ライド・ライク・ア・ガールのレビュー・感想・評価
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壁を越えようとする人への応援歌
美しいオーストラリアの自然や馬場、しなやかに疾走する競走馬の姿が散りばめられた、王道の成長物語。
騎手の世界での女性差別や落馬による大怪我と闘いながらオーストラリア競馬の頂点メルボルンカップ出場を目指す、騎手一家の末娘ミシェル・ペイン。家族のほとんどが騎手という環境は恵まれているようにも見えるが、時に命の危険も伴う勝負の世界はやはり厳しい。
実話ベースの物語なので結末は分かってはいるが、それでも細やかに描かれた父娘関係の揺れ動きに涙し、兄スティービーとの絆に心を温められ、馬場の草いきれを感じるような迫力ある出走シーンでは固唾を飲んで彼女を応援してしまう。
オープニングの幼少期のシーンやクライマックスのレースシーンは実際の映像が巧みに織り交ぜられている。解像度でそれと分かるものの、雰囲気がシームレスで違和感がない。また、ダウン症の兄スティービーはミシェルの本当の兄が演じている。あまりに自然な演技だったので、鑑賞後にそのことを知って驚いた。
ダウン症の俳優が主要な役を演じる映画はいくつかある。「八日目」などの名作も多い。それらの多くはダウン症という個性が物語の要素の中心に据えられ、感動のフックになっている印象がある。
だが本作はダウン症についてさほどクローズアップすることなく、他のきょうだいや競馬関係者等と同じ主人公を囲む人々の一人として自然にそこにいる、という描かれ方で、それがとても新鮮でフェアなものに感じられた。スティービーの性格の魅力がミシェルとの折々の短い会話に滲んでいて、心が癒される。彼が厩舎員となり、ミシェルのそばに居続けるのを見てこちらまで安心した。
また、サム・ニールが演じる娘の怪我を案じる元騎手の父は温かく、かつ物語の屋台骨のような存在感だ。彼がミシェルに授ける騎手としての心構えは、そのまま人生訓にも通じるものがあって心にしみた。
ミシェルは慣習化された性差別に直截に反旗を翻すのではなく、実力と結果を見せることで乗り越えた。男女問わず自分を磨くことで何かの壁を越えようとする全ての人を励ましてくれる、そんな作品。
女性騎手の苦難から栄光まで。王道ストーリーが清々しい。 が、私的に...
素晴らしかった
お姉さんの死で改めて乗馬は危険と思い知らされた。しかし、ものともせず、好調な中落馬。脳が損傷してしまったのに続けるド根性。実在の方だけど、本人の並外れた努力もあるが運命の女神の存在もある、と思わせる素晴らしさ。
家族愛が良かった。父親が心配する姿は、あまり見たくないけれど。
テンポが良くわかりやすい映画
映像が映画レベルに達していない
私の持っているデジタルカメラでもこのくらいのクオリティは出る。映像で、写真の美しさで感動させるべき部分がある。それらが全てつまんない映像なのでそれだけで随分しらけた。だから途中でプロジェクターを止めてテレビに切り替えた。テレビだとほとんど映像レベルの低さは分からなかった。みんなきっとテレビで鑑賞したのだろう。
ストーリーの流れは実話モノによくある感じで話が年表。こういうことがありましたと言う部分部分の積み重ねでしかない。主人公の気持ちとシンクロしてくるようにして伝わってくることがなかった。説明されてる感じでダイジェスト版を見てる感じだった。 こういうもんなら映画じゃなくてテレビでやれば良い。 バラエティでひな壇タレントたちと一緒に盛り上がってるのと同等のクオリティだ。 たぶんそういうのを見慣れてる人がこの映画に感動できたんだと思う。
競馬好きには 最高でした!
