大怪獣のあとしまつのレビュー・感想・評価
全394件中、1~20件目を表示
これもまた円谷特撮の文化を受け継ぐ一本。喜劇要素は不発気味
「ゴジラ」やテレビの「ウルトラ」シリーズの特撮に携わった円谷英二の影響を受け、その文化を受け継ぐ作品群の中に、本作も加えられるだろう。
ただし、巨大な怪獣が登場する特撮物のお約束であり目玉にもなるはずの、大怪獣の闘い(相手は人類だったり、別の怪獣だったり、異星人のヒーローだったり)が一切ない。その代わりに描かれるのは、タイトルの通り、日本に出現しなぜか突然死した巨大怪獣の死骸の後処理に直面した人々の悪戦苦闘ぶりだ。これをメインに持ってくるとは盲点だったというか、コロンブスの卵的な発想と言えるのではないか。
ゴジラが空襲や原爆のメタファーだったように、本作の“大怪獣”も巨大地震や原発事故の暗喩になっている。閣僚たちの諍いや責任の押し付け合いも、日本の政治の現実をシニカルに表現しており、苦い笑いを誘う。
三木聡監督は「図鑑に載ってない虫」や「インスタント沼」など、とぼけた味わいのコメディが得意という印象。ただし今作では、政治家や公務員のキャラクターたちのシリアスな側面と、彼らの台詞や動きで表現するユーモラスな面の食い合わせが悪かったか。ジョークが上滑りしているようで、不発気味だった。
「時効警察」の三木聡監督が初めて超大作特撮映画に挑む「大怪獣の死後の処理」を描いたシン・ゴ●ラ風の空想特撮エンターテイメント映画。
まず本作は何といっても映画の題材が面白い。これまでの特撮映画では「大怪獣との戦い」を描いてきたのですが、その後の「大怪獣のあとしまつ」については誰も気にもかけていませんでした。
ただ、「この死体、どうする?」というのは、確かに大きな問題です。
その独自性のある企画に松竹と東映が創立以来、初タッグを組んだ、映画界としても歴史的な作品となっています。
この大怪獣が倒れた状態の全高は155mとシン・ゴジラの約1.3倍もの大きさという設定です。
この超巨大な死体は、どの省庁の担当になるのか、も現実問題として出てきます。
そこで政府内の動きが始まるのですが、ここは何といっても「時効警察」の三木聡監督作品です。
三木組には欠かせない(実生活で監督の奥様の)ふせえりは環境大臣役ですが、白いスーツで名前が「れんぶつさゆり」という時点で遊ぶ気満々です。
そう、この作品は文字通りの❝特撮エンターテイメント❞作品なのです。そのため、気をラクにして楽しむ、という姿勢が大事です。
私は三木聡監督映画では「転々」というこじんまりとした作品が最高傑作と思っていますが、本作のような「独自性のある超大作」で思いっきり遊ぶというのもアリだと思います。
そんな世界観の中で、山田涼介と土屋太鳳の真面目な演技の化学反応も良かったです。
三木聡監督らしい特撮エンターテインメントが参上
Hey! Say!JUMPの山田涼介と土屋太鳳が共演する特撮エンタテインメント。監督、脚本をドラマ「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡が務め、大怪獣(最全長380m、最全高155m)の死後の物語を描く。想像を絶する大きさの怪獣と戦うわけではなく、死後の後始末という未知の挑戦は政府と特務隊(首相直属の戦闘部隊)を大いに悩ます。あたかも大きな爆弾が国内に激突したように大怪獣の周りは荒れ果て人が入る余地がない。怪獣とその周りは非常に危険な区域となっている。さらに怪獣は生き物なので日に日に死骸が変化していく。
「倒すよりムズくね?」とモヤモヤしながら政府は何とか国民を混乱させぬよう色々と処理対策を練るが、うまくいかない様は三木監督らしい小ネタがチラチラと見え隠れしていてクスッと笑ってしまう場面もあり、厳しい現場感だけでは終わらないバランスの取れた特撮エンターテインメントになっている。
名前すらない大怪獣は既に亡くなっているにもかかわらず、あえて命名するあたりは絶妙で、お腹を抱えて笑いそうになった。
さまざまな視点で楽しめる映画なので、特撮を大画面で見るためにも映画館がおすすめ。
二番煎じが許されない発想の良さを無駄遣いしやがって、の気持ち
