劇場公開日 2021年9月23日

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空白のレビュー・感想・評価

全297件中、241~260件目を表示

5.0切ない。

2021年9月24日
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ほんの少しだけ相違があると

とんでもないことが起きる。

関わる人達の想いが

あらぬ方向に向かい

ほとんど意味のないものになる

やはりこれも日常。

登場人物のそれぞれに感情をのせればのせるほど

胸が苦しくて切ない。

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たかはしすすむ

4.0人間の愚かさと優しさを知りました

2021年9月24日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

難しい

古田新太さん演じる充はしょうもない奴だった。
傍若無人な振る舞いで、自己中、何でも決めつける、思い通りにならないと怒鳴りつける。モラハラ男の典型的なタイプ。
充に委縮して何も言い出せず、まともに話すこともできない娘。ただ一緒に住んでるだけの親子だ。

この作品を見て思ったこと。
人を許すこと。 責め続けることはまた犠牲者を増やす。人の話を聞くこと。自分の思いを押し付けないこと。人間関係で1番大切なことかも。親子でも、恋人でも、夫婦でも。

片岡礼子さんには泣かされました… それが充の転機のきっかけだったね。
亡くした娘のことを考え、知ろうと思った、彼女が何が好きだったか、何を見ていたか。娘のことを何も知らなかった自分の心の中の空白の部分を埋めるかの如く。
それをすることによって、充は人に感謝や思いやりや頭を下げることができるようになっていった。
本当は生きている内に気づけたらよかったね。

脇を固めるのはクセ強でお節介、草加部さん演じる寺島しのぶさん、万引きされたスーパーの店長には優柔不断で気が弱く、悪者になりきれない松坂桃李さん、そして、充のことを父親のように思い、陰ながら支え、理解者である下っ端漁師の藤原季節くん、同じく充の理解者である元妻の田畑智子さん。

キャストの皆さん、それぞれが不可欠な役回りをしっかりと演じきっていて、人はきっとみな、違った弱さや愚かさを抱えて生きていて、それでも支えてくれる誰かがいる。
最後にはそんな優しさと温かさを感じた作品でした。

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さくらん

4.0他人事ではない

2021年9月24日
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ひととの関わりを深く考えた

親子、夫婦、職場のそれぞれでのコミュニケーションだったり自身の立場からの責任感だったり色々考えてしまった

娘を亡くした親の気持ちには自分を重ねてしまい辛くなってしまう

次回作も期待したいと思えた。

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ねこぼっち

5.0空白

2021年9月24日
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うまく言えないけど、とんでもない映画だった。

日本一軽トラが似合う俳優は古田新太だし、『ミスト』の宗教おばさん並に何か嫌悪感ある寺島しのぶだし、孤狼の血が抜かれた松坂桃李もすこぶる良い。

冒頭、花音が学校の階段を登ってる時に、男子がふざけて降りてくる所で、花音が男子学生を見つめる表情に鳥肌が立つ。ほんとこのタイミングでこの映画は只者ではないぞ!と覚悟しろ!ってなる。

とにかく凄い映画だった。

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かさでみー

4.0現代風の人間模様

2021年9月24日
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鑑賞方法:映画館

多感な中学生をはじめとして、取り巻く大人たちが、ちょっとしたズレや不運から陥っていく中での、ありそうな人間模様を、辛辣に、見事に連ねて表現されており、息をのむ緊張感がずっと続きました。問題があるのは、面白おかしく、好き勝手に、しつこく追い回す特定分野番組のマスコミなのでしょう。そういう番組に関わっている人達にじっくり観ていただき、話し合っていただきたいものです。

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赤羽のプリンスおやじ(1960年生まれ)

4.0充のモンスターぶりと心情変化

2021年9月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

萌える

女子中学生の添田花音はスーパーで万引しようとしたところを店長の青柳直人(松坂桃李)に見つかり、追いかけられ停車中の車の横から車道に飛び出して乗用車はねられ、倒れてたところに大型ダンプが来て轢かれ数十メートル引きずられて死んでしまった。花音の父・充(古田新太)はそれまで娘からの話も聞かず、ほとんど無関心だったのに、娘の死に直面し、娘は万引きしていないと思い込んで、スーパーの店長に対しモンスターとなって追求していくという話。
なかなか深みのあるストーリーだった。
古田新太のモンスターぶりが見所だが、松坂桃李の気の弱い店長役も良かったし、店員役の寺島しのぶが店長を支え、すごく良かった。
充の元妻役の田畑智子、充と一緒に船に乗ってる藤原季節、
花音の担任教師役の趣里など、味のある演技を見せてくれる。
観賞し終わって、じわりと余韻の残る良い作品でした。

