カラミティのレビュー・感想・評価
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全カットが見どころ
アメリカの西部開拓時代の物語を、こんなに新鮮な気持ちで観られるとは。主人公のマーサ(カラミティ・ジェーン)は快活で好奇心旺盛で負けん気が強く、家族想いの女の子。カラミティ・ジェーンは、当時、男の世界だった西部の荒野で女性として活躍した数少ないガンマンの1人だ。ある意味、当時の西部社会の規範を打ち破るような人物だったのだと思うが、そんな彼女の本質が非常によく描かれている。馬車は男が引くものという規範を破り、男の履物であるズボンを履き、汚名を返上しようと自ら冒険にでかけていく。その勇敢さに宮崎アニメのヒロインを思い出す人も多いかもしれない。
アニメーション的には、とにかく色のセンスがすごい。あらゆるカットがひとつの絵画として美しい。ゴーギャンなどの影響ではじまったフォービズムに影響を受けたそうだ。全カットが見どころと言っても差し支えない。
大自然で飛び出す快活なアクションが最高
引きの画面(遠景)では心の中がサーッと晴れ渡るような鮮やかな色遣いの雄大な描写が広がり、寄り(接写)では表情豊かな各キャラクターの感情や意志が気持ちよくリズミカルに飛び込んでくる。「ロング・ウェイ・ノース」のシャイエ監督が紡ぐこの独特なアニメーションは、今回もまた気の遠くなるほど果てしない大自然を進みゆくロードムービーでありながら、時折、瞬間的に沸点に達するかのような快活なアクションをもダイナミックに展開させ、観客の心を引き付けてやまない。主人公のカラミティ・ジェーンといえば西部開拓時代を代表するガンマンだが、この元祖女性ヒーローとも言うべき人物の幼少期、つまり「エピソード1」の中で彼女が自分の意志で決断し、行動し、何かを成し遂げていく様が力強く、楽しく、感動的だ。ちなみに字幕版では、このフロンティア精神を象徴する物語にフランス語のセリフが息づいており、その無二の混合ぶりも魅力の一つかと。
隔靴掻痒
アニメ映画しては文句のつけようがない素晴らしさ。
舞台となる開拓時代のアメリカの風景を、複雑な階調ではなく、あえてフラットな塗りの色味を重ねることで表現する、日本の浮世絵や新版画にも通じる大胆な画面作り。
シャープな描線で繊細に描かれる日常芝居。
ほんとーに画面は120点だと思う。
ただ、ストーリーが初見ではやや飲み込みづらい。
当時としては何重ものタブーを犯して「カラミティ」たる自分になっていくマーサのドラマ。
最終的には英雄として帰還するまでのストーリーだとするなら、クライマックスがやや性急すぎるし、旅の仲間とのくだりはもっと長くてもよかったのではないだろうか。
正直、ずっと追いかけていたあの人の正体が判明するまでの間は、絵はすごいけど話は前作の方が…と思っていた。
そこからは一気呵成に畳みかけて、ウエスタンらしい劇伴に乗ってマーサが馬を走らせるだけのロングショットにも感動してじわっと涙が出てくるほど。
うーん、もったいない。
テーマ的に、いかに枷を破ることが難しいか、を強調したいのはわかる。だけど観客としては正直、中盤までの状況が変わってないように思う時間が長かった。
ハリウッド的な娯楽映画ではないし、アートアニメってわけでもない。すばらしいんだけど、ニーズがねぇ…
今後もこのチームの作品を待望してる身としては、もうちょっとバランス調整してほしいなと思わずにはいられない。
理想的なフェミニズム映画
縁線のない独特のアートワークで魅力的だった「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」と同じ監督の作品。本作でもその独特なアートワークは健在だ。
また面白いものが観られるかと思い本作を視聴したわけだが、前半はちょっと心配になった。というのも、少々薄味であってもメッセージ性のあった「ロング・ウェイ〜」と比較して何が描きたいのか見えてこなかったからだ。もしかしてやんちゃな女性を描きたかっただけか?なんて考えた。
