「♪涙には 幾つもの 思い出がある」アナザーラウンド バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
♪涙には 幾つもの 思い出がある
鑑賞中、何故か吉幾三の「酒よ」が頭の中をリフレイン。予告編や作品冒頭見てるとへべれけハッピー物語と思いきや、まさかの切ない切ない人間讃歌。
お酒って好きですよ。仲良しと呑んでバカ話してるの楽しいし。メチャクチャしたいときも、やなこと忘れたいときも酒達は良い仕事してくれます。
マジな話、お酒ちょっと入ってると饒舌なプレゼンできた記憶あります(笑)作品内の説には心当たりありますねー。
けど、お酒ってなんにも解決してくれないし、結構失敗の元になることもあるんです。さすがに飲まれちゃうと良いことありません。けど、生きてれば逃げたいこと沢山、なんとかしたいこと沢山。うまくいくなら、手を出してみたい!光明が見えたら更に追求したい!藁にもすがりたいんだもん。
それだけ、人間は弱いんですよね。
お酒を切り口に人生の悲哀を見事に描いている本作は見事でした。人間としての弱さ、人間関係の難しさ、愛情の切なさ。その物語に説得力をつける演者さんたちの見事な演技。マッツ・ミケルセンは見事でした。ほんとに吉幾三ですよ、酒よ、ですよ。
けど、やっぱお酒は笑顔が合います。人生も高らかに笑えるものでありたいですね、お酒の力を借りずに。
秀作です。
今晩は。
38歳までは、屡、酒に呑まれていたNOBUです。
今作が素晴しいのは、(私見です)酒をコントロールする難しさ(良い人なのに破滅してしまった体育教師の姿)と、ギリギリコントロールして、酒の愉しみ、高揚感を表現したラストのマッツ・ミケルセンのご自身の経験に基づいた軽やかなダンス&海へのダイヴィングシーンだと思います。
もう、40歳なので、滅多にないですが、飲み過ぎた時は今作がヴィデオ発売になった時には購入し(内容的にTV放映されない気がします)、自戒と節度ある酒を呑む楽しさを思いださせてくれる映画にしようと思っています。
では。