僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46

劇場公開日:2020年9月4日

解説・あらすじ

人気アイドルグループ「欅坂46」の初のドキュメンタリー映画。「乃木坂46」に続く「坂道シリーズ」第2弾のグループとして2015年に結成され、16年にデビューした欅坂46は、アイドルという枠を超えた圧倒的なライブパフォーマンスと独創的な世界観でファンを魅了。NHK紅白歌合戦出場や全国での大規模アリーナツアー、異例のロックフェス参戦などを実現させ、破竹の勢いで坂道を駆け上がっていく。デビューから約3年半となる19年9月には2日間の東京ドーム公演を成功させるが、20年1月、絶対的センターだった平手友梨奈が突然脱退する。そして、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって活動自粛を余儀なくされるなか、同年7月に無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」を開催。その場で、20年10月開催のライブをもって欅坂46としての5年間に幕を閉じ、グループ名を改めて再出発することを発表する。激動の5年間の活動の中で、メンバーたちは胸の内にどんな思いを抱いていたのか。メンバーやスタッフの証言をはじめ、初公開となる貴重な記録映像の数々、そして再編集されたライブパフォーマンスの映像などを交え、欅坂46の5年間を映し出す。監督は「AKB48」や「THE YELLOW MONKEY」のミュージックビデオ、ドキュメンタリーなどを多数手がけてきたことで知られる高橋栄樹。

2020年製作/137分/G/日本
配給:東宝映像事業部
劇場公開日:2020年9月4日

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(C)2020「DOCUMENTARY of 欅坂46」製作委員会

映画レビュー

5.0 何が本当で何が嘘か? 「答え」はないが、「答えを導き出すための情報」は十分にあった。

2020年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

まず最初に前提から言うと、私は欅坂46をほぼ知りません。ただ、そんな私でも十分に面白かったと思うほどの「ドキュメンタリー映画」であり、「一つのアイドルグループの実態をよく表現できた見事な映画」でした。
私がこの作品に興味を持ったのは、平手友梨奈というキーワードをあまりに多く目にする機会があったためです。
「やらせ疑惑」などのネガティブな報道から、「欅坂46の絶対的なセンター」というポジティブな報道など、何が本当で何が嘘か判断できない状況にありました。
そこで、その答えを見つけるために本作を見てみました。
まさに、本作のタイトル通りの「僕たちの嘘と真実」を探しに。

そもそも「欅坂46の絶対的なセンター」という言葉すら、私は理解できていなかったのです。それは、他のアイドルグループなどを見ていても、「センター」というのは形だけのような気がしていて、そこまで重要なものなのか?と思っていたからです。
ただ、欅坂46というグループは独特で、「センター」というポジションに他のメンバーが合わせていく形態になっていったようで、結果的に「センター」を際立たせることで存在感を発揮しているグループだと知りました。
他のメンバーも自然と、センターを輝かせるために自分がいると割り切っていたのにも驚きました。
これは上手く作用すれば良いのですが、「センター」の重圧が凄く、一歩間違えれば崩壊しかねないほどの構造と言えると思います。
そこで、映画「響 HIBIKI」で主演を見事に演じた平手友梨奈は、どんな人物かを中心に眺めました。
最初は違和感を持つほど、ごくごく「普通の女の子」でした。
では、なぜそんな彼女が「響 HIBIKI」の主人公のように尖り、「やらせ報道」などが出るまでになっていったのか?
途中でドタキャンなど、本作には想像以上にリアルな現場が映し出されていました。
現場にいる大人から見ると「無責任では?」という視点さえ出て、その言葉を誘導しようとするスタッフもいます。果たして、他のメンバーはどのように思っていたのかは、彼女らの単独インタビューで確認してみてください。
一つだけ印象的なキーワードを挙げると、「感受性が強い」という言葉がありました。
確かに、「不協和音」や「黒い羊」など、入り込むと病みそうな曲が多いんですよね。
私は、本作を見ながらナタリー・ポートマン主演の「ブラック・スワン」という映画を思い出しました。
いずれにしても、死者などが出なかったことが一番良かったとさえ思います。
おそらく人生で最も多感な時期に様々な葛藤を抱えた彼女らが5年間全力で走り続けた軌跡がライブ映像も含めて見事に集約されていました。
新型コロナ騒動で公開が一旦延期になりましたが、その期間も無駄にせずさらにブラッシュアップして完成形に近づけたメンバーやスタッフもよく頑張ったと思います。

