護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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骨太で社会派な作品。
貧困問題、生活保護受給、東北の震災、震災によって家族を亡くし養子に出された、重いテーマがのしかかるが、それをどっしりどの俳優さんも受けとめ演じている。
今の法律や制度の問題を真正面から切り込んでいる。ちょっとでも助けがありそうな道筋があれば受給はさせない、本人の意思による申請、など。
制度はどこかで線引きをしないとなぁなぁになってしまい、担当者や自治体による差が生まれかねない。でも、スパッと切るだけがこの制度ではなく、本当に必要な人に届けるための制度であることを再確認できた。
婚姻や誰の子なのか、も法律によって苦しんでいる人がいるという。それも制度としてスパッと切るのではなく、客観的な視点を持ちつつも誰のための制度なのかをいうことを忘れてはいけない。
題名の意味が深い
二人の男が殺された。
二人は昔生活保護の業務をしていることが分かった
その時生活保護を受けれなかったおばあちゃんがいた。
おばあちゃんは震災で生活が苦しなっていたが、震災で二人の男女と知り合いになった。
警察は二人の男女のことを調べて、男を捕まえたが、おばあちゃんの生活保護のことでもう一人関わっていることが分かって、その人物は行方不明になっていた。
男をそのことを知っていて本当の犯人を説得したという内容だった。
本当の犯人が最後になるまでわからなく、驚きました。
題名の「護られなかった者たちへ」ってとても深い意味のある言葉だなと作品を観て思いました。
生活保護を受ける側と受けさせる側の両方の大変さがみれた作品でした。
パンの配給所へのダッシュの仕方がまんまるろ剣(笑)
豪華俳優がバンバン出る商業主義的日本映画の監督の中でほぼ唯一の良心みたいな人。
揚げ足を取ろうと思えばいくらかあるけど、悪い意味でのモヤモヤが残る原作から上手に設定を改変し、少なくとも原作を越えた出来だ。
役所側から見れば、「弱者老人を食い物にしてるチンピラ(ようは千原せいじ側の人間)」にしか見えない以上、受給を辞退させたのはむしろ親切なんだよな。
この誤解がそもそもの悲劇で、役所側の人物もけして悪人でもなければ冷徹なマニュアルマンですらないんだよね。
(辞退に進展する前に誤解を解く機会が本当になかったのかってのは映画的な欺瞞ではあるんだが)
けいさんは、なぜ護られなかったのか?震災の爪痕と傷ついた人々がクッキリと浮かぶ秀作
2021年。原作:中山七里。監督:瀬々敬久。
映画の舞台は震災から9年後の仙台市。
凄惨な連続・餓死・殺人事件が起こる。
そして多忙を極める生活保護の申請・受給者の現場。
この2つを対比する事で、東日本大震災が人の心を如何に傷を与え、
困窮して頼る最後のセーフティネット《生活保護》、
その現場も、不正受給や申請却下そして申請取り消しで、荒んでいた。
生活保護の最前線で働く幹子(清原伽耶)・・・震災で母を亡くす
連続殺人事件を追う刑事・苫篠(阿部寛)・・・震災で妻と息子を亡くす
孤独な前科者・利根(佐藤健)・・・孤児だったが、震災で職場も住処も失う
本当に「護りたかったその人」が社会によって「護られなかった時」
生活保護システムの責任者に向かって行く。
そして善人・人格者と呼ばれる2人が生きたまま縛られて餓死して殺される。
映画は利根泰久、円山幹子、遠島けい、3人の避難所での出会いから、
交流そして困窮するけいの生活を回想の形で追って行く。
余りにも優しかったけいさん(倍賞美津子)
幹子が寒さに震える肩に掛けられた毛布。
泥水に顔を押し付けられて吠えてた利根泰久に、渡された乾いたタオル。
けいさん、幹子、泰久が3人で、家族のように囲んで食べた「あったかいうどん」
優しい人が護られなかった。
優しい人が無惨に見捨てられた。
東日本大震災で「罪なき善人」が1万6000名も亡くなりました。
「死んでいい人は誰もいない」と利根が言う。
生活保護。
国のお世話にならないとのプライド・・・世間に知れると恥ずかしい・・・
扶養照会と言う残酷・・・
困窮した誰もが受けるのが当たり前の権利。
偏見や差別や遠慮があってはならないです。
ラストの苫篠と利根の会話に、サプライズがあり、
利根と苫小篠が不思議な縁で繋がります。
この映画にあるのは「魂の慟哭」の記録でした。
過去鑑賞(2022/03/18)
いろいろ思うところはあるが演技力の勝ち
震災を軸にした重めのテーマ、豪華キャストも魅力です。
結末を知ってしまうとその犯行、あなた一人では
無理があるだろうとかいろいろ思うところはありますが
とにかく俳優陣の演技力で成立してる気がします。
芸達者の中、特に福祉職員役の瑛太の表面的には
善人の中にあるいやらしい黒さがチラッと垣間見える
演技が秀逸かと思いました。
公助の限界と声をあげる必要性
公助の限界。
やはり「公」だけど人間の雇用の現場である以上、疲労から悪巧みの本能が働いてしまうだろう。また、融通のきかない厳しい規則。
そこに公助の限界がある。
だからこそ、声をあげるべきだ。
人様や世間に迷惑がかかるから、といって躊躇うんじゃない。
人には生きる権利がある。生きてく上で限界な人を助けるための制度がある。
深い…。
