シカゴ7裁判のレビュー・感想・評価
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"政治"裁判と戦った男たちの物語
ネットフリックスで制作された映画ですが、私はネトフリに入会していないためなかなか鑑賞できずにいました。最近近所の映画館で上映が始まったので遅ればせながら鑑賞してきました。過去に実際にあった裁判を基にした映画と知っている程度の事前知識での鑑賞です。 結論、これは面白い!! 反戦デモを扇動した罪で裁判にかけられた男たち。裁判の裏には国家レベルの陰謀が渦巻いている。裁判が明らかに男たちを有罪にしようと動いており、絶対的不利な裁判にどのように立ち向かっていくのか。 元々こういう裁判モノの映画やドラマが好きという好みもありますが、私は本当に楽しんで鑑賞することができました。 ・・・・・・・・・・ 1968年、シカゴで開催された民主党全国大会の会場近くでベトナム戦争に対する反対デモを行うため、多くの活動家たちが集っていた。平和的にデモを行う予定であったが、警察との衝突によってデモは過激化し、多くの負傷者を出した。このデモを扇動したとして、8人の男たちが裁判にかけられることになった。男たちを有罪とするために裏では国家ぐるみの工作が行われる中、男たちは信念を持って立ち向かうのであった。 ・・・・・・・・・ 驚くことに、これ実話なんですね。鑑賞後に実際の裁判について調べてみましたが、劇中で行われていることはほぼ事実ですし、劇中では描かれていませんが陪審員の買収まで行われていたそうです。恐ろしい話です。 「実話を基にした裁判映画」と言われて思い出すのは、韓国映画の『8番目の男』でしょうか。韓国で初めて行われた陪審員裁判のエピソードを基にして作成された裁判映画で、陪審員裁判のあり方について問題提起をするような社会派の側面を持ちながらも、コメディタッチに裁判を描いた気楽に笑って観られる傑作映画です。ところどころに裁判映画の金字塔『12人の怒れる男』のオマージュを感じさせる場面もあって、『12人の怒れる男』をオールタイムベストに挙げている私にぐさりと刺さる映画でした。 『8番目の男』は事実を基にしたフィクションですが、本作『シカゴ7裁判』は完全にノンフィクション映画です。ノンフィクション映画は「現実に沿ってストーリーを進めなければならない」という制約がありますので、脚色の問題でイマイチ盛り上がり不足な作品も多いんです。本作がどのような脚色がされているかというのが鑑賞前から心配しているところでした。 しかしこの心配は完全に杞憂でしたね。そもそもの事実が物語的に面白いということもあるんでしょうが、裁判のやり取りや台詞回しやキャラクター性が非常にクオリティが高く、映画としての盛り上がりどころもしっかり用意されている素晴らしい脚本・脚色でした。 検察のみならず、本来中立の立場であるはずの判事までもが7人の男たちを有罪にするべく動いている。こんな裁判が実際に行われていたとは。アメリカの法曹界を揺るがす一大事件をぜひご覧になってください。オススメです!!
スカッと爽快ガッツポーズ
本当の話しなんだよねー。最低の裁判官、最後に辞めさせられ、いいきみだ。 前司法長官カッコ良かった。 つくづくアメリカだなぁと思うけど、日本にだって間違った判決は多いと思う。 最後4500人全部読み上げたのかなぁ
ルードな裁判官と茶化す被告達
で中身のない中傷合戦だけが印象に残って、問題の本質が 最後まで薄っぺらだった。 裁判映画でも珍しく残念な内容。。。私の理解力が足りて ないてだけかもしれず、 ご容赦ください。
すげーやな老害だった!
実際にあった系の胸糞たるや! 昔によく分からなかった長い裁判を延々とやる映画 大人になってから見るとこんな面白いなんて 不思議ですね! 弾圧される側も必ずしも 正しい事ばかりではないという現実! 正義とは何かを考えさせられる映画でした!