しかし、マーサが旅団を追われたあたりから物語は急速に加速していく。
簡単に言ってしまえばフェミニズム映画だったわけだけど、近年大量に作られるフェミニズム映画の中にはちょっと間違っているように感じる作品も少なくない中で、絶妙なバランスで成り立つ良作だ。
女性が男性と同じ扱いを受けるというのが本来のフェミニズムだと思うが、思想が行き過ぎるあまり男のように振る舞う女性がフェミニズムかのような勘違いが生まれているように思う。女が男をぶちのめすのが正しいかのように描く。失敗フェミ映画は大体コレだ。
この行き過ぎたフェミニズムには、映画界のテーマとしてフェミニズムと双極をなす「多様性」が完全に欠落しているのだ。つまり、女性が昔ながらの考えによる女性らしさを維持したいと思うことを否定しているのだ。
では本作の主人公マーサを見てみよう。
マーサは別に男になりたいわけではない。女だからという理由だけであれはダメこれはダメと言われたくないだけだ。
そんなマーサが旅団を離れ様々な経験をすることで強い人間に成長する。一人でも生き残れるサバイバル術を学び、社会で独立する女性の姿を見ることで、スカート姿でも男と対等に戦えることを知る。
そして、軍服を着れば人から敬意を得られるという言葉から、多くの人は見た目だけで判断してしまうことを知る。つまり重要なのは無実の証明、能力の証明なのだ。男のように振る舞い、あれは嫌だこれは嫌だと言っているだけではダメなのだ。
作品内の時代で、旅団を離れ一人で何日も生き延びただけでもとてつもない能力だ。しかも旅団の危機を救い、更には旅団の仲間の品を取り戻してきた。もうマーサの能力を疑うものはいない。
マーサはカラミティ・ジェーンとして女性のまま認められたのだ。
そして極めつけは、作品序盤でもあった「馬の降り方を知ってる?」だ。最初はただ叩き落とすだけのようなやり方から、キスを迫るような仕草で落馬させる。女性らしさを保ったまま男をぶちのめすのだ。これこそがフェミニズムと多様性が両立した理想の状態ではないだろうか。
思わずニヤリとしてしまう程に最高なのである。
フレンチウエスタン?
昔あんな風に大所帯で遠くへ移動することが実際あったのかどうか 意外にもジェンダー絡み
絵はロングウェイノースに似ている 同じ制作会社かな? 風景は色彩豊かで良かった しかし女の子なのに超太眉 カラミティって疫病神ってことなんですね 確かに主人公元気過ぎて何でそうなるん?と言動にはイラッとしてしまいましたが、終盤金脈の辺りからは収まるべきところに収まりホッとしました なんだかんだ優しい人が多いし、単なる幸せ者でめでたしめでたしのお話し
飽和色
大きく色分けでのベタ塗りは昔のPCゲームを想起してしまう。黄色く光る雲。複雑な陰影は省略し、自然光を彩度で表現する飽和色。技法そのものは分からないが、確かにウェスタン。夜に星の光を浴びて馬上で仰反るマーサ。
ジェンダー論ではあるが、男性キャラの設定が繊細である。最後は娘への愛情のみの父。旅団長の面子と権威。それを脅かす少尉の正体。男たちが構築し、背負う枠組みを揺さぶるマーサ。少し度が過ぎて危ういが、あまり褒められた者ではないところも含めてこの作品の魅力かもしれぬ。
厄介者? いや、勇気ある者
西部開拓時代のアメリカに実在した女ガンマン、カラミティ・ジェーン。
ドリス・デイ主演作、セシル・B・デミル監督作やウォルター・ヒル監督作などの映画、小説やゲームの題材にも。
しかしながら私、名は映画のタイトルで聞いた事あるくらいで、実は題材の映画も見てないし、よく知らない。
『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエ監督の新作という点に惹かれて鑑賞。
『ロング・ウェイ・ノース』は秀作アニメーション映画だった。
日本の緻密でリアルな映像美とも違う、ましてやハリウッドのCGアニメとも違う。
言うなれば、日本の往年の東映動画のような素朴なタッチ、キャラ。
