Swallow スワロウのレビュー・感想・評価
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女性の解放にばかり目を向けると失われる命への想いが軽んじられてしまう
Swallowは名詞ならツバメだけど、
動詞では飲み込むという意味です
英語が苦手なんで調べたんですが、普通の人は知っている事かな
恥ずかしい
押しピンとか危ない物を飲んだら、内蔵を傷つけるし、どっかに引っかかって出てこないかもしれない
うちのバカ猫は消しゴムを丸呑みして手術したからね
これはストレスによる自傷行為といえます
なんとなく、やってはいけない事をやりたくなる気持ちもわかる
でも排泄の時に血だらけになるのは、さすがに見てられなかった
このへんは、リアルに想像できるからね
これは、体験したくないわ
ラストのトイレのシーンは
堕胎した胎児を排泄物として表現したのだろうか
出すものを出して、スッキリ新しい人生を歩いていく
胎児は可能性であって人格は無いと思っているんですが、この割り切り方はさすがにひきます
気にしない人は一生気にもならないんだろうけど
流された子供の事は、歳を取れば取るほど心に重くのしかかるようになる
ヘイリー・ベネットはマグニフィセント・セブンのヒロインだった時に記憶に残っていますが、なかなか面白い雰囲気をまとった女優さんですね
注目です
深過ぎる闇
ジャケットがオシャレ✨
赤の背景に青のセーターをもってくるなんてセンス良すぎだろ。監督さんは色彩の魔術師さんですか?どれどれ、どんな映画だ?と、気軽に観始めたら…。深い…心の闇が深過ぎる。観ているこちらがやられちまうよ。
美しい。
パッケージに惹かれ、レンタルで借りたのにwowowオンデマンドで見つけるという悲劇を経て鑑賞。ちゃんと確認するべきだった。
人には勧めづらい映画ですが、個人的には刺さりまくりです。世界観も着地点の分からないストーリーも音楽もすべて良かった。あとは主演のヘイリーベネットがとても魅力的。ラストシーンなんかは30代というのが信じられなかった。
異食症という聞いたことはあってもよくは知らない病気が題材となっているが、この世界観に違和感なく表現されているが、その辛さは痛いほど伝わってきた。結局は幼い頃の家庭環境と確固たる居場所を見出だせない結婚生活に苦しみ発症したとすぐに分かるような酷い環境。逃げ出せていなかったらどんなものを口にしていたのか想像もしたくない。施設で制限される以上、元の環境に戻ればリバウンドも激しいだろうな。
結局はラストも明るい雰囲気とは裏腹に望まない子を中絶し、一人で生きることを決意するなど、救われていないようなモヤッとしたものだけど、それがなんだか心地良い、不思議で魅惑的な映画でした。
『ハードコア』や『ガール・オン・ザ・トレイン』では感じなかったが
特にポスターのヘイリー・ベネットを見るたびに、金髪が妙に浮いているというか合ってないウィッグをつけているような違和感を感じていた。
人間はセルロースは消化できませんよー
ラストは…そういうことな…の…?ハンターはそういう選択だった。最後は髪型変わってたけど、別に違和感もなく。
エンドロールが風変わりで見入ってしまった。
良かったね
枷でしかない結婚とレイプ犯である父親との関係はまあ清算できたのかな。でもあの母親電話の感じだとややこしいですね。これも何とかできるといいね。
夫と義父母のあまりにストレートな嫌な奴らぶりとか、ああいうご両親は結婚相手選びとかクビ突っ込んで来るんじゃないの?とか設定的にこまごま気になるところはあるけど、ちょっと幻想的な映像とヘイリー・ベネットの演技で緩和されました。声が小さくて自己評価の低い人丸出し、こういう人いるーって感じね。
プロ意識のかけらも無い看護師
プロット的に仕方がないことなのかも知れませんが、元訪問看護師としては難民出身の看護師の行動が何一つ理解出来ません。
・出会って早々に「戦場では精神を病んでる暇はない」つまりは「精神病は甘え」ととれる発言を主人公にする。
精神病の患者さんの看護にあたって精神病を否定する発言を行うことはありえません。
案の定、この発言を受けた主人公はストレスを感じて異食衝動に駆られています。
・主人公がトイレに行く際に、主人公のボディチェックのみを行いトイレ自体のチェックを怠っている。
自傷行為を行う可能性の高い患者さんに対して危険物のチェックが甘すぎます。
・錯乱状態の主人公がベッドの下に入り込んた際に、あろうことか一緒に寝いってしまう。
その隙をついて主人公はドライバーを飲み込んでしまいました。
・最後に何を考えているのか身を保護すべく精神病棟に向かう主人公の逃亡を手伝いました。
医療人としての責任放棄です。
精神病の主人公が自傷行為に走り、最後には胎児まで危害を及ぼしたことについて、主人公を責める気にはなれません。
病気とはそういうものです。
しかし、その主人公の看護を請け負った看護師には主人公と胎児を守る義務があります。
看護師が主人公の逃亡を幇助したせいで、胎児は誰にも守ってもらえずに死んだのです
なぜ看護師がそのような行為に及んだのか?