自分は特撮モノにそこまで愛を傾けているわけではないので、特撮、というだけで加点減点はしていません。
そもそも怪獣の後始末については「パシフィック・リム」でも少し描かれてたけれど、それだけでも興味深く、さらにそこに焦点を当てた作品は面白いなと思った。予告編も良かった。
しかしとにかくレビューの酷評が相次いだ(しかも、思ってたんと違う系の!)のでスルーしてたのですが、時間が空いたので見てみることに。
とにかく多段攻めてのギャグがダダ滑りで全く刺さらない。
有名、実力派俳優陣にこれをやらせるのか…と、メタ的な感想ばかり浮かんで来るほどのサムさ。こいつはやばい。
自分だけセンスが合わないのかな、と思ったけど周りの人達や酷評の嵐を見るとそう言うことでもなさそうだし。
タイトル的にもどシリアス一辺倒だなんて予想していません。VFX技術がしょっぱくても、まあ良くも悪くも日本映画だしな…とハードルを下げて視聴に臨んだ。
それでも本当に面白くない。
終始ギャグがつまらなさすぎてしんどいやばい…だけでなく、
シナリオ展開やキャラ描写が不足・ぶつ切りで消化不良。
ラストのオチは…それはそれでいいとして、じゃあ何で最初からそれやらんの??の説明や説得力もなく。
あと、画がとてつもなく安い。
こんなに豪華な出演陣とセットで、なんでテレ朝のドラマより安っちいんだろう。それがいろんなモノの足を引っ張ってる要因にも感じる。
監督の応援ではなく、作品の内容を楽しみに観に行く人間が多いと思う(少なくとも自分はそう)ので、この内容なら酷評もまあ当然かな、と結論づけました。
深夜番組のノリでダラっと観るならまだしも、これに2000円払って見に行った人かわいそうだなって思ってしまった。
なぜ誰もこの映画の製作を止めなかったんだろうと思うくらい苦痛な115分
【視聴理由】
題材が面白そうだったから。倒された怪獣をどう処理するのかをメインにした映画は見たことがなく、予告編を見て興味を持ったから。
【視聴前の期待と不安】
・シン・ゴジラが好きなので、同じような話だけど少しコメディよりになるのかなと期待。
・事前レビューなしに視聴することにやや不安。
【視聴後の感想】
・見る価値無し。特にシン・ゴジラファンは絶対見てはいけない。時間のムダ。
・汚い、苦痛、気持ち悪い、の三拍子が揃っている駄作中の駄作。
・上映終了後、近くにいた男性客が「あー、時間を無駄にした!」と大声で言っていたが、場内にいた人全員同じ気持ちだったと思う。
・邦画の悪いところをこれでもかとあますことなく盛り込んだ感じ。
・エンドロール中?エンドロール後?に続編に言及するコメントが、わざわざ映画館に来場して鑑賞して絶賛後悔中の観客をさらに不快にさせる内容でストレスMAX。大怪獣どころか、観客をさらに死体蹴りする勢い。
【総評】
映画を観終わって、ここまで不快感と怒りがこみあげてくるのは初めての体験だった。
この映画をきっかけに、事前に評価を確認せずに映画を見に行くことはなくなった。
ちょっと待ってよ、ねぇ?
「時効警察」見てなかったし何を評価されてる人なのか知らないけど、この作品に関して言えば無理だった。
シン仮面ライダーとかウルトラマンが傑作に思えてくるくらいキツい。
ベントだの帰還困難区域だの、福島原発事故をライトにイジっておきながらこのしょうもなさ。え、一体どういう神経?
監督だけの責任じゃない、この企画にGO出した関係者含めて終わってる。
正直、公開時の酷評を見てたので、お金のかかったコントくらいの心構えで臨んだ。でもコントなら笑えるのに、本筋の合間に唐突に挟まれるギャグシーンがことごとく笑えない。こっちも焼き魚のような目になります。
ねぇ、ナメてる?誰に何を見せたかった作品なのかまじで解せなかったんだけど何?
オチのネタもだいぶ手前でわかってしまい、確認のために最後まで見たけど、バラすまでの呎の長さにもイライラした。
出てる人はそれなりに豪華だったけど心底同情した。ふせえりの顔を思い浮かべるたびに悪夢のようなギャグシーンの数々がよみがえってきて吐きそう。。
もう、この予算の1%でいいから塚本晋也の「野火」に回したげてよぉー。どこもお金出さないから日本兵の軍服はワンセット、銃なんかベニヤ、それでもちゃんと戦争映画になってるんだよー?