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りあの

4.5タイトルのせいで…

2021年9月24日
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自分の人生に、大きな空白ができてしまったらどうすればいいのか…
考えてしまう…

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内山

5.0恐怖→切ない、高低差

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

前半は、ちょっとグロくて、モンスターが何人か出てくる、観るのが辛くなる感じです。
特に古田新太は恐怖。ホラー。
ほかの登場人物も基本は共感出来ず。

最後の30分くらいは急に切なくなってくる。
あんなにキチ〇イだったのに、共感できるからすごい。

加害者と被害者の両面の話ならよくあるけど、全員被害者で加害者が不在という不思議なストーリーで考えさせられる。

終わり方が想像できなかったけど、なんか良い終わり方。泣けた。

古田新太の凄み。アカデミー賞いけそうね。
「空白」なるほど。

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だるまん

3.5【ネタバレ】テンポ良し。ただし古田新太の主人公、コイツが一番悪い全てのの原因なのに最後すら行いを謝らない、「光が見えた」とも言い換えられるが、単なるクズ野郎で終わったのが残念。

2021年9月23日
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単純

荒くれのデタラメ父親役の古田新太の悪辣ぶりと、その他非常に繊細で常識的な人々のコントラストで終盤まで引っ張る。飽きることはない。ただ最後のモヤモヤな感じが残念。あと学校の教頭たるものが何の根拠もない痴漢の噂話しちゃダメだろう。

古田新太も、常に低姿勢弱気な店長松坂桃李も、中年独身女性の悩ましいポジションを演じた寺島しのぶも好演なだけに残念。

そもそも、成長期の娘、内気であることくらい毎日会ってればわかるだろが💢💢中学生の娘の申し出を、乱暴な男の暴言でドヤしている時点でDV確定。都合の良いバカで愚かな男だなぁ。おまけに娘の気持ちっとも考えず、話し合おうともせず。スマホ取り上げるのではなく、外へ投げ捨て。そりゃ娘おかしくなるわ。

それで、何だよ交通事故で残酷な状態で死んだら「娘を返せ、お前が悪い」ってか?💢犯罪には到底ならないのに、後述するようにトラッカーの会社にも怒りを向けるのがスジだろが。「遠いから無理」ってか。トラック運転手以外の2人は誠意を持って謝ってるではないか。オマケに学校まで乗り込んでイジメの詮索する有り様。松坂桃李を一方的に恨んで「娘は盗みなどしていない。」って
段々と私の中で古田新太の主人公ボコボコにしたいマグマが爆発寸前だった。

それで、何ですか?罪もない人が自殺して、風評被害で潰れたスーパー店長にも、盗みの証拠らしきもの見つかったにもかかわらず、双方に一言も謝らない無神経、唯我独尊ぶりが「希望の光」とはとても見えなかったなぁ。こう言う人間ドラマ系統は「(カタルシス 魂の浄化)がキモなだけに残念だ。

コレ敢えて言うと最初に突き飛ばした女の車は完全な不可抗力。スーパーの店長の松坂桃李は、敢えて言えば、追走距離が長過ぎ、昭和の昔あったコンビニでパン2、3個盗まれて、行き過ぎた正義感で犯人追い詰めて、返り討ち刺殺された事件思い出した。つまり結論としては、法定速度守るトラッカーなんて殆どいない現状で、解雇はともかく法人のみならず個人にも莫大な損害賠償かかるトラッカーが一番悪何だよ。法定速度を守り「前から何か落ちている」「なんか横から飛んできた」時点で急ブレーキ踏まないといけない。意外とブレーキ痕って難しいから。

