭料理が並び、焼酎をしこたま飲んだ後には広島名物「たこ飯」が振る舞われる。
活力は喰らうことで生まれることを監督は知っている。この作品は食欲をかき立てる力を持つ。

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高橋直樹

4.0鈴木亮平が演じる上林という❝モンスター❞の登場で、松坂桃李が演じる日岡刑事の❝狼❞化へのレベルが上がる。

2021年8月19日
PCから投稿

前作の3年後(=平成3年)を完全オリジナルストーリーで描いた本作。
「LEVEL2」を見ても、この「孤狼の血」シリーズは、役者から製作陣まで気合が入りまくっているのがよく伝わります。
特に本作では、息もつかせぬような演技の応酬が繰り広げられ役者陣の本作にかける意気込みの強さを感じ取れます。
中でも鈴木亮平が演じる上林という❝モンスター❞の登場が本作の核となっていて、「R15+」に相応しい日本映画史に残り得る怪演を見せ続けます。
タイトルが「LEVEL2」となったことに合わせてか、主演の松坂桃李が演じる日岡刑事は、前作から狂気のレベルが増しています。ただ、前作の役所広司が演じる大上刑事(ガミさん)の、狂暴すぎる❝狼❞の領域にまでは行っていなく、日岡刑事が❝ガミさん化❞するまでは、この「孤狼の血」シリーズは続いてほしいところです。
今のところ、前作で日本アカデミー賞の主演男優賞と助演男優賞を受賞した役所広司と松坂桃李のコンビが最強に良いので、本シリーズには更なる高みを期待します。

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細野真宏

4.5白石和彌監督版「広島死闘篇」

2021年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

広島の架空都市を舞台に警察とやくざの攻防戦を過激に描いて評判を呼んだ、白石和彌監督による「孤狼の血」の続編。原作の3部作にはないオリジナルストーリーで描かれており、前作で新人刑事として登場した松坂桃李演じる日岡秀一が主人公。
3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害された、伝説のマル暴刑事・大上の跡を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡。権力を用い、裏の社会を取り仕切る日岡に立ちはだかったのは、上林組組長・上林成浩(鈴木亮平)だった。こんなにも狂気をはらんだ役を演じ切った鈴木にとっては、新境地開拓といって良いのではないだろうか。
また個人的に村上虹郎、西野七瀬、そして中村梅雀の存在感こそが今作を一段上のグレードへと連れて行ったと断言しても良いほどに説得力のある演技を披露した。最後に、これは「仁義なき戦い」でいうところの「広島死闘篇」といえる。さらなる続編へと繋がる道を用意している点も上手い。

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大塚史貴

5.0上林(鈴木亮平)の怪演が凄まじい

2024年10月12日
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怖い

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かちかち映画速報

4.0鈴木亮平の 役者の幅の広さに怖くなる。 笑っている時の笑顔はかわい...

2024年9月30日
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鈴木亮平の
役者の幅の広さに怖くなる。
笑っている時の笑顔はかわいいのに、
暴力の時の顔のすごみは
ちびりそうになった。
やくざ映画の暴力は苦手なのだが、
鈴木亮平のやくざが見たくて
この映画を見て、
すごく見応えあった。
松坂桃李のやくざと戦う刑事役も、
体の細さや、
他の役者さんに飲まれないか心配だったが、
しっかりやくざとやりあっています。
見終わったあともちょっとまだドキドキしています。

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あとぅーし

3.0恐るべし鈴木亮平

sさん
2024年9月14日
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怖い

興奮

こわすぎた

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s

4.0ヴィラン

2024年9月4日
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鑑賞方法:VOD

ヴィランで映画の良し悪しが決まると言っても過言ではない。上林という凶悪なキャラが作品を引き立てる。
側から見れば暴走といえる日岡の強硬も、爽快感すら覚える。それくらい作品に引き込まれる熱量を感じる。

