恋する寄生虫

劇場公開日:

恋する寄生虫

解説

潔癖症に苦しむ孤独な青年と視線恐怖症の不登校女子高生のはかない恋愛を描いた三秋縋の同名小説を原案に、林遣都と小松菜奈で描くラブストーリー。極度の潔癖症から誰とも人間関係を築くことができず孤独に生きる青年・高坂賢吾は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙ひじりの面倒を見ることになった。露悪的な佐薙の態度に閉口する高坂だったが、その言動や行動が自分自身の弱さを隠すためだと気づき、彼女に共感を抱くようになる。2人はクリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリをスタートさせる。次第に惹かれ合った2人は初めての恋に落ちていくが……。高坂役を林、佐薙役を小松がそれぞれ演じる。映画、CM、MVなど数多くの映像作品を手がける映像作家の柿本ケンサクがメガホンをとった。

2021年製作/99分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2021年11月12日

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(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会

映画レビュー

4.0SF的な設定をオーソドックスな映像表現に落とし込んだ好作

2021年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

萌える

アリに寄生して行動を支配する菌の存在はそれなりに知られているが、本作の設定はそうした自然界の実例にヒントを得たのだろう。“恋する寄生虫”とは、寄生虫が恋をするのではなくて、人に寄生して、宿主に恋をさせる虫のこと。SF的な設定の世界観であり、実際に寄生虫の造形や動きを映像化してもいる(キャメロン監督の「アバター」や、アシュレイ・ジャッド主演の「バグ」を想起させる)のだが、あくまでも部分的に挿入されるにとどまっている。CMやMVを多数手がけてきた柿本ケンサク監督なので、もっと“とがった”映像表現でSF要素を強調することもできたはずだが、全体としては奇をてらうことなく、オーソドックスな画作りに徹していることに好感を持った。

小松菜奈が視線恐怖症の高校生役で、舞台挨拶で自虐的なコメントもしていたようだが、それほど違和感を覚えないのは、おそらく「渇き。」(2014)で映画ファンに知られるようになってからルックスがあまり変わっていないことも要因だろう。

本作にとってタイミング的に不運だったのは、極度の潔癖症ゆえ四六時中マスクを着用しているという林遣都が演じる青年の設定が、このコロナ禍でマスク顔が“ノーマル”になってしまったために、作り手が意図したであろう極端さを強調する効果が半減してしまった点。あと何年後かに、マスクなしで外出できる日常が戻ってから本作を見直したら、また印象が違うのかもしれない。

「若者の恋愛物」というカテゴリーでくくると、欠落感を抱えた男女が出会い、孤独を埋めるかのように互いに惹かれあうという筋は、SF的設定をのぞけば目新しさはあまりないものの、映像と音楽を丁寧に組み合わせて構築された世界に浸ることができる99分だ。

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高森 郁哉

3.0トキソプラズマに感染すると猫好きになる…

2024年5月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWの放送にて。

前半は気持ち悪い。
後半は美しい。

フタゴムシを蝶のようなイラストにしたのは、目黒寄生虫館のグッズが最初なのかと思うのだが、寄生虫なのでそんな可愛い姿ではない。ツガイ(といっても雌雄同体)が合体して一体化し、引き離すと死んでしまうことから、ロマンティックに生涯一夫一婦制だと例えられる。
この物語は、そんなフタゴムシをキーアイテムの一つにしている。

タイトルの”寄生虫“は何かを象徴しているのか隠喩なのかだと思っていたので、本当に脳に宿っているムシだとは、驚いた。
社会に適応できない疾患の7割は脳に宿るこの寄生虫によるものだというSFチックな設定で、小松菜奈と林遣都は二人とも寄生虫に侵されている。
難病もののラブストーリーに分類するとすれば、恋人同士がどちらも病に侵されているという、異色の設定だ。
寄生虫は宿主の脳を操って別の宿主と接近させる。宿主どうしが接触すると寄生虫は宿主の中に卵を生み宿主を食い荒らす。やがて宿主は自殺に追い込まれるという。
恋に落ちた二人はキスやセックスをすることができない。そもそも、それが本物の恋なのか、寄生虫に操られただけなのかという葛藤が生じる、ある意味究極のラブストーリーなのだ。

