青くて痛くて脆いのレビュー・感想・評価
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ボロボロの横断歩道に夢を乗せて…
不思議な作品でした。つまらないってわけではないです。「あのシーンってああだったよね」と話したくなったということは、それだけ映画を楽しんだということでしょう。とはいえ、よくわからない作品でした。
良いところ。役者。まず吉沢亮さんの高良健吾さんの雰囲気。イケメンなのにイケメンである気配を消して、横道世之介を演じた高良健吾さんのような佇まいを見事に表現していました。大学という何にでもなれるがまだ何者でもない危うさ、脆さが痛々しかったです。
そして、杉咲花さん。透明感。無自覚に人を惹き付けていく感じ。素敵でした。
さらに、松本穂香さん。「君が世界のはじまり」の時も思いましたが、"受け"の演技が最高ですね。絡んだ役者が必ず得するタイプだと思います。
演出で唸ったのは、横断歩道のシーン。横断歩道の白いところだけを大股で歩く理由が簡単に言うと「夢が叶うという言い伝えがあるから」という。そのセリフを杉咲花さんに言わせたあと、杉咲花さんを正面から捉えていたカメラが上からドローンのような視点になるんです。そこから見える横断歩道は、ヒビが入っていてボロボロです。なりたい自分や夢なんて、容易く叶うもんじゃないよっていうことを皮肉的に示唆しているのかなと思って、全く本筋とは関係ないところで唸ってしまいました。もしくは、杉咲花さん自身も結局はレールの上を歩くしかないというか、自由に見えて自ら制限をかけてしまっていることを示唆しているのかなと思いました。
ストーリー的には、予告編が1番ワクワクすると思います。どんでん返し的な展開は用意されているんですけど、まあ想像の範疇でおさまっていきます。
なりたい自分とは何か葛藤していくというのは、大学というモラトリアム期間でさまざまな映画でも提示されています。吉沢亮さん演じる主人公は、自分の思い込みや被害妄想で復讐を開始していきます。
ただ、復讐を果たすんだったらその相手方が罪を犯していなかったり、主人公には許せないけど他の人にとってはどうってことないことにすれば良かったのではないかと思います。杉咲花さんは悪いことをしているんだから、復讐には成功したけど傷付かせて後悔…っていうのにはのれないでしょ。逆に復讐万歳というか、されて当然ですよ。
あと、「なりたい自分」という言葉がよく出てくるんですけど、結局杉咲花さんのなりたい自分っていうのが見えてこない。世界平和を望むのは分かるんだけど、それに向けて"就職へのコネ作り"を"たくさんの人に押し付ける"ことが本当にしたかったのかなあと思ってしまいます。
また、森七菜さんの役柄がいまいち話の本筋に絡んでこないので、取って付けたように見えてしまったのも残念でした。初映画出演の方の演技も、これからに期待しましょう。
SNSの描写が面白く、一側面だけを見て芸能人批判をツイートしたりする人には、共感できるところが多い作品なのではないでしょうか。人を傷付けまいと生きる姿が何よりも痛々しい、青春映画でした。一見の価値はありです。
文字通り、青くて痛くて脆い
青くて痛くて脆い大学生の話。
大人なのか子供なのかわからない境界線上に放り出され、何でもできそうで何もできず色々な感情に葛藤する世代である大学生。
少し前の「何者」という映画に通ずるところが多く、社会というよくわからないものに直面した複雑な心境を感じ取ることができる。
自分という特別であるはずの存在の内側から湧き出た納得できない想いの痛さがとても懐かしく思えた。
何が悪で何が善かはほとんど主観に寄るのだろうけど、自分が満たされたいという痛い正義に突き動かされる主人公の青さが見どころ。
気持ち悪っ
という杉咲さんの予告編ラストの言葉を、僕も鑑賞しながらこころの中で呟いてしまった。
近づかないことが一番傷つかない方法
そう思って生きてきた楓にとって、秋好は近づいても傷つけられない格好の依存先だった。
だけど、彼女は楓に依存してるわけではない。
自分にとって彼女がそうでも、
彼女にとって自分がそうとは限らない。
普通に考えれば、当たり前のことだ。
この話は要は、
思春期をとてもとても遅く迎えってしまった
こじらせ青年の妄想復讐話なわけであるが、
「ちゃんと傷つく」
「自分の気持ちを言葉にする」
これを経験しておかないと、
とんでもない妄想人間になってしまうのは
僕たちもだ。
ラストのシーンで楓がちゃんと傷つこうと
決意できたのは、この映画の唯一の救い。
結果はわからないが、
どんな結果になったとしても
“なりたい自分”に向かって一歩踏み出せたんじゃないだろうか?
