剣の舞 我が心の旋律

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剣の舞 我が心の旋律
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解説

クラシックの巨匠アラム・ハチャトゥリアンがひと晩で書き上げた名曲「剣の舞」の誕生秘話を描いた伝記ドラマ。第2次世界大戦中のソ連。レニングラード国立オペラ・バレエ劇団の団員たちは軍部の監視や物資の乏しさなど様々な困難に耐えながら、まもなく初演を迎えるバレエ「ガイーヌ」の練習を続けていた。音楽を担当するアラムは、振付家ニーナから連日のように変更を伝えられ修正に追われていた。そんな中、文化省の役人プシュコフが突然、完成した舞台の結末を変更した上に、最終幕に士気高揚する踊りを追加するよう命じる。公演開始まであと8時間に迫る中、自らの作曲家人生を懸けて理不尽な挑発に立ち向かうアラムだったが……。ウズベキスタン出身のユスプ・ラジコフが監督・脚本を手がけ、ハチャトゥリアンの自伝や記録、遺族の証言を基に、「剣の舞」完成前後の2週間に焦点を当てて描いた。

2019年製作/92分/ロシア・アルメニア合作
原題:Tanets s sablyami
配給:アルバトロス・フィルム

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(C)2018 Mars Media Entertainment, LLC, DMH STUDIO LLC

映画レビュー

3.5万人向きではないが、ロシア文化史に関心があれば

2020年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

萌える

日本人なら運動会のBGMでお馴染み、「剣の舞」の誕生秘話という触れ込み。だが憎たらしい文化省の役人や、ヒロインのバレリーナ・サーシャなどは架空の人物というから、ハチャトゥリアンをめぐる史実をある程度盛り込みつつ、エピソードを多数創作してドラマを成立させたのだろう。

ソビエト連邦時代、ハチャトゥリアンのルーツであるアルメニアも、ラジコフ監督が生まれたウズベキスタンも、中央のモスクワから見たらマイナーな民族が住む辺境の構成国。ロシアの多文化芸術はそうしたマイノリティが支えてきたという自負が監督にはあったはず。作曲家と役人の確執のエピソードにそんな思いが感じられる。

「剣の舞」を作曲する描写もなければ、初日舞台での踊りもさわりだけ。物足りなさは否めないが、サーシャ役ヴェロニカ・クズネツォーヴァの可憐さに救われる。監督の前作「Turkish Saddle」にも出演しており、お気に入りのようだ。

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高森 郁哉

3.5浅田真央ちゃんが2009年、10年のショートとフリープログラムで使...

2020年10月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

浅田真央ちゃんが2009年、10年のショートとフリープログラムで使用した楽曲が「仮面舞踏会」なんですが、この仮面舞踏会の作曲家アラム・ハチャトゥリアンのお話しということで鑑賞。
メインストーリーは「剣の舞」をひと晩で書き上げることになるまでのお話し。
人間関係の描き方はちょっと面白かったんですけど、アルメニア人であるハチャトゥリアンが、第二次世界大戦中のソ連の規制下でどんな気持ちで作曲したかの辺りは、思いの外あっさりめな味付け。
楽しみにしていた「仮面舞踏会」もほんの少ししか流れなくて、個人的に残念感が勝った作品でした

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ワイルドとみまる

2.0誰?

ひでさん
2020年8月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

105本目。
ドタバタ劇ではあるんだけど、落ち着いた流れだから、そんな感じは一切しない。
この作品の目的は?と思いながら観てたけど、作曲者の事知らないから最後に、ああ聴いた事あるって。
そうだよな、知ってりゃ券買う時に、けんのまい、って言ったりしない。
つるぎのまい、って言われた時は、光GENJIかよって思ったくらい。

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ひで

2.0尻切れトンボ感は否めない

2020年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 どうにも盛り上がりに欠ける作品で、登場人物の誰にも感情移入できなかった。主人公はとても落ち着いた紳士で安心感があるのはいいのだが、その内面にある苦悩が上手く描かれていないので、物語が空回りしてしまう。映画自体があまり熟れていないのだ。
 普通に起承転結のストーリーにすれば主人公に生い立ちも含めて感情移入できただろうと思うし、剣の舞の作曲と初演奏に向けて盛り上がった筈だ。過去と現在の行ったり来たりが判りづらく、ひねり過ぎの感がある。
 演出家は音楽の経験がないのか、俳優が演奏するシーンで違和感があった。一流の演奏家は演奏する姿も美しい。プロゴルファーのスイングが美しかったり、プロテニスプレイヤーがどんな態勢でも基本のフォームで打ち返すのと同じである。ショスタコーヴィチはバイオリンを上手に弾くことは出来なかったとは思うが、それでもあれほど不格好にヴィオラを演奏することはない。ハチャトリアンのチェロ演奏もぎこちなさ満載で、このシーンは本当にがっかりした。

 好意的に解釈すれば本作品は次のようにも受け取れる。
 アルメニア出身のハチャトリアンは幼い頃に母から豊かな愛情を受けて育ったので、温厚で慈悲深い人格者となった。思索するのに言葉ではなく音で考えると言うほど音楽にのめり込んでいる。作曲は楽器を使わず頭の中に響く音を直接楽譜に載せる。列車の音は彼にとって別れの音だし、父の思い出は親しみのある声とともに彼の心のなかに生きている。
 ふるさとの美しい山々はそれ自体が音楽であり懐かしい拠り所だ。出身地であるアルメニアとアルメニア人の受けた迫害を忘れずに曲のテーマにしていきたいと思っている。剣の舞は戦争を鼓舞するのではなく、悲しみの舞だったのだ。一方で愛国者には理解を示し、出征する兵士に無理をしてバレエを見せる。流石に踊りのシーンはとても美しいが、兵士たちの頭の中には早くも戦場の残忍な音が響き始めている。
 ハチャトリアンは人々が悪意を傍観することがファシズムを生んだと考えており、その洞察力は政治から人間関係にまで及ぶ。サックス吹きの悲劇は政権の威を借りた小役人プシュコフの悪知恵によるものだ。プシュコフはかつて主人公とともに音楽を学んだ仲だが、アルメニアの悲劇を軽んじる彼にハチャトリアンは一度だけ怒りを爆発させたことがある。音楽の才がなかったプシュコフはその後権力の側に立ってハチャトリアンの前に登場した。復讐だろうか。
 プシュコフが公演を許可しなければ劇団の存続にも影響があり、プリマのサーシャは憎むべき小役人の慰みものとなる。権力を笠に着てスターリニズムを大義名分にやりたい放題のプシュコフに不快感を感じながらも、主人公にできることは作曲をすることだけだ。そしてハチャトリアンは公演を成功させるために渾身の曲を書き上げる。偉大な曲の前ではプシュコフなど、躓きさえしない小石のような存在に過ぎなかったのだ。

 という訳で、もともとドラマチックなハチャトリアンの人生だから素直に演出して素直に編集すれば感動的な作品になった気がする。ガイーヌの上演は最大のクライマックスだから、もうちょっと盛り上げ方を工夫できたはずだ。「バラの娘」と被るのを避けたのかもしれないが、剣の舞の曲があるとないとでバレエ団の雰囲気はガラッと変わるはずだから、同じようなシーンを繰り返してもよかった。世界的な評価よりもハチャトリアンの周囲がどのように変わったのかが、観客にとって何よりも気になるところなのである。本作品はサーシャのその後や振付師との確執のその後などがちっとも描かれず、尻切れトンボ感は否めない。え、終わり?という感じで映画が終わったのは久しぶりだ。必要なシーンが決定的に不足している作品だった。

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耶馬英彦
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