作品自体がゴミだったか
久々に駄作を見たなぁと言う感じ。
コメディなのはわかるが全然笑えない
キノコの悪ノリは寒すぎて誰が喜ぶの?ってレベル
本当に題材はいいし、俳優陣も豪華なのにこれでなんでこうなった?ってレベル
本当につまらなくてエンドロール後までさらに寒いダメ出しきて逆に徹底してるなぁ
って感心してしまった
20点
映画評価:20点
いやぁ~、凄い!
本当に凄い。
ギャグに片寄らせている訳ではないのに
何にも内容(中身)が無いですw
それなのに役者さんに中途半端なギャグをさせたり、設定がスカスカで、ノリ(勢い)で雑な構成したりと、真面目に演技してる役者さんが可哀想。
福田監督や三谷監督の場合は、
ギャグの中に笑顔があったり、面白さがあるのですが、こちらは何もかもが面白くない。
正直、タイトルだけ見たら
めちゃくちゃ面白そうなんで
とても、とても残念です。
これだけの予算があれば、
ちゃんとした監督と脚本家が付けば
かなり良い作品が作れるだろうなぁと
途中から、ずっと上の空で観てました。
勿体無い。。
地味かもしれないですが、
怪獣の死体処理業の作業者に焦点を当てて、
その苦労や苦悩を見たかったです…
【2024.4.13観賞】
☆☆★★ 《原発との共存を描く、、、オイ違うのかよ!》 ノベライズ...
☆☆★★
《原発との共存を描く、、、オイ違うのかよ!》
ノベライズ版読了済み。
昨年末にこの作品の予告を最初に観た時には目から鱗が落ちた。
その瞬間に、「これは震災で崩壊した福島原発の姿だ!」と思い。同時に、世界へ対して警鐘を鳴らす問題を示唆しているのだと確信したのだった。
書店へ行く度に、この作品の本を見かけたのですが。必ず封が付けられており、てっきりコミック版だとばかり思っていた。
その為に、予告編を観ただけの状態で鑑賞を考えていたところ。たまたま2日前に封がない状態のノベライズ版を発見した。
「あ?コミックじゃないんだ。このページ数なら3時間もあれば読めそう!」…って事で読んでみた訳ですが、、、
………こりゃ酷い💧
どう見てもこのノベライズ版からは駄作の匂いがプンプンと漂っていたのだった。
何と言っても、主要な登場人物に関する描き分けが雑すぎて。読みながら、話がなかなか頭の中に入って行かないのには本当に参った。
これ…編集部で議論にはならなかったのかね?
「書き直した方が良くないか?」…と。
それ故に、鑑賞前からこちらのハードルは途轍もなく低い。
それが幸いしたのか…は分からないが。ノベライズ版で分かっていた、政府閣僚同士による学芸会か!と言える場面の連続。
(おそらく)何も知らずに鑑賞した人は、この辺りから直ぐにウンザリするかも知れないのですが。最初の頃は何とか観てはいられた。
※ なるほど!
とは言え、これが何度も続くと流石に辛い。
延々と続く寒いギャグの応酬に、最後の方は遂にウンザリしてしまった。
(唯一『ど◯◯◯◯ん』だけはノベライズ版にはなかっただけにクスッとしましたが)
※ どっちだよ!
それでも、この監督の作風を知っているこちらには、ある程度の耐性は付いているので。まあ何とか乗り切れた。
どう考えても、この監督なら『音量を上げろタコ!…』を上回る駄作はそうそう意識しても作れるモノじゃないしねえ。
※ なるほど!
…とは言いつつも、途中のダ◯決壊作戦の前後には遂に我慢が出来ずに落ちかける始末。
この後には最後の大落ちがあるしなあ!と思いながらも、どこかに「いや…それはやらないだろう」と、少しばかりは思っていただけに。本当にこの落ちをそのまま採用したんだ〜!と思ってしまった(´-`)
※ だからどっちだよ!
もう知らん!怪獣映画とゆうジャンルの末席には位置する作品だとは思うので。怪獣映画マニアならばグタグタ言わずに観れば良いでしよう。
マニアじゃないって人ならば自己責任でどうぞ…としか言えないですね。
結局のところは、三木聡マニアだけがニヤニヤして喜ぶ作品じゃないですかね。
以上報告終了するであります( ̄^ ̄)ゝ敬礼
2022年2月4日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン4
コメディ映画として観たうえでの感想 よくもまぁこんな企画で製作費が...