不撓不屈❗️
競馬の過酷さに驚く
不屈の闘志、強い信念と家族の物語
男性騎手よりチャンスは貰えず、体力的にも劣り、性差別がある中で女性初のメルボルンカップ覇者となったのだから歴史的にも凄いことなのだが、女性だから凄いという範疇ではなく、人間として素晴らしい。レースで頭を打つ大怪我を負い、自分の名前すら綴れない状況となったのに、リハビリ後、命の危険を省みず、再びレースに戻る精神、どこから来るのだろう。父とすれば、別の娘をレースで亡くしているのだから、たまったものではなく、近くじゃ見れないだろう。それまで会話してなかった父が昔のレースを思い出さながら、リハビリさせるシーンはとても感動的だった。最終的にメルボルンでレースに勝利するのは予測できるが、映画冒頭、自身の少女時代のVTRですでにメルボルンカップ優勝したいと話しており、この信念、不屈の闘志の過程がこの映画の最大の魅力となっている。ダウン症の兄スティービー役を自身が演じているのも素晴らしい。レースシーンも迫力あった。
競馬物に外れなし/挿入歌なんだっけなあ・・・。
一言「これは、みっけもん!」。
競馬が題材の映画って、ハズレがない(個人的感想)。
牧場の10人兄弟、ほとんどが競馬の仕事につき。
末っ子・ミシェルも騎手デビューするけど、騎手の世界は男性社会。
性差の壁を乗り越えようと、奮闘するミシェル。
ハラスメントな描写が少ないのが、好感度大。
試合のシーンで、走行中にお互い「どけ」「道を開けろ」云々。
罵声が飛び交っているのが、実際もそうなんだろうなあと。
落馬事故で大怪我をしても、馬に乗ろうとする姿。
見守る兄弟たち、そして父(サム・ニール!。「ジェラシックパーク」)。
周囲の人たちの「ミシェル応援隊」が、彼女の背中を押したのでしょう。
クライマックスのレース。
彼女に関わった女性たちが、「単勝」でどーんとミシェルにかける所に胸熱。
そうそう、そうこなくっちゃ!。
女性騎手の話だからか、挿入歌も女性(80年代の人。曲は知ってるけど失念)だったり。
監督も女性です。馬が朝日に当たるシーンも綺麗。
約100分とコンパクトにまとまってました。
で気がついたら、最後ほろっと泣けました。いい涙でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「スピードだけの問題じゃない、大事なのは忍耐だ」。
ミシェルのストイックさが、スティーヴィーといることで良いバランス感に
競馬は全く詳しくないので、ミシェルのオッズ101についてもピンとこない自分の無知ぶりでしたが、、、
娘の命を案じる父、競馬に人生かけている娘
…父子が互いに折れない様、兄妹の思いやり、
頭蓋骨骨折からの奇跡的な回復ぶり、偏見やセクハラ野郎を黙らせ、ちゃんとドヤるところも痛快。
本気で生きている人には、神様がチャンスをくれるといわれていますが
人生も、レース運びも本当に忍耐強く頑張ってきたからこそ
チャンスが訪れた瞬間を捉えて、その波に乗っかって結果がついてくる。
女性の幸せ=家庭を持つみたいな価値観に囚われず、自分のやりたいことに全力を捧げているミシェルの生き方に感銘と勇気をもらいました。
私も、ちゃんと人間やろ!と思わせてくれる映画でした。感動のあまり、嗚咽がとまらなくて、こんなに素晴らしい映画だなんて思っていなかったので、不意打ちでした。
個人競技のようで、家族や仲間が一体となってサポートしている競馬って奥深いんですね。
いつか、メルボルンで競馬観戦したいな〜。
あまりの感動で2日連続で見てしまった結果
またまた違った感想が生まれてきました。
1.男女不平等の描写
女性騎手の控室、レースで優勝しても次の大きなレースの出場権が得られない現実
2.ダウン症はハンデではなく、個性と思わせてくれるスティーヴィーの存在感
自己肯定感、自由な心ゆえのラッキーボーイぶり、引き寄せ力が10点満点!
いつも両手に拳状態のミシェルがフラットでいられる安定剤
3.父の覚悟
足の負傷でブーツが履けない、レース出られないと諦めている兄に無理矢理ブーツを履かせて送り出すパパ像
ブリジットの落馬で同じ思いを2度としたくないという様子で攻めより守りに
大怪我をしたミシェルの回復過程を見守るなかで、ミシェルにとって騎手人生がすべてなんだと再認識し、諦め半分ではあっただろうけど全面的に応援体制に
みぎ麻痺でも乗馬するシーンが刺さった。
4.家族それぞれの絆が強い
父-兄・姉たち
父-スティーヴィー
父-ミシェル
ミシェル-スティーヴィーをはじめ、兄・姉
自分らしく生きる家族をサポートしていくメンバーの集まり
ミシェルが入院するあたりまでは、執着のような感情を強く感じられたが
父の入院、スティーヴィーとの枕トークなどから、そこで初めて自分の命が自分だけのものではないと気づいたように感じた。
それが、更なる強さのエッセンスとなったのだろうか、、、?
5.ミシェルの信念
運命:騎手人生を生きるために、この地に生まれてきたんだとホントに思った。
環境:父や兄姉の存在が教科書。遊びがレースごっこ。アイスにも目を暮れず兄たちのレース展開をリポート。
シスターたちと、馬券予想しながら鑑賞会 笑っ。
ブレない軸:父の教え 芝の表面を記憶していく作業、忍耐、ペース配分、神の声に耳を傾け隙間ができる瞬間を捉えることが染みついていて、最後まで諦めない姿勢と自信、使命感を感じた。
シーンやセリフの全て点から線に、面に、、、心に。
最初のレース出発のシーンと、最後のレース本番の映像が全然違う感覚で受け取れたり
女性初の優勝後に帰宅した時の父子の会話
『勝負に出るタイミングが早かったな』
『待てなくて』
反抗期全開な父子の壁を乗り越えて父と対等な関係性にたどり着いた〜とほっこり。
2頭しかいなかった厩舎からの、壮大な牧場スケールも、パパに拍手。
構成が良すぎて、ミシェルの人生の素晴らしさが感じられる映画でした。
ぼくは馬のはなしがすき
なぜ映画を見続けるのか?
