ドライブ・マイ・カーのレビュー・感想・評価
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脚本が凄いと思いました
2014年の単行本の時に買って
原作は読んでいたはずだけれど、
(家のどこかにあるはず)
今回、映画を観て、
その後、文庫本を買い直して
もう一度原作を読んだ。
映画には原作の要素が全てあり、
かつ、それを見事なまでに広げて、
印象深い作品になっていた。
車の中で聞く
セリフを覚え確認するための
カセットテープがあるのだが、
それが登場人物の心情や、シーンと
有機的に絡み合って、
クライマックスに向かっていく。
劇中劇の完成する過程と、
主人公の家福の心の葛藤が解消する様が
見事なまでにシンクロして、
唸ってしまった。
この原作をあの映画に仕上げた
関わった人たちの凄さに、
改めて驚いた。
見終わった後で、
時計を見て、
3時間経っていたことに驚くほどに、
時間を感じさせない映画でした。
ちゃんと村上春樹だったと思います。
脚本が素晴らしかった
原作の小説、ワーニャおじさんは読んだことがないが、現世ではなく天で救われるのよという下りはグッときた。しかも手話。抱きついて。
地理オタクでフォッサマグナの通る糸魚川(親不知)や、車が好きで飛びついた口ですが、意外にも劇中劇とリアルをうまくリンクさせた3時間の尺になるのも納得いく仕上がりだと思いますし、劇場を出る時の満足感が凄かった。
私事ですが、この映画が公開されたころ、親不知のGoogle mapのクチコミ閲覧数がめっちゃ伸びましたのでそれも嬉しかったです笑
三浦さんの声、西島さんの眼差し、全てが自然。
日本アカデミー賞8冠おめでとうございます。
海外の映画賞を獲得しだしてから
ずっと気になっていて、やっと観れました。
とにかく、ドライバー役の三浦さんの声のトーンに
引き込まれました。女性でも男性でもない、
まるで動物が人に化けたかのような、
ピュアで澄んだ声色。
西島さんの眼差しは、賢い良馬のように優しい。。
動物にたとえ過ぎてしまいましたが、
常に、ざわざわ、モヤモヤはするのに、
緑燃ゆる風景を眺めているような、
リラックスした気分で、、
気づいたら終わってました。。
最後の最後は、監督の言いたい事を西島さんが
絞りだしていて、泣いてしまいました。。
なんか軽く高原を散歩したような、
不思議な読後感、、、
あー、もう一度、館で観ようかな、
そんなふうに思ってしまう
不思議な風みたいな映画でした。
芸術作品として。
エンターテインメントというよりは
アートとして
静かな空気感や時間だったり間だったり
人間だったり(ヒトが美しい?みたいな。語彙力なくてすみません)
「楽しかった」というより「美しかった」に近い映像だなー
と感じました。
楽しめる映画が1番好きな私としては
楽しむとはちょっと違ったのでこの星です。
タイトル通り
ドライブという行為が物語の柱になってる映画でイチ車好きとしては嬉しくなりました
主人公が1番心を通わせるのが仕事仲間ではなく送り迎えをするドライバーっいうのがグッときますね
三時間という上映時間を知った時に絶対途中でダレるなと思っていたんですが
なかなかどうして単純にお話が面白いし、役者さんの表情も印象的だったのであっという間でしたね
億劫にならずにもっと早く観ればよかった(笑)
難解で退屈な展開ながら、最後にはしっくりきてもう一度見てみたくなる不思議な作品
ちょっと冗長で難解な作品ですが、最後まで見るとじわじわ面白さを感じる不思議な作品です。中盤までずっと腑に落ちなかった難解なストーリーが最後の最後で急にストンと自分のなかに落ちてきます。
序盤は文学的で難解な台詞が無機質に淡々と読み上げられる退屈な展開が続きます。また、舞台稽古のシーンもやたら冗長でその退屈さに拍車をかけます。
中盤以降は主人公が奥さんの自宅不倫の現場を目撃したり、その奥さんの突然死に遭遇したり、舞台の主演俳優が殺人事件を起こしたりといった様々な出来事が起きるのですが、事態の大きさとは裏腹に、不自然なほど淡々と粛々と静かに物語が進んでいきます。
その不自然さをもたらしているのは一切の感情を押し殺したような主人公の無機質さで、奥さんの不倫現場や死を目撃した時ですら、表情も変えず淡々と対処しているのですが、その無機質さの正体が最後のほうでようやく解けます。すると、それまでの不自然さやモヤモヤ感が一気に晴れ、それまでの物語が一気に線で繋がります。
まあ、なんというかとても不思議な作品で、賛否がはっきり分かれる作品だと思います。気の短い人や難解な台詞回しに耐えられない人は間違いなく無理でしょうね。
脚色賞、なるほど!