コメディ映画として観たうえでの感想
よくもまぁこんな企画で製作費が出たもんだなぁ~っと
ギャグセンスがマジでいまいち
大臣連中のごたごたもパロってるのかディスってるのかもわからん
だれが主演なのかも知らんけど、ヤマダ君の演技は・・・だし
土屋太鳳との恋愛エピソードはいったのか?
配信だから文句は言わないけど、映画館だったら・・・最初から行かないかw
まさしく日本の映画
製作委員会方式で、ごった煮でまとまりきらない。まさしく日本の映画という感じ。あの人使って、この人使って、恋愛要素入れて、予算確保して、そしたらこれだけの収益は想定できると。結果、何が見せたいのかわからない、ほとんどの人にとって時間の無駄だと感じさせる作品が出来上がる。
アイデアとか、コメディ部分とか、全て個別にみれば悪くないと思うんですよ。組み合わせが最悪なだけで。
コメディ部分を重視するなら、密室劇で70分くらいに。恋愛とか現場を重視するならコメディカットして90分くらいに。そしたら一定の支持はあったでしょうに。多数を取り込もうとして、多数を失望させて。ものすごくもったいないし、最低。
大真面目にふざけている
これだけの俳優陣をこれでもかと使ってこの映画は何を目指したのだろう。
ギャグは関西風ではないので関西人の私には全く響かない。
オチはこれかよ!
2時間弱もあーだこーだとやらなくてええやん!
ただ一つ
土屋太鳳さんの美しさにこれまで以上に見惚れた。
隣で見てた嫁が最後に一言
「金出して観に行ってこれなら私は暴れる😤」
仲良くもないが嫌いでもない、フツーのクラスメイト
「この死体、どうする?」というキャッチコピーの段階で真面目シリアス路線なわけ無いのだ。予告で出てくる「誰も見たことがない空想特撮エンターテイメント」とか、「そりゃそうかもね」ぐらいのギリギリ真実を攻めている。
あまりに派手に「クソ映画」認定され、低評価がズラッと並び、「どんだけクソ映画なんだろう」という好事家の食指を動かしまくっていたせいで、むしろそんな感じのしょーもない祭には参加しづらくなってしまい、ほとぼりが冷めた今、やっと鑑賞出来るタイミングになった。
絶賛するような作品じゃないが、本当にごくごくフツーのコメディ映画である。
「大怪獣のあとしまつ」は大きなくくりで言えば社会派コメディだが、本筋はラブストーリー。この話の焦点は「なぜアラタが最後の最後まで秘密を明るみにしないのか」であり、ユキノを巡る三角関係は絶対に外せない要素なのだ。
それ取っちゃったら何も成立しなくなっちゃう。
物語の最初から最後まで、雨音はユキノの心を求めてるし、アラタはユキノのそばに存在することを求めていて、「大怪獣のあとしまつ」をどうするのかというのは単なる環境の話なのだ。
強いて言えば、雨音は怪獣の死体を上手く利用し、自分の立場を活用してアラタをユキノから遠ざけようとしている、ってくらいか。
コメディの部分が下品で笑えない、という意見も多いみたいだが、この辺は捉え方の問題かな~。
例えば岩松了演じる国防大臣は何が何でも下ネタを挟まないと気がすまないようだけど、ああいうオッサン少なからず現実にもいるよね?別に全然面白くない下ネタなんだけど、どーしても言いたい!みたいな人。
「ああ、ウチの会社にもいるな~」と思いながら観ていると、ネタじゃなくてその必死さというかこだわりが、何だかだんだん面白くなってきて「くだらね〜!」って笑えてくるんだよね。そういえば会社でも(くだらね〜!)と思いながら聞いてるなって。
ざっくりまとめると、「大怪獣のあとしまつ」はしょーもないことを全力でやって、それを観た人が「しょーもな(笑)」ってなる、そういう映画なんです。しょーもないのが当たり前、それをクソ真面目にとらえて「何が面白いのかわからん」ってなっちゃったら、もう嗅覚というか選球眼というか、映画選びの問題だから。何でも真面目にやれば良いってもんじゃないから。
とはいえ、別に好みでもないから評価の理不尽さに肩入れして星5をつけるほどでもない。ちょっと困っちゃうよね。
皆にからかわれてるクラスメイトに、自分だけは普通に接するようにしよう!みたいな感覚かな。かと言って毎日一緒に帰ったり、家に遊びに行ったりするほどでもない、みたいな。
まぁ、冒頭にも書いたがフツーに面白いよ。傑作とは言えないし、絶賛もしないけど、ちょっと不謹慎に茶化して社会を見る視線と心の余裕は持ちたいものだね。
全394件中、1~20件目を表示