藁にもすがる獣たちのレビュー・感想・評価
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面白い!
普通に面白い脚本を時系列をイジる事で
こんな面白い事になるのか!とたまげた。
3つの話がラストで重なるのかと思いきや、
3つの話が縦に繋がっており、
それが分かるヴィトンのバックが映った時ゾワッと
サブイボが出ました。
それぞれの話しが面白くてキャラもダメな奴ばかりだけど
魅力的でまさに藁にもすがる獣たちの映画でした。
ラストの章も、ここで終わりかからもう一つ先があって
良いエンディングだったし
俳優さんたちの演技は言わずもがな、
脚本が上手いなと思いました。
素晴らしかったです。
巡り巡って…
金は天下の回りもの?何となく最後は妻の元に来るのではないかと。チョン・ウソンも情けない役で呆気なく死んでしまった。しかし、韓国らしい激しい殺し方。用心棒も顔めちゃくちゃ怖いし。しかし、大金を手に入れたと思ったら不幸が訪れるので、そこがこの映画の面白いところ。
いや〜面白かった!
パズル的な映画
日本の小説が原作
DV男に観て欲しい
オチを言ってしまうと、そもそもこの10億ウォンのお金はDV男を殺した保険金でしたが、紆余曲折ありながらもラストでは真面目に生きてきた貧乏人に渡るところが日本むかし話的だなと思いました。原作が日本だからでしょうかね。視覚的な表現は残虐的なんだけれども、最終着地は、貧者に優しかった。あと、DV男は自分が殺害される最期を想像して、震えあがって下さい。因果応報。仮に邦画で製作するならば、白石和彌監督で観てみたいです。
アンラッキー・ストライク
10億ウォンの大金をめぐり、時系列をいじり、金に目のくらんだメイン4人の人生が交錯する、曽根啓介の原作による作品。とてもブラック、ノワール、複雑!といったスリリングな展開と章立てによる意味深な伏線が光っていた。
あれがこれで、彼女が恋人で、誰が誰を殺したのか・・・最初からニュース音声が見事に事件を象徴していた。こうなってくると、バラバラ殺人は誰の手によるものなのか、凶器は包丁なのか、身元不明遺体は・・・と、ストーリーを追うのが楽しくなってくる。残酷でスタイリッシュなストーリーといっても過言ではない。
借金まみれの恋人のために港湾ヤクザに付きまとわれるテヨン(チョン・ウソン)が中心だと思えば理解しやすかったけど、その恋人の残忍さや悲運であるミラン、そのミランのためにDV夫を殺害しようとする中国人不法移民ジンテ。サウナで働くジュンマンとその家族の運命が悲しくもあり、最後には・・・といった展開だ。
まぁ、ヨンヒとミランという対照的な性格の二人の位置づけが印象的であり、シロワニというサメのエピソードが色々と考えさせられた。そもそも、精子と卵子のような話だと、もっとも強いものが生き残るのだろうけど、それが様々な性格を持つようになる人間の神秘と似ているんだと考えてしまった。
貧困にあえぐ庶民の生活を象徴している弱肉強食の人間関係をも表しているし、偶発的なものから計画性のあるエピソードまで、皮肉とも思える人間の内面をえぐったような内容ともとれる。大金を得ようとする人間の欲望、残酷性、「人を信用するな」という教訓など、単純なクライムサスペンスとは思えないほどだった。
そんな中、ラッキーストライクが幸運のタバコだと信じたのにまったくの不運に繋がるとか、ゾクゾクさせられたのですが、最後のコインロッカーのキーだけは納得できず。あまりにもうますぎて、殺人事件の現場捜査で発見できないという矛盾。まぁ、これが韓国警察の手抜かりだというのなら、それでいいんですけど・・・
シロワニは一匹しか残らない
ロッカーからバッグを持ち出す話
日本原作で韓国映画だと、「オールドボーイ」「納屋を焼く」など名作がある
本作は名作とまではいかないが、間違いなく面白い作品でした。
欲望にまみれた者どもが群がり、織りなす群像劇は徐々にパズルのピースが揃っていきラストで一つの画になる。
時系列がごちゃごちゃなのに置いてきぼりにもされずほぼ戸惑うことなく話についていけた。
欲の皮が突っ張った奴らの最終目的、10億ウォンは何処からきて誰の手に渡るのか。
冒頭のシーンからバッグを見つけるまでで映画メランコリックのセリフ「お風呂屋さんの仕事も結構危ないんですね」を思い出した。
ほとんど映画に風呂場出てこないけれど・・・
なんでしょうね、韓国映画は本当にサスペンスが頗る上手。
後ろめたい奴、残忍な奴、欲深い奴、蟠りの有る物語がぴったりでジトっとした雰囲気がたまりませんね。
出てくるキャラが全部濃いし面白い。それぞれの出番で濃いから映画中ずっと濃い!
背油ましましのラーメンですよ。美味いんだこれが。
各キャラクターに触れてくと大変なので、中でも気に入ったのは社長と包丁男。
港湾マフィアの社長よかったですね、突然第三者を怒ったり、ニコニコしながら恐喝したり、ジョー・ペシかよ!