サシャ・バロン・コーエンが素晴らしい
概要だけを確認して軽い気持ちで鑑賞。 素晴らしい映画でした。 特に、サシャ・バロン・コーエンが素晴らしかったです。 見た目や言動はチャラついているようにも見えますが、人を和ませる柔らかい雰囲気を持ち、かつ自己の信念を主張できる繊細な人物像を丁寧に演じていたと思います。後半の裁判シーンがとても印象的でした。 社会派映画で実話でもありますが、テンポがよく見入ってしまいました。 前情報がなくても、楽しめますが、事前学習をした方が歴史的瞬間を肌で感じれるのではと思います。 映画の好みはあると思いますが、ここ最近のアメリカ映画では秀作ではないでしょうか。
裁かれる判事
冒頭、ベトナム戦争の徴兵候補をくじで誕生日別に決めていた映像で呆気にとられた。学校で教科書を朗読する生徒を選ぶんじゃないんだから。 裁判シーンを先行した上で、当日何があったか小出しに見せていく手法はうまいと思った。半世紀以上前の事件なので、他国の我々はもちろん、当のアメリカ人でさえ子細に把握している人はどのくらいいるのだろうか。彼らがどんな事実経過に基づいて起訴されているのか、それ自体が物語を牽引する(しかしこの映画の内容を苦々しく思っているアメリカ人は今も相当数いそうだ)。 昨今でもベトナム戦争当時のアメリカの汚点を告発する映画がぽつぽつ作られている。片やデモに対する苛烈な弾圧や検挙は、今まさに香港やミャンマーで起こっている現実である。彼の国で何年後、何十年後かに映画のテーマとして採り上げられる日が来るのだろうか。
忘れてはいけない自国の歴史。行動する若者たちと権力者の法廷での戦い。
ケネディ、キング牧師暗殺後の1968年の民主党大会へベトナム戦争反対デモ行進を共謀した罪で起訴された若者7人を扱った実話を基にした映画。 当時の社会情勢と権力者VS若者たち。社会の不正を訴え行動し理論武装する大学生、ピッピー、黒人の若者たちと良識ある大人など背景は様々。暴動となった切っ掛け、アジテーション、偶然の引き金、一人一人の現実と法廷でのやり取り。 法廷で理詰めで追い詰める検事に対し、感情をストレートに表現する若者たちの熱い思い、たまに交えるユーモアも心憎い。そしてそれにどう弁論するか。「言葉」をどう交わすのか。そして裁判官、 検事の誘導的な手法。事実に基づくとはいえ多少の創作はあるというが、とてもスリリングかつ「人」としてどう立ち向かっていくのか。考えさせられる映画であった。脚本兼監督の手腕のなせる業である。観客を飽きさせず、引き込み、かつ忘れてはいけない自国の歴史とその後を映画として完成させ、公開したのは凄いことだ。今のアメリカ社会に問いかける意義はとても深いと感じた。 アメリカ大統領選を控えた時期にこのような映画が製作されたことに、ネットフリックスのパワー、そしてアメリカ人の気概を感じた。
法廷映画の名作誕生
2021年5月11日 映画 #シカゴ7裁判 (2020年)鑑賞 @Netflix 1968年の民主党大会時にベトナム戦争反対の暴動を企てた容疑で起訴された7人の裁判の行方を描く コロナの影響で劇場公開を断念したパラマウントがNetflixに権利を売却 ネトフリが名作を連発するわけだね 興行収入もわずか10万ドル
史実法定モノ、ある程度すっきり
政治裁判。デモで暴動を起こしたとイチャモン付けられ国に裁判を起こされた人たち。 ながら視聴(すみません) 史実の法定モノなので、なかなか描くのが難しい(小難しくなりそう)と思うが、本作はリズミカルに、そして演出もおしゃれ。ストーリーも飽きさせることなく、引き込まれる。 一方で、この話はあのような終わり方をしているわけで、今描くことの意義というか、この50年くらいで何も変わっていないことの再認識にしかならないんよな。それが大事なのかもしれんが。
本作が製作された意義について深く考えさせられる軽快ながら奥の深い裁判劇
ベトナム戦争に反対する機運が高まっていた1968年のシカゴ。8月28日に開かれた民主党全国大会の会場近くに、多くの市民や活動家が全国から集結した。抗議デモは次第に激化し警察隊と衝突した。デモの首謀者とされたのはトム・ヘイデン、アビー・ホフマンら7人。彼らは暴動を扇動した共謀罪で起訴されるが、彼らがシカゴに集まったのには様々な動機があり暴動を目的としたものではなかった。クンスラー弁護士を立てて裁判に臨んだ彼らはシカゴ7と呼ばれ全米の注目を集めるが、政府の威信がかかった裁判にはさまざまな策略が施されていた。 淡々と進行する裁判と暴動に至るまでの7人の行動を並行して描くオーソドックスな構成を鮮やかに彩るのは実力派演技陣の競演。とりわけ複雑なキャラクターであるアビー・ホフマンを演じるサシャ・バロン・コーエンが強烈な異彩を放っていて、政府側に立つ検事でありながら不当な告訴であることに疑問を持ち続けるシュルツを演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットが滲ませる葛藤との対比が印象的。聖書からの引用や名言と下品な下ネタトークが飛び交う中で次第に浮かび上がってくるのは昨年末に向けて本作が製作された意義。深い余韻を残す結末に半世紀前から同じことを繰り返す愚かさに立ち向かうために欠かせないものが何かを深く考えさせられます。
