誰がハマーショルドを殺したか

劇場公開日:

誰がハマーショルドを殺したか

解説

1961年に起こった国連チャーター機墜落事故の真相に迫るドキュメンタリー。1961年9月、当時の国連事務総長ダグ・ハマーショルドはコンゴ動乱の停戦調停のため、チャーター機でコンゴへと向かった。しかし、ローデシア(現ザンビア)の上空でチャーター機は墜落事故を起こし、ハマーショルドを含むすべての乗員が死亡。この事故は暗殺説もありながら、くわしい調査が行われないまま原因不明の事故として処理された。これが墜落事故ではなく、ハマーショルドの命を狙った暗殺事件であったことを匂わす資料を発見したデンマーク人ジャーナリストで監督のマッツ・ブリュガ―と調査員のヨーラン・ビョークダールは、謎の解明のためアフリカ、ヨーロッパ各地へ飛ぶ。しかし、当時の関係者たちは誰もが事故について語ろうとはしなかった。そんな中、彼らはハマーショルド暗殺事件にとどまらない、秘密の組織による想像を絶する「ある絶滅計画」に遭遇する。

2019年製作/123分/G/デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・ベルギー合作
原題または英題:Cold Case Hammarskjold
配給:アンプラグド
劇場公開日:2020年7月18日

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(C)2019 Wingman Media ApS, Piraya Film AS and Laika Film & Television AB

映画レビュー

4.0♠のACE

2024年12月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

国連事務総長のハマーショルド氏の死は事故だったのか暗殺だったのか
この前ケネディ大統領のドキュメンタリー見た時に少し言及されてて驚いた やっとAmazonプライムビデオで鑑賞 でもケネディ大統領よりも前の話
都市伝説みたいな狐につままれたみたいな話で鵜呑みは危険だけど辻褄は合っているような気はした えっそしたらコロナは?世界にはKKKのような組織が暗躍しているのかも?信じるか信じないかは貴方次第 なぜか要人には飛行機事故死が多い
コヤスタ、関暁夫シリーズ好きには刺さりました

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ゆう

3.5不思議な結末

2023年7月5日
Androidアプリから投稿

最初はマジメなドキュメンタリーなんだろうなと見始めて、でも監督の容姿がちょっとコミカルだし、広大な土地に埋められた飛行機を掘り出そうというのにスコップしかもってなかったり、探検家みたいな帽子を用意したり、あれ?これもしかしてモキュメンタリー?と思い始めて、最後の方よくしゃべる元サイマー隊員が出てきたあたりでかなり疑わしく、お姉さんを暗殺された弟のインタビューがやけに芝居がかってて、これは確定だわ、でもなかなか面白かったぞと映画を見終わり、でもまだ気になったので調べてみたらナントホントのドキュメンタリーでした。えー!人的なエイズ感染とかとんでもニュースじゃないの?何だかまだキツネにつままれたような不思議な映画でしたよ。

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三毛猫泣太郎

3.5興味深く観たがあまりドキュメンタリーっぽくは無いな。

2023年6月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興味深く観たがあまりドキュメンタリーっぽくは無いな。

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Mr. Planty

3.5明らかにしていこうという執念、大きすぎる真実?

2021年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1961年に、国連事務総長のハマーショルド氏が、飛行機の墜落事故で死んだ原因不明の事件の真相を追って、ずっと追求してきたヨーラン・ビョークダール氏といっしょに、マッツ・ブリュガー監督がアフリカ、ヨーロッパの各地を飛び回る話。

観ればわかるが、監督の中で結論は出ている。しかし、映画の冒頭で 「本作は、国際的な殺人事件なのか、あきれた陰謀説なのか。後者だったら謝ります」 とわざわざ宣言しているのは、なぜか。おそらく、たどりついた結論が、あまりにも大きすぎて、最後の証言者の証言を受け入れれば、すべての辻褄はあうのだけれど、監督本人にしても、それが事実だと100%信じることができないという状況を示しているのだろう。