ジブリ作品のような冒険劇、エンタメ性。
それらがまた今回の題材にピタッとハマった。
『ロング・ウェイ・ノース』は北極圏への冒険だったが、今回はアメリカ大西部。
フランスの監督がアメリカ西部を舞台に?…という違和感も全く無くなっていく。
緑の平原、雄大な山々、何も隔てるもの無く見渡せる夜空の星…。
素朴でありながらも、これぞアニメ本来の画の美しさに唸る。
大西部ならではの大地を馬で駆ける醍醐味、躍動感。
その中で描かれる伝説の女ガンマンの活躍。
…には非ず。
その少女時代。
何処までが史実通りで、何処まで創作か分からないが(Wikipedia調べでかなり脚色されてるようだが)、
物語は自由に創造。
父と幼い姉妹と共に、旅団とオレゴンへ向かうマーサ。
とにかく彼女、旅団の中の問題児。
活発。負けん気が強い。男勝り。
女の子らしい事に全く興味ナシ。
馬に乗り、馬車を操り、縄投げ、男の子に売られた喧嘩は臆する事なく受け、果てはスカートではなくズボンを履く。
そんな彼女の行動はただの身勝手ではなく、ちゃんと理由があって。
旅の途中、父が負傷。父に代わって家族を守り、引っ張っていかなければならない。
非常に責任感ある性格。
が、周囲からは…。
困った…と言うより、白い目。旅団の恥。何かとトラブルを起こす…その元凶。
“カラミティ”とは“厄介者”の意。
野獣に襲われている所を、一人の青年少尉に助けられる。
地図のコースから外れている旅団の道案内も買って出る。
親切でハンサムな少尉に旅団の女の子たちは憧れるが、マーサの“憧れ”は違う。彼と付き合いではなく、彼のようになりたい。
そんな時、事件が…。
少尉が突然姿を消す。旅団の持ち物が盗まれる。
端からそれが狙いだった。
とんだとばっちり。少尉と最後に会っていたマーサは共犯にさせられる。
旅団の中のマーサへの苛立ち、不満が大爆発。
マーサは縛られ、追放待ち。
男尊女卑でもあり、子供への無情な仕打ち。
誰も信じてくれない。話も聞いてくれない。耳を貸してくれない。
女性同士でさえも。子供同士でさえも。家族も…。
身の潔白を証明する方法は一つ。
私自身で少尉を見つけ出し、盗まれたものを取り返す。
こっそり逃げ出し、マーサは旅に出る。
すぐさま旅団の追っ手。
逃げる道中、マーサは熊に襲われている一人の少年ジョナスを助ける。
追っ手は何とか振り切ったものの(マーサらが川に落ち、追っ手らは死んだと思った)、とあるいざこざから手錠で繋がれジョナスと行動を共に。マーサは自分は“男の子”だと性別を偽る。
とある村に到着。少尉の上官である大尉に少尉の居所を聞こうとするが、ここでトラブル。大尉の怒りを買って、執拗に追い掛けられる。
逃げる最中助けてくれたのが、金を掘り当てようとしている貴婦人。
女一人で事業を展開する婦人の事業を助けた事で気に入られ、少尉探しに手を貸してくれる事に。
そして遂に、少尉の居所を突き止め…。
別に好き好んで招いてる訳ではないのに、マーサの行く先々でトラブルが。その都度、敵視される。
これも後の伝説の女ガンマンの前兆…?
敵や反感も買う一方、出会いも。
力を貸してくれた婦人。
何よりジョナス。
最初はヤな奴だったが、次第に冒険の相棒に。
別れ際は相棒/友としてか…? それとも…? ちょっぴりのほろ切なさ。
冒険の目的を果たしたマーサ。
何も少尉をどうこうしようとはせず、盗品を取り戻せればそれでいい。
罪を憎んで人を憎まず。
一人立ちし、自由になり、このまま好きに生き、何処へでも行けた筈。
だがマーサは、旅団に戻る。決して仲間や家族を見捨てない。
戻った時、旅団は険しい道にピンチ。
そこへ颯爽と現れ、旅団を救ったマーサの姿は勇ましい。
盗品を取り返した。旅団のピンチを救った。
でも何より、生きていてくれた。
もう誰も彼女の事を邪険に言う輩はいないだろう。
女は女らしく。古い習慣。
それさえも自身の勇気と信念で変えた。
冒険と出会いと成長を経て、
道を切り拓いてゆけ、カラミティ・ジェーン!