包丁持ったノッポも不気味で怖かったです、喋らないし、入れ墨が気味悪いし、顔が出る度に眉をひそめてしまう。いい味出てました。韓国映画史に刻まれる悪役でしたよ。
絶対的暴力装置があると物語が締まるんですよね、一般人じゃ敵わないからどう逃げるか、どう回避するかがスリリングで楽しい。
この映画の内容はいかにババを引かずに一番乗りで上がれるかだったと思う。
命がけの面白いゲームを見せてもらいました。
日本と韓国でサスペンス映画はどう頑張っても韓国映画に軍配が上がってしまうだろう。
日本原作を日本以上に面白く作れるんだからどうにもならない。
日本の映画もいい所はあるし、お互いの映画人が刺激し合って益々の発展を遂げてほしいと思いました。
物語にほぼ関係ないけれど「ミナリ」に出てるおばあちゃん役の方がこちらの作品でもおばあちゃん役で出てましたね。
しかも、ボケる、漏らす、家が焼ける。なにこの共通点って笑っちゃいまいた。
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劇中セリフより
「運命だったと思って気楽にしてな」
最悪の事態であっても運命のせいできれば少しだけ楽になる。
信仰とはもしかしたら最大の憎まれ役なのかも知れませんね。
【”人食いサメを食う、無表情な半魚人・・” 最後に笑うのは誰なのか? 二転三転四回転半する、欲望塗れの人々の大金争奪大合戦!】
■感想<Caution!以下、内容に触れています。>
1.冒頭、点で描かれていた人々が、一つの大金が入ったバッグを巡って、徐々に繋がりが明らかになって行く、章立ての、時系列でない作品構成の見事さ。
1)借金
・サウナで働く、母親スンジャ(ユン・ヨジョン:ご存じのとおり、韓国の大女優である。「それだけが、僕の世界」「チョンシルさんには福が多いね」「ミナリ」など、近年も大活躍である。)がやや認知症気味のジュンマン(ぺ・ソンウ)は、サウナのロッカーで大金が入ったバッグを見つけ・・。
だが、
”一生懸命家庭を支え、認知症の母から馬鹿にされながらも懸命に働く”
妻のヨンソン(チン・ギョン)にも、その事実を告げず・・。
2)カモ
・失踪した恋人の借金のため、韓国ヤクザから金を借りて苦境にいる出入国審査官テヨン(チョン・ウソン:このような情けない、チョン・ウソンは初めて観た・・・・。イケメン路線でなくても、行けるね!)
3)食物連鎖
・夫のDVに悩む、借金まみれの主婦ミラン。そして、ミランに惚れた中国からの不法滞在者ジンテの関係性・・。
ー ミランは一見、可哀そうな役だが、彼女も徐々に”獣”になって行く・・。
4)サメ
・謎の女、妖艶な美女、ヨンヒ(チョン・ドヨン:「君の誕生日」では、あんなに優しいお母さんだったのに・・。凄い女優さんであることを、再認識する。)
ー サメの刺繍を入れているサイコキラー・・。妖艶で、したたかで、怖いなあ・・。チェーンソーは痛いよ・・。ー
◆物語の全体像が徐々に見えて来て・・。実に面白い展開である。・・・・。
5)ラッキー・ストライク
・哀れな、チョン・ウソン・・。
<金に目がくらんだ、愚かしき人々が、運命に翻弄される姿を、コミカル要素を塗しながら、アイロニックに描いた作品。
神様は、楽をして金を手にしようとしない、真面目な善人が誰なのかをチャンと観ているのである・・。
驚くのは、今作がキム・ヨンフン監督の初長編作品であるという事。
初長編にも関わらず、日本人原作の犯罪小説を、ここまでの面白きクライム・サスペンスに”一部、設定を変えて”一級のエンタメ作品として、仕上げるのだなあ・・。
恐るべし、韓国映画。見事な作品である。>
群像劇の見事な重なり合い。秀逸なサスペンス!!
【賛否両論チェック】
賛:登場人物それぞれの思惑が見事に交錯し合い、思いもよらぬ伏線や重なり合いを生んでいくのが魅力的。人間の欲深さや浅ましさも、身につまされるよう。
否:グロシーンがかなり多いので、苦手な人には不向き。
お金に困り、追い込まれてしまった者が織り成す、どちらかといえば群像劇チックなお話です。そしてそれ故に、それぞれの思惑や行動が巧みに重なり合い、思いもよらないところで繋がっていくという、群像劇ならではの見事なストーリーが光ります。伏線の回収という意味でも秀逸です。
難点をいえば、直接的な描写こそ少なめですが、それでもグロテスクなシーンはかなり多いので、苦手な人には向かないところかと。
とはいうものの、
「大金を手にした奴は、人を信じない。当然だろ?」
という言葉が身に染みるような、騙し騙され、裏切り裏切られの人間模様が交錯する、濃厚なサスペンスです。是非ご堪能下さい。
エンタメ性は高く、ノアール性は低い
曲者×曲者=曲者過ぎ。
ホームラン。
味方は皆無…人間不信に陥りそう
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