これから観る人は、(映画内で説明はされるが)ハマーショルド事件を知っていた方が圧倒的にわかりやすいので、簡単に紹介しておきます。
ダグ・ハマーショルド:第2代国連事務総長(任期:1953年4月 - 1961年9月)。在任中に死去した唯一の国連事務総長。
1960年、ベルギーの植民地から独立を果たしたコンゴ共和国は、内乱であるコンゴ動乱の沈静化の援助を国連に求めた。9月、ソ連は、国連軍を編成するとした国連決議に賛成する一方で、政権への支援が不十分とハマーショルドの国連事務総長の辞任を要求した。翌61年9月17日夜、コンゴ動乱の停戦調停に赴く途上で、搭乗機が現在のザンビアのンドラで墜落し、ハマーショルドも事故死した。
撃墜説や暗殺説が広まったが、機内にブラックボックスが搭載されていなかった時代で、事故に至る経緯は事故後の推定と調査に依存する他なく、調査では被弾や爆発の痕跡は一切発見されなかった。
しかし2013年に調査委員会が設置され、2017年公表の調査報告書は、外部からの攻撃や脅威が原因である可能性を示唆した。(以上、Wikipedia から)

本作で真相を追い続けたインタビューの中で、ベルギー人傭兵の戦闘機パイロット(2007年没)が命令されて撃墜したことを証言している。ハマーショルドの墜落死は、旅客機が撃墜された結果だという証言にはたどり着いている。
豊富な地下資源を有するカタンガ州は、1960年にコンゴからの分離独立をめざし内戦を繰り広げた。その際に、ベルギーの巨大鉱山会社が、カタンガの支配層を作り上げ、傭兵を呼び込んだとしている。国連軍はカタンガの傭兵を抑え込もうとしたがうまくいかず、鉱山会社と傭兵に守られたとしている。(最終的には、1963年に独立を断念)

一方、証言の中にたびたび現れる南アフリカ海洋研究所サイマー(SAIMR)。その実情は、5000人以上を抱える、英国主導で作られたと思われる諜報活動・破壊活動の拠点。統率していたのはマクスウェルという常に白衣を着ている白人。彼に会えば、誰もがかしこまるというカリスマ性。しかし、ウマがあわない人間は必ず消す男。エイズワクチンを悪用して、黒人撲滅をめざしてエイズワクチンに細工をして、ワクチンを打つふりをして逆に黒人にエイズを蔓延させようとしたという作戦。サイマーで働いていて、その内情を伝えようとしたために殺されたダクマーという名の女性。

たしかにハマーショルドの話と、サイマーの陰謀は直結している。しかし知りえたサイマーの陰謀はより巨大すぎて、確実にドキュメンタリーと言えるまでの証拠が揃っていない。「証言者が頭の中で勝手に作りあげた陰謀論だ」 と言われても確実に反論できるところまでいっていない。監督自身が 「真実だと思うか?それとも陰謀説だと思うか?」 と観客に聞きたくなる気持ちもわかる。あまたの証言から、サイマーと言う集団の存在は明らかだが、行ったと言われることのひとつひとつにしっかりした証拠があるわけではない。これでは、フィクションの域を出ない。しかし、ここまでつかんだことを、映画監督として公開しないわけにはいかない。伝えたいが、絶対的な証拠をつかんでいるわけではなく、証言の積み重ねのみ。そのジレンマが、冒頭の 「本作は、国際的な殺人事件なのか、あきれた陰謀説なのか。後者だったら謝ります」 という宣言になったのだと思える。

それでも伝えようと公開した理由は、最終11章で聞ける監督のモノローグだろう。「ダイヤや金が出るアフリカを自由にしたい白人。アフリカを自由にしようとするハマーショルド。そして彼は殺された。白人にとっての脅威だから。いなくなって得するのは世界のビジネス。ハマーショルドがいれば、アフリカは30~40年前に、闘い始めていだろう」 という思い。この思いが、本作を公開にふみきらせたのだと思う。

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CB