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映画「ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン」 ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン
劇場公開日 2020年10月2日
解説
モードを民主化した天才ファッションデザイナー、ピエール・カルダンの波乱万丈な人生に迫ったドキュメンタリー。業界で初めて大衆向けプレタポルテに本格参入し、未来的なコスモコール・ルックで若者たちを熱狂させた革命児ピエール・カルダン。ファシズムが台頭する祖国イタリアからフランスへの脱出、先鋭的すぎるためにファッション界から敬遠された苦悩と反撃、女優ジャンヌ・モローとの運命的な恋、劇場運営や高級レストラン「マキシム・ド・パリ」の買収など、波乱に満ちた97年間の記憶を、今なお現役で活躍するカルダン本人が語る。さらにジャン=ポール・ゴルチエ、シャロン・ストーン、森英恵ら豪華ゲストたちの証言や秘蔵映像を通し、カルダンの輝かしい軌跡とチャーミングな素顔を浮かび上がらせていく。
2019年製作/101分/G/アメリカ・フランス合作
原題:House of Cardin
配給:アルバトロス・フィルム
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何ら難しいファッションの素養やブランド知識などなくとも、本作にはまずもって視覚的にピエール・カルダンの世界へと誘われていく楽しさがある。冒頭からカラフルでポップな色彩を散りばめながら小気味よくカットが切り替わっていき、また映し出されるファッションのどこか丸みを帯びた幾何学的なデザインにも、どこか遠い惑星や未来からやってきたかのようなSF的感覚が漂い、興味が尽きない。
御歳98のこの伝説的デザイナーには逸話が満載だ。ジャン・コクトーの「美女と野獣」に衣装参加したという経歴にも驚かされるし、50年代に多様な人種をモデルとして採用したり、いち早く日本、ソ連、中国にブランド進出したのも画期的。幼少期やファッションへの目覚めについてもっと知りたかった気もするが、まずはこれら広域な業績を100分にまとめ上げた手腕を讃えたい。「デザイナーに求められるのは社会を変えること」この言葉が強く胸に刻まれた。
2022年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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イタリア生まれの彼がパリでメゾンを構えるまで、さらに、世界で初めて多様な人種のモデルを採用したり、Aラインのワンピースを発明したり、お金持ち向けだったハイファッションを一般の人でもデパートで買えるようにしたり、メンズも始めたり、ライセンスビジネスを考案したり等々、戦後のファッション界に革命を起こしてきた軌跡が、人柄と共に、とてもよく分かる映画だった。
2020年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ピエール・カルダンの生きる才能と強さに魅せられた。
お洋服やお芝居やインテリアや、興味あるいろんなことに
貪欲に関わっていくことが生命力の源ですね。
近くにいると大変そうだけど、パワーをもらえそう!!
彼の作品と同じく、彼の人生がカラフルだわ。
ステキ。
まだまだ、現役でモダンを世界に発信して欲しい。
2020年11月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ココ・シャネルが女性をコルセットから解放したように、ピエール・カルダンは、白人至上主義、富裕層のためのファッションをプレタポルテとして、全ての人が楽しめるものに昇華させた。
彼の作ったスタイルは、服だけではなく、家具、インテリア、ロゴがついているタオルや全てのものが、今でも斬新でファッショナブルでかっこいいと思う。
彼の中では、ファッションは、ビジネスであり、美意識を形にするものなのだと思う。
だから、彼の服は、スタイルが良い人しか似合わないという服ではなく、痩せていても太っていても背が低くても、スタイリッシュにみせてくれる。
社会主義国家として、労働するための服でしかなかったロシア に、文化大革命で押さえつけられ、人民服以外のものを着ることが許されなかった中国に
戦後、洋装店しかなく、ファッションを楽しむことを知らなかった日本に、カルダンの服は、人種も国境も超えて、新しい生き方としてファッションを見せてくれた。
それは、60年代、70年代にいきなり、50年先の未来の世界を魅せてくれるようなワクワクした革新的なものだったと思う。
ファッションは、私たちの生き方を変える。
言い換えるなら、今、女性は、ハイヒールなんか履かないし、男性はネクタイなんか絞めなくてもいい。
逆にそんな格好をしている方が、えっ今日、なんかあるの?って言うぐらい、仕事にマストではなくなった。
彼が魅せてくれたスタイルは、東洋人であることにコンプレックスを感じなくていいということや、こんなカラフルな色を着ていいんだという、私たちを自由にしてくれるメッセージをたくさん含んでいる。
カルダンが、50年後のファッションビジネスがどうなるか予想していたわけではないと思うけど、
彼が推し進めたライセンスビジネスは、結果的にピエール・カルダンというブランドを巨大なコングロマリットに飲み込まれずに生き残る力を与えてくれた。
ロゴを付けているだけと、ある意味揶揄されることもあった、ライセンスビジネスは、
彼が生きていてもいなくなっても、変わらずに残り続ける。
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