犬部!のレビュー・感想・評価
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見事なバランス感覚と清々しさで観る者全てを味方にしてしまう映画
重くなりがちなテーマを、真摯さは保ったまま爽やかに描いていており、全然説教臭くなく、一方的な正義と悪の対立構造でもなく、ニュートラルな視点で描かれていて素晴らしい。社会派(要素を含む)映画だからといって左翼的な思想に傾くこともなく、本当に優れたバランス感覚の映画だ。
観る前は、特別な動物好きでない自分が物語を楽しめるか、共感できるか不安があったが、青春モノあるいはヒューマンドラマとして普通に楽しめた。むしろ、今までに観た所謂"青春映画"の中で一番面白かったかも。
そしてそれは多分、脚本の素晴らしさと、キャストの演技力の素晴らしさが大きいと思う。
まず脚本。この重いテーマを扱いながらよくぞこんなに清々しい物語にしたなと。天才か。
観る前は主人公の熱血ぶりについていけるか心配だったが杞憂に終わった。他のレビューで「週刊少年ジャンプの主人公みたい」とあったようだが、まさに!ジャンプの漫画読んだ後みたいな清々しさ!終わってすぐ、もう一度観たい!と思った。
そしてキャストの演技力。一般的には青春モノって、キャストが若い分(申し訳ないが)演技力が今一つに感じることもしばしばあり、作品世界に没頭できないことが自分は今まで多かったが、この映画犬部!はキャストが全員上手い!
主演林遣都さんはもちろん中川大志・大原櫻子・浅香航大さんの演技も全員上手くてファンになりそう。多頭飼育崩壊に陥った男を演じる螢雪次朗さんも、本当にくたびれた親父にしか見えず、最高。リアルにそういう人を連れてきたのかな?って思っちゃうぐらい。
政治の世界では、自分の主張を通す為に過激な行為をしてしまい、理解してもらうどころか逆に溝が深まるというBADコミュニケーションをよく見かけるが、この映画犬部!は、先に述べたように、一方的な主張や価値観に傾くことなく、ニュートラルな視点で描くことで、余計な反感を買うこともなく全ての人を味方にすることに成功しているように思う。
動物問題に限らず、何らかの分野で世の中を変えたいと思っている人にとっても必見の、人身掌握に長けた映画だ。
犬の名演技
林遣都×中川大志ということで鑑賞。
犬大好き!猫大好き!では無いし、予告を見ると安っぽいなと感じてしまったのであまり期待はせず。でも、全体評価はいいので心のどこかで期待していたり...。
面白いと言っていいのか分からないが、面白かった!動物愛に溢れた映画。かなり上品ですごく良かったです。期待していなかった映画が面白かった時の気分は最高!
大の犬好きの獣医学部生・花井颯汰(林遣都)は、心を閉ざし迷い込んでいた実験犬を保護したことから、動物保護を目的としたサークル「犬部」を立ち上げ、活動の幅を広げていった。
林遣都の映画はあまり見た事がなく、演技もどんな感じかいまいち知らなかったが、本作では犬への愛がすごくこれは演技ではなく素なんだろうなと人柄の良さともに、役のハマり具合に感心した。中川大志とのタッグ感もよく、追いかけたい俳優だなと思った。
犬の演技力もまた素晴らしかった。
CGではなく、現実だもんな。犬は匂いや人の顔、態度で自分を愛してくれるのかと判断ができるのだろう。エピソード1に当たるであろう実験犬の名演技には驚かされた。開始20分ぐらいなのにもう悲しくて泣きそうになってしまった。
ストーリー構成もパーフェクト。
過去と現代と上手い具合に組み合わせているため、テンポもいいし飽きることも無い。脚本もまた良いので、犬好きでも無いし知識も無い私にとっても非常にわかりやすく、考えさせられるテーマでグッときた。犬好きでない人でも楽しめる傑作。
