ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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率直な感想です
観終わったあとの率直な感想としては、世間の評価がそこまで高い理由がわからなかった。
人生という名の道を進むとき、年齢を重ね、立場が変わり、それによって感じ方や考え方が変わるなんてのはアタリマエのこと。だからこの話も「何を当然のこといってるんだー」と思いながら観てた。
昔、「女性は年齢とともに変化していくけど、男性はいつまでも子供なまま。子供の頃に大好きだった漫画のドラゴンボールは大人になってもずっと変わらず大好き」って聞いたことあるけど、そーゆー男女差みたいなものがこの感想に影響してるのかな?と感じた。
とゎいぇ、出演者みんないい仕事してたのは間違いない✨✨✨やはり北村有起哉さん好きだーーーー
奇跡的な二本のヤクザ映画
この映画と同時期に公開されている「すばらしき世界」は同じように、殺人を犯し服役した元ヤクザの厚生を描いている、その点では非常に似ている。主人公は両方とも血縁者がいない。それでも「すばらしき世界」では厚生を助けようとしてくれる周りの人々がいる。この映画では血縁ではないが擬似家族のような集団があり、孤独ではない。一時は厚生に向かうというのも両作共通している。
いい方向に向かいかけた時にネットの書き込みが全てを暗転させる、その点がすごくリアルで悲しい。「ヤクザの人権なんかとうの昔に無くなってる」と言う悪徳刑事の言葉が重い。一番の悪は誰なのか?と訊かれている感じがした。
何箇所かミスリードの場面があり、観ている人はびっくりするだろう。
二本のヤクザ映画が同時期に公開され両方とも傑作というのは奇跡に近いと思った。
新聞記者の監督と制作スタッフの再結集ということで期待して観ました。...
時代に取り残された悲哀。残された男の覚悟とは・・・。
【賛否両論チェック】
賛:移りゆく時代に翻弄されながらも、自らの生き方を貫き続けた主人公の姿が、非常に切なく映る。
否:ヤクザモノ特有のグロシーンが多く、ラブシーンもある。主人公達の生き様も、苦手な人が観ると嫌悪感があるだけかも。
まずPG-12のレーティングで、なおかつヤクザモノなので、グロシーンはかなり多く、ラブシーンもあるため、その辺の好き嫌いは分かれそうなところです。
“ヤクザ”という特殊な人生にあって、その栄枯盛衰の全てを経験した主人公・賢治。それでもなお、敢えて“仁義”を通そうともがき続けた彼の姿は、観ていて心揺さぶられるものがあります。演じる綾野剛さんの鬼気迫る演技は、まさに必見です。
ラストも非常に切なさが残りますが、役所広司さん主演の「すばらしき世界」にも共通するような、現代の闇の部分も垣間見えるような気もしてしまいます。
軽い気持ちで観られる作品ではありませんが、気になった方は是非。
凄い骨太
ヤクザにも人権があるのか?
観終わった後の余韻が何ともいえず良い
ヤクザを舞台装置にした作品。
テーマは「家族」。タイトルそのまんま。
ある一人の青年がヤクザになり、刑務所に入って出所後までを、「1999年 -> 2005年 -> 2019年」という3つの時代で描いている。まだほんの20年前なのに、かなり時代が変わったんだな、ということが映画を通して実感できる。
私はヤクザは必要悪だと思っている。
「義理」や「人情」は人が生きるためには必要な概念だとも思う。一時期のヤクザは、堅気の人に迷惑をかけないという矜持を持っていた。実際、地方都市で昔の(昭和な)銭湯とか行くと今でもたまにヤクザの人と一緒になることがあるが、別に普通に共存している。私はその世界に関わるつもりは全くないが、LGBTの人たち同様に、いわゆるマイノリティな人々と言える。
この映画で扱っている問題の本質は、実は「ヤクザ」問題ではないと思う。
