MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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長澤さんが主演なので
【好きって何? その2】
大森作品としては「タロウのバカ」に続いて、「好きとは何か」を考えさせられる。
「タロウのバカ」のティーチイン上映会で、大森さんに、好きとはなんですかと尋ねたところ、自分にも分からないと…。
観た人がそれぞれ感じて考えてもらえたら嬉しいというようなことも言っていた。
「タロウのバカ」がさしずめ、ネグレクトの親の元で放置されたタロウの、友情の「好き」がテーマであるのに対して、「マザー」はネグレクトではあるものの常に共にあることを望む母親に対するものだ。
例え、歪んだものだとしても、共にいることで「好き」が成立するのか。
「タロウのバカ」は自分で「好き」を育むが、「マザー」の「好き」は狭い世界で外をあまり知らず、半ば強制的に「内向きに膨らんでしまった」もののように思える。
だから、余計に哀れで切ない。
そして、実は、このようなことは社会のあちこちにあるのではないかと思ってしまう。
親子の関係ではなくても、暴力を振るわれながらも、離れることができない男女の関係もそうだ。
この原案となった事件の作品を知っている。
打ち捨てられ、孤独で、世界から隔絶されたような親子が、正常でいられるとは、僕は思わない。
でも、もっと早くに施設に助けを求めれば良かったのだとか、我慢が足りないといった現実に即した意見や解決への提案もよく理解できる。
だが、それは、きちんと判断が可能なように育ったから言えることでもあると、自分の中に葛藤は絶えない。
こうした不幸な出来事が起きないように社会としてどうあるべきかを考えることは重要だ。
だからこそ、たとえ歪んでいるように感じたとしても、こうした愛情が存在していることを理解するのは重要なのだと考える。
例外的だと切り捨ててはダメだと思う。
ニュースで取り上げられるものを見て、憎しみを向けるだけでは解決できないことのようにも思うのだ。
重く辛いが、周りの人々の葛藤も含めて、多くの人に考える機会を与えるような作品だと思う。
何の意味あるの?
問題提起する作品
熱演なんでしょうけど・・・
最後の「告白」のための息苦しさ
社会の枠から外れて孤立し、底辺の荒んだ生活を続けるクズな母とその子どもたち。作品が描く人物像は、現実世界では殆どの人が関わることのないであろう非日常の世界であるが、映画やドラマでは比較的ありふれた姿であり、「誰も知らない」や「万引き家族」などでも近い人物が描かれた。
助けを差し伸べる手を振り払い、ゆきずりの男と過ちを繰り返す母と子は、作品としての圧倒的なリアリティはあるのだが、あまりの腐り具合に全く共感することはできず、現実感はない。前述したように珍しいテーマではないため、新鮮味や驚きもそこまで感じられない。とにかく暗い展開が続き、救いの無さに辟易すると同時にまだ続くのかと疲労が溜まってくる。
このまま終わっていればこの作品は駄作であった。しかし、最後の「告白」が全てを覆す。この「告白」のための息苦しさだったのか、苦痛に思えた展開が絶対に必要であったことを思い知らされた。
この映画はどうか最後まで見てほしい。途中で見るのをやめてしまったら本当に何も残らない映画であるが、最後まで見れば間違いなく記憶に刻まれる映画になるであろう。
裏万引き家族
働かず、生活保護も受けず、いつも誰かにお金をせびるか盗むかしてその日暮らしで生きている秋子とその息子周平が、堕ちていく話。
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ちゃんと育てられないのに変なところの母性(?)が強く、私の子供は渡したくない毒親と、こんな親でもお母さんのことが大好きな息子、2人が共依存の関係。
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周平がお母さんのことが好きなのは、生まれた時から学校も行けずに社会の隅で毒親に育てられちゃったもんだから世界が狭い。この親と離れた方が幸せになれるという考えがそもそもないんだろうな。
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『万引き家族』では、万引きにそこまで罪悪感もなく生きていた少年が駄菓子屋のおじちゃんに妹には同じことをさせるなって言われて、ちょっとずつ自分の価値観を身につけていけた。でもこの映画では、そういう新しい価値観を息子に教えてくれる人がいない。
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母親に関しては、男が働いて金を持ってきてくれるのが当然だから女の私が働くなんてありえないっていう甘えに見えた。だから男を手玉にとってお金をむしり取ろうとしたり、息子に全て押し付けたり。
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こういう女になってしまったのは本人だけじゃなくて、こういう女にほだされて気を許してしまう馬鹿な男たちにも責任があると思う。まともなこと言ってくれる人も結局やっちゃうんだもん。
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人間、愛情だけじゃ生きてけない。
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うん、ひたすら暗くなれる
ある意味わかっていたのですが、暗くなれました。
もともとこういう題材嫌いでないし、そういう意味で面白そうと思ったから観たはず。
しかし、秋子に共感できるところがあまりにも無さすぎたんかなあ。周平が可哀想すぎる。そのような母親が実は思っている以上に多いのは(少しですが)知っています。
自分とは違ったとしても共感できるところが欲しかった。それがあれば圧倒的に面白く感じると思うのです。
母親も子供も幸せを感じているのだろうか?救いが無さすぎて悲しいです。
しかし、そういう意味では印象的な映画です。
でも、僕は嫌いだ。
阿部さん、長澤さんの演技は流石です。そして夏帆さんの演技もいいし、もちろん好きなので星プラス0.5です。
長澤まさみの毒親が凄まじかった。 海街ダイアリーでの姉妹役の夏帆と...
後味は良くない…
もうや。
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