ジョーンの秘密のレビュー・感想・評価
全44件中、21~40件目を表示
彼女は正しかった・・・
80代の女性が数十年前のスパイ活動容疑で逮捕され、取り調べで回想する形で話が進む。1938年ケンブリッジ大学で物理学を専攻するジョーンがユダヤ系ロシア人の同級生ソニアに従弟を紹介され、付き合うようになる。卒業後、原爆開発を研究している教授の研究室で秘書の職を得て、じきに彼女の優秀さを教授が評価するようになる。その一方で恋人からは原爆の設計図をソ連に提供してほしいと頼まれて板挟みに悩むが、拒む。そうしているうちに広島、長崎に原爆が落とされる…。その惨状を知り、これ以上の一方的な原爆開発を止めるべきだと判断したジョーンは、ソ連側に原爆の設計図を渡す。
結果的にそれが、軍事的衝突を避けられた冷戦につながった。スパイ行為が正当化されるのは明らかにおかしいけれども、ジョーンの判断は理に適っていたのではないかと思う。
ジュディ・デンチの若い頃を演じたソフィー・クックソン、誰かに似てる…と思ったら、横山めぐみ!
一人の隠れた女性でも歴史の大役を果たす機会があるという寓話風の実話
東西冷戦の均衡が平和を作ったとも言えるが、もしそうでなかったら朝鮮戦争やベトナム戦争が起きなかったかもしれない。広島の悲惨や男女の仲が影響して、信念が形成された社会的状況は今では考えられないかもしれないが、当時、共産主義は理想に燃えた熱気を持っていて、シンパも含めると隠然とではあっても英米でも影響力を持つ勢力であったことが背景にある。少なくとも眠くならない緊張感が伝わってくるので、観て損はない。
狙いは抑止力
第二次世界大戦時、原子爆弾の研究・開発をしていた英国研究機関の女性が、ソ連側にその情報を漏らしたとして云十年越しに逮捕され、そのスパイ行為に至った過去を見せていく作品。
当時、優秀な女学生だった主人公、ジョーンが出逢ったのは、所謂赤の人達。
逮捕のきっかけとなった人物、ミッチェル卿、イケメンで演説上手なレオ、その従姉のソニア。
その後、図らずも(⁉)自分の能力を活用できる原爆研究所で働くこととなったジョーンだが、レオに恋してしまった彼女は、共産主義の思想のもと、原爆の情報をよこせと執拗に迫られることとなり、レオを拒絶するようになるのだが…。
史実を元に作られた作品であり、そこに少しミステリー要素も含ませながら、逮捕されたジョーンと捜査官の会話の中に、回想として彼女の過去を見せていく。
まさに自分が観たかった作品!!といった内容と展開で、このテの作品は難しくなりがちだけど、自分でも充分理解ができるほどのわかりやすさで、非常に面白かった。
日本の名前が出てきたときは胸がギュッとしましたね。
個人的な政治・経済の思想は無いけれど、まさに今日の世界において、何だかんだそう簡単に戦争が始まらないのも、ある意味その考え方が一役かっているともいえるのか。
最後のスピーチを聞くに、結局は恋心を超えたところまでも染まっていった…ってことですかね。
息子弁護士さんとのやり取りもとても良かった。約50年越しにまたひとり。
題材としては良かったが
興味を引く背景の話だったので期待して観に行きました。面白い映画だとは思いますが、自分としては主人公の行ったことの動機や言い分に共感出来なかったこともあり、何だかモヤモヤっとした感じです。それがやっぱり正しかったんだと、彼女のおかげで核戦争が起きなかったんだと思えるようになれば評価も変わるのかもしれませんが。
主義思想よりもこわいもの
モデルとなったメリタ・ノーウッドは共産主義者だったそうであるが、
この映画の主人公のジョーンはそのように描かれていない。
ジョーンをあえて普通の大学生とすることで、
強烈な共産主義思想を持っていなくとも
仕組まれた友情や恋愛に翻弄されて
誰でも戦争に加担する可能性があるんだと示唆しているように思えた。
周りの共産主義者の空気に飲み込まれていくジョーンを見ていたら、
高野悦子の日記を思い出した。孤独であり未熟である。
ソニアの突然の窓から侵入の出会いから仕組まれていたと思うとぞっとする。
ソニアの大人で少し危険の香りがする妖艶さに
自分が大学1年生だとしたら簡単に魅了されてしまいそうだ。
そしてジョーンを取り巻く男たちよ。
ジョーンが利用される側だったからかもしれないが、
まあとにかく見ていてイライラしてしまうような奴らばかりだ。
「会いたかったって言っておけばいいんだろ」って態度が見えてるぞ!