ストーリーもそうだが、登場人物に関しても偏りがなく一人一人しっかりとしたラストを迎えるので腑に落ちるし、エンディングも心地よく見ることが出来る。最近はこれが上手くできている映画が少なかったので、結構満足度高めでした。
ただ、音楽がちゃっちいかなと思った。
雰囲気にあってないし、泣けそうなところで泣けなくなってしまう。ちょっと場違いな感じがして個人的には気に食わなかった。
また、主人公の花井の発言に所々で疑問点があり、特に柴崎について周りのみんなに隠し続ける理由もあまりよく分からなかった。観客を楽しませるための演出なのか、二人の関係にヒビが入っていたのかと思ってしまうので、ちょっと複雑な気持ちで納得できなかった。
でも、とてもいい映画でした。
動物を見る目が変わりそう!見るか迷っている人は是非とも見ていただきたい。見て悔いなし!だと思います
猫部 ネズミ部 ヘビ部 熊部 猪部 魚部 虫部 ミドリムシ部 菌部 人間部
犬を殺処分から救おうとする青年の話。
犬と活動の描写が多めでストーリーは薄めである。
良い点
・犬以外にも猫などが登場
・犬の演技力
・学長
・写真つきED
・ED曲が力強い
悪い点
・時系列が分かりにくい
・BGMが微妙に浮いている。どこかの犬好きのおばちゃんが選曲してそうな感じ。
・周囲の音が少し気になる。家庭用ビデオカメラ?
・感情の変遷が強引
・2匹のネーミングにカロリーは使いたくなかった
・ペットを無暗に飼う人とゴミを家に集める人はどこか似ている
・動物愛護法違反
・虚偽告訴
・住居侵入
・よそよそしい実子
・ペットを他人からサプライズでプレゼントされても至極迷惑である
・ワーストなのかトップなのか数学的に考えると混乱する
・EDの動物の青いシルエットに法則があるのか考えると混乱する
その他点
・ペットの保険は3割負担なのか?
ひたすらに、真っ直ぐに
たくさんの人に見てほしい
この映画、こんなに泣くとは思ってなかったです。かわいいだけでは動物と暮らせないですね。実際活動している獣医さんに頭が下がります。
このお話がきっかけで、たくさんの保護犬や猫に新しいお家が見つかりますように。
ただただ愛おしい
猫部!
猫派ですが犬部観てきました。
重い映画ですが、多くの人に観てもらいたい内容。
私も動物保護団体の会員で保護活動にも携わります。
多頭飼育崩壊は特にですが、一部の人の知識の無さで、多くの犬猫が苦しみ、その周囲の人、関わる人にも多くの負担がかかってしまいます。
飼い主さんも、好きで飼い始めたが、知らずに増えてしまうケースが多いです。
避妊・去勢手術も考えるところはありますが、増えるのを止める活動、里親探しなどする一方で、「生活のため」という理由で繁殖させて売る人も。
ブリーダーの人も、犬や猫が好きなわけで、、、ただ、根源の考え方が全く違うと言うか、動物が可愛いと思う気持ちは同じでも、繁殖させて売る人の目的は、最終的に「お金」です。
いつかの奴隷制度が廃止されたように、生体の売買も廃止される日が来ることを願います。
映画の内容、感じ方は人それぞれで、重いと感じる人もいれば、感動したと思う人もいるでしょう。
ただ、殺処分は現実で、隠れた日常です。
「血統書付きの○○が良い」なんて人が少しでも減ればと思います。
動物可愛すぎる
ただ動物がかわいいだけではない
涙なしには
生き方を考えさせられる
思わず愛犬を抱きしめたくなる…真っ向から動物愛護を描く
ハジけたタイトルとは対照的のマジメな動物映画。動物愛護を真っ向から描くストロングな作風。犬や猫を飼う前に必ず見るべき教本のよう。