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満塁本塁打

4.0善良なふりをする一般市民の怖さ

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

加害者家族と被害者家族。本来は相容れないがどちらもマスコミの報道によってバッシングされるという共通項がある。たとえ殺人を犯した人間だとしても、その家族は事件と何ら関係がないはず。でも加害者家族は責められ、嫌がらせを受けたりする。被害者家族も似たようなものだ。被害を受けたことをアピールしたり、公判での加害者の態度や証言を批判すると、調子に乗ってるとかいい加減許してやれとかのバッシングを受けたりする。なんて理不尽。
スーパーから走って逃げ車に轢かれて死亡した少女の父親と、万引きした少女を追いかけたスーパーの店長。基本的には真相を知りたがる父親が暴走したり、店長を詰問したりしていく。どっちもマトモには見えない。でも、もっと怖いのは興味本位で報道するマスコミと一般市民だ。特に一般市民は、スーパーに抗議の電話をかけたり、スーパーを放火したり、客として利用しなくなったり、誹謗中傷のビラや落書きをしてくる。姿が見えなくて、自分たちが善良であることを信じてやまない。なんて怖さ!
父親が被害者家族で、店長が加害者のような描き方だが、実は真の加害者は車で轢いた2人のドライバーだ。最初に轢いた女性はちゃんと描くが、トラックの運転手は途中から出てこない。ミステリー的な見方をすると、夜のシーンであそこでトラックが止まれるなら、あの子はあそこまで引きずられることはなかった。ミステリーなら、真に悪いのはアイツだ!と、スピード違反か前方不注意で追及される展開になるだろう。でも、本作はそんな映画ではないから仕方ない。
内容は全く異なるが、同日に鑑賞した「由宇子の天秤」とテーマがカブる気がした。正義・正しさ、報道の姿勢、遺族の悲しみ…。現代社会で無視できないテーマだ。本作の方が救いのある終わり方だったのでやや点数を高くした。

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kenshuchu

4.5今週(9/23~)の本命筋には入ってくるかな…。

2021年9月23日
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今年126本目(合計190本目)。
 ※ 「プリンセス・プリンシパル」(Ver2)もみましたが、このレビュー需要はないと思うので飛ばしています。

私自身は去年(2020年)に行政書士試験に合格した程度の知識(このご時世なので開業はしていないです。というかできません)。

さて、「空白」というタイトル、それ自体が何を意味するのかは映画内では明示的に出てきませんが、多くの方が書かれている通り、「それぞれの人がうまくいくこと、いかないこと、他人と意見があうこと、あわないこと」そうしたものがあって、その「隙間」のことを"空白"と指しているのではないか…と思います。

 映画自体は架空のお話で、映画内では漁港も出ますが町(市ですらもない?)が異様にしょぼいので、漁港で成り立ってる人口1~2万人の都市が舞台なのかな…と思います(実際には、エンドクレジットで「●●市協力」と流れる)。

 架空のお話とはいえ、万引きとそれをふせぐ(このような零細規模の)スーパーとのやり取りというのは壮絶なものがあるといわれ、スーパーはまだしも個人経営かそれに近い書店等だと廃業をやむなくされたり、というのはリアルにあります。そうすると、お話自体は架空のものとはいえ、「いつ起きてもおかしくない」類型ではあると思います。

 採点にあたっては、下記がきになったので、まとめて0.5減で4.5としています。

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 (減点/まとめて0.5)

 ・ 今回の映画の描写では、第一義的にはスーパー側にかなりの落ち度が言えるのではないか…と思えます。たとえ万引きであっても「告知と防御の機会」(実際に防犯カメラを見せて、やったよね?と確認すること)がなされておらず、かと思えば「(経費か何かの予算で)あれは偽物」とか言い始めるので、スーパーの落ち度はかなりあります。
また、すぐ追いかけるのではなく、不審な行動を見かけたら「お客様、何かお探しでしょうか?」と声をかけるのは常識で、あのやり方だと、正直その「告知と防御の機会」を何ら保証していないまま被疑者が死亡しており(よって、刑事事件としては、未成年者という事情もあるので、おとがめなしか(なくなっているのにどうしようもない)、行政からは「そんないい加減なフェイクな防犯カメラをつけるのはやめてください」ということ程度にしかなりません。

 この点において、「誰を悪者にするのか」というのはこの映画の「ひとつの問」ですが、私であれば「店側の対応に何らの問題もないとは言えない」のではないか…と思います。
ただ、そこの問題提起もなく、人口1~2万人のいわゆる「スーパー」で当該商品(ネタバレなので回避)を、ああいう形(万引きを誘導すると言われても仕方がない。人口1~2万人のスーパーで、それが絶対的に必要で置くスーパーがおよそ考えられない)で置くのも、「万引きをしてもよい」理由になりませんが、「どうぞやってください」といっているのも等しい部分は否めず、そこの問題提起が足りないのでは…と思います。