かんちゃんとけいさんが利根に行ってらっしゃい、そして行ってきますと笑顔。あ〜、家族だなと。3人には幸せになって欲しいと願いたくなる。ただただ震災のお話だけではなく、そこに絡める殺人事件や生活保護の現状。色々考えさせられるが、ラストは護ろうとする人がいることに救われるかな。
黄色い上着がなんか悲しい。
生活保護
考えさせられる映画でした。
生活保護という制度は必要な人にとって最後の砦の様なものです。
だが、映画内で不正受給を疑われるシーンがありましたが、そういった者たちは徹底的に取り締まられなければいけません。
本来、護られなければいけない人が護られず、護られなくてもいい人が護られるなどといった事はあってはいけません。
また生活困窮外国人への支給は日本国が行う必要はなく困窮者の自国で行うべきです。
特に外国人は不正受給の割合が多いと聞きます。
外国人に生活保護を支給しているのは世界中で日本だけです。
生活困窮外国人は自分の国にお帰り頂いて、国は本来護られるべき日本人をしっかり護って頂きたい!と考えた次第です。
2本立て2本目。これまたなかなかすごい映画。今日の2本は大当たり。...
2本立て2本目。これまたなかなかすごい映画。今日の2本は大当たり。
またまた震災お涙頂戴ものかと思ったら、そこに生活保護受給問題を絡めてきたか。悪いと思われる人が、実はそう簡単なものではないというところが深かった。
犯人は途中でなんとなく。ちょっと無理筋じゃあ?と思ったが、そこに応えてくれる映像もあります。そして犯人のメッセージが染みる。
私的にはラストシーンはやや蛇足感。そこまでくるとちょっとやりすぎかな。でもそこもよく考えられています。
映画ならではの豪華キャストも見応えありました。
佐藤健とドラゴン桜の髪型を比較する作品
震災・生活保護・疑似家族の絆と泣かせるテーマを
ふんだんに盛り込み心が震えるでしょう
さあ泣きなさいと押し付けられている気がして
ちょっと途中で白けてしまった
無理に殺人事件としないで震災後の疑似家族の絆にテーマを絞り
施設で育った落ちこぼれの佐藤健が大学受験を目指し
阿部寛がドラゴン桜となって合格させるという方が何倍も面白かったのではと少し思ってしまう
殺人事件としてはあまりにも稚拙で原作者を知っている人なら
未読でもタケルサトーが犯人ではないと一発で分かりそこも冷める
そして任侠映画の極道のような声を振り絞るのは
彼のファンは喜ぶと思うがそれ以外は興醒めをする
肝心の事件についてだが
か弱い女性であるカンちゃんがスタンガンという武器で
生活保護担当者をバッタバッタと殺害していくのは
いくら何でも無理がある
憶測だが事件現場まで役所の車を使い
トランクから大人の男を持ち運ぶのは
女性が一人でするのは体力的に不可能に近い
仮に出来たとしても髪などが現場に落ちる可能性があるので
まともな犯人ならそんなミスはしない
最低でも髪を縛って帽子をかぶるぐらいはさせるべき
それでも現場検証で発覚できない警察は相当間抜けだ
何よりも警察が防犯カメラや役所車を調べないのは
杜撰以外の何ものでもなくいくら作品とはいえちょっと無理がある
これだけ公務員が亡くなればまずは同じ職場の者を疑うのが基本だろう
クライマックスとなるカンちゃんの北の国殺害未遂現場だが
途中からタケルサトーの手錠がなぜか外され
ドラゴンは何もせずに延々と美しき兄妹愛をサポートする始末だ
終始事件現場や聞き込みで思わせぶりな態度をして
名刑事を演じてきたドラゴンだがまったくのポンコツぶりが露呈され
ちょっと情けない
本格ミステリーを謳っていないならこれらがあっても特に気にしないが
一応は名作的な扱いなのだからそれならきちんと作品を作って欲しい
最後に言いたいのは震災という重いテーマを扱う割には
全体的に細部が軽く甘い
男性2人は不老不死のように震災から10年が経過しているのに
外見の変化は一切なくカンちゃんだけが大人になり殺人を覚えてしまった
理由や動機はともかくあんなに残酷に人を殺しておきながら
警察と一緒になっても表情や態度にまったく不審な点を見せないのは
少々無理があると思う
タケルサトーの髪型はどんな時も美容室帰りのように
髪型が決まっていて揉み上げや襟足は5分前に切ったばかりと錯覚する
対するドラゴンは震災前から床屋を拒否する男のように
中途半端に伸びた髪と無精髭がお決まりのセットで
いついかなるどんな作品でもこれを通すのは
彼の高身長と好感度の高さから許されるようだが
彼同様に偏屈な俺には通用しない
生活保護の闇の部分
予告から佐藤健さんの演技が際立ってるなぁと、そのイメージから映画鑑賞でした。
実際に観てみたら3.11以降の数々の問題点。特に生活保護に焦点をあてられてました。
僕ぐらいの中年以降の方には大震災について、思い出したり、映像を見るのは厳しい人が多いと思いますが、この映画については観てみたら損はないかと思います。
地震後に生活保護について、どれだけの苦労があったのか、それは市役所側にもそうですし、受ける方にも。。
こういう事は、無駄に得する人がなくなって、必要な方々に100%うまく行くことは中々難しいと思いますが、100%に近づかせる事がどれだけ難しいのか、ご教授いただけます。
佐藤健ももちろんですが、出演されてる皆さんの演技が素晴らしかったです。
オススメです。
佐藤健と清原果耶にやられた
阿部さんもすごいけど、若い二人の演技が圧巻!
