ノマドランドのレビュー・感想・評価
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夢の国
私は一人で行動することが多い
映画も一人で行く、山にも一人で行くしランチも一人で食べに行く
ある人の本を読んでから自信を持って行動できるようになった
その本にはこう書いてあったから
「寂しいことは悪いことではない」
こんな簡単なことに気が付かされた
ひと所に長く住んではいるがどうにもしっくりこない
この映画を見て思うのだ
私にもこんな生活ができるのかもしれないと
祖先はきっと農耕民族ではなかったのだろう、家を快適にするよりも持ち物を減らせるだけ減らして素早くあちこちへ行ってみたいと思う
知らない場所へ、知らない人に出会って、そしてまた知らない場所へとさすらってみたいと思う
寂しさよりも明日への楽しみの方が強いのではないだろうか
ノマドのように移動して働いてまた移動してまた働く
私からしたらとても自由で魅力的で贅沢に思えてなりません
許されるならば今からでも………
苦難にも負けず
衝撃的な事実が題材の詩的な映画
いつかまた、どこかの旅先で。
希望の明日へ旅するノマド。そして私たちも続く…
本年度アカデミー賞6部門ノミネート。
作品賞・監督賞は最有力の声!
本来は『るろ剣』を観に行く予定だったが、諸事情で後日観に行く事になり、急遽予定変更。
いつもながら地元では上映していなかったので隣町まで観に行くか悩んでいた所、この予定変更やスケジュールも上手く合い、よ~し!…と。それに、ちょうど明日オスカー発表だし。
無駄話はここまでにして、感想を。
主人公ファーンの境遇は、とてもとても軽々しく同情するとか察するとか言えやしない。
リーマン・ショックによる経済破綻は、住んでいたネバダ州エンパイアをも襲う。
工場の閉鎖により、町は衰退していき、事実上のゴーストタウンに。
住んでいた町を失い、住み慣れた家も手離し、さらには夫も亡くし…。
正直、ファーンはもう若くない。初老と言っていい。
その年代にこれはキツすぎる。
が!しかし!
ファーンは夫との思い出や最低限の生活必需品をワゴン車に詰め込む。
家や定住の地を持たず、季節労働の車上生活者として、アメリカ各地を渡り歩く。
現代の遊牧民(ノマド)として。
どん底に落とされても、ただでは這い上がらない!
それをフランシス・マクドーマンドが演じるのだから、力強く、逞しい!
キャリアベスト級、迫真の演技の声は言うまでもなく、全てをさらけ出した素の彼女を見ているかのよう。野○ソのシーンなんて、ある意味衝撃。メリル・ストリープに出来る??
Amazon内の仕分けスタッフや公園の用務員として実際に働くのは元より圧巻だったのは、他のノマドたちとの交流。
聞けばノマドたちは役者ではなく実際にノマドとして生きる人たちで(彼ら/彼女らの姿が作品にリアルさを与えている)、台詞もアドリブあり。それに合わせてフランシスは即興演技。
それって凄くない!?
3度目のオスカー主演女優に期待かかるが、さすがに3度目だしベテランだし、今回は別の女優に…。
嗚呼、もう、今年の主演女優は超混戦で分からない!
フランシスの名演も素晴らしいが、やはり本作のMVPは、監督のクロエ・ジャオだろう。
ドラマ映画なんだけど、ドキュメンタリーのようでもあり。
ダイナミックで、繊細。
斬新でもあり、的確でもあり、生きる事について問い掛けられる、哲学を纏った名演出。
それらを、雄大で壮大な風景の映像美の中に映し出す。
失われつつあるアメリカ大西部への憧憬を感じた。同時にそれは、絶望だけではなく、希望さえも。
本作のような深みのある人間ドラマを撮れ、次はMCU大作『エターナルズ』。その次はユニバーサル・モンスター『ドラキュラ』のリブート企画。この幅広いジャンルの手掛けよう。(注目作となった『ザ・ライダー』も無料配信されてるし、見なくては!)
同じアジア人として誇り。それに、結構美人さん。
才能もあって、惚れてまうやろー!