主人公は出所した後でヤクザを抜けるがまともな仕事に就けない。これは「前科持ちの人間」が社会復帰できない問題の1形態なんだろうと思う。2019年の舞台装置は、例えば主人公がヤクザではなくただの人殺しだった場合でも同じことが起こっていただろう。つまり、マイノリティ問題だ。日本社会は、マイノリティに本当に冷たい。一度マジョリティから外れると二度と復帰できない。バブル後、余裕がなくなってから特に顕著になってきた。これは、2021年3月現在、役所広司主演の「すばらしき世界」という映画で扱っているテーマでもあるのかな?この映画観たら気になってきたので、来週あたり観に行こうかしら。。。
この映画ではSNSの炎上問題なども扱っている。
まぁ、実際にああいう感じになるだろう。主人公のパートナーである由香は仕事場を追われたが、辞めさせられたのではなく、自ら辞めるよう追い込まれたんだろう。日本社会の嫌な部分だ。明白なイジメではなく、空気で追い込む。娘も同じ。日本では特に「匿名性」を持ったSNSが陰険さを伴って気持ちの悪い力を持ってしまっている。こういったネットの陰険さに対抗するには、まさに「義理」や「人情」をベースにした家族や仲間、つまりリアルな人のつながりしかないと思う。
主演の綾野剛含めて、俳優の演技は素晴らしかった。
特に最後の翼と主人公の娘のあやのシーン。
娘と告げられたときの、翼(磯村勇斗)の何とも言えない表情が忘れられない。何かが次の世代に引き継がれたというか・・昭和的なヤクザは今後復権することはないんだろうけど、新しい時代の若者たちが形作る「未来(新しい世界)」を予感させる終わり方だった。
日本映画は普段観ないけど、この作品は本当に良い余韻だった。
「平凡」は悪いことではなく、実は一番幸せなこと、ということを実感させてくれた気がする。ただし、「義理」や「人情」を忘れ、法というシステムに従うだけのロボットにさえならなければ。
時代に合わず、切り捨てられていくものの切なさ
苦しい物語だった。ヤクザや暴力を肯定することはできないけど、若い頃の主人公の心を救ったのは確かだし、イケイケだった頃の姿を見ているからこそ、14年後の没落ぶりが本当に切ない…。
ヤクザだから、自業自得と言ってしまえばそれまでだけど、足を洗いたくても、まともな職業につくこともできず、身動きがとれない。ヤクザに限らず、古いものは時代とともにどんどん変わっていかないといけなくて、その入れ替わりの過程には多かれ少なかれ泣く人がいて、こういう残酷な物語がある。それは普遍的で、切ないものだなと思った。
日本全般に感じる話
良い出来。
これが本来あるべきヤクザ映画なんじゃないか
主題歌が泣ける
タイトルから想像していた内容と少し違っていて、時代の流れによるヤクザの凋落も描かれていた。それを、懲役上がりの綾野剛が浦島太郎的な感じでよく表現していた。ビジュアル、表情、佇まいで若いイキっていた頃から、落ち着いて一人の人間として生きていこうと決断した30代までを、素晴らしく表現していた。
主題歌が本当に素晴らしく、最後の娘のセリフからエンドロール終わるまで涙が止まらなかった。常田さんはこの映画をどこまで見てこの曲を書いたのか。即、MVを見返したくなった。
けんじは、さまざまな愛に触れながら幸せな最期を迎えたのだと思う。そう思わせるエンディング(MV含め)でよかった。主題歌聴きに行くだけでも価値ある作品。
何か物足りない。藤井道人監督のジャーナリスティックな作風は『新聞記者』の様な題材には合うが、今回のような題材には合わないのではないか。それに話の展開もキャラクターも類型的で新味がない。
