サンダーロードのレビュー・感想・評価
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男が作った男を泣かせるためのハートフルコメディ
ブルース・スプリングスティーンの Thunder Road の歌自体は流れない、けど、
最後
フィドルが効いた哀愁のある曲がしっとりと流れる。
瞼が熱くなってしまった。
ばか野郎、泣かすんじゃないよ。
最後はまたあのダンスが流れる。
教会の葬儀でのひとりダンスの妙なストイックさはイーサン・ホークの「魂のゆくえ」のストイックさに通じる何かを感じた。影響されたのかもしれない。
愛すべき不器用な男の奮闘モノ。
失読症のエピソードや妹の壊述もジンときた。刑事ではなく、町のお巡りさんなのがいい。
娘のクリスタルも父親に似て、学校でなにかとやらかす。
担任教師との面談もむちゃくちゃだが、担任が一瞬のスキを逃さずにズボンの尻ポケットに子供がつかうハサミをそっと忍ばせるシーンなど、細かいネタも良かった。
それは私の遺伝です。
身につまされる。
悲哀と共に溢れ出る娘への愛情。
なんか懐かしい感じ。なんだ。この映画。
一生懸命やってきたんだよ。
わかる、わかるよ。
そう自分を責めるなって。
と言ってあげたい。
池中玄太80キロ
パパと呼ばないで
のような懐かしさ
どっちも子役は杉田かおるじゃんか
でも、こっちは全然子役頼みではなかった。とても可愛いかったけど。
ある程度歳を重ねた男はみんな観るべし。この監督/主演好きになった。
予習して望んだが
ビジュアルだけでバッファロー66とイメージが重なっていたが、うまく行かない境遇と母性愛に飢えた男の物語。あながち間違ってもいない感触だ。
突発的な行動と言動は側から見るとシュールで面白おかしく、ちょっと哀愁を感じた。
予習もむなしく名曲は劇中で聴けなかったが、元ネタの短編は正に想像していたそれだった。
思いが凝縮されたインパクトが凄い短編、おかげでサンダーロードがしばらく鳴り止まなかった。
タイトルなし
あぁ、いとおしやジム・カミングス
先々週の土曜日に鑑賞
上映館が少いことや映画館に行けなかったこともあり、予告を観る機会が無かったので、どんなお話しなのか楽しみにしていた作品。
結論から先にいうと
ジムカミングスの魅力に魅了されまくった
92分間でした。
主人公のジムの悲喜こもごもなあれこれに
共感出来たり出来なかったり
バディの家族との食卓もあ~ぁやっちまったなぁって感じだし
署の前でのバディとのやりとりもあぁぁ、、 (アレが破れて一瞬笑ってもうたし、
勢いで放っちまう「What!!!!!」ってとこほんと好きだけど)
それでも情緒不安定で周りとはちょっとズレた感の彼が憎めなくて、、
観尽くしてきた感のあるテーマばかりだけれども、手遊びや机のくだりにちょっと泣けて笑えて、、
あぁこれぞ人生よなと。
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のように哀愁が漂う作品でございました。
監督、脚本、主演、編集、音楽を担当した
ジム・カミングス。
次の作品はどんな角度で見せてくれるのか
大いに楽しみです。
曲が流れない
母親の葬式でThunder Roadをかけながら踊る映画って聞いたら、ボス好きだったおじさんとしては観たくなる!
で、その葬式のダンスシーンから始まるのだが、ラジカセの調子が悪く無音のまま踊っててThunder Roadは流れない。なんだそりゃ!?
本作を観終わった後、原案となっている短編を観たのだが、そこではキチンと曲に合わせて主人公が歌い踊っていた。なぜ長編にしたときに曲を流さなかったのだろう。めっちゃ気になる!このシーンは短編の方が断然いいのに。
さて、葬式後に日常が戻るのだが、この主人公がめちゃくちゃ生きづらさを抱えていた。母の死後の処理、娘との手遊び、同僚や上司との関係、パトロール中の女子高校生への接し方。マジメなんだけど不器用な彼を見て、笑えなくなっていく自分がいた(葬式のシーンでは少し笑ってしまうところもあったのに)。
コメディとも思えないし、ハートウォーミングな話でもない。本当に妙な話。絶賛なんかできないけど、嫌いにもなれない。
ただし、ボス好きおじさんの思いは不完全燃焼。公開をひかえているBlinded By The Lighit(カセットテープダイアリーズ)に持ち越すことにする。
哀しき男の生き様
イマイチピンときてないけど、まぁまぁな感じ
まっとうな人にも見えるのに、ちょこちょことやらかす
葬儀のシーンはそこまで違和感を感じなかったり
踊り出すところも、なんとなく理解できた
パッと見たところ普通の人なのに、なんやかやと不幸が舞い込む
夫婦のこと、友だちのこと、子どものこと、なんとかしようと足掻いても思うようにいかないのが、見てて辛くもありもどかしい
何かの歯車がちょっと狂ってるんだろうな
男の人なら何か共感できたりするのでは?
