「伏線になるとは思わなかった小さな要素が、後半に驚くほど効果的に活きていく」アナザーラウンド kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)
伏線になるとは思わなかった小さな要素が、後半に驚くほど効果的に活きていく
アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞したデンマーク映画。
血中アルコール濃度を0.05%(ワイン1〜2杯)を常に保てば効率がよくなる論を実験する4人の教師の話。
お酒の良い/悪いどちらも描いてるのが良い。それだけに留まらず人生とは?まで飛躍する良作
飲み過ぎたらアカンってのは間違いないし、それも作中に語っている。それだけだったら興味深いテーマの映画だね。で終わってました。でもそれに加えて物語として一級品。
伏線になるとは思わなかった小さな要素が、後半に驚くほど効果的に活きていく。
これは見事でした。鳥肌とまらなかった。
最後のシーンは美しい、正しい、愚か……と簡単に結論ずけられる話ではない。
ただどうしようもなくこみ上げるモノがありました。
映像、音楽、役者、カメラワーク、ここまで辿ってきた脚本。”良い映画”の真髄をこのラストシーンに見た。
酒飲みの話だけどハングオーバーみたいにアホっぽくはなく。むしろずっとシリアス。
でもユーモアはしっかりあるのです。結構なお客さんが笑ってるシーンもあった。
いろいろな部分で良作。
ただスマホでのやりとり部分がなんか浮いてる気がして。そこだけ歯がゆい感じはしました。
音楽の使い方も効果的。
ただ単にBGMとして流れるのでなく、物語のアイテムとして音楽が重要な位置にある。
ファンクがめっさかっこええ!
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