「単純に呑んで笑ってみたいな、ウス〜い内容の作品ではないよなあ〜」アナザーラウンド ゆっきーさんの映画レビュー(感想・評価)
単純に呑んで笑ってみたいな、ウス〜い内容の作品ではないよなあ〜
中年男性4人組。それぞれの悩み、人生の行き詰まりアリ。
ただ、途中4人の中の誰か一人でも『Drunk 』実験中、ストッパー的な役目があればリアリティが増したのかなあと思う。これはラストにも繋がる。
デンマークはよく知らないんですが、主人公の妻が云っていたように、飲んだくれ・アル中が多い国民性なのか?
何せ、歴史の授業中に教師が生徒に『君は一週間どのくらい飲酒する?』と聞いていて、その質問された真面目な生徒の飲むアルコールの量がどエライな!とビックリ驚愕し、何故にこんな大っぴらに先生に話すのか??と思いきや、
最後にデンマークは16歳から飲酒OKと字幕に書いてあり、やっと納得。
しかし、若い人も呑む量がハンパないですね。
デンマークのどの辺りで撮影したか解らないですが、田舎ののどかなサッカーグラウンドの青い芝生に夕陽がさしたり、朝焼けや海の夕焼け、晩秋にバカンスに来た地の湖や自然の景色がとても美しかったです。
じき冬が近づいているシンとした空気や、冷気が伝わってくる。
主人公が奥さんとまだやり直しがきくのであれば、やり直して欲しいと思いました。奥さん、主人公ともに後悔のないように‥。
ラストはあんな事があったのに、またお酒かあ?
と思いましたが、ある日突然4人組の中の一人の親友を亡くしてしまった主人公の気持ちを察しました。
そして、やはり人の孤独の深みなど解らない。
また、このお国柄アルコールで亡くなる人が多いと云う風刺や、声高には云わないメッセージも入っているのかなと。
『○○に捧ぐ』とは‥。監督さんの身近にそんな方がいたのかな?
お酒を飲み、喪服でジャズバレエを踊り、その死を偲ぶ。
愉しいお酒ではなく、偲ぶお酒。
日本にはお通夜がある。皆でビールを飲みながらお寿司を食べながら、時にしみじみと故人との想い出話を語り合ったり、懐かしく笑ったり。
後日、火葬と告別式。
ワンクッションありますね。
欧米とは弔い方が少し違う。
ラストが(どちからというと)悲しいお酒になるのは、ちょっと関係あるんでしょうか?
余談ですが‥
最近の外国映画の予告編と邦題は余りにも作品とのギャップあり過ぎるような‥。
この作品もたまたま面白そうな映画やってないかな?と探して、簡単なあらすじと、一応予告編も観ました。
個人的には好きな作品でした。
けど、どうだろう?予告編のようなお気楽な作品では少なくともないです。