デリンジャーの“L”と“R”。発音の勉強にもなる・・・
権力に支配される法廷。証言台に立つ者も覆面捜査官だったり、好意的な陪審員(6、11)ですら脅迫状により辞退していくという、圧倒的に被告人たちに不利な展開。こんなんで勝てるの?と思わせておいて意外な方向へと裁判は進む。 もう民主主義崩壊、司法の私物化、まるで今の日本でも起こりうる実情に腹立たしさを覚える中で、被告人たち7+1人と弁護士2人が策を練る。そんな圧倒的不利な状況下でもアビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)はジョークを交えるし、トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)は卑屈にもなりながら踏ん張っている。彼らの個性が弁護士を通じてまとまっていく熱い反戦思想を感じ取れるのです。 ブラックパンサー党の活動家ボビー・シールの存在も大きく、7人の中には入ってないが、猿轡事件により優位に立った気がする。共謀罪であるとか、法廷侮辱罪だとか、検察側+判事の乱暴な主張も傍聴者がちゃんと見ているんだぞ!もちろん、映画の観客も傍聴席にいるような気分にさせられるし、判決が有罪であっても世論がだまっちゃいないぜ!と、どこか安心感があったことも事実。ヘイデンが扇動したとされる証拠のテープがピンチを招くが、これさえもスッキリさせてくれた。 実際にこのような気持ち良い結審だったのかは知りませんけど、TVでしっかり戦死者の名前を発表していたという伏線がわかりやすい。ほんとうはもっと反戦派の証言者もあったようですから、公判も長く感じられたんだろうな~。それにしてもマイケル・キートン演ずる元司法長官の圧倒的存在感!カッコいいと思ったのは『バットマン』以来だ・・・
意外と楽しめる裁判劇
簡単なあらすじを聞くと小難しい映画のように思うが、全然違う。 編集がよいのでテンポよく飽きさせないし、時折サシャ・バロン・コーエンが繰り出す小ネタに声を上げて笑ってしまう。 実話を元にしつつも、脚色も結構あるようで批判の的になっているようだが、現在のBLM運動を思わせる題材でもあるし、楽しみつつ考えさせられる作品となっている。 元々、パラマウントが配給する予定だったが、コロナ禍で断念しネットフリックスに権利を譲った作品が、劇場で観られるとは不思議なものだ。ジョセフ・ゴードン=レヴィットを除いて日本で有名な役者は出ていないし、この機会を逃せば片田舎では観ることはできなかっただろうなぁ。 日頃、観たい作品が地方のシネコンでは観られないことに文句を言っているが、今回も観客は10人以下なので、劇場としても、だって客が来ないじゃんと言いたいところだろう。 しかし、これは観た方がいいよ。傑作だ。
映画は本来映画館で観るもの
2021年映画館鑑賞41作品目 5月3日(月)イオンシネマ石巻 60年代の実録物 ベトナム戦争に詳しい人じゃないとこの映画をきちんと理解するのは難しいかもしれない この時代のアメリカの空気というものは現代の日本人にはわかりにくいかもしれない わかったつもりでも今の日本の世相に置き換えて考えてしまい己の思想に基づいた個人的で頓珍漢な解釈をしてしまう可能性が高い タイトルは7だが被告人は8人 黒人が除外されている 途中で無効になったからか 60年代のハリウッド映画は言葉使いがもっと上品だった気がする 「シット」とか「ファック」と聞いたことがないが当時もアメリカ人は日常会話に使っていて当時の現代劇映画の方がリアルじゃなかったのかもしれない まず序盤は裁判でのやりとりが面白い 何度も笑ってしまった 裁判長が特に面白い 次に弁護士 特に好きだったのはボビーとハンプトンのやりとりに裁判長がクレームを付けるのだが弁護士が「野球の試合結果を伝えているだけです」とか嘘をつくところ しかしそんなコメディー要素たっぷりの掛け合いも黒人に対する理不尽な酷い扱いで一変 とてもじゃないが笑っていられない まっあれが黒かろうが白かろうが黄色かろうが河童だろうがヘチマだろうが不快な思いをしたことには変わりはない 最初はコントのようなお笑いで観客の心を掴み話の本筋とか確信に迫ると雰囲気はガラッと変わり状況はシリアスになり思わせぶりなBGMを交えヒューマズムに盛り上げていく お手本のような映画といえる 最後はどうなるかと思ったがそれを観たら一瞬「えっ!?」