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細野真宏

4.5 天才という存在、そして死と再生

2025年6月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

驚く

ドキドキ

欅坂46の始動から公開当時までを描いたドキュメンタリー映画で、やはりというべきか圧倒的な天才パフォーマー、絶対センター平手友梨奈を中心に映画は展開していく。平手は映画が公開された2020年の1月に脱退。その理由は多く語られなかったが、この映画を観ているとなんとなくわかるような気もする。彼女の憑依的な表現力とパフォーマンスに、ファンも他のメンバーもスタッフでさえも魅了され圧倒されたが、平手自身もまた自らの才能にある種苦しめられていたのかもしれない。初期のあどけなく初々しい姿は逆に新鮮だったが、曲が始まるとその世界に没入していくのはその頃からで、完璧を追い求める姿勢は時が経つに連れてやがて彼女自らを追い込んでいったようにも見えた。音楽映画とも言えるほどにライブシーンの多い映画だが、それを観ているこちらも平手の、そして他のメンバーたちのパフォーマンスに圧倒されてしまう。そんな平手を1番近くで見ていたメンバーたちによるインタビューが平手の、そして欅坂46の5年に渡る歴史の証言となっていく。平手自身のインタビューはないがそれも逆に効果的になっていた。そして平手を失ったメンバーたちの喪失感。傷つき、打ちのめされ、のたうち回りながら、そこから再び立ち上がる彼女たちの姿も印象的。

コロナ禍で公開延期となった4月以降の出来事も新たに撮影して追加編集しており、無観客の配信ライブにおける欅坂46としての活動休止と改名の発表から、最後はコロナ禍の東京の街へ。『Documentary of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』で東日本大震災と真正面から向き合った高橋栄樹監督だけに、この空前の事態をも映像の中に収めておこうという気概と誠実さを感じた。

終盤は香港民主派の女神・周庭さんも拘束中にずっと頭の中に浮かんでいたという「不協和音」から、「黒い羊」「誰がその鐘を鳴らすのか?」「太陽は見上げる人を選ばない」という流れの楽曲。その歌詞が当時の世界に妙にリンクしているように思えたのは、もちろん作詞当時に意図していたものではなかったとはいえ、なかなかに心震えるものがありました。

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バラージ

5.0 欅坂46

2024年2月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

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夕

5.0 アイドルというよりアーティスト

2023年7月20日
iPhoneアプリから投稿

他の坂道グループと比べて、
楽曲の表現力が圧倒的に難しく答えが無く、
身体も精神も壊すのが時間の問題のように見てて感じた。

こんなに苦労してるなんて知らなかった。
バラエティで櫻の人達が活躍できなかったり炎上してる理由がよくわかった。こんな重い問題提起をする楽曲や身体が壊れるようなダンス、歌詞の重み、、なんのため誰のためにこの楽曲を届けているのか、何が正解なのか。芸術に答えが無いように欅の楽曲には答えがあるように見えない。ロールモデルがいない分葛藤する日々を送っていれば、壊れるのが当たり前だと思う。

平手さんも、それを支えたメンバー、スタッフの方々全員が葛藤し苦しんだ、秋元康の新世界の提示の為に全てを捧げたように思う。

アイドルファンというより、アーティストに絶賛される一般受けしないグループなのかな。乃木坂とか日向坂は分かりやすくターゲットに刺さるようなブランディングをしてる。

こんな経験させられたら暗くなるだろうな…
みんな前向きで凄いわ…

でも、めちゃくちゃ面白かった。やっぱり死ぬほど頑張って葛藤しながら成長していく姿を見るのを人は好きなんだと思う。老婆心ながら、結成直後のキャッキャしてた姿を見てると、普通の女の子として生きてた方が幸せだったのかなとも思う。

でも、本当に面白かった、どんな映画より感動した。素晴らしい映画でした。

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かえる代理人