原作、ワーニャ伯父さん未読ながら脚本の多重構造に驚きました。ここまでのものはなかなかないですね。素晴らしい作品だと思います。けど、個人的には刺さらなかった。
主人公含め登場人物達がなんか現実感がない人たちばかりなのでこの先家福がどういう事になるのかに余り興味が惹かれず最後まで見るのがちょっと苦痛でした。でもそもそもファンタジーなんですよね。で、それを踏まえ脚本演出の多重構造をもう一度理解したいと思ったのですが3時間を考えるとしばらく見る気にはなれないでした。
主人公をもっと3枚目で実直の感じの役者の方が良かったと感じました。1番リアルで共感できたのが岡田さんでした。最後の独白もなかなかの迫力で良かったです。
いろんな感情が湧き出る作品
アカデミー賞にノミネートされたので、映画館で観ることができた。
自分の感情が揺さぶられて、感想を述べるのが難しい。
誰の視点で見るかによって、いろんな思いと、答えは一つでないという複雑な感情がわいてきた。
年齢、経験、立場、そしてこれをいつ観るかによっては、違った解釈や感想を持ちそうな、不思議な映画でした。
助演の三浦透子さんは、すごく難しい役だったと思う。
今、NHK朝ドラで主人公の友人役をしているが、今後が楽しみな方だと思う。
短篇を3時間弱に改変する脚色力
個人評価:3.9
50頁にも満たない短篇の原作を、3時間弱の物語に改変する。
ほとんどのシーンは原作にない場面ばかりだが、台詞回しや、村上春樹特有の静かなる旋律は、しっかりと本作に息づいている。
そして原作のテーマに監督がさらに付け加えたモノとは。
原作では描かれなかった家福とみさきの過去やその後。それらはまるで村上春樹自身が実際に原稿には描いたが、余分なディテールとして削ぎ落としカットした部分。そう思える程、登場人物にしっくり馴染んだ物語。
また日本語、韓国語、手話など言語を飛び越えた劇団の演出。そこに込めた監督のテーマとは。
オスカーの脚色賞にノミネートされるのも納得だ。
運転が上手いと
よく分からない、、長さ
高尚すぎて、周りくどいから、やんわり説明してるところが、ますます、あーーーって感じで。
確かにカンヌ映画祭は好きそうだけど。
タバコの吸いすぎに注意が必要な作品でした。
179分の珠玉のロードムービー。
妻を亡くした一人の演出家の男が、若い運転手や周りの人との関わりの中で自分を見つめ直していくロードムービーです。
登場人物たちの会話の間が独特で、車窓から見える風景や、車の走る光景などもこの作品の雰囲気を魅惑で唯一無二のものにしていたと思いました。
映画は179分と一見長く感じられますが、前半一つひとつのシーンが時間をかけて丁寧に描かれている分、それが後半の心揺さぶるシーンに繋がっていきます。
最後、男は自分が抱えていた問題に対する答えを見つけます。そこには強いメッセージ性があり、多くの人が共感できると思います。
映画の後、頭文字Dで峠をドライブしました
2022年2月22日
ずっと観たかったけどタイミングを逃していた映画。
天王寺のアポロシネマで偶然公開していたので、感謝しながら鑑賞しました。アポロシネマ様は偉大なり。
村上春樹は学生時代、本編スキップして、ひたすらエロい描写だけを読んでいた思い出がありお世話になりました。
■映画全体の感想
村上春樹らしく分かったような分からないような映画でした。
映画のベースになっている演劇内容をなにも知らないので、見せられている内容より深い内容は掴めずでした。
ただ、映画を観たらドライブをしたくなったので、帰り道ゲームセンターで頭文字Dで峠を攻めました。事故りました。