『何者』
でもあったような
若い世代のアイデンティティを求める様と、
現代のSNS社会や意識高い系の組み合わせは
まあ〜心をかき乱す。
こういう話は、好物です。
【”世界を今より良くしたい!” 若き理想論者達の”些細な心の齟齬”の為に引き起こされてしまった事・・。どのような時でも、理想を持つ事を忘れてはいけないという、当たり前のことを思い出させてくれた作品。】
ー当初、楓(吉沢亮)は秋好(杉咲花)の、”自分には無い”率直に、他人の目を気にせず、理想を追求する姿に惹かれたのだろう・・、と思いながら見ていた。そして、それは彼女への恋心でもあるのだろうと・・。
だが、ラストに近いシーンで、大学の講義後、楓が秋好にかけた”ある言葉”を聞き、見事にミスリードされたなあ・・、と思った作品。ー
・楓は、最初から秋好の事を自分と同類だが、“青い、イタイ奴”と思われることも意図に介さず我が道を行く人として、憧れも込めて見ていたのであろう。もしかしたら、そこには恋心も少しはあったのかもしれない・・。
・二人で立ち上げた”世界をより良くしよう”という高潔高邁なスローガンを掲げたサークル、「モアイ」が”表面上”就活サークルになってしまう過程で、楓が「モアイ」を去り、秋好の事を”・・・”と表現するのは、彼が如何に「モアイ」の理想を大切にしていたのかが分かるし、それ故彼が取った行動も納得できるのである。
・今作品が、厚みをもって見ている側の心に響くのは、彼ら二人だけではなく、初期「モアイ」の二人がボランティア参加していたフリースクールの瑞希(森七菜)が不登校から徐々に自立していく姿や
後期「モアイ」に関わるメンバー、とうすけ(岡山天音)やポンちゃん(松本穂香)川原(茅島みずき)リーダー格のテン=チャラい男かと思いきや純情な良い奴、「モアイ」が、当初の理念を失っていない事も分かる(清水尋也)の姿がキチンと描かれている事であろう。
皆、夫々の想いを抱えながら、他人との関係性を保つことに汲汲としながらも、懸命に生きる姿にである。
・自らが起こした行動の過ちに気づき、涙を流しながら、全力で秋好の後ろ姿を追いかける楓の姿に救われたし、結果はどうあれ、彼が自らの理想を思い出し、一歩成長したことは間違いないであろう。
■楓の細やかな心の機微を演じきった吉沢亮さんの演技にも瞠目した作品
-今作は、若者だけではなく、万民に響く秀作であると思います。-
<忙しい日々を過ごす中、つい自らの理想(それは、壮大であったり、身近なものであったり夫々であろうが)を忘れがちな中、自らの理想を心の片隅に、いつも保有している事の大切さを思い出させてくれた作品。>
イタタタタ〜
共感
青くて青い
本当に青くて痛くて脆かった
森七菜がいい
最初から痛い杉咲花としらけてた吉沢亮の大学生活で始まり、やりたいことを探してサークルを立ち上げ活動してたが、吉沢亮が途中から抜けこのサークル「モアイ」を潰そうとしだす話。
杉咲花は終始一貫してるが、吉沢亮は柄本祐に嫉妬し杉咲花を死んだ事にして変な行動をしだす。気持ち悪い役を上手に演じてた。
また、キラキラしてる杉咲花は終始ステキだった。
学校に馴染めず施設でバンド活動を始めた森七菜が存在感あってよかった。光石研に追われて泥だらけになるシーンは熱演だった。
青春時代の、青さと痛みと脆さ。
彼女の死と彼の怒りの真相が分かったとき、自分の頭が追いつかなくてしばらく呆然としてしまった。謎が解けてスッキリするタイプかと思って観ていたら、あまりにもかけ離れてきたから…。
タイトル通りの、青くて、痛くて、脆い、今どきの若者の映画だった。
「自分は間に合わせの為だけの人間」という言葉が凄い突き刺さったなぁ。陽キャが周りに自分しか居ない時に取り敢えず声掛けてくるあの感じ、仲良くなったと思った後から誰でも良かったんだな、って気づいてしまうあの感じ。キツイよね。
確かに、最初は誰しもそういう都合から知り合いになり、友人になり、親友、恋人になっていくのだとは理解は出来る。でも私自身、「あぁ、自分じゃなくても良かったんだな。むしろ自分なんかで申し訳ない。自分じゃなければもっと上手く出来たんだろうな。」そう思ってしまって勝手に傷つき、後悔した記憶がある。
そんな学生時代の、青くて痛くて脆い自分に思いを馳せつつ、理解したくないが出来てしまう、そんな映画でした。
誰かと感想を言い合いたくて、友達と来てる人が羨ましかった。
痛くて痛くて痛い