美しさとエンターテイメントの配分のよさ
レミ・シャイエ監督の新作は何度か過去に映画にもなったことのある女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの子供時代の冒険活劇を美しい映像で描いたアニメーション。
美しい映像にただ見惚れてしまうが、ストーリーもなかなかアドベンチャーで眠くなることはない。家族で見るのもおすすめ。
人間も自然界の中で生きる一種の動物に過ぎない
カラミティ・ジェーンの生い立ちを観るとして、ガンマンとしての彼女の姿を求めていった方は肩透かしを喰らうと思います。乗馬と投げ縄がメインで銃は一度も使っていないので。
ただし開拓民としての生き方や、それに基づく過酷な現実を知るという意味では、非常に面白い作品でした。
描写の中でリーダー格のおっさんがジェーンを痛めつける場面が何度かありますが、あれも異端である彼女を嫌ってという訳ではなく、自分勝手な行動が彼女だけでなく、周囲の命を奪うことになりかねないという過酷な開拓民の精神ゆえの行動と捉えました。
だからこそ、映画ラストの結果に繋がったのでしょう。強く、賢く、柔軟性のあるリーダーに従うという習性は、人間も自然界の中で生きる一種の動物に過ぎないという現実を突きつけるような展開でした。
躍動感のあるアニメの描写と内容に完全に合致したBGMが素晴らしかったです。
なお、吹き替え版は杉田智和氏がリーダー格のおっさんの声を当てていらっしゃるようです。
私は彼の声を聴くと反射的に笑ってしまう病にかかっているため字幕版で観ましたが、興味のある方は吹替版でご覧頂くと、別の意味でも楽しめる作品かと思います。
色彩の表現技法の一つ一つに感嘆せざるを得ない一作。
シャイエ監督の前作、『ロング・ウェイ・ノース』に続いて、非常に素晴らしいアニメーションと色彩表現が楽しめる作品です。『ロング〜』は極北が主な舞台のため、寒色、特に白が目立ちましたが、本作はそれとは対照的に、鮮やかな色彩に満ち溢れています。それらの色は単に画面を彩るだけでなく、例えば炎のゆらめきや遠近感を表現する手段としても用いられていて、作品全篇がこんな色の使い方があるのか!という驚きに満ちています。
ジェーンは西部開拓時代を代表する人物の一人で、これまで多くの映画に取り上げられてきただけでなく、自叙伝も残しています。ただその内容は虚実入り混じっており、ジェーンが話を「盛る」性格だったことを伺わせます(作中にもそんな描写があります)。だが幼少期についてはほとんど記録が残っていないため、そこにシャイエ監督の想像を膨らませる余地を与えています(バージニアに移動する旅団に彼女の家族が加わっていたこと、母親が旅の早い段階で病没していたことなどは史実)。
自分の生きる道筋を自ら切り開く、強い意志を持ったジェーンを、シャイエ監督は活き活きと描いています。一方でそうした振る舞いがしばしば集団の調和を乱したり、反感や憎悪の対象となる場合も珍しくありません。『ロング・ウェイ・ノース』と同様、シャイエ監督はそうした側面も臆せず描写していますが、本作は前作ほどの極限状態ではないためか、そこまでの緊張感はありませんでした。
パンフレットは、実際のカラミティ・ジェーンの人生や色彩表現の解説など、内容が豊富で読み応えがありました!
ズボンは魔法
西部開拓時代のアメリカで、西へ行く旅団に加わっていた一家の父が怪我により馬を操れなくなったため、代わりに家族を支えるため少女が成長していくも、女であることの制約に悩まされる話。
映画の中で女性がコルセットやブラ、日本だったら帯を締める描写があるとき、それは女性の社会的な制約や抑圧の表現として使われることがほとんど。でも今作は全く逆の「解放」の意味として表現されてるように感じた。
そもそも「締める」という行為、男性はベルトを締めることでズボンを固定して作業をしやすくしてる反面、女性のコルセットは体を綺麗に見せるために締めるので作業には全く向いてない。「締める」行為が女性にとっても、実用性にかなったものであるべきなのは当然。
なので、マーサが馬に乗るようになってからズボンを履く時にベルトを締めるシーンがあったり、泥棒の手がかりを探りに行くために敢えて女性の格好をするシーンでコルセットを締められている。どちらも誰かのためでなく自分自身の目的のために締めている行為なので、抑圧というよりマーサが行動を起こすターニングポイントになってるのかなと思った。
今作そういう女性側の話だけではなく、男性側の描き方も良かった。男性中心的社会は一部の特権的な男性しか救わないということが、ある人の魔法のアイテムが象徴しててよかった。
自分もマーサと同じように、可愛いとチヤホヤされて大事に守られるより、皆に頼られたり仕事ができると褒められたりする方が何倍も嬉しい。
永遠のテーマ
持ってる人と持たざる人との共存は果たして成しえるのか・・・ ほんとに解決できない普遍のテーマを提示してくれる作品。
例えば、エンジェルスの大谷とチームメイト。本音は如何に?