■三浦透子
今大注目の女優さんですね。
陰のある役が似合う役者だと思いました。
しかし、古川琴音といい、三浦透子といい、ユマニテの俳優層はすごいですね。楽しみしか感じません。
あんまり村上春樹の映画でレビューを書くとハルキストに殺されそうなのでやめておきます。
前半から後半に向けて重厚になる
いきなりセックスから入るし昼メロのような展開だから、見るの辛かったけど徐々に真相が明らかになるにつれて物語が重厚になっていく。
様々な伏線が回収されてラストの演劇シーンはカセットで流れ続けたセリフであり、それを知らなくても心に訴えてきた。
そのためのドライブ マイ カー だったと思うと完璧な仕上がりだ。
伝えたい妻と逃げた夫 妻のあの行為はある種の自傷行為だったのかも ...
伝えたい妻と逃げた夫
妻のあの行為はある種の自傷行為だったのかも
チェーホフの戯曲を巧みに挟み込み2人の関係性を描き出す
その棒読みのセリフが抑えられた感情をなぞる
家福家のリビングの隙のないしつらえは、
不調を受け入れない象徴のように見える
特筆すべきはユナ役のパク・ユリム
オーディションの場面の手話の演技は釘付けになった
更に高槻役の岡田将生
車中で家福と会話するシーン、奇跡のような表情だった
私たちが演劇や映画に求めることって
案外、こういうカタルシスなのかと感じた
ユナが語った『ワーニャ伯父さん』の台詞は
何度も頭に蘇り心に染み入る
淡々としたストーリーだが・・
淡々としたストーリーだが、何故か飽きのこない 3時間、不思議な映画でした。映画見終わった感じと言うのではなく、小説を読み終えた感じに似ている。本を読む時のように自分なりの想像が映像になっているような錯覚を感じました。ストーリーは単純に死に別れ残された人の悲哀を描いているが、洒落た大人の男女のストーリーになっている。そうだなぁ~所詮他人を知っている事って断片的で、人を愛する辛さ、生きる為には必要である限り自分の命をすり減らす覚悟が必要なのかも・・生きること、愛する事って辛い・・でも愛おしい・・勉強になりました。
映画を観ているが小説を読んでいるよう
ドライブマイカー
これは観る人の受け取り方次第で評価が分かれると思う。
わたしは良かった!
映画を観て小説を読んでる様な体験をしたと思ったよ。
映画の構造がそうしてる気がしてね。役者が、わざと感情移入しない台詞回しや、劇中劇、BGMの少なさが。
そしてそれが、観ている人の心の奥底に隠してある何かを出現させる装置になってる。
それが怖い!誰も観たく無い、向き合いたくない事を心に思い浮かべちゃうから。
映画を観ながらそれが出てきてしまうと、誰も逃れられないと思う。
某映画監督がトンネルばかりの映画と表面的に見える事だけを観て評してましたけど、この映画の装置に掛からないとこの映画の本質はわからないです笑笑
役者の演技力が皆凄い。引き算出来ててシラケない!
この映画をつくるうえで、一番重要なところはそこだったんじゃないかな。
以下思いつき。
霧島れいかさん生々しく演じてて素晴らしい。彼女の演技が無いと後半の西島秀俊さんのモノローグが生きてこない。
ジンデヨン、安部聡子さん良かった。
広島で生活している感がある、匂いがする。
パクユリム!透明感あるし、演技力に脱帽
岡田将生、ハンサムなだけじゃない!
何かしそうな危険な雰囲気と繊細さを併せ持つ演技がちゃんとできてました。
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