【良い点】
若い俳優の方が多いですが、若者特有の未熟で傷つきやすい感性を、繊細に演じられていました。それに演技も自然で「こういう大学生いるよな〜」と見ていてニヤニヤしてしまいました。
楓は終始、根暗で気持ち悪くて仕方ないですが、ずっと昔、人との距離の取り方が分からなくて、独りよがりな感情を相手に押しつけて、些細な事ですぐに傷ついてしまう、そんな痛い自分がいたな、と思い出して面映い気持ちになりました。秋好も大概痛い奴ですが、楓と違って大学の3年間で多くの人と関わる事で成長していて、杉咲花さんの演技はもちろんメイクや映像でもそういう描写が細かくされているなと思いました。
【悪かった点】
原作を読んでいないので、なんとも言えないのですが、映画の予告で「この嘘は見抜けるか」的な事を言っていたので、どちらかというとサスペンス寄りなのかと思っていたために、ジャンルの違う映画だなと途中で気付きました。サスペンスを期待すると途中で自分の頭の中で軌道修正しないといけません。予告はもうちょっと変えた方が良いのでは?と思いました……。
またネットに情報を晒す→楓が情報を晒してしまった事に後悔するという場面がありますが、テンがやってしまった個人情報漏洩は立派にダメな事です。なのでそこはもうちょっと楓が罪悪感を感じやすいやらかしが良かったなと思いました。
総合的にやっぱり役者の皆さん演技が素晴らしいので、観て良かったです。
あ あれ う うん これは、、 なんか良いやん!
『事故物件』えらい人気やな。
違うの観ようっと…
期待してなかったけど
良かった。
ありそうでない話やと思うけどね。
最後は。。
せやな そゆ終わり方やな。。
スマホの使い道には驚いた😲
好みドストライク映画
タイトル通り、青くて痛い青春モノが大好物である私にとって、この映画は本当に垂涎ものでした。
原作を読んだのがかなり前なので内容はうろ覚えでしたが、最後の一文がすごく心に残ったことだけは覚えていて、今回映画で思い出せました。「ちゃんと傷つけ」、今まで読んだ本の中でいちばん心に残る一文です。
映画そのものに関して。演者がすごいなと惚れ惚れしました。主演の吉沢亮は、あの顔面で見事に気持ち悪い陰キャを演じきってた。すばらしい。憎悪に狂った目もよかった。杉咲花も、ちょっとうざい感じのピュアな少女、ぴったり。
他の方のレビューにもありますが、秋好と楓、どちらの人生を送ってきたかでこの映画への評価は変わると思います。それがこの映画の魅力でもある。
ザクザクザクザク心に突き刺さるえっぐい言葉の数々で見ている方も辛く、楓の揺れ動く心情の青さや痛さにニタニタしてしまいました…(こういう変態です)
原作が同じ住野よるのキミスイとは異なり、青春のリアリティをどこまでも追求したこの映画。吉沢亮のすごさを痛感した点も含め、大満足です。
「モ」う「ア」きよしは「イ」ないけど
ワンデーフリーパスポート三回目の3本目は「青くて痛くて脆い」で~す。
吉沢亮×杉咲花で原作者がキミスイと同じだって!?しかも特報は面白そうだし(予告はそんなに....)、見るっきゃないっしょ。星4.0ぐらいの期待で鑑賞
期待通りとはいかなかったが面白かった。
しかし、全体的に薄い。もし今後、「ワンデーフリーパスポートの三回目、何見たの??」と聞かれたら一番最後に「あ、あと青くて...見たよ」と答える。そんな感じ。
他人と距離を置き、誰も傷つかない生き方を全うする田端(吉沢亮)は、理想論を語り続けて空気が読めない秋好(杉咲花)に興味がわく。独りぼっち同士で仲良くなった二人は、世界を変えるべく「モアイ」という秘密結社サークルを立ち上げる。
やっぱり吉沢亮はすげぇや。
キングダムの時は厳格な王と笑顔を絶やさない平民の一人二役を演じ、銀魂シリーズではチャラくてゲスイのに憎めない沖田を演じ、一度死んでみたでは根暗で影が薄すぎる松岡を演じた。
どの吉沢亮も大好き。今回もまた、すんばらしいわ...。
これだけ演者としての才能があるのに、めっちゃめっちゃカッコよくてバラエティーに出た時も面白い。ハイスペック過ぎます
この時系列をバラバラに描いているのが佐野さんらしい。
どことなくキミスイに似ていて、退屈するどころかどんどんこの世界観に引き込まれていく。
映画らしい映画というか、これはドラマではマネできない魅力だね。
話の展開はすごく面白い。
騙されて驚き。まさかそういうことだったのか...