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ABCD

3.0聖地巡礼映画NO1

2024年8月8日
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呉市に聖地巡礼行ってきた!
あのマーケットとか歩いてると今にも抗争に巻き込まれるんじゃないかとソワソワしちゃう
もしそうなったら上林組につこうと思う。そしてすぐに海外に逃亡しようと思う

暴力団の幹部が出所する時に迎えにくんのいいよね
僕ももしブタ箱入れられたら業者に頼みたいな。出所お出迎え代行サービスないかな?
若頭役と鉄砲弾役の弟分が2人欲しい
今回で言うと斎藤工と中村倫也に来て欲しい。あと可愛いから西野七瀬にも来て欲しい

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真平

4.0こわいー

2024年7月19日
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普通に序盤サイコスリラーでワロタ グロ
みんな弱くて前の方がヤクザヤクザしててよかった

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less_less_

4.0温存していてやっと鑑賞しました!

2024年7月14日
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あの前作だったのにパワーダウンしないで更にアゲアゲになってるのは凄いですね!
相変わらず地上波で放送する気ゼロのエグさですが
何周かして色々と通り越して演出があり得ないくらい過剰過ぎて笑えてしまってディズニー作品を見てるようなエンタメ感満載のサービス精神に癒されました笑
今回は中村獅童と滝藤さんと音尾さんがいい味出し過ぎてて出てる場面がずーっとニヤニヤしてしまいました(爆笑シーンの大半はこの三人のシーンだし笑)
まあ鈴木亮平も安定の憑依演技で最高だったし!

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お主ナトゥはご存じか2世

2.0一作目に比べると、流石にストーリーに無理があるかなぁ

2024年6月26日
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鑑賞方法:VOD

鈴木亮平の演技、迫力あって良かったんだけど、やっぱ一作目の役所広司の方がが良かったかなぁ💕
松坂桃李は…、う〜ん。
2作目は流石にストーリーに無理があったかも😅

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タモン

4.0鈴木亮平怖すぎw

2024年5月17日
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怖い

興奮

やはり鈴木亮平の怪演が素晴らしかった。というか鈴木亮平って爽やか系の役が多い印象だけど、この映画見た後だともうそんな目で見れない(笑)

全体の構成も良かったが、前作にあったようなバディ感は薄まってた。多分チンタがそのポジションだったのかもしれないけど、どちらかと言うと可哀想なキャラという印象。

上林というイカれた悪党は素晴らしいけど作品全体がそれに呑まれ気味なところがあった。実質上林が主役を食ってたところはあるかなぁ。

びっくりどっきりクリ〇リス

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まっきゅん

3.0結論は国家権力が一番怖い

2024年4月29日
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ミカ

2.5闘うヤツしか生きられない。

2024年4月13日
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楽しい

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にゃに見てんだ

3.5鈴木亮平は只者ではない!

2024年3月31日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

とにかく鈴木亮平の演技に圧倒されたの一言。

前作からの松坂桃李の変貌にも驚きはあったが。

ストーリーもさることながら俳優の覚悟を思い知らされた映画である。

面白かった。

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まーさん

2.5まさに国家の暴力装置

2024年3月7日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

一作目は男臭いハードボイルド
二作目は結構エンタメに寄ってると思う(内容はエグいけど…)

どちらかというと一作目の方が好きでした。
二作目の日岡さんは不死身すぎるし、全体的に派手さが目立つ。

松坂桃李さんと鈴木亮平さんの演技は別格な感じがしました。

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赤の他人

4.0一も二も素晴らしい

2024年3月5日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

前作とは分けて見たほうがいいなとは思いました。これはこれで面白かったけど好きなのは1作目。今作は鈴木亮平の熱演で最後まで振り切った感じが素晴らしい。

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ほんげ

4.5鈴木亮平

2024年1月26日
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鑑賞方法:VOD

鈴木亮平が怖すぎる、極悪非道すぎる
ほんとに演技の幅が広すぎて、日本を代表する俳優さんだと思う。

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ゆうすぎ