鑑賞する限りではその理由は読み取れませんでした。看護師が主人公と深く通じ合う描写もなかったように思います。
この看護師の医療従事者としてあるまじき行動の数々が、観賞後の私の喉のつかえとなってむず痒いです。
患者さんが診察の場で晒した秘密を勝手に家族にばらす精神科医もそうですが、
プロットの都合のためだけに用意されたようなプロ意識のかけらもない看護師の存在がこの作品からリアリティを消し去っています。
裕福な家庭に雇われているのです。
それだけ腕を見込まれているはずでしょう。
さらには難民出身ということで家族を養うために職を失うわけにもいかないはず。
なのに、何故そのような行動に出たのか?
説明が少なすぎて、やはりプロットのためだけに用意されたエセ看護師にしか思えません。
恍惚した表情にやられた。
強烈な映画だった。
倦怠夫婦モノとしては、ゴーンガール以来の衝撃ではないだろうか。
男性優位の社会における女性の生きづらさ。
義理の両親との歪んだ関係性。
一見すると自由に見えて、その実誰よりも抑圧された生活を強いられている様子が丁寧に描かれる。
それゆえ、見る人は"異食"という奇行に走る彼女に否応なしに感情移入してしまう。
何故ならそれが、彼女に唯一許された"自由"であるのだから。
異物を飲み込む時の痛みと快感は、見ているこっちも辛くなるほどのものだった。
そう言った意味では、そこらのスリラーやホラーよりも見るものに精神的苦痛を強いる映画ではあるだろう。
しかし本作を見終わった後に感じたのは"解放"だった。
どこか晴々とした気持ちでエンドロールを見ることができた。
不快な題材と映像表現であるにも関わらず、エンタメとして成立しているのは。
ひとえに本作の映像美ゆえだろう。
徹底的に練られた構図、ライティング、繊細なSE。
ここにヘイリー・ベネットの美しさと素晴らしい演技が乗ってくるから成立するのである。
これら一つでもバランスを欠いてしまったら、この映画は成立しなかったであろう。
どこまでも繊細かつ大胆な映画だ。
儚げなヘイリー・ベネットが異物を飲み込む時の恍惚とした表情には誰もが唸るだろう。
自宅で鑑賞する際にはヘッドフォン推奨。
喉を通る異物の音、痛みと快感の感じ方も倍増する事請け合いだ。
病気の背景にあるもの…。
こんな病気があるなんて知らなかった。
自分を痛めつけてまで、行動してしまう事に驚いてします。
やっぱりとか思ったけど、彼女の生誕の秘密もあり。
親がいて、当たり前に愛情を貰えるという状況で育つという事の大事さを感じる。
「自分」の居場所を探して
異物を吞み込むことで感じた得体のしれない達成感。その正体が、「自分にしかできないこと」だと頭で感じた瞬間、そのつまらない子供じみた好奇心で行った行為に虚しさに、彼女は、画鋲を吞み込んだときに涙した。なんともいえない人間らしい儚いシーン。
(子どもが生まれたら、私に対する対応が何かが変わるかも)という期待は日々を積み重ねるにつれて崩れていき、子どもが愛されるようになるだけで「自分」に意識が向くことはないことを理解していく。
酒に酔っていた夫の仕事仲間にハグを求められ、「自分が必要とされた」と思ってハグをやり返すが、後日その男は女性なら誰でもよかったことを知り落胆する。
過去の秘密(すべて)を話し、「自分」を見てくれるカウンセラーにハグをした=心を許したのに、夫にその情報が筒抜けで、「自分」が尊重されておらず落胆する。
最後の最後、母親頼れない結果、レイプした父親しか残っておらず、消去法で父親のもとへ向かい、「自分」の存在はなんなのかと聞きに行く。「自分」がわからないまま彷徨い歩き、たどり着いた結果はとても酷な方法でだったが、やっと「自分」でいていいんだと救われる。