見てたら何故か、雰囲気やジャンルは違うが、日本の某国民的長寿映画を彷彿した。
放浪の旅暮らし。
その中で、出会いや別れ。
一見自由気ままそうに見えるが、その実は孤独や哀しさ、侘しさを抱えている。
共に暮らす事を誘われるが…、再び放浪暮らしを選ぶ。
ノマドはつらいよ。
一体、何が誰が、彼らを彼女らをこんな境遇に落としたのか。
まるで、見放したように。
生活は貧しい。苦しい。
でも、生活苦や侘しさと引き換えに手に入れた、何物にも縛られない自由と、人が人として生きる姿、交流…。
ノマドとして生きる人、我々多くの人、どちらの生き方がいいかなんて白黒つける事なんて永遠絶対に出来ない。
それぞれの生き方。
選んだ生き方。
私の向かう道。
あくまで人の生きる姿を誇り高く描き、政治的メッセージは抑えられているが、明日の見えぬその日暮らしは世界中の格差や貧困などに訴え掛ける。
何より胸染み入ったのは…、
大事なものを無くし、大切な人を亡くし…
つらくても、希望を捨てず、それでも人は生きていく。
明日へ、明日へ、明日へーーー。
また、いつか。
再びコロナが拡がり始めた今と繋がるものを感じ、見る意義があった。
4月26日追記
アカデミー賞発表!
やはり、『ノマドランド』勝利!
でもそれ以上に、クロエ・ジャオの監督賞が喜ばしい。
去年は韓国人、今年は中国人、アジア人監督の受賞が続き、果たして日本人監督はこれに続けるのか…?
にしてもにしても主演男優賞、チャドウィック・ボウズマンで確実と思っていたら、まさかまさかのアンソニー・ホプキンスとは…。
実際『ファーザー』観たら納得なのかもしれないが、それまでは呆然…。チャドウィック~!(>_<)
アカデミー賞ノミネートされたから
これが、ノマドとしての矜持だというのだろうか?
私はファーンの気持ちが最後まで理解できなかった。一緒に暮らそうと言ってくれる人がいるというのに、なぜ一人でがんばり続けるのだろうか? 淋しくはないのか? 怖くないのか? 不安ではないのか? 愛よりも自由な暮らしがいいのだろうか? 確かに他人との暮らしは自分の思い通りにいかないことが多いだろう。でも、喜びは2倍に、悲しみは半分にできるのではないか。私にはそう思える。ファーンも夫が健在なら、ハウスレス生活は送らなかっただろうと思う。この映画を観て、2つの言葉が思い出された。「アメリカン・ドリーム」と「プーア・ホワイト」。アメリカの一面を表している言葉だ。一発当てれば、億万長者。でも、格差はすごくあってこんな暮らしを送っている人々もいる。Amazonの便利さは、こんな人たちが支えてくれているのだ。車の背景は美しいけど、荒涼とした印象を受けた。
ノマドはかぎ針編みをする
ただ生きていくという勇気
圧倒的な自然。
叫びだしたくなるような孤独と自由。
寄る辺なき人々の連帯感と誇り。
自分の足で立つという覚悟。
ただ生きていくという勇気。
ファーンに刻まれた皺が格好良くて見惚れてしまった。
コロナ禍、無駄に人と会わなくてよくなったことに
どこかほっとしている自分の甘さを思う。
つらいけれど、暗くはない
予告編を観て、好きなタイプの映画ではないなと思ったけれど、何か引っかかるものがあったので鑑賞しました。
べつに、何とか賞を取ったとかノミネートされたとかは関係ないです。
で、予想通りとくに感動はしなかった。
でも、何らかのメッセージは伝わってきました。
ちょっと、つらい話でしたねぇ。
スクリーンの映像を観ているあいだ、頭の中に「寂寞」とか「寂寥」という言葉が浮かんできたりして、心細い感じがずっとつきまとった。
僕も先のことを考えたら不安だらけなので(老後は、ほぼアウトだ)、身につまされる思いでした。
けれど、暗い話ではないと感じました。
つらい話だが、暗くはないナ、と。
我々は、いつの間にか経済社会にすり込まれた理想や幻想にとらわれすぎて生きているのではないか。
そういったものがつくり出した多くの「かくあるべし」から、もっと離れたところで生きてもいいのではないかとも思った。
そして、人と人とが繋がることの大切さを、あらためて考えさせられました。
ただ、この作品は、——出演者のほとんどが、実際のノマドということだし——ドキュメンタリーで撮ってもよかったんじゃないの? という気もしましたが、どうなんだろう。
以上、「ノマド」予備群より
ノマドという生き方
切ない…
ホームレスではない、ハウスレス。
家は心の中にあるもの。
ノマドを敢えて選んでいる人たちは、目的があって、群れない強さを持っているように見える。
ファーンは善き人。
だれとでも仲良くなれ、自分から偏見なく相手と関わろうとできる。
けれども、とこに行っても最後までみんなを見送る人。
彼女には、目的がないから?