私は持っていない側。だから地道に仕事はこなすしかない。だからといって自分も人間、いっちょまえに自尊心は持っている。持ってなければ存在意義が崩れるからだ。だから”はなつまみ者”として突出した人を排除したくなる。客観でみればそれが宜しくないことは分っているのに・・・
今作品で今迄の苦労をねぎらうシーンがあったら救われるのに、明確な場面が無かったのが寂しい。
ま、そもそも性格も能力の大事な要素だから、すぐ諦めてしまう自分のような人間は”モブ”としての役割でしょうがないのだけどねw
絵柄だけで楽しむアニメ
日本からヨーロッパのアニメ映画という色眼鏡で観ているから、評価が高くなるだけであって、基本的なプロットは子供向けの王道中の王道。
ジェンダー問題も入ってはいるけど、この程度であれば「世界名作劇場」からやってたレベルでしかない。
別にそれが悪いといっているわけではなく、本国では親子で観に行くような映画であるということを知ったうえで観てほしい。
映像は美しいんだけど…
実在した女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの少女期を描いた物語ってことなんだが、そもそもこのガンマンを知らなかった。でも、「ロング・ウェイ・ノース」がよかったから鑑賞。
切り絵というか影絵というか、妙な色彩と独特の雰囲気のアニメは相変わらずで美しい。でも、話が今一つだった。スカートを履かない女性は、男から怒られ、女性から変人扱いされる。そんな時代に馬に乗り投げ縄を身につけようとするマーサは異端中の異端。その息苦しさはわかるのたが、マーサのキャラがあまり好きになれない。
それでも最後はうまいことまとまっていたし、少女の成長物語としてそこまで悪い出来ではない。好みの問題。後で調べたのだが、カラミティ・ジェーンは軍服がトレードマークみたいなところがあったんだとか。なるほど、だからかと納得するところもあったりして。元々好きな人であればもっと楽しめたのだろう。
濃密な旅路
「常識の殻を破って、自立し自分らしく生きる」主人公が、独特の色彩とともに描かれており、まるで「世界名作劇場」一年分の密度をもってストーリーが展開します。
キャラデザインが今の日本で受けるかは微妙なのと、勝ち気を通り越して誰に対しても攻撃的な性格の主人公が受け入れられるかは微妙ながらも。
旅を通じて生きていく術とともに、寛容さや柔軟な考えを身につけていく様は、成長と捉えれば許容範囲かと。
画面の色彩、構成が絵画のように素晴らしいので、字幕を追うより、吹替版での鑑賞が向いていると思います。
エンディングロールの主題歌は、のちに誇大な自伝や、大ボラふきと知られる彼女の性格を反映していて面白かった。
マーサジェーン
9.5、9.25 鑑賞
始まりから終わりまで美しい描写
主題歌良き
初めてこのような描写で描かれた映画をみました。
動物の生死、家族、友達との絆、信頼。
この映画をみてマーサの芯の強さ、優しさを学ぶことが出来ました。
今回吹き替え版で声優の福山あさきさんが主演のマーサの声を担当してるのでぜひぜひいろんな方に見てもらいたいです。
主題歌も歌ってらっしゃいます。よかったら、劇場に足を運んでいただいて鑑賞していただきたいです。
最後に、マーサとイーサンとのやり取り何回みてもかわいい
動く、アート作品
吹替版で鑑賞しました。
ストーリー、映像美、音楽、声優さん、たくさんの要素が織り成す世界観に没頭させられました。映画館内が1つの作品のようで、すべての感覚をもって楽しませていただきました。
特にイラストは独特なタッチで描かれていて、どの場面を切り取ってもアートになる作品で背景美術に圧巻されます。
ストーリーも現代にも通ずるところがたくさんありメッセージ性の強い作品なので、年齢層幅広く楽しめる作品だと思います。
是非字幕版も拝見したいです。
生き生きとした時代の雰囲気を強く感じた
風景がきらびやかで、動物などの動きも軽快で、時代背景を生き生きと感じられたけれど、個人的には、絵にもストーリーにも演出にも、なんか微妙に満足できないところがあって、具体的にどうこう言うのは難しいけど、例えば─キャラの輪郭線がもうちょいほしいと思ったかと思えば鼻とか口の強めのみラインは荒く見えてこれだったら邪魔だなーけどやっぱ線がもう少し・・・などといったような・・・
簡単すぎる表現や展開にも少し物足りないところを感じたけれど、それ故に面白さやユーモアが際だっていた気もするので、それなりに楽しめました。
絵画の様なアニメーション
公開初日もあり、ほぼ満席での上映でした。ストーリーは、少女マーサジェーンの成長物語。男性社会で疫病神(カラミティ)扱いされながらも、自己を曲げない真っ直ぐな生き方を描いており、マーサに引き込まれます。
やはり、映像美が素晴らしい映画ですね。輪郭線の無い描写は、絵画の様な美しさを感じられます。背景の色の使い方は素敵でした。これは是非映画館で見て欲しい。また、表情が単調になるかと思いきや、感情が素直に伝わる様に細かな動きを入れており違和感無くストーリーに入れましたね。
今回、吹き替え版でしたが、各配役はぴったりかと。マーサの幼いのに強気で負けず嫌いな雰囲気が吹き替えでもストレートに伝わりました。
82分と短めであり、も少し成長するまで観たかった感は残りましたが、とても良いアニメーション映画でした。
全31件中、1~20件目を表示