自らの決断で子どもを堕胎し、「これまでの自分」を捨てて、「自分」を生きていく決意をするトイレでのラストシーン。入れ替わり立ち代わり女性が出入りするトイレ内のシーンは、非日常に近い一人の物語がいったん終わり、多数の女性が出入りすることで「日常」が画面に現れる。
『そんな日常の中に生きているんだよ』と、誰がどんな思いで生きているかはわからないまま「日常」を生きているんだよと。
戦争を経験した看護師役の男性は、痛みがあふれる世界で生きてきたからこそ、ヒロインの痛みを敏感に感じ取っていた。戦地にいる必要はない、安全な場所はある。逃げなさい。といわんばかりに、やさしさに溢れていた。そんな気がする。
胸にグッとくる、良い映画でした。
【彼女が様々な”異物”を飲み込んだ理由・・。】
ー 序盤のハンター(ヘイリー・ベネット)と夫リッチーの夕食のシーン。リッチーは妻の問いかけにもうわの空でスマホでメールをしている。
ガラス越しに、映し出された二人の夕食風景の寒々しい事・・。ー
■ハンターの周りの、様々な”異物”
・裕福な両親に育てられたリッチー。
一見、妻であるハンターを愛しているように見えるが、彼の言動を見ていれば、その愛情は薄っぺらい表面的な事が良く分かる。
・リッチーの両親。夕餉で、ハンターの言葉を遮り自分の事を喋る父親。ハンターに事前連絡なく、妊娠したハンターに”私も妊娠した時に読んだの・・”と本を押し付けて、さっさと帰る母親の姿。
ー リッチーの両親は、ハンターを”孫を産む存在”としか見ていない。
ふと、『83年生まれ キム・ジヨン』を思い出す。
人間は、自己の存在意義を認められないと、精神に異常を来すことがあるのであろう。ー
・ハンターの母親。そして、愚かしき”実の”父親。
ー あろうことか、リッチーはハンターの”異食症”を”悪意なく”周囲に言い触らしていた事が分かるシーン。
そして、更に明らかになる、ハンターの出生のヒミツ。
彼女が、幼い頃から心に大きな傷を負っている事が、見る側に伝えられるのである。
更に、施設に入れられる事を拒んだハンターに対し、電話越しに言い放ったリッチーの言葉。彼の愛していた筈の、妻ハンターに対する本音が出たシーンである。ー
<ハンターは、彼女の周囲の”異物”を自分の身体に収める事で、自我を保とうとしたのだ。
”異物”達から自由になったハンターは、徐々に強迫性障害による、”異食症”を克服し、新たな人生をお腹の子供と共に歩んでいく事を願いたい、と思った作品である。>
異食症、初めて聞いた!
こんな病気があるんだ。まあ、確かに土を食べるとか,聞いたことはあるが。まだよくわかっていない病のようだが、ストレスが原因のこともあるようで、この映画の主人公のハンターは、自分の出生の秘密がストレスだったのか、それとも旦那さんの家族との関係性がストレスだったのか、そのあたりがよくわからず少しモヤモヤしたままおわってしまった。
それにしてもなぜあんなものを飲み込んでしまうのか、、、ちょっと理解できない。しかもしっかりと体外に出た異物を丁寧に洗ってコレクションするとは!
ただ理解しかねるのは、トイレでゴム手袋をはめて異物を洗うけれど、その手袋をたとえ洗ったとしてもタオルと一緒にしまうってありえない👎と変なところがとても気になってしまった。
それにしてもあんな形で飛び出して、一人でどうやって出産,子育てするつもりなんだ?
モヤモヤが止まらない。
尖ったピン
衝動の原因は分かるが、行為そのものが理解困難で、何らかのメタファーなのかとその謎解きに頭がいってしまって集中力を欠く。異物として家庭から出され、再び上流家庭に異物として飲みこまれる。
最初は属することを望み、しかし人として尊厳が与えられず、最後はシリア人に同情されるまでの地獄から這い出る。上流家庭だとかクソ旦那というお決まりの構図が、理解を困難にしているようにも思う。最後のシーンの通り、それぞれが様々な個であり、属する属しないの拘りを捨てて自由になる。しかし、それがどのような環境であってもそうなわけで...