 ・ 上記の通り、この事件は被疑者が死亡していることから刑事事件としては何もおきず(せいぜい疑い程度にはなるが、亡くなっている未成年者にそこまでするのかという道義的な問題もある)、行政としても「そんないい加減なビデオカメラはやめてください」ということ「くらい」にしかなりません。

 しかし、問題が映画の描写のように複雑になり、やったのやらないだの証拠を出せだの何だのという、人口1~2万人程度と推知される町(か、市?下手すると、村?)で、「私人どうしで」争っても仕方がないんです。

 こういうことは、弁護士や一定条件で認定司法書士(訴額が140万円を超えない)に話を持っていくべきで(なお、行政書士は「一通り話を聞いて、こうしたらいいと思いますよ」とは言えても、具体的に顔を突っ込むとアウト)、これらの人達は一切出てきません。
もっとも、そうした人を出すと、彼ら彼女らがいろいろ調べて、和解案などを出してはいおしまい(映画としては60分で終わってしまう)ということになるので、彼ら彼女らが出なかったのだろうとは思いますが、私人間であそこまで支離滅裂な事件が起きれば、誰かしら無料弁護士相談を呼ぶとか、行政も行政で「無料で弁護士の方と話してみませんか?」とか言うものであり、「そうすると、話がすぐ終わってしまうので仕方がなくそれらを全て無視した」ともいえますが、映画の作話の範囲ならともかく、あのようなトラブル(特に万引きがらみ)はよく多く、そこで私人間でやったのやらないの延々を何か月も(月のカウントは明示的にされないものの、3か月くらいは喧嘩してるっぽい)やってたら、関係者(上記のように、あまり大きな町ではないと推知できる)の「気がおかしくなる」レベルです。

そういうことを考えると、「空白」というタイトルでそういう人の葛藤を考えさせるという点は理解するものの、「事件の解決という観点」では私人間でやったのやらないのやってもダメであり(もっとも、今回のケースは、スーパーの防犯カメラがフェイクとか、証拠のとりようが制限されるので、「判断不可能」になる可能性さえある。そのくらいスーパーの対応は問題があると言われても仕方がない)、「いや、そりゃ弁護士やらを出したら30分で終わるけど、それじゃ映画にならないでしょ」は理解できても、「下手に泥沼化して、どうにもこうにもならない状況」になるのならそうするべきで、そこの配慮が足りない(たとえば、行政(市役所(町役場?)が「無料相談を利用してみませんか?」とか言わない)のは、ちょっとどうか…と思いました。

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yukispica

5.0観て良かった

2021年9月23日
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古田新太に引き込まれ、吉田監督の演出力にも魅了され、個人的には藤原季節の自然な演技が印象に残りました。

邦画史に残るであろうラストシーンには唸り、且つ脱棒です。

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shin

4.0「空」の中の「白」こそが傷む心の空白を埋める

2021年9月23日
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胸が痛い。こんなに痛みを伴う映画は他にない。
観客に心の痛みに立ち向かわせ、どうすぺきなのか考えさせせるような作品だ。
誰しもある日突然辛いことが起こる可能性はある。
そんな時に耐えられない辛さに対してどう受け止めて、どう消化するのか。
正解なんてないから、登場人物達はみなそれぞれの立場で苦悩する。
人の心はそう簡単に人の死を受け止めきれないものだから、家族の死が突然訪れた側も、死の原因を作った側もみんな苦しいのだ。
そんな中、そう来るか!
と思わせてくれるのが片岡礼子演ずる母親だ。
ハッ!とする。
答えはないけれども自分がこの立場でこう言えるのかが試される。
ポスターの古田新太の顔と松坂桃李の土下座の写真はこの作品をこれでもかと言うほど表現している。
寺島しのぶのスーパーの店員の正しさの押し売りがまた何が正しいのかなんて無いのだと考えさせる正しさの物差しにもなっていた。
娘がつけていたマニキュアは透明だと田畑智子の母親は気がついているところにドキッとさせられる。
年頃の娘のことをなにも分かっていない古田新太演ずる父親が描いた下手くそな絵は、心の空白を埋めるものなのだろう。
青い空に浮かぶ白いイルカ雲を死んだ娘も確かに見ていたのだ。