モントリオール大学のトイレのシーン、
ジョーンからおどろおどろしい恋愛の憎しみが溢れていたね…
最後は強かに逃亡をゲットしたジョーン。
ソニアの家の訪問後あたりだろうか、ジョーンが利用する側に転換した気がした。
ラストに現在のジョーンが見せる不敵な笑みが意味するものはなんだろうか。
こうなることを見越して、子供を弁護士に育て上げたのかと思わせるような含みのある笑いだった。
ジョーンの取った行動について何を思うか、ゆっくり考えよう。
当時のそれぞれの正義感
現在、同じく公開されている「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」を見たので、本作品にも大変に興味を持ちました。
第二次世界大戦に関わる本作品ですが、両作品とも、当時の対ソ連に関連した映画です。
両作品とも、当時のヨーロッパの事情をしっかり把握していないと理解に苦しむ作品ですが、人って本当にそれぞれ、考え方が違うんだな・・・・
日本でも北朝鮮の可能性に賭けた人たちもいますが・・・・
よくも悪くも、それぞれの言い分も分かるし、誰が悪い訳じゃないんだけど、見ているこちらは現実を知っているだけ有って複雑な気持ちになります。
確かに、ソ連側に情報を出した事で、同じ立場になった事からそれ以上の悪化にはならなかったけど、しかし、それでもそれに関連した緊張は今でも続いている・・・・・
「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」も本作品も実話だけに、当時、国家に逆らっても、自分自身を危険にさらしても自分自身の正義感を通す様は、本当に凄いな・・・エネルギーのいることだからね。
毎年、この時期にヨーロッパの戦争事情関連の映画が公開されていますが、非常に毎年考えさせられます。
ジュディ・デンチの若い頃を演じているソフィー・クックソンですが、ジュディ・デンチの若い頃の役柄だけに緊張も有っただろうけど、堂々たる演技で、気落ちせずに演じている部分は、見直します。
しかし、本作品を見て主人公に、言いたい事を言いたい人もいるでしょうけど、しかし、仕方がないよね、当時の事を考えたら・・・
考えさせらました。
Mが。
Mが英国情報部に逮捕されるとはなんたる皮肉。
冗談はさておき「ヒロシマが・・」のあと何と言いたかったのか気になる。「ヒロシマの惨状が私の心を動かしたのよ」かな?