その騙しにより様々な伏線が回収され、それが中盤だったがためにそれからが楽しみで仕方なくなった。
という突然の期待がダメだったかな。
その騙されからの爽快感はまるでなくってしまい残念に思ってしまった。
私的には心理戦みたいな、「告白」のようなじわじわと突くのを見たかったのですがどうやら違ったみたい。ハードル上げ過ぎましたわ
どうも物足りなさを感じてしまう。
登場人物の言動や行動に謎が多く、疑問に思ってしまうところが多々。んなことあるかいな!ってね
いや全然話せるやないか、コミ障じゃねぇじゃん。
一気に3年後になるものだから、描けていないところが山ほどある。その間、何も無かったの?何もしてなかったの?何も知らなかったの?
テンションは上がったし、演者は文句なしだったので面白くはありました。
しかし、ほんと惜しい。惜しいなぁ....
見る人がどういう経験をしてきたかによって評価が二極化する作品
青くて痛くて・難しい
「あなたはこの嘘を見破れるか!?」じゃないよ
キャッチコピーと予告映像から、「見破ってやる」と構えて鑑賞。
結果、ちょっと残念。
映画そのものは良かったです。
主役のおふたりの、序盤の初々しい「痛い」演技から、後半の「脆い」感情爆発まで、さすがです。
ストーリーも良かったです。
「青い」青春映画ではありますが、40代のおっさんにも最近の映画で1番刺さったかも。ちょっとウルっと来ました。
そうだよね、、、うん。その通りだよ。
また、とても現実的な話で恐怖を感じた。
ただ、、、やっぱりPRが下手すぎる。
予想していた「嘘」よりも下回ってしまって残念。良い映画なので、フラットな気持ちで観たかった。
まぁ、観客動員を増やすためのPRなんで、しょうがないとは思いつつ。
「キミスイ」大学生バッドエンドルート?
きもちわる。
杉咲花ちゃんのこの台詞が主人公2人を表してる。
(吉沢亮くん、演技の上でとはいえこの台詞、胸に刺さった言うてたね)
肝心の「死んだ友達」ネタは若干見え見えで、これでミステリ感押し出されても…。プロモーションの売り文句を間違えているのでは。
「コミュ障」「中二病」といえば簡単だけれど。よくあるすれ違いが痛いエピソードを生み出すこと、様々な若者の造形もよく描かれている。柄本佑さんが最後に言った言葉は、理解はしてなくても、生活の中で何となくつかみ取っていくもの。それが分からなかったのは田端くんだけでなく秋吉さんも。まさしく純粋過ぎた2人。だから「きもちわる」いんだろうなぁ。
しかしながら、一部でリアリティの無さや違和感があり、個人的には低評価。何より、秋吉サンは裏情報晒すことは非難するくせに、サークルの変容やひと様の個人情報流すことに対してどう思ってるのだろう…。これが描かれていないので、観てる側からは、田端くんの歪みがボンヤリしてしまうのだ。
(細かいこと言うと…
個人情報を大量に流しておいてサークル解散だけで責任を取って、そのことにはあんまり触れない謝らない。「金銭のやり取りはない」ことの不自然さ。大事件起こしているのに講堂貸したり罰則設けない大学側の寛容さ。)
SNSで炎上というエピソードを挟みたかっただけなのではないだろうか。手段のために目的を選ばない感がどうにも否めない。
そんな中、主役2人の台詞、表情、仕草には魅了させられた。脇を固める他の若手キャストもさすが。岡山天音くんのいいひと感、100の顔持つ(役の幅も)松本穂香ちゃん、清水尋也くんの腹立つ爽やかチャラ男、森七菜ちゃんのホットな演技と歌唱。いずれも助演俳優賞。
そんな中、後輩役のモデルさんの演技は唯一残念。まだキャリアが浅いから、他キャストが達者だからとはいえ、この先は厳しいのでは…。
さすがの住野さん作品
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