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momo

5.0質素で心に届く映画

2021年9月23日
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けっしてショボい訳ではないです

観る側から考えた観る側の人の心に届けるというより

当事者達の心の動きをこう見せたら絶対観る人の心に届くよねという感じ

それぞれの人物の内側が積乱雲のように入り乱れているからこそ出てくる感情の発露にどんどん引き込まれます

宗教があるから許しがあるのではなく、許しを求めて神を作るんだろうと思わずにいられません

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ラハル

4.0被害者の椅子取りゲーム

2021年9月23日
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被害者は誰か?
万引きされたスーパーか。
娘を亡くした父親か。

被害者の椅子取りゲームのように展開していきながら、「ちょっとずつ嫌な人たちで、ちょっとずつ善良な人々」がもがき苦しんでいく。

どうやって着地するのだろう、と追いかけていたが、希望を感じさせるラストで救われた。

こうやって人間を描き切る映画が現れるから、邦画を見るのはやめられない。

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彬

4.0この怒り何処へもっていけば

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

一番エグいのは、マスコミと罪の意識のない世間 当事者のやり場のない怒りと悲しみと罪の意識の作品 重いけどのめり込み、考えさせられる

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daikokumai

4.0人間味あふれる

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

公開初日に鑑賞。予告編を見ただけでも十分面白そうな雰囲気があったが期待を裏切らない内容に仕上がっている。
万引き未遂から始まるストーリーで重いテーマだが人間味あふれる素晴らしい作品で独自の世界観に酔いしれました。古田新太と松坂桃李の二人の演技も秀逸でそれぞれの感情が痛いほど伝わってくる。特にラストの展開が心に突き刺さりました。
2021-137

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隣組

3.5喪失と微かな希望

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

不運な交通事故により娘を亡くした父親の暴走と、その父により人生を崩壊させられていく一人の男を中心に、人の弱さや愚かさ、そして赦しを、吉田監督ならではの人物描写で描く物語。

吉田監督作品の中では、ユーモアやえぐみは抑えめで終始シリアスな空気感。それでも重苦しくなり過ぎないのはさすがです。
娘を失った哀しみと憤りを、憎しみと怒りとして発散させることでしか自身を保てない添田の行動で生まれる憎しみの連鎖。マスコミの過剰報道も拍車をかけて、更なる悲劇が生まれていく。皆が辛く苦しい時間が長く続く中で、少しずつ生まれていく希望や赦しが胸を打ちます。
人によって傷付けられるけれど、人によって救われる。相手を分かろうとすることや、自分と向き合うことで、人は変わっていく。
たくさんの喪失のあとでも、些細な言葉で救われる。
希望を感じるラスト、良かったです。

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まだまだぼのぼの

5.0一番悪いのはレジ袋有料化だろ?

2021年9月23日
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鑑賞方法:映画館

 「容器包装リサイクル法」(正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)。コンビニ等で毎回「レジ袋はご入り用でしょうか?」と、聞く方も聞かれるほうもうんざりする昨今。プラスチックごみなどの問題よりも、万引きが増えたというニュースほうに目を引かれてしまう。コンビニでもマイバッグ持参の客が増えているし、当然店側もバッグの中まではチェックしない。コロナ禍で貧困に喘ぐ人も多いので、今後ますます万引きは増えていくようにも思う。

 罪、偽り、赦しといったテーマの通り、誰にでも起こりうる事件や事故に人間が持つ隠された何かが露見する。完全な善人もいないし、完全な悪人もいない。普通の人でも加害者や被害者になり得るのです。

 登場人物のそれぞれの性格が痛いほどリアルであり、凶暴であったり、従順であったり、卑屈であったりと、特徴がよく現れていました。誰しもが自分が正しいと主張したり、ぶつかり合ったりする世の中。自己中心的であればあるほど対立が生まれ、寛容性が失われていくのだと思うけど、どこかに欠点は存在するものだ。わかりやすい古田新太と松坂桃李の他にも寺島しのぶの善を押しつけるキャラ(唇も押しつけてたが)もいたりして、観客は自然と登場人物と自分とを比較してしまうような多様性もあった。

 普通ならば法律や損害保険などで収まるところ、一つの事件が関係者のみならず、多くの人を巻き込んでしまったのは、怒鳴り散らす主人公の性格や勝手な報道をするマスコミ、さらには隠蔽しようとする教育者やネットで炎上させようとする傍観者たち。情報過多の時代だからしょうがないかもしれないが、どこかで「赦し」、添田充の言葉を借りれば「折り合い」をつけなければならないのだろう。

