ウスタード・ホテル
2012年製作/151分/G/インド
原題または英題:Ustad Hotel
スタッフ・キャスト
- 監督
- アンワル・ラシード
- 脚本
- アンジャリ・メーノーン
- 音楽
- ゴピ・スンダル
-
ドゥルカル・サルマーン
-
ニティヤ・メーノーン
-
ティラカン
-
シッディク
2012年製作/151分/G/インド
原題または英題:Ustad Hotel
ドゥルカル・サルマーン
ニティヤ・メーノーン
ティラカン
シッディク
インドで話題の10作を上映「インディアンムービーウィーク2020」開催
2020年8月14日ー物語はファイジが生まれる前から始まる。跡継ぎの男の子を求める成り上がった父。だが、4人連続で女の子が生まれ、漸く授かった男子がファイジだ。だが、美しき母ファリーダは多産のため、ファイジが幼い時に亡くなってしまう・・。-
■前半 楽しきインド映画の要素を盛り込みながら、ファイジが成長していく様を描く。
・ファイジが父に言われた通り、スイスに留学。その後、ロンドンで働いていたが(既に彼女がいる・・)、父に勧められた”気の乗らぬお見合い”のため一時帰国するシーンから、お見合い相手の女性シャヒーナ(エキゾチックな凄い美人:インド映画のヒロインって、美しいなあ・・。すいません・・。)とイロイロありながらも徐々に、心が通っていく様。
ー序盤の母の死から、インドの男尊女卑の様が描かれる。シャヒーナの”最後の自由の日の晩”のヒッチハイクのシーンなどでも、面白く、しかしチクリと描かれる。-
・ファイジはスイスでシェフの免許を取っており、父に”シェフになりたい!”と初めて意思表示をするが・・、逆に怒りを買ってしまう。
家を出たファイジはカリカットで大衆食堂ウスタード・ホテルを営む祖父”カリム大将”の元に行き、下働きから始め、徐々に今まで習得して来た欧風料理とケララ料理を融合させた料理を作り、食堂近くの大ホテルの料理長や、2週間だけ来ていた3つ星シェフに腕を認められていく・・。
◆インターミッション
■後半 物語はウスタード・ホテルの存続問題や、インドの貧困問題など重いテーマが盛り込まれてくる。この、後半がこの映画を寄り、魅力的なモノにしている。
・祖父カリムはファイジとスレイマニ・ティーを飲みながら、”料理はスパイスより心だ・・”と言い、ある男を紹介する。その男は且つてインドの大ホテルの料理長だったが、ある日”ある老人のしている事を見てしまい”、シェフを辞め貧困層の人たちへの炊き出しを始めたと、ファイジに語る。
ーこの辺から、目頭が熱くなってくる。特に聾唖者や知的障害者の居る学校へ持ち込む料理を任されたファイジが頑張って作った、美味しそうなビリヤニ(インド風炊き込みご飯:映像ではチキンだったと思う)を食べる人たちが”手で”ファイジに”感謝”を伝えるシーン。-
・だが、ファイジが出かけていた間に体調を崩していた祖父が亡くなり、ウスタード・ホテルの存続が危うくなるが、ウスタード・ホテルの存続問題には”裏がある事が発覚”。
(地上げ:食堂近くの大ホテルのオーナーが絡んでいた・・。)
潰れそうだったウスタード・ホテルは繁盛し、いつの間にかシャヒーナが笑顔でファイジの横に立ち、”何故かチャッカリ、ファイジの父も嬉しそうに” TV取材を受けている・・。
ー今作品が、何分の作品なのか分からないが(”私が今日観たバージョンは151M ”カットされたのだろうか)ストーリー展開が粗くなるが、作品が持つ力業でねじ伏せられる。(面白く観れる)ー
<インド映画の面白さに、ケーララ州の美味そうな料理を盛り込み、後半は重い社会的メッセージをも盛り込んだ、実に見応えのある作品。>
<2020年8月13日 刈谷日劇にて鑑賞>