自分は犬を飼っているが、買うという感覚が好きになれない。幸い飼っている犬も、知り合いの愛犬から生まれた3匹のうちの1匹をご厚意でいただいたもの。大事に育てられ、親も知っている、恵まれた環境で育ったポメラニアン。お陰さまで可愛い…。それはさておき、犬や猫が産業品として生まれる現実はやはり考えるだけでも辛い。そこに斬り込んだ強い作品で、何度泣いたことか。よく考えさせられる。
林遣都演じる花井は、全ての命を救いたいがために、なんでもしてしまう医師。逮捕されたことで犬部が再び動き出す。しかし、そこに柴崎の姿はなく…。二人の考え方の違いは、手段の違い。共通する思いの交錯と現実が入り混じって心が痛い。それこそ考えるべきところで、作品の重みを出している。しかも、事件からあまりブレないプロットが上手いので、ずっとグルグルと考えてしまう。強いて言うなら、回想がいつ頃か段々分からなくなっていくのが惜しい。
キャストに関しても結構良かったが、特に良かったのは、大原櫻子と田辺桃子のヒロインたち。熱くなりがちな男たちをいい意味でバランスを取る穏やかさ。それぞれの決意とそれを基にした行き方が見えて心地よかった。エンドロール前の注意書きを見て、なんか安心した。
犬や猫を飼うということ。すなわち、責任を1つ預かること。ずっと愛犬を大事に、そして目一杯可愛がりたい。
命を守る覚悟ができる
感情移入はするけれど
救うための犠牲、かわいい!だけで見ないほうがいい。
とはいえ私も取っ掛かりはかわいいでした。
ただ、かわいいだけでは成立しないだろうなとある程度思っていて、やはりそうでした。
リアル、というかテレビでは映さないグロい部分もありました。
本当に色々考えさせられました。
わ!かわいい!見よ!
だけじゃ無理だなと感じました。
気になったのはエンドロール後ある出来事があるのですがもう少し長く映して欲しかったことです。インパクトある内容なのにサラッと過ぎてしまって、大切なことなのに全部見れなかったのが残念でした。
それからFIPの説明を簡単でもいいからして欲しかったです。これもサラッと出てくるだけです。
救うための犠牲があるのにも本当に違和感でした。他国がしてないものを何故しているのかが分かりませんでした。
ただ、花井くんのモデルになった方が実在していて、本気で無くそうとしている人が日本に1人でも実在する、というのが心強く思いました。
こんな人が全国にいたら日本も変わるのでしょう。
内容は真剣なものですがそんな中ワンコのハナコがかわいい!
美人さんだし、映るしぐさがとにかくかわいくて良い緩衝材になっています。
花井役の林さんも、犬大好き!というのがすごく伝わってきてお上手でした。
子供に見せて欲しい、などのレビューもありますが私は判断が難しいと感じました。本当の現実は普段目を背けているところばかりで刺激が強いからです。
それより大人がまずみてくれ、という印象でした。
最終動物を飼うのを決めるのは親、大人ですから。
命のために
青臭くバカでもいいから、犬猫が殺処分されなくなるために八戸と東京で頑張る青年たちの姿を描いていたのには好感が持てました。
人間の身勝手で無計画な繁殖のせいで動物を死なせてはならないと、良心に訴えかける実にいい内容で、愛護センター(旧:保健所管轄の殺処分場)でのガス室送りや、殺処分予定の犬たちを獣医学部でもらい受けて手術実習や解剖に使って殺すエグいシーンも余さず描写し、決してかわいいだけの映画ではありませんでした。
とはいえ、主人公・颯太の性格設定が直情的過ぎ、バカに見えるのがもったいない。
「熱い奴」と「うざくてバカ」は違うと思う。
譲渡には必ず契約書を、証拠となる所有権の移転を明記した書類がないとトラブルになる、くらいの一般常識は持たせておいてほしかった。
安っぽく見えるほど、過度に演出しすぎた印象だったのがもったいなかった。
我が家にも犬がいますが
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