「中年たちの悲哀」アナザーラウンド 大粒 まろんさんの映画レビュー(感想・評価)
中年たちの悲哀
カメラワークと音楽が素敵で演者さんたちがとても良かった。けど、内容はややパンチの弱いものでした。
キルケゴール 「死にいたる病」デンマークの哲学者。
「絶望」は人間だけがかかる病気で、それは人間が動物以上の存在である証拠。だから誰でもそこに陥る。あとは、それに対して目を背けずに、自分がいかに主体的に関わっていくかが重要なのだと、彼は解いてる。
人は絶望する生き物。だからたまにはお酒に頼るのもいい。友人や家族と心を通わせて自分の弱さに酔いしれるのもいいと思う。ただ、それに溺れない強さが必要。
この4人の男たちの絶望あるあるに対する向き合い方と、その結果の違い。と、まだ絶望予備軍の学生たちのお酒との関わり方の違いに、この監督さんのシニカルさが出ていたかな。
絶望がテーマだけど最後に少し希望のエッセンスを入れて前向きに仕上げてるのか良かったです。
しかし、絶望できるから人間なんだというのはちょっと悲しい。
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