①元ヤクザってみんな映画では最後には死ななくちゃならないの?やって来たことの報いか?それでは作中の悪徳刑事の台詞「ヤクザに人権なんかないんだよ。自分がやって来たことを良く考えろよ。」を肯定してない?②『ヤクザと家族』という題名から所謂ヤクザ映画を連想したらダメだね。これはヤクザ映画ではないわ。ヤクザという社会を外から見た映画だね。だからヤクザやその社会の描きかたが類型的。③日本の任侠映画やヤクザ映画がどうしても日本的な湿っぽさ・情感を湛えているのに対して、この映画は乾いた目で日本社会の中でのヤクザ社会の変転を描こうとしている。それはそれで悪くない視点だが、もっと徹底して描くべきだったのではないか。舘ひろしの親分が良いキャラクター過ぎ。まだヤクザに仁義や人情が求められていた世代の代表としたのかも知れないが、ちょっと現実離れ過ぎ。もしかして舘ひろしに遠慮した?③考えてみたら、綾野剛と尾野真千子との組み合わせって『カーネーション』で朝ドラ始まって以来の不倫カップルを演じて朝ドラに一石を投じた二人でしたね。あの時の尾野真千子の台詞「かなんなぁ」は関西人+道ならない恋に落ちた人間でないとわからない名台詞だったけれど、この映画ではそれに匹敵する良い台詞は無かったね。④綾野剛は元々良い役者ではあったが更に良い役者となった。ある意味映画の中では記号でしかない役(それだけ何処かで見た役の寄せ集め)を見事に地肉化にしたのは綾野剛の手柄。長い付き合いの弟分が組長襲撃に巻き込まれて絶命しているのを見つけるシーンのアッブは実に上手い。それだけに社会に居場所の無くなったヤクザを待つ残酷な現実を彼にばかり集中させたのは劇的効果を盛り上げるよりスケープゴートみたいな扱い。⑤海に沈んでいく綾野剛を撮る幻影的なカットはこういう映画にはそぐわない。だから中途半端。ヤクザ社会を客観的に描く映画にしては所々情緒に片寄りすぎている点(ラスト、翼と綾野剛の娘との邂逅とか)も映画の焦点をぼやかしている。劇中のヤクザ達やチンピラ達がどすを聞かせたり罵倒したり暴れるシーンはいずれかも何かのヤクザ映画で嫌と言うほどみてきた借り物っぽくて既視感満載。というわけで、どうもピースが上手く適所にはまっているとは言えず最後映画的カタルシスが味わえない。だから物足りない。
おまけ映像無し
ヤクザ映画ではない。
組を抜けなさい・・・
ただし5年間は社会に受け入れません・・・
この矛盾君はどう考えるか?
と問われた気分です。
残念なのは、この監督さん新聞記者でもそうだったけど公務員を腐らせ過ぎ😅
こんな刑事絶対いないだろってなるし、悪い刑事に描く意味がわからない。
刑事こそ、この矛盾に葛藤できる立場なのに・・・見守ってたチンピラが更生の道を歩む中、社会の壁に阻まれての結末に無力感を感じるラスト・・・
ぐらいじゃだめだったんですかね😅
ヤクザキメラ
『ヤクザは生きづらい世の中になった』
ひたすらこれに尽きる映画
というか、無骨で不器用な山本(綾野剛)を見せたいだけの映像にも思える本作。
これでもかってくらい押し付けてくるので、
山本を取り巻く人々の感情の描かれ方が唐突で雑です。
端折ってるだけなのか、そもそもどうでもいいと思われてるのか、どっちにしろご都合主義すぎて不可解。
スカスカなので、人によってはしたいように共感できるんではないでしょうか。
ヤクザ的な暴力や抗争は風味付程度、
ラブロマンスはお飾り、
家族愛は記号的です。
冒頭とラストのカットがシェイプオブウォーター
普通に暮らしたかったよと、唐突に心情吐露が始まる点描シーンはmother
オマージュなのか、考えすぎかは分かりませんが…
脚本も演出もツギハギみたいだなあという印象でした。
また少し、邦画を観るハードルが上がってしまった…
綾野剛を生かし切った!!
三つの時代をバランスよく描いたおかげで、時代に取り残されていく繊細な乱暴者の哀しみが胸にくる。
こういう理不尽に巻き込まれる乱暴な根は優しい男をやらせたら、綾野剛は天下一品ですね。当て書きか?と思うほど、良かった。
(そういう点では磯村勇斗も、ベビーフェイスの危ない半グレは、適役)(しかも悲しい連鎖を引き受けてしまうという、時代は変わっても変わらない繋がりが示されるラストは泣かされる。)
「新聞記者」ではやや鼻白んだ女性観も、こういう古い時代の男たちを描くにはすごくはまってた。立派なオカン2人のおかげで、男たちは押しとどまれるのだということだったのかな。
年を取ってやり直しがきかなくなっている身にはぐっとくる映画。良かった
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