寄生虫の治療に関する設定は説得力に欠けているし、小松菜奈の祖父であり医師の石橋凌と助手(?)の井浦新のキャラクターがいかにも作り物臭い。彼らの医療施設や林遣都の住まいなどの美術も昭和ヒーローもののリメイク作品のようだ。
だが、小松菜奈のルックスと佇まいとでもいえる個性が、こういう不可思議なキャラクターにハマっている。
自分の心に芽生えたものは何か、と小松菜奈が泣き叫ぶ。
ムシを取り除く手術によって、その気持ちや記憶が消えてしまう恐怖と、二人が結ばれることは死を意味するという悲劇。
林遣都は、僕らはフタゴムシだと言って彼女を受け止める。
究極のラブストーリーとして胸を打つ場面だ。

映画は美しいラブシーンで終わる。

原作小説もコミカライズ作品も未読だが、変な話…だとは思う。

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kazz

3.0☆☆☆★ 「虫は頭の中に居るんだよ!、、、、、」 原作読了済み。簡...

2024年3月19日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★

「虫は頭の中に居るんだよ!、、、、、」

原作読了済み。簡単に。

不思議な原作でした。「こんな事があるのか?」と、読みながら思いました。
一応は、科学的な考察に基づいているみたいなのですが、、、

原作では始めにフタゴムシの生態を説明していた。
フタゴムシは、互いに結合し合いながら一生を過ごしやがて死んでゆく。
だから同じ虫を宿す男女は、やがて惹かれ合う様に出会い結合する事で、いずれは心中するかの様に一緒に死んでゆく。

フタゴムシの様に出会った主人公とヒロインは、次第に惹かれ合いやがては一緒に…
そんな、にわかには信じ難い内容でした。
確かに人類には数多くの寄生虫は存在している。命を落とす危険な寄生虫として有名なエキノコックス等は特に有名。

流石に潔癖症の人であり、強迫観念の強い全ての人が、頭の中に虫を宿している…とは思いませんが。以前テレビを見ていた時。匂いに関する研究をしている人が登場し、人間の匂いには数多くの種類が存在するらしいのですが。多くのカップルのアンケートから、(だった筈ですが、実はその辺りの記憶はちょっと曖昧で💧)
恋愛・結婚期間の長いカップルほど、お互いの匂いにはそれぞれ重複しない匂いが多い。つまりはお互いの足らない匂いを持ち合わせ。恋愛・結婚期間の短いカップルほど、お互いの匂いに重複する匂いの数が多いのだとか。

但し、こちらが原作を読んでいたからなんですが。映像化された画面を観ながら、「これ、、、原作を読んでいない人には今ひとつわかり難いのでは?説明が不足してはいないか」…と。
そんな事を思ってしまう場面が多かった気がしする作品でした。

主人公が仕掛けたクリスマスウイルス。
原作だと、クリスマスイブに渋谷で待ち合わせる多くのカップル。
そんなカップル達のスマートフォンが。ウイルスに侵されてしまい、恋する同士はパニックになりどうしてもクリスマスに出会えない。
それが映像化では《恋するスパーク現象》に変えていたのはちょっと苦笑。

でも…

「虫は頭の中に居るんだよ!でも、ここ(胸)に居るのは何?」

泣きながら叫ぶ小松菜奈の姿が、この作品の中では1番のハイライトでした。

2021年11月13日 TOHOシネマズ錦糸町楽天地/スクリーン10

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松井の天井直撃ホームラン

4.5奇抜なのに奇抜ではない普通のロマンスなところがいい

2023年11月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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つとみ