あと息子が母親の弁護士を務めるって実際できるの?法律には疎い私。
事実
彼女がした行為は果たして売国奴なのか平和の功労者か。
それが最大の焦点である今作品。
しかしながら、それを検証する術はないが、日本以外の国が核攻撃を受けていない現代までの史実を考えれば、ジョーンが行った行為を売国奴とは一概に言えないのではなかろうか。そう自分は思った。
第二次世界大戦前後の最低限の知識が必要
夫に先立たれ、仕事も引退したジョーン・スタンリーは、穏やかな一人暮らしを送っていた。ところが、ジョーンは突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。半世紀以上も前に、核開発の機密情報をロシアに流したというスパイ容疑だった。次々と明かされるジョーンの驚くべき真実。仲間や家族を裏切ってまで、彼女は何を守ろうとしたのか、というストーリー。
おばあちゃんの今と、第二次世界大戦前後の昔を行き来する展開で、話自体は面白く観れたが、主人公のジェーンの一貫性のなさには疑問が残る。
就く仕事も彼氏の紹介、その彼氏と宙ぶらりんのまま教授と不倫、散々核兵器の研究をしておいて実際に使われたらビビってソ連に核兵器の情報を流す…など。
息子に責められて信念を持ってスパイ活動をしたと言っても説得力があまり感じられない。
ただ、話の持っていき方や、俳優陣の熱演で実際に観てる最中はそこまで気にならない。
教授のキャラクターが個人的には好きでした。
都合がいい
103本目。
ジュディ・デンチの実年齢は知らないけど、実年齢より更に老け役を演じてる感じ。
面白いと思いながら観てたけど、ヒロシマ、ナガサキと出てきた辺りから、時期が時期だけに複雑な気分。
実話を基に作ってあるから、どこまでかは知らないけど、ジョーンは男にしてみりゃ都合のいい女なんだなぁと。
信念もあるんだけど、結局はね。
結局、女はイケメンに弱い・・
気の毒だけど「ジョーンは最初から利用されただけだった」ってとこかな。
ソニアが偶然を装って窓からジョーンの部屋に入れてもらうけど、恐らく"理系女子"のジョーンはスパイ候補者として最初から目を付けられていたんだと思う。そしてイケメンのレオを紹介されて思惑どおりあっさり恋仲に。
残念ながらジョーンの主張には1ミリも共感できなかったな~(笑) 全部息子の言ってることに激しく同意!いやいやいや、国家機密をソ連に"シェア"とか、"同じ西側の同盟国として"とか、"パワーを分散させれば戦争は避けられる" とか、恋人の国を信じたいのだろうがあまりに個人的な感情と思い込みだけで、情報を簡単に漏らしてしまうのは身勝手としか言いようがない。しかも脅されたり、お金に困ってとか何かやむを得ない事情があったわけでもないのに自ら進んで情報提供、、。もし暴走したソ連がイギリスに原爆落としたらどうするつもりだったのか。
マックスに全てを打ち明けるシーンで泣いていたが、全く心に響かなかったなー、全部自分がやった事じゃん、泣きたいのは貴女を信じてたマックスの方だよ。。
「私は世界を救った」などと大上段なことを言ってたけど、単に"男に溺れて機密情報渡しちゃいました"なんて惨めでカッコ悪すぎるから、大そうな理由を後付けで考え出したんじゃないかと思ってしまう。彼女が情報漏洩してなくても結果は同じ、核戦争は起きてなかったと思う。あくまで想像ですが、実際のジョーンはボーイフレンドの1人もいない、地味な不美人だったのではないかという気がする。ソフィー・クックソンみたいな美人だったら既に彼氏がいただろうし、出会った男に次々と落ちてないよな~と。
この映画を見て「だから女は信用できない」と思われそうで(まぁ、自分もそう思うが・・)同性として遺憾だ。あのSTAP騒動の彼女もだけどリケジョって何か思い込み激しい人が多いのだろうか? 黙って実験ばかりやってるとああなってしまうのか?もう少し事の重大さに気付ける精神的な成熟があれば、、国家機密を漏洩した犯人は、子供っぽい1人の女だった、という皮肉。"あの時代だから"とか関係無いと思うな~、国家を裏切る以前に一緒に働いてる仲間を簡単に裏切れるってどの時代でも怖い。恐らく口の軽い女は昔から存在していて、だから重要な仕事は女には任せられない、って風潮が現代でも続いてるんだろうね。今でも会議は男だけでよく集まってるもんね。まぁそうなっても仕方ないよね~と思わされる主人公の幼稚で軽率な行動でした。同性だけど彼女を擁護できないな。
ソフィー・クックソンはイギリスの横山めぐみ(若い頃の)って感じか?