その答えをみつけるために続けている。
産業の基本構造は意外と単純だ。
多くの大衆がその映画を面白いと思い、コインを投げてくれる。興行の基本は昔からいっしょだ。写真がなんとか生きながらえようとしているが「art」の意味付けによってかろうじてだと思う。ふしぎと映画は観客が「art」を求めるときにはそれを提供し、「娯楽sf」を望んだときはそれを提供してきた。あたりまえだが「産業は利益がないと生き残れない」ことはおなじだ。パソコンの発達で町のハンコや印刷業がなくなった。人件費の安い中国スタイルで町の自転車屋や小売店がなくなった。それは時代を生きるその世界の人々の選択の結果だ。その意味でハリウッドは資本主義に専念することで生き続けている。利益をもとめて中国に寄り添い中国マーケットで利益を上げたし、米国の凋落の反作用でもありそうな恐怖映画やSFも制作した。その情況判断と行動はすばらしい経営だと思っている。
ぼくは古いにんげんだ。
だからこうした個人の「努力と成功」物語がすきだ。映画を観る理由はそれだけで、幸い「芸術」でも「社会問題をえぐる」でもなく「ユーモア」や「悲劇」の物語でもない。最近のハリウッドでは流行らないので制作されなくなった種類の映画だが観続けている。
もちろん努力が成功へ必要条件であっても必須条件でない、・・くらいは理解している。さまざまな条件をプラスマイナスして幸運とはそうしたものだと社会で学んだ。成功するひとはけっして「運」をばかにしない。
もとに戻ろう。映画の観客のあり方なんだ。何をみたいのかは個人の「世界観」や、もっとちいさないいかただと「好み」なんだと思う。その考えを育てたのは競走馬と騎手の話ディク・フランシスの小説だと思っている。
エンドロール
素直な作り。テンポが良く進み、悪い意味ではタメがない。勝つのはわか...
実際の映像を交え、非常に飲み込みやすい。競馬に初めて熱くなった!
女性ジョッキーと心温まる家族の話
人生の全てを競馬界のトップ、メルボルンカップへの出場と優勝に掛け、7回もの落馬で全身に大怪我を負い、生死をさまよい満身創痍になりながらも不屈の精神で成し遂げようとする、主人公ミシェルの、その強い心の源は何なんだろう。レース中のジョッキー目線のリアリティある映像も、あのスピードの中で馬同士の距離も近く、とても怖かった。落馬の怪我からその恐怖にどう打ち勝ったのだろうか…
そんなストイック過ぎる女性ジョッキーの話しですが、ギスギスすることなく温かさを感じたのはミシェルを愛する父とたくさんの兄姉、取り巻く人達の存在でした。
そしてミシェルの偉業とともに驚いたのは、ダウン症の兄スティーヴィー(なんと本人出演!)が馬の扱い方を見染められ厩務員を任されたこと!いずれそれがきっかけとなり、ミシェルがその馬に出会い、共にメルボルンカップに出場するまでになるのですが、その厩務員を任せた調教師の方も本当に素晴らしいと思いました。ダウン症とかでなく、スティーヴィー個人の能力を認めて厩務員にしたのですから!
またラストシーンがとても素敵でした!あんな偉業を成し遂げた後、ミシェルがスティーヴィーと向かったのは、父の牧場。夕陽に向かう父と娘の幸せそうな後ろ姿。忘れられない美しい光景でした。ああ、これは家族の物語なんだなと強く感じました。
とても幸せになる作品でした。
テリーサ・パーマーが美しい
騎手は職業がら小柄で可愛らしい人が多いし、実際のミッシェル・ペインもそうだが、本作でM.ペインを演じたテリーサ・パーマーは凛として芯の通った強い女性のイメージ。でも、エポックメイキングな偉業を成し遂げたパイオニアを描くにあたっては、このキャスティングで正解だったのかも。
ストーリーは至ってシンプルで見やすい。
幼少期からクライマックスのメルボルンカップ制覇までを時系列に沿って順に描いているので何も考えずに素直に見れる。
98分と尺が短めなこともあって、飽きずに集中して見られるのもいい。
ただ短いが故に一つ一つのエピソードが淡白すぎるのがちょっと残念。落馬負傷からのリハビリ過程やメルボルンカップ前夜のシーンなどはもう少し時間を割いてもよかったのかなとも思う。
全体的には泣ける要素がいっぱいの感動ストーリー。
障害持ちの末弟と手を携えながら成長していく姿やリハビリ中の主人公が同様に故障がちの愛馬プリンスオブペンザンスに自分の姿を重ねながら共に復活の道を歩んでいくところなどは心揺さぶられる。
海辺を愛馬と共に疾走する場面などはとてもエモーショナルで印象的なシーン。
BGMも場面場面に上手くマッチしていて良かった。
ミッシェルの幼少期を演じた子役の子もめちゃくちゃ可愛かった。
実際のM.ペインからすると多少美化し過ぎな感もあるけど、鑑賞後には心洗われた気分になれる作品。
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