きょうだいもいて、手を差しのべてくれる人もいるのに、そこに甘えようとはしないファーンの心にあるものが、最後の風景なのかもしれない。
ただただ、切ない。
一人になることが怖いわけではないけれども、ひとりの世界を突きつけられたような静寂。
ファーンを自分と重ね合わせて、あらためて隣に座っているパートナーの横顔を見つめてしまった。
フィクションとドキュメンタリーの融合
ダブル・ミーニングとしての「ノマド」
まず初めに注意したいのが、本作は非常に注意力を要する映画だということです。
「会話」によって話が展開されていくため、散漫にスクリーンを眺めていてもストーリーの内容や面白みは頭に入ってきません。台詞を聞き漏らさないような意識が必要です。また、主人公であるファーンの家族や生い立ちについての情報が段階的に伝えられるため、序盤でここを聞き逃すと、ファーンの葛藤という本作のテーマが理解しにくくなります。
ストーリーは起伏が無いように見えますが、ファーンの内面における葛藤は映画後半に差し掛かるにつれて大きくなります。衣食住に困らない生理的充足を思い出す中で、それでも亡き夫との思い出を積んだヴァンでの車内生活を選びます。その意志の裏には「夫の生きた証を残すため」と語っており、過去の思い出を支えに生きるだけの「弱い女性」でなく、辛い車内生活を引き受けてでも亡き夫に愛を注ぐ「強い女性」としてファーンは描かれています。「夏のような」女性でしたね。
(愛についてのテーマは指輪や詩についての会話などで深められます。)
本作は「自然」もテーマにしており、美しい景観を撮った映像が何度も出てきます。しかし同時に、人間も含めた「自然」の美しくない側面(肉食の犠牲になる動物や排泄物、老いや死など)も前半を中心に描かれており、「映画」としての美しさと「ドキュメンタリー」としての説得力を兼ね備えた作品になっています。資本主義(文明化)の負の側面から逃れる「(漂流民としての)ノマド」な生き方が決して理想的で気軽なものではなく、当事者にしか分からない苦しみがあることを本作は代弁してくれていると言ってよいでしょう。
本作における「ノマド」とは「物質的および精神的な漂流」だと読み取れます。それは主人公のファーンが物質面での居場所であった家屋と、精神面での居場所であった夫を失っていることにあります。ちなみに私は東京の狭いアパートで一人暮らしをしています。私の生活は決して「ハウスレス」ではないですが「ホームレス」とは言えるでしょう(映画レビューを書いているのも寂しさゆえです)。孤独死が問題視されるように、今の日本に住む私たちにも決して無縁ではない作品なのでは、と思った次第です。
ノマドという生き方が持つ意味は?
アメリカ再生の静かなるファンファーレ!
エンタメ、劇場系、総ロックダウンという歴史的な状況下のアメリカにおいて、果たしてこの作品を映画館で観たひとがどれほどいたのかなど予想もつかないが、これだけは言える。一本の作品の95%以上のシーンに主演が映り続ける。これを映画と呼んでいいのか?同時に世界中の多くの俳優が羨ましがる「フランシスじゃ仕方ないか」と。
アメリカの光と絶望をみてきた世代が「誇り高き『ハウスレス』」を活きる姿に涙があふれた。
「また砂漠からはじりゃいいのさ、俺たちアメリカ人は!」そんな新たなる再生の宣言と思えた。
アカデミー賞候補作
若くて体力があれば 自由気ままな一人旅に憧れることもあると思うけど...
若くて体力があれば
自由気ままな一人旅に憧れることもあると思うけど
高齢者が独りぼっちで
仕事を求めて
旅を続けていくという生き方は
観てるだけでもキツイ
本家の遊牧民(ノマド)だって
家族と一緒に助け合っている
車やスマホや
便利なグッズがあっても
ノマドたちと交流する機会があっても
基本は独り
でも、登場人達の
誇りと逞しさ知って
少し救われた
鑑賞してから2週間経つけれど
今でも時々
ノマドたちのことを想う
老いること、生きること
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