と思った でも実際の出来事を元にしているなら受け入れるほかない アメリカでもありえないだろうし日本なら尚更ありえない強引なものだった 人によってはそれを感動ポルノなどと詰るかもしれない 暴動シーンがとてもリアルだ 流血だ 僕は子供の頃からブッチャーやテリーファンクで見慣れているから免疫があるが血を見るのが怖い人にはちょっとエグいかもしれない デモ隊もいろいろなグループの集まりで烏合の衆 一枚岩ではない それを保守は内ゲバというが実際人々は十人十色 保守だって色々考え方が違うのは現実 裁判の打ち合わせでも考え方の違いからか被告人同士でたびたび揉めたりする 気になったのはデモの隊の中で星条旗を掲げていた若い女性の内なる思い それを知りたかった デモ隊の中にはそれ気に食わない人たちもいて警察との衝突の際に内輪揉めになってしまう アメリカでも戦争反対者は左翼認定されるらしい 日本の映画関係者は左翼が多いらしい 日本のエリート風を吹かせた知識人の殆どは左翼だ しかし彼らは自己保身のためか学生運動していた過激派のグループを別物と切り捨てた 中には裏切り者と軽蔑するものがいるだろう 学生運動を懐かしみながら若気の至りと肯定的には感じられない だから日本は左翼でありながら真正面に普通の彼ら側をリアルに描いたエンターテイメントに溢れた面白い映画をつくることができないのかもしれない 日本とアメリカではそもそも文化が違うので同じものが作れないとしてもだ 中国や韓国は国がお金出してくれると寺島しのぶは羨ましがるが本来映画作りとはそんなものではあるまい 脚本が本当に素晴らしければ国だろうと民間だろうと支援してくれる 文化だろうが国策だろうがヘチマだろうが国民の血税で無尽蔵に映画を作るべきではない 『シカゴ7裁判』は脚本が本当に素晴らしい 映画は本来映画館で観るもの NetflixとかからスマホやiPadで観るものではない 時間がないとか詭弁である ひろゆき動画や無料ゲームに没頭する暇があるのだから コロナ禍に負けず映画館に出かけよう 映画館で『シカゴ7裁判』を見届けよう
人の思いと表現
始まって早々「政治問題やデモか…難しい内容だな…しまったなぁ」と思って少し後悔した。 物語が進むにつれ、そこに一人の人がいて家族がいて仲間がいる事で「何故こうなったのか」がわかるようになって、引き込まれた。 大きな組織に意義を申し立てる時、その大きさに対峙できる思いだけでは何も変えられない。 過去の言葉や人物や文化などを理解して咀嚼して自分の物にして相手に伝わるように発信する。 頭のいい人でなければ難しい。 私も起立してしまう人だと思う。 だけど色々な考えや思いを知って、理解しようとして、咀嚼しようとして、自分の物にしようとした時、自分の揺るがない思いを持てるようになりたい。 世の中は変わり続ける。 人は変わることができる。 生き続ける事が一番大切だ。 この作品を世界中で鑑賞できる時代に生まれて良かった。
中盤から加速していく展開にはドキドキしっぱなし
面白かった!アカデミー候補も納得。 国 vs デモの裁判で当時のアメリカの状況や裁判制度に理解がないと追っていくのが大変だけどエンタメとしてしっかり成り立たせてる。 司法制度、国の圧力、差別……色々なことを考えさられる。 と同時に物語としての面白さも半端ない! イッピーのアビー&ルービンのユーモアある発言が堅苦しくなくて、裁判モノでもポップに見れる。 真面目なトム・ヘイデンとの対比も面白いし、終盤に深みが出る。 アビーがカッコええな~。 中盤から加速していく展開にはドキドキしっぱなし。 最後は泣いた。 ボビー・シールに代理人がつかない理由がよくわからなかった。ただただ差別されていた?
事件を知らなくても理解はできる
高校の現代史の授業で完全にお昼寝していたのか? と言うくらい初めて知る事件でした。 その時代のベトナム戦争の反戦運動やヒッピー文化的な事は理解していたので、すんなり状況把握はできました。 脚本が秀逸なので、誰がどんな立場なのかもわかりやすくて、あっという間に心わしづかみにされ、きっちりお勉強させて頂きました。 日本ではデモや暴動なんてほとんどないですもんね。 国民性の違いをしみじみ感じます。 たった50年前の裁判だというのに、こんなに不平等で、めちゃくちゃな判事が許されている事実が一番の衝撃でした。 恐ろしい時代です。 映画なので幾分か脚色されてるのかと思いながら見てましたが、エンドロールで判事の説明もあったので、ほぼ事実通りなのでしょう。 数年前のアカデミーノミネートの警察官の悪行の映画ありましたよね。 警察や司法に差別主義者や悪人がいることの恐ろしさが身にしみます。 しかし、あの判事の悪役っぷりのおかげで、息をするのを忘れそうな位、集中してみれました。 ところでトランプの件で暴動を起こした人達を思い出しまししたが、彼らはちゃんと逮捕されてるんでしょうかね? 2021年自宅鑑賞12
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