 様々な性格の登場人物の中で最も感動したのは、事故を起こした女性の母親(片岡礼子)だった。そして、頑固者である漁師を慕う野木(藤原季節)だった。単に謝ったり宥めたりするだけでなく、行動で示すことが大切なんだろうなぁ・・・。そして、バッシングを受けてる人に対しても、弁当が美味かったと言ってたドライバー。捨てる神あれば拾う神ありだよ。

 誰が良いとか悪いとか考えながら見ていくうちに、自分の中にも善悪があるものだと気づく構成にもなっているし、「赦す」ことで多少は前向きになれる作品でした。喪失感を表す空白感と親子が描いた白いイルカ(空と白)のダブルミーニングも絶妙。重いながらも秀作だ!

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kossy

4.0何知ってる?おまえら本当クソだな!本当に

2021年9月23日
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《証拠》この答えは今を生きる現代人に託されている。観察洞察に満ちた警鐘と、それでもなお藁をも掴む想いで微かに残された最後の希望。本来作品とはそういうものだとは思うけど、本作はより監督に突き付けられている気がした。魂が泣いた。本物の感動に突き動かされる。あらゆる要素やテーマを内包しており、一概には言えないけど、確かにここには何より感情が、生が、魂が息づいているのを感じる表現としての有無を言わせぬ熱量。こんな狂った世の中でも相手を知ること。あるいは親にできること、亡くなってから知ること。空白=時が解決するのか?失われた時間を取り戻すことはできないけど、皆どうにかやって日々生きてるんだ。折り合いなんてつけられなくてもイライラモヤモヤしながら。
今最も目が離せない監督・吉田恵輔 × 俳優・松坂桃李!! しかも松坂桃李主演『新聞記者』はじめ昨今の日本映画界を牽引する圧倒的熱量を放つ作品を次々と世に送り出しているスターサンズ製作。この組み合わせは見るしかない!…と以前から注目していた本作。何より古田新太の熱演、強烈なインパクト。演じるのはイカつく、確かに現実世界では関わりたくないような取っ付きにくいキャラクターではあるものの、その分非常に真っ直ぐで、己の価値観・信念のまま決して揺らがない存在感。影では文句も言いながら彼と独特な師弟・信頼関係のようなものを築いていくのは注目の藤原季節。彼も流石の存在感で魅力的。対するは、上述したように最新作が待ち遠しい脂乗りまくりな松坂桃李。こういう役似合いすぎる。そして彼の"理解者"?=寺島しのぶ。一見するとヤバいキャラ・オブ・ザ・イヤー。「正しいんだから!」と正しさを武器に振り回して、善意の押し売りという厄介さ。偽善とまでは言わないまでも、"皆に好かれたい"みたいな似たタイプの人で、以前苦手な人がいたので、いるいる分かると既視感覚えた。
二人だけじゃない主人公=普通の人々にスポットを当て掘り下げていくことで作品全体に群像劇的側面を持たせつつ、社会の不寛容と個人での解決を描く。他にも、符号的扱いでなく、それぞれの立場でしっかりと生きている登場人物たち。幾分極端な描き方をされているとしてもリアル。原因と結果、歯がゆく苛立ち憤る。例えばショック話題性や目先の数字に取り憑かれ、自らの見せたい部分だけを切り取るメディアの偏向報道や心無い人々。もちろんどこを撮=取り、編集し、伝えるか等の作業が不可避で、それら主観が入ってしまう時点で避けては通れない問題ではある。が、やはり当人たちが話すべきところを、周囲外野が余計にかき回し本質を遠ざけややこしくする。そうした波紋は悪いほう悪いほうへと予期せぬ形でまた広がっていく負の連鎖みたいに。吉田監督、今回もやはりスゴかった!

P.S.数えていないけど恐らく10回くらい、あるいはもうちょっと、10分に1回くらいスマホの着信音だかバイブだか鳴らしている人がいて、多分1席空いた隣の人だったけど、確信がなく黙っていた。けど腹が立った。まず本人はそれ気にならないのか?なんとも思っていないのか?神経図太すぎるだろ。…なんて思うけど、それはまだ今日というヤバいくらいツイてない日の始まりに過ぎなかったのだとその時は知る由もなかった(続く)

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とぽとぽ