自由に生きられればそれで済む世の中でもないわけであるが。思い返せば、同僚の妻にハグしたがる狂った男を抱きしめ、浮かべたときの表情に彼女の個の幸福論があったように思える。
ヘイリー・べネットの美しさに見惚れる
レイプによって生まれ、周囲との決定的な違和感を常に持ち続けてきた主人公。異物を飲み込み、違和感を自らのうちに取り込むことで、内と外のバランスが得られ、多幸感を得ることを知った主人公の行動はエスカレートしていく。しかしそれゆえ、周囲との違和は決定的となる。
そうした環境からの脱出を試みた主人公はレイプ犯である父親のもとを訪れ、決別する。さらに違和のシンボルとしての胎児を堕し、新たな自分を獲得していく。
極力BGMを使わず、固く冷たい家具に囲まれた生活空間はいつも主人公を拒否し、静けさと原色と主人公の美しさで緊張感ある映像が続く。瞬時も目が離せない映画だ。
難しい…
ストレス性の病気は難しい。本人も周りの家族にとっても不幸。結婚し、周囲が羨むほど、裕福で何不自由ない生活、夫、夫の両親とも幸せに暮すのだが、彼女にとってはそれがストレスを生む、きちんとしなければならないという強迫観念を感じながら、苦しんでいた。異型物を食すことで、それが忘れられる。普通なら妊娠したのに、母体を危険に晒すような、そんなことしない、理解できないのであるが、これは病気なのだ。彼女にとっては夫や義理親、自分の親含めて、相談できる人がおらず、孤独だった。レイプ犯が父親というトラウマから来るものなのか、何が原因なのか分からない。映画ではその父親に会い、どこか自分が犯罪者の子供という劣等感、生まれてきてはいけないと思っていたことと訣別し、その後結局は中絶したのだろうか、これからどう生きていくのか分からないが、どこか吹っ切れた表情をしていたのが印象的だった。病気は恐ろしく、一人では治療できないし、本人、夫や家族にとってもこの結末は良かったのかもしれない。
懐かしのビー玉
夫は将来のCEOを約束されるほどビジネスで成功したエリート。郊外の邸宅で何不自由なく暮らせるはずだった妻ハンターだったが、妊娠してから孤独感が高まり、ついつい異物を飲み込むようになってしまう。
夫が留守の間、暇があるとついスマホのゲームをしてしまうハンター。俺だったらビー玉で遊んじゃうけどな・・・などと考えつつ、驚きのビー玉飲み込みもフロイトの言う口唇期だとか赤ちゃん返りなんじゃないかと思ってしまったけど、異食症という病気があるんですね!知らなかった。氷食症からはじまったり、妊娠期における鉄欠乏症が原因の摂食障害の一種だとか。
精神科医に診せたり住み込み看護師をつけたり、夫の愛情だって薄いわけじゃなく、たまたま自己中心的な対応だったりしただけ。のちに彼女の深層心理にある出自を聞かされたのはショックだったろうし、もう妻への対応ができない状況に・・・
女性の自立がテーマでもあるようだし、宗教的保守による妊娠中絶禁止という問題も提示している。レイプされて妊娠しても中絶できない!などといったアメリカを分断するかのような政治的争点。そうしたレイプの悲劇がハンターのトラウマともなっていたが、終盤にはその実父と対峙。これで吹っ切れるかと思ったら、最後は予想外の方向に行ったので、映画ってあなどれないよなぁ~としみじみ。
シリア出身の看護師が言う「生き抜くことばかりで考える暇なんてない」ことも一つの解決策なんだろうけど、夫の同僚でハグ魔の男も解決策の一つだったのかも・・・
男性に観て欲しい
この映画を観た男性は、何を思うだろうか。
一見幸せな生活を送っているが、本当は孤独でさまざまなことを抱え込むハンター。彼女を取り巻く様々な人や環境が、彼女の孤独とこの映画が伝えたいことをより一層際立たせていたように思う。
夫や義父母は、一生懸命理解しようと必死だったが、やはり感情的に、自己中心的に考え、行動してしまっていた。異食をやめさせようと必死にあらゆる策を講じているようでは、ハンターは変わらないし、どんどん悪い方へいってしまうのに...。映画を観ながら憤りを覚えた。しかし、これが人間世界で生きていくことの難しさだとも感じる。
育ってきた環境が違えば、考え方や価値観が異なるのは当然のこと。だからこそ、互いに歩み寄ることが大切であると、改めて考えさせられる作品であった。
ジェンダーとかマイノリティとか、様々なことに溢れている現代だからこそ、多くの人へ届けられるべき映画なのではないだろうか。
演技だとはいえ、主人公の女性の怪演っぷりには圧倒された。観る人の感情を操る演技だった。
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