透明人間のレビュー・感想・評価
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透明人間ストーカーはいつか実現してしまうかも
見えない人間に襲われる恐怖を、現代のストーカーに狙われる恐怖や、監視カメラの増大による監視社会の気味悪さを重ね合わせて、ホラー映画の古典を大胆に蘇らせている。偏執狂的な男から逃げ出した主人公は、常に誰かに見られているような感覚を味わい続け、心が休まらない。ノートPCのウェブカメラを主人公が塗りつぶすシーンは、その不安感の端的な表出だ。その不安感を観客と共有するために、本作では監視カメラのシーンが効果的に用いられる。現代社会は誰もがカメラに見張られている。
過去の古典では、透明人間になる方法は薬を飲むことだったが、本作では『攻殻機動隊』などで有名な光学迷彩の技術を用いる。光学迷彩は現実にも開発が進むテクノロジーで、実際にこうした透明人間による犯罪が将来起こるかもしれないという恐怖も加味されている。古典を現代風にリブートさせるやり方としてよく考えられていると思う。
見えない透明人間の恐怖が半端ない!
かつての"透明人間"が、監督の意図とそれに呼応する特撮技術を駆使して、けっこう早い段階で、何らかの方法によって姿を現すのとは違い、最新版では文字通り透明のままの状態がキープされる。そこにまずぶっ飛んだ。映画の前半でカメラがパンするのは、人の気配がまるでない部屋の空間だったりする。でも、わざわざカメラを向けるのだから、そこには何かがいるに違いない。でも、何も見えない。この恐怖こそが、製作のジェイソン・ブラムと監督のリー・ワネルが本作に仕込んだ画期的裏技。同じく、主演のエリザベス・モスに課せられた、見えないに連動したアクション女優顔負けの動きにも、冗談抜きで目を見張るものがある。近頃これほど画面に集中させる映画は、ジャンルに関係なくなかったような気がする。低予算でここまでの収益率を記録した映画も(全米での話)。
ボデーが透明な過激ストーカー
透明人間モノにハズレ無しを更新しとるがな
モヤモヤしました。
これ、B級ホラーとして観るのが正しいですね。
いや、マジで怖かったです。よくあるでしょ?誰もいないはずなのに人の気配がしたり妙な音が聞こえてきたりするやつ。あれが透明人間、まして自分に執着している人間だったら怖い以外ないですよね。そういうところの表現は良かったです。音の作り、入れ方、BGMの絡ませ方が絶妙でさらに恐怖感を増幅させるのにも歓心しました。IMAXやドルビーアトモスならより恐怖感は増しそうですが無理でしょうね。
しかし、ストーリー建てにはモヤモヤが残り、フラストレーションがたまります。
・登場人物の性格、背景や関係性が有耶無耶。執着の理由やそれぞれの人間関係がどういうつながりなのか分からないままに話はぶっ飛んできます。
・結局、おおもとはなんだったのか?微妙に設定がブレというか不整合?なのか断層的なところがあり、途中で自分自身が「!!!!」と気付いたことが微妙にズレているのですが、逆にそのズレがどこでどうなっているのか、全く解答を示してくれないまま終わってしまう。
まあ、少なくともアスよりは断然いいです。
透明人間って最初からストーカーしない
のではないの?
この女をモノにするために透明人間になる天才科学者って、どうなん?
オっ?!これって意外といけるやん。
楽しいことシマショ、が流れではないの?
人間の嫌らしいところが表に出てくるのが
この手の映画であって、
もっとドキドキするかと身構えたが
透明になる仕組みも強引すぎるし
オチのあっけなさも含めて凡作
50点
イオンシネマ草津 20200709
一粒で二度おいしい映画
ヒロインがいい
一番リアリティーのある透明人間
面白かった‥のかな
なかなか良くできている
妄想と真実の迷宮に誘い込まれる
透明人間という懐かしいタイトルに惹かれて、殆ど予備知識無しで鑑賞した。予備知識無しの無心鑑賞が奏功して、本作の売りである妄想と現実の迷宮に素直に入り込むことができ、本作の醍醐味を十二分に堪能することができた。
本作の主人公はセシリア(エリザベス・モス)。彼女は恋人の天才科学者であり富豪のエイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)の異常な束縛から逃れる為、彼と住んでいた豪邸から脱出する。その後、彼女は、エイドリアンの自殺を知らされても信用できず、エイドリアンの気配に怯えながら生活していた。次第に、彼女の言動はエスカレートし、周囲の人々から徐々に理解されなくなる。果たして、彼女の言動は、現実なのか、妄想なのか。物語は、目まぐるしく展開を変えながら真実に迫っていく・・・。
序盤は、典型的な心理サスペンスである。主人公の表情が虚ろに、何かに憑りつかれた様になるにつれて、妄想と現実の迷宮に入り込んでしまう。主人公役のエリザベス・モスの迫真の演技によって、我々は迷宮に誘い込まれてしまう。また、彼女の後姿を追うカメラワークが良い。見えざる恐怖の目線のようでありドキッとする。古典的ではあるが、正体が分らない、得体の知れない不気味な何かという設定が恐怖を増幅させる。
中盤以降、恐怖はリアルになっていく。サイコサスペンス、バイオレンスサスペンスの様相を帯びてくるのだが、ストーリー展開は二転三転して、迷宮は更に深化していく。作り手の術中に嵌って、迷宮を彷徨い続けている感がある。
終盤。迷宮の出口が漸く見えてくるが、ラストシーンでの主人公の表情をどう理解するかで、本作の印象は変わるだろう。
この手の作品は、事前情報を十分に入手して騙されないぞと意気込むよりは、迷宮に入り込んで彷徨う方が良い。騙すことが作り手の意図ならば、騙されてみなければ本作の面白さ、醍醐味を実感することはできない。無心での鑑賞を勧めたい作品である。
ナカナカ面白い透明人間リブート版!
映画『透明人間』と言えば「クロード・レインズ版」が超有名で、あの『ロッキー・ホラー・ショー』のオープニング曲でも
「♪And Flash Gordon was there
In silver underwear
Claude Raines was The Invisible Man」(……クロード・レインズは透明人間だ)と歌われている。
今回観たのは2020年版だが、あの古典的な透明人間を現代風にリブートした映画になっていた。
あまり期待していなかったのだが、観てみるとナカナカ緊迫感が持続して面白い映画になっていた。
また、今回は女性が主人公で、彼女の夫が「透明になれるスーツ」を開発して、彼から逃れようとする妻を引き留めるために透明人間となって彼女を窮地に追いやって自分の元へ戻るだろう……と計画するのだがユニークな展開が楽しい。
主人公の女性が混雑した中華料理屋で妹と食事をしている時に、透明人間になった夫が妹を殺して、その凶器を女性(姉)に持たせて冤罪をなすりつけるシーンは、あのヒッチコックの『北北西に進路をとれ』のパクリ…(^^;
それ以外は、独自路線を貫いたイイ感じの娯楽作である。
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