腹立ちも、やるせなさも、対岸の、、という感じで傍観者でした
それでも彼の生き様を支持する
アメリカの新鋭、ジム・カミングスが監督、脚本、そして主演を務める「サンダーロード」は、不器用な男の生き様を誠実に描いた映画である。主人公の性格も映画のストーリーも単純であるが、彼の言動には執拗でエキセントリックなところがあり、評価が分かれると思う。
映画のタイトルはブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」に由来する。冒頭のシーンは母親の葬儀であり、彼が持ち込んだ場違いな子供用のラジカセは故障して動かず、母親の好きだったこの曲が流されることもない。何という皮肉。
それでも、主人公はいつでも何に対しても真っ当に生きようとしている。その姿勢だけは変わらない。それは警官としての仕事に対しても、離婚調停で親権を争う一人娘に対しても。しかし、多分に独善的であるため、やる事なす事全てが空回りする。裏目に出てしまう。
彼は思うようにいかない境遇に対して、周囲に怒りをぶちまける。真っ当に生きているのに不当な扱いばかり受けるのだから、彼にとっては至極当然である。その様子は観客の感情移入が難しくなるくらい。痛々しさを通り越して、もはやコミカルである。
しかし、誇張されてはいるものの、彼の人生はやはり真っ当なのである。彼の生きるモチベーションは親権を奪われた一人娘にあり、ぎこちないコミュニケーションの数々がいじらしい。彼の生き様を支持する。それだけに映画の最後、妻との決着の仕方を残念に思う。妻とはきちんと別れるべきだった。人生は不当なもので、まさに「サンダーロード」だけれど、それでも生きていく価値はあるのだから。
アメリカの愛しき不器用さん
観終わった後、何だか「パンチドランクラブ」の観賞後の余韻と似てるなって、嬉しくなった。
不器用で善良なのに空回りの主人公が時に可笑しく、時に痛々しく、時にブチ切れしてクソッタレで、愛しくて。
本作の出だしと心にじわり温かいラストがループさせる終息感が心地良くて、ちょっと感動。
人生における苦しみや哀しみの描写や展開のテンポが重過ぎなくて、ちょうど良い塩梅な、
愛しき映画でした。
正しい1針
離婚協議中の嫁に娘の親権問題と、母親の死で動揺する、失読症を持つ情緒不安定な警察官の話。
母親の葬儀のスピーチで上手く語れない上に、キティちゃんの故障で段取り通り進まず無音で踊り出すところから始まり、障碍も!?と思わせる主人公。
直情的で恐ろしさも感じながらも、本当は優しいし、親バカな主人公が上手く立ち回れずキレてしまったり、パニック染みてしまったりする中で、派手な嫁の無茶な要求に向き合わなければならなくなり、追い詰められていく様子が痛々しい。
この流れからの落とし方は、とことんまで!?それともすがりつき許容されるのか悟るのか?
自分には思いもしなかった展開で、良い意味でやられた感じ。友達も良いし上手いね。
かなりしっとり、重さと哀しさを感じるストーリーなのに、what′s!?(笑)なネタもあったりして、面白かったし、踊らされた気分にされた。
フィートやポンドで説明されてもよく分からない
私には、最後までピンとこないままでした。
アメリカ社会のひずみのようなものについての理解がベースにないと、主人公の痛みが体感的に共有できない作品のように感じました。
身長や体重をフィートやインチやポンドで言われてもよく分からないのと同じようなものかもしれません。
プライベートフィルム
監督脚本主役のプライベートフィルムですね。
感情移入して共感できるか否かで評価は極端にかわります、
私はかなり微妙でした。
最初からずっと痛いシーンが続きますがラストだけが救いでした。
オススメはしにくい作品。
ワニにも勝てるアメリカ郊外の哀愁。本作の邦題も曲に合わせて"涙のサ...
ワニにも勝てるアメリカ郊外の哀愁。本作の邦題も曲に合わせて"涙のサンダーロード"にしても良かったくらい。に、主人公ジムがよく泣く…が、それも至極まっとうなシチュエーションで、例えば同じくアメリカ郊外の作品を得意とするコーエン兄弟の作品なんかみたいに不条理にずるずると短期間で悪い方向へと転がる。それも主人公はなんら悪くないのに。深刻なドラマと思わず笑ってしまうコメディのバランスが絶妙で、例えばその場の全体像を収めるというよりも会話の一方だけを捉えて、それに対する相手側の反応を全く撮らない演出・撮影も相俟って、ぐいぐいと惹き込まれた。観客も当事者にしてしまうように思わず共感せずにはいられない秀作。随所に機知に富んだセンスと深い洞察と同情にも似た優しい眼差しが見られる。監督・脚本・主演ジム・カミングスの才能には本当に驚かされるものがある。
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