GAGARINE ガガーリン
劇場公開日 2022年2月25日
解説
フランス、パリ郊外に実在するガガーリン公営住宅を舞台に描いた青春映画。パリ東郊に位置する赤レンガの大規模公営住宅ガガーリン。宇宙飛行士ガガーリンに由来する名を持つこの団地で育った16歳のユーリは、自らも宇宙飛行士を夢見る一方で、かつて自分を置いていった母の帰りを待ち続けていた。ところがある日、老朽化と2024年パリ五輪のため、ガガーリン団地の取り壊し計画が持ち上がる。住人たちの退去が進む中、ユーリは母との大切な思い出が詰まった団地を守るため、親友フサームや思いを寄せるディアナとともに、取り壊しを阻止するべく立ち上がる。監督は、これが長編デビュー作となるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ。映画初出演のアルセニ・バティリが主演を務め、「パピチャ 未来へのランウェイ」のリナ・クードリ、レオス・カラックス監督作の常連俳優ドニ・ラバンが共演。2020年・第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション作品。
2020年製作/95分/G/フランス
原題:Gagarine
配給:ツイン
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詩的で叙情的な青春映画と呼べばいいのだろうか。ただし、その手触りはちょっと特殊だ。パリ郊外にガガーリン公営住宅なるものが実在するとは驚きだが、これらがかつてロシアの宇宙飛行士を記念して命名されたものであり、その建物が今では老朽化し取り壊しの運命を待つばかりという状況には胸の痛みを感じずにいられない。ここを守ろうと立ち上がる青年にどこか「海の上のピアニスト」の主人公を重ねてしまうのは私だけだろうか。やがて誰もいなくなった団地内を、彼が宇宙船ステーション内部のように作り替えていく過程は非常に独創的だ。青年は時おり空を見上げる。それは自身の生い立ちや人生における大切なものを噛み締める行為であり、同時に、無限に広がりゆく内面世界をそこに投影しているようにも見える。後半にはイマジネーションが跳躍し思わぬ形で無重力空間が顔を出す場面も。無声映画のように台詞なく展開していくそのくだりをとても面白く観た。
2022年5月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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邦画のインディペンド系作品を、まんまフレンチ化しました!ってな感じでした。
母親に見捨てられた少年が、取り壊しが決定している団地の中に閉じこもって生活を続ける。壁が壊され、宇宙船と化した団地はS.O.Sを発信しながら少年を含む住民を地上に残して宇宙に向かう旅に出る。
局面・局地はリアリティありあり描写。現実離れ感は、多少あるけど。で、ラストに向かっては概念的に変化し、締めは夢幻感あり。邦画的やなぁ、って思いながら眺めてました。
バリケードを破って走り出したリナ・クードリに萌え!
って事で。
2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
郊外の60年代に建てられた公営団地が、老朽化のため取り壊しが決まる。
多くの住民はそこ以外に行く場所がなかったような人ばかり。その中で親に残された未成年のユーリは、ご近所を助けて、また皆に助けられて生きている。エンジニアリングに詳しいロマの女の子と仲良くなったりするが、彼女の世界にすぐに馴染めるわけではない。人の居なくなる巨大団地で、いくあてのないユーリはどんどん現実から逸脱していく。
そこに人が生活して生きていたしるしが残るガランとした団地は、無機的だが幻想的に美しく描かれる。しかし人間関係はウェットだし濃密。どちらも楽しめた。
2022年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
取り壊しの決まった団地で
取り壊しを阻止したい青年の最後の抵抗を描いた話
団地の一角に自身の理想郷のような空間を作り上げ
最後まで取り壊しに抵抗したが、夢は叶わず……
なんだか少年の時に描いていた妄想を、そのまま映像にしてしまったような作品に感じた。
あまり、現実味を感じられず、終始共感できず、感情が置いて行かれた印象だった。
映像は綺麗ではあったけど、作られた感じがあまり良いとは思えなかった。
ちょっと期待はずれな作品。
個人的には共感できなかったけど、
幼少期に同じような夢を描いていた人は、入り込めて興味深い作品なのかもしれない。
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