「一つ一つのかみ合い方が気持ちいい」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 hachiさんの映画レビュー(感想・評価)
一つ一つのかみ合い方が気持ちいい
とにかく映画として純粋に面白くて、観終わった後にはどこかすがすがしさのある、前を向いて進もうとする気持ちをもらえた。
まず冒頭。
前作とは打って変わって普通の人がたくさんいる街中で、ターゲットがファブルに音もなく始末されていく様子にプロの殺し屋の凄みを感じてゾクゾクした。
「団地アクション」と銘打たれたシーンも想像をはるかに超えてすごかった!!
日本の団地ならではの特徴と生身での立体的な機動力の高さが掛け合わさった見たことのないアクションで、ワクワクした。
この場面での行動を通してファブルとウツボの人となりがさりげなく出ているのも良い。
笑いのクオリティも大幅に上がっていて、間が絶妙で素で笑ってしまった。
「悪の要素だけでベタぬりされた悪人」はおらず様々な面が一人の中に同居しているのが原作の魅力の一つだが、本作でも脚本・演出の力と役者陣の説得力で、「こいつはこういう人間なのかな?」と思わず考えてしまうような奥行きがあった。
平手友梨奈演じるヒナコも良かった。
ヒナコが変わっていく姿が、実際に今そこで生きている人の変化を目にしているような感覚を覚えた。
ヒナコが「自分の足で立とうとする」ことがブレずにあったことにも胸を打たれた。
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