暗い始まりだったけど、ずっと惹き込まれっぱなし。あっという間だった。
こんな映画は本当に久しぶりだと思う。観てよかった。
ラストの二人のシーン、阿部さんの表情だけでみせる演技も素晴らしかった!
阿部さんの最後のセリフがどうしても聞き取れなくて・・・いろいろ調べてやっと理解(笑)
面白かった。 震災とそれによる人為的な『命の選別』。 テーマ自体が...
面白かった。
震災とそれによる人為的な『命の選別』。
テーマ自体がとても重く、その上に震災が絡んでくるので中々感想が難しい…。
それでも、佐藤健の目の使い方が抜群だった! 苦しさと怖さと優しさと。現在と過去が表情の違いでクッキリしてその時々に入り込めた。
阿部寛は阿部寛だった。(・д・)ノ
キャストが原作とは違うらしい(上映後のトイレで話してるのを聞いた)。そのうち原作も呼んでみよう♪
すごく面白かったです♪
演者、とくに清原果耶の演技が光るものの、緒形直人演じる役場の責任者...
演者、とくに清原果耶の演技が光るものの、緒形直人演じる役場の責任者がキレて言い放つセリフがそうであるように、キモの部分が教条的というか、言いたいことがストレート過ぎて逆に深みが得られないというか、なんだか少し惜しい気がした。
製作者側の悪意を感じる作品
ほとんどあり得ない物語をノンフィクションのように仕立て、演技力のある役者を使って説得力を持たせるという手法にうんざりしました。
同じように生活保護のケースワーカー(CW)が登場する「すばらしき人生」の描写は概ね納得できたものの、「護られなかった者たちへ」(←生活保護を受けられなかったという意味でこの漢字を使ったのでしょう。)の方はこれはないだろう!と腹立たしくなりました。
私は、30数年の市役所職員生活で最初の5年間、生活保護のCW業務を経験しています。
その頃に比べると、確かに生活保護申請の審査は厳しくなっていると思いますが、申請を却下しても必要に応じて何らかの支援策を講じることは今も昔も変わりません。
百歩譲って餓死するまで見放すことがあったとしても、「護られなかった者たちへ」のCWのように、公務員という立場にありながらあのような極端な行動に出ることは99.9パーセント以上あり得ません!
0.01%にも満たない可能性の物語を商業映画(エンタメ)として公開したことに、製作者側の悪意を感じたのは私だけではないはずです!!
紙一枚で生死が決まるわたしたちへ
いい映画風的要素はてんこ盛りでしたが、共感性としてはゼロに近いかも。
原作はもともと少し浅く感じていて、共感性はまったくなかったけど、映画は少しまとまりが出てて、改善されていたかな。
しかし、いろいろ疑問点が多いね、みなさん書いてるから概ね一緒かな。
演者さんは巧いね。
しかし、この作家さんはいつもてんこ盛り過ぎなんだよね。いつも破綻してるいろいろ。
震災絡ませると、被災者を被災者が支援してる時点で無理が出て、破綻するのは当たり前なので、個人の力では限界があると思うなら、もう少し国のシステムを深掘りしてほしかったかな。
担当者を心優しいロボットに
デジタル化して担当窓口は
心優しいロボットにやって
もらうとか。決済も優しい心をプログラム
されたロボットにやってもらう。
日本で一番手厚いスタッフと、
慈悲深い上司の思考がプログラム
されたロボットにやってもらうとか。
不正した場合もレベル1〜2は笑顔で
ゆるす。レベル3は後2回やったら
減額、レベル10は刑務所行きとか)
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