イサドラの子どもたち

劇場公開日:

イサドラの子どもたち

解説

モダンダンスの始祖として知られるの伝説的ダンサー、イサドラ・ダンカンが亡き子どもたちに捧げたソロダンス「母」をモチーフに、現代に生きる4人の女性の喪失と再生を描いた人間ドラマ。「若き詩人」「泳ぎすぎた夜」で注目を集めたフランスのダミアン・マニベルが監督・脚本を手がけ、2019年・第72回ロカルノ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。イサドラの自伝を読んでいる振付師アガトは、図書室で見つけた舞踊譜と作曲家スクリャービンの音楽を手がかりに「母」の踊りと向き合う。「母」の公演を控える若きダンサーのマノンは、振付師マリカと対話を重ねながら新たなダンスを模索していく。「母」を観劇したエルザはゆっくりとした足取りで帰路につき、自身の過去と重ね合わせながら今夜の記憶を反芻する。

2019年製作/84分/フランス・韓国合作
原題:Les enfants d'Isadora
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2020年9月26日

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映画レビュー

4.0人から人へ。思いが受け継がれていく過程に心震える思いがした

2020年9月27日
PCから投稿

ダンスに全く詳しくない自分ではあるけれど、なぜか「イサドラ」の名が目に止まった。作品資料を紐解くとイサドラ・ダンカンのことだという。それが「ザ・ダンサー」という映画の後半に登場する才気あふれる女性なのだと思い至るまでに、そう時間はかからなかった。とはいえ、本作は伝記物ではない。かつてダンカンが亡き子供たちのことを思って踊った「母」という演目。この100年前のダンスと出会い、向き合う現代の女性たちの姿を描いた物語だ。セリフは少なく、カメラは女性たちの表情や一挙手一投足を穏やかな感度で映し続ける。奏でられる透明感あふれる映像と時間は、いつしか観る者にとっての静かな陶酔へと変わっていく。ダンカンの残した思いを誰かが受け取り、それらを大切に紐解きながらまた誰かに伝えていく「連鎖」のようなものを感じずにいられなかった。日常からダンスは生まれ、そしてまた日常へ帰っていく。その過程に心震える思いがした。

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牛津厚信

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