ジュディ・デンチのお陰で重厚感ある作品になっていて最後まで飽きずに鑑賞できたが、いかんせん主人公に共感できる人は恐らく少数派なストーリーなので興収は期待できないだろう。
そのきっぱりとした生き方は肯定されていいのではないか
戦争に関する映画や芝居は倦むことなく制作され続けるし、飽きることなく鑑賞される。大林宣彦監督の遺作となった「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」も少し風変わりではあるが、戦争映画であることは間違いない。今年(2020年)の7月に新宿のサザンシアターTAKASHIMAYAで上演したこまつ座の芝居「人間合格」もある意味で戦争の話だった。
戦争映画や戦争舞台が上映され上演され続けるのは、熱しやすく冷めやすい人類がかつての悲劇を忘れてまたぞろ戦争を始めてしまうのではないかという危惧があるからだ。だから芸術家たちは人類が戦争を忘れないために戦争映画を作り、戦争の絵を書き、戦争の曲を作る。常に反戦運動をし続けなければならないほど、人類というものは愚かなのである。
本作品も戦争映画のひとつと言っていいと思う。ジュディ・デンチが演じた年老いた方のジョーンの台詞「あの頃は戦争、戦争の連続だった」というのは第二次大戦当時のイギリス人の本音だろう。だからなんとしても核戦争の勃発を阻止したかった。科学者であった彼女には、核兵器がどれほどの被害を生じさせるか予測がついていたはずだ。
広島に落とされた原爆リトルボーイに使われた核物質はウラン235である。長崎はファットマンと名付けられた爆弾で、こちらにはウラン238を原料に生成されるプルトニウムが使われている。威力はファットマンの方がやや上である。
本作品には、核を分裂させて中性子を出させるのに遠心力を使うことをジョーンが提案するシーンが出てくるが、実際に遠心力によって陽子を光速に近いスピードにまで加速させて原子にぶつけて核を分裂させる実験が、後の原爆開発に直結している。ちなみに用語として出てくる同位体はアイソトープ(同位元素)と呼ばれ、同じ元素で中性子の数が異なるものを言う。水素と重水素などが同位体である。中には不安定な同位元素もあり、崩壊して放射線を発するものがある。これが放射性同位元素(ラジオアイソトープ)である。
原子核(Nuclear)が分裂すると大きな熱と放射線を出す。分裂が次々に起こることをNCR(Nuclear Chain Reaction=核の連鎖反応)と呼び、より大きなエネルギーと放射線を放出する。これが原爆の基本的なメカニズムだ。これらの言葉を知っていると研究所のシーンがより深く理解できると思う。ちなみにコロナ禍の対策として進められているPCR検査はPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)である。
原爆は途方もない威力を持っているだけに、その制御も相当に難しい。核分裂はいつ暴走するかわからない。世界各地の原子力発電所にある59基のうち稼働しているのが10基に満たないことからも、制御の困難さが伺える。超小型原子力エンジンを搭載した鉄腕アトムは存在しようがないのである。
若き日のジョーンが心配したのはヒロシマ、ナガサキの繰り返しだ。1945年当時、独立から200年も経っていない若い国であるアメリカがこれほど大きな大量破壊兵器を持ってしまったことは、世界の軍事力の極端な不均衡に直結する。極端な不均衡は再び侵略戦争を招き、人類に大きな被害を齎すに違いない。ジョーンはそう考えたのだ。
ジョーンの決断には賛否があるだろうが、核兵器が大量破壊兵器であることは誰も否定できないし、それを使うことが非人道的であることも世界中で解っていると思う。小型の核兵器なら憲法上、所有しても差し支えないと堂々と言い放った暗愚の宰相もいたが、原発が常にチャイナシンドロームの危険性を孕んでいるのと同じで、核兵器を所有すればその核兵器によって膨大な犠牲者が出る危険性が常にあることは理論的に当然である。憲法上は如何なる核兵器も持ってはならないのは子供にも解る。
世界は核兵器に満ちている。ジョーンの息子は母親に愛国心がないと言い、母親は私こそ愛国者だと言い返すが、愛国者が核兵器を使用するということをふたりとも解っていないようだ。イスラム国も元はと言えばアメリカが弾圧した愛国者なのである。イスラエルとアラブの紛争も愛国者同士の争いだ。
人類はいい加減、国家という共同幻想の呪縛から自由になったらどうなのだろうか。たまたまその国に生まれたからと言って、その国を祖国と呼んで愛さねばならない理由はどこにもない。国家間の利害の対立は愛国者同士の利害の対立だ。愛国心などという狭量な精神性から脱して、国際人として活躍する人はたくさんいると思う。別に外国に住まなくてもいい。インターネットの時代だ。どこに住んでも仕事はできる。自国のことよりも人類全体を考える。そういう人が増えていけば、戦争映画が作られる必要がなくなる世界が来る可能性が僅かながらあるかもしれない。
戦争の話ばかり書いてしまったが、本作品には核開発と戦争の他にも沢山のテーマが盛り込まれていて、当時の女性の地位の問題、暗躍するKGBやMI6といった諜報機関による人権侵害、そして家族間の信頼の問題、身近な人間による欺瞞と裏切り、それに戦時中の青春模様など、作品としての見ごたえは十分だ。戦争当時の映像と現在の映像が明らかに異なるのもわかりやすくていい。
波乱万丈の体験をしてきたジョーンは、ジュディ・デンチの名演もあって、年老いていても、言いしれぬ存在感を感じさせる。大した女性なのである。若き日の決断はともかく、そのきっぱりとした生き方は肯定されていいのではないかと思う。
ジョーンは正しかったのか...?
75年前、長崎に原爆が投下された今日に導かれるよう観賞。
「ヒロシマ」
マットとの面会でジョーンが泣きながら発した耳慣れた日本語に
胸がギューっと締め付けられた…。
ジョーンは正しかったのか...?
観終わった後、いろいろ考えるんだけど、
自身の考えがまとまらず思考がグルグルするばかり。
平和を望む気持ちは解る。
ただ、ソ連とイギリスが同等の力を持てば戦争は起らないという考えは短絡的過ぎないか?
だったら、両方ともが開発できない方向に持って行くことはできなかったのか?
女性蔑視の著しい時代の中で自分の知識を認められたかったという気持ちは少しもなかったのか?
あの時代のあの状況の中にいたら、ああするしかなかったのか?
自分の正義を信じた行動に彼女は揺るぎがひとつもない。そして、息子はそれを信じた。
こんなふうに文字にしていてもグルグルして、思考がまとまらない。
ただ、二度と広島や長崎のような悲劇が起こってはいけないと強く思った。
ジュディ・デンチとソフィー・クックソンが素晴らしかった。
信念を貫いた女性
男に惑わされて、スパイ行為をした女性の話かと思ったけど、彼女は彼女なりの信念『東西のバランスを取って戦争が引き起こされないように』それを行った。
(ジョーンに拒まれてあの結果なレオよりも、ジョーンの信念は強かったのではないかと)
だからこそ、息子も最後には弁護を引き受けたのかな。
力は人を狂わせる。既に戦争の勝敗はほぼ決まっていたのに、威力を試すため、力を誇示するために必要の無かった原爆を二発も落とす国があるのだがら、彼女が危機を持つのは最もかもしれない。
〝抑止力〟もコマの一部
劇中で、えっ、そんなに❗️としばらく思考停止したのが、ソ連の死者数でした。確か、レオが言ってました。
「この戦争の死者6000万人のうち、2000万人がソ連だ」
ネットで調べたら、本当でした。
以下、主な国の死者数を記します。( )の中はその内の民間人の数です。単位:万人
ソ連 2060(700)
中国 1320(971)
英 38(24)
仏 60(40)
米 29(0)
独 690(267)
日本 310(80)
※オーストリアとポーランドで亡くなったユダヤ系民間人は335万人。
この数字を、当時の状況に置かれていた中で知ったとしたら、ソ連にも〝抑止力〟を与えたい。
そんな気持ちが起きるのも分からないではないような気がしてきました。
(日本人としては、中国の民間人の死者数の大きさもとても気になります。)
コロナ禍による死者数を戦死者と比較する報道がたまにありますが、最近のアメリカでの感染拡大を見てると、今年中に先の大戦の戦死者数を超えるかもしれません。
立場が違えば仕方ない、とはいえ、10万人単位の死者を一発で出すことのできる〝抑止力〟もまたコマの一部でしかない現実の恐ろしさは十分に伝わってきました。
“ばあばスパイ”と呼ばれた実在の人物をモデルにした、イギリスのベス...
“ばあばスパイ”と呼ばれた実在の人物をモデルにした、イギリスのベストセラー小説が原作。
派手さはあまり無いし、エンタメ要素も薄いですが、役者さんたちの演技の上手さがひかるなかなか見応えのある作品でした。
小説のモデルとなった人物を演じるのは
ジュディ・デンチ。
彼女はさすがの貫禄。かなりしなびた感じの役柄なのに、深く刻まれた皺で語りかける表情が素晴らしかった。
ジュディの若き頃を演じるのは
ソフィー・クックソン
彼女がまたいい感じなんですよね~
とびきり美しいというわけでも無い気がするんですが(←何様だよ)ストーリーが進むにつれすっかり彼女に魅せられてしまいました
後から知りましたが「キングスマン」に出演してました(キンギスマン観てたのに全く気がつかずw)
第二次世界大戦へ走り出すイギリスの状況、
イデオロギーと愛の狭間で揺れる心、
そして、僕ら日本人の心に突き刺さる広島、長崎。
彼女が取る行動の理由付けが少し飛躍した感じにも思えましたが、様々なテーマを上手く展開させてゆく脚本は個人的には、なかなか好みでした。
本作のようなテーマだと120分超えも珍しくないですけど、101分なのであまり構えることなく観られるかもしれません。
ただ、原題「Red Joan」なんですよね。
Redは、あちらの“赤”を差している思うので原題のままのほうが面白い気がするな
寝ちゃった笑
淡々と進むもんだから寝ちゃったわ!
行く前に炭水化物摂りすぎたかな。
起きたら一個あけて隣のおばちゃまが泣いてたから
悲しい感じなのかなって、なんか一緒に泣いたよね。
そして、不倫?繋がった人?
デビット伊東に見えてなんか笑った。
最初と最後だけ観たらいいかもー。
ロクサーヌ
ソフィークックソンのファンだから画面見てるだけで楽しめた。男優陣が魅力ないなぁ。お色気シーンもあるけどボディダブルな雰囲気。
ロクサーヌ、ミサイルでやられたけど実は生きてて復活してくれないかしら。
【民主主義と共産主義のパワーバランスを保つ為に・・】
-1938年 ケンブリッジ大で物理を学ぶジョーンに、様々な人々が近づいて来る・・。物語は当時と2000年、機密情報漏洩で逮捕された年老いた二人のジョーンを交互に描きながら進む。-
・ユダヤ系ロシア人、ソニア
-美しい女性だが・・。酔っ払ったふりをして、わざわざジョーンの部屋迄登って来たのかな?諜報活動のプロだなあ・・。怖い怖い、一番怖いヒトではないかな?-
・ソニアの恋人レオ
-イケメン、論説が上手い。ジョーン、イチコロ・・・。けれども、結局は"駒"に過ぎない・・。-
・ミッシェル卿
-外務省勤務だが・・・。2000年、全てを知っていた彼の死から、物語は始まる。-
■ジョーンの"若気の至り"
・レオにあっさり惚れたり(気持ちは分かる・・)、1941年核兵器開発機関の事務員として働き始まると、マックス・デイビス教授とカナダに共同研究に赴く船で"アッという間"に結ばれたり、・・
-周囲に"感化"されやすいヒトなんだね・・-
・で、"愚かしき"トルーマンが行った事をテレビで見て、自らが手を染めている事の恐ろしさに気付き・・
・一度は別れたレオに再び翻弄されるし・・
-息子ニックも怒り、呆れるよな・・-
〈ジョーンの行った事に対する考え方はイロイロあると思うが、彼女の"人としてのガードの甘さ"が、根本的な問題だろう。
2000年、記者達に対して"私のお陰で・・"というセリフには、説得力が私には全く感じられず、彼女も只の駒の一つでしかなかったのではないかな、強かな諜報機関にとっては。
ジョーンにとって、救いは弁護士の息子ニックの記者達に対しての言葉だろう・・。
この夏の終戦記念日の前に、苦い気持ちが残